みらい(新人医療事務)
先日、院長から「うちも看取り加算を算定できないか確認してほしい」と言われたんですが、これって有床診療所だけが対象の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度(2026年度)の診療報酬では、有床診療所入院基本料(区分番号A108)の「注7」に規定されている加算です。有床診療所に入院している患者を、入院した日から30日以内に看取った場合に算定の候補となります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ一般の病院には関係ない加算なんですね。点数はいくらですか?
あおい(元・医療事務)
点数は届出の種別によって異なります。一般の有床診療所であれば1,000点、在宅療養支援診療所(退院時共同指導料1に規定するものです)の場合は2,000点を算定できる可能性があります。1点が10円ですので、1,000点なら10,000円、2,000点なら20,000円の加算相当になります。
看取り加算の点数区分(令和8年度)

| 医療機関の種別 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| 有床診療所(一般) | 1,000点 | 入院から30日以内の看取りが対象 |
| 在宅療養支援診療所(有床) | 2,000点 | 退院時共同指導料1に規定するもの |
みらい(新人医療事務)
在宅療養支援診療所だと2倍になるんですね。うちはどっちになるかは、届出の状況で変わるということでしょうか?
あおい(元・医療事務)
その通りです。在宅療養支援診療所の届出を行っている有床診療所であれば2,000点の算定候補になりますが、届出がなければ1,000点の区分になります。届出の状況は地方厚生局への届出内容を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
なるほど。点数は入院から30日以内という縛りもあるんですね。これは厳密に30日以内でないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、告示には「入院の日から30日以内に看取った場合」と明記されています。30日を超えると算定の対象外になります。なお「入院の日」の起算については、第2部通則5に規定する起算日に従いますので、過去に同一診療所に入院している期間がある場合は、それも含めた通算の入院期間で30日以内かどうか確認が必要です。
看取り加算の施設基準・算定要件
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんなものがありますか?届出が必要になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の施設基準通知(保医発0305第7号)では、看取り加算の施設基準として、「当該診療所における夜間の看護職員の数が1以上であること」が定められています。
看取り加算 施設基準(令和8年度)
- 夜間の看護職員配置: 診療所に夜間1名以上の看護職員が配置されていること
- 例外: 有床診療所入院基本料と有床診療所療養病床入院基本料の両方を届け出ている保険医療機関においては、届出を行っているいずれかの病床で夜間の看護職員数が1以上であればよい
- 届出: 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た診療所であること
みらい(新人医療事務)
夜間に看護師さんが1人いれば施設基準を満たせるということですよね。これ、夜勤専従でないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準通知(保医発0305第7号)の看取り加算の施設基準には「夜間の看護職員の数が1以上であること」と規定されていますが、当直での充足可否については明記されていません。当直の可否については地方厚生局や審査支払機関に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
そうなんですね。慎重に確認した方がいいということですね。届出はどのようにすればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
有床診療所入院基本料の届出とセットで行います。届出の添付書類は、保医発0305第7号(別添)に定める「様式12の6」(有床診療所入院基本料の看護配置加算、夜間看護配置加算、看取り加算又は看護補助配置加算の施設基準に係る届出書添付書類)を使用します。既に有床診療所入院基本料を届け出ている場合でも、看取り加算のための施設基準の適合状況を改めて確認し、必要に応じて変更届を提出することになります。
算定には届出が必要です
看取り加算を算定するには、施設基準への適合と地方厚生局等への届出が前提となります。施設基準を満たしていると思われる場合でも、届出が完了していなければ算定の候補にはなりません。必ず自院の届出状況を確認してください。
算定タイミングと診療録記載の要件
みらい(新人医療事務)
実際にいつ算定するんですか?患者さんが亡くなった日に算定するということでしょうか?
あおい(元・医療事務)
看取り加算は、入院患者を看取った時に算定します。入院中の患者が亡くなった日が算定日になります。算定のためには診療録への記載も必要です。
診療録記載(必須)
「注7」に規定する看取り加算を算定する場合は、看取りに係る診療内容の要点等を診療録に記載する必要があります。この記載がない場合、算定の根拠が確認できず返戻・査定の原因となる可能性があります。
みらい(新人医療事務)
記録がないと算定できないんですね。どんな内容を書けばいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
通知の原文では「看取りに係る診療内容の要点等」とあります。具体的には、看取りに至るまでの診療経過、患者や家族への説明内容、診療の要点などを記録することが求められます。様式の指定はありませんが、後から算定根拠が確認できる内容を残すことが重要です。
みらい(新人医療事務)
なるほど。「要点等を記録する」ということですね。
自院で確認する順番
- 自院が有床診療所(A108)の届出を行っているか確認する
- 看取り加算の施設基準(夜間の看護職員1名以上)を満たしているか確認する
- 届出状況を地方厚生局の届出一覧等で確認する
- 入院の日から30日以内であるか確認する
- 看取り後に診療録に診療内容の要点を記載する
- 審査支払機関への請求をレセプトで行う
算定確認の流れ(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
30日以内という制限がありますが、入院してすぐ亡くなった場合でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。「入院の日から30日以内」という上限はありますが、入院直後に看取った場合でも施設基準と届出を満たしていれば算定候補になります。逆に31日目以降になると対象外です。
夜間看護配置と看取り加算の関係
みらい(新人医療事務)
夜間に看護職員を置くという施設基準って、夜間看護配置加算を取ってれば自動的に満たせますか?
あおい(元・医療事務)
夜間看護配置加算2の施設基準は「夜間の看護職員の数が1名以上」ですので、夜間看護配置加算2を届け出ている有床診療所であれば、看取り加算の施設基準(夜間1名以上の看護職員)も満たしている可能性が高いです。ただし、両者は別々の加算で届出も別です。夜間看護配置加算の届出があるからといって、自動的に看取り加算の届出が完了しているわけではありません。
みらい(新人医療事務)
それは勘違いしやすいですね!
夜間看護配置加算と看取り加算は別の届出
夜間看護配置加算(注6)と看取り加算(注7)は、有床診療所入院基本料の中の別の加算です。夜間看護配置加算の届出があっても、看取り加算の届出は別途必要です。自院の届出一覧で看取り加算の届出有無を確認してください。
よくある取り漏れ・注意点
よくある取り漏れポイント
- 30日を超えてしまったケース: 入院31日目以降に亡くなった場合は算定できません。入院日から30日以内かどうかを確認する習慣をつけましょう
- 診療録記載の漏れ: 算定するなら「看取りに係る診療内容の要点等」の記録が必須です。記載がないと返戻・査定の原因になりえます
- 届出の未確認: 施設基準を満たしていても届出がなければ算定できません。開設・変更の際に届出漏れがないか確認が必要です
- 在宅療養支援診療所の届出確認: 2,000点が算定候補になる「在宅療養支援診療所」の届出があるかどうかも確認しましょう
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で看取り加算も変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
厚労省の令和8年度診療報酬改定の一次資料(告示・施設基準通知)を確認した範囲では、有床診療所入院基本料の「注7」に規定する看取り加算について、令和8年度の改定での変更は確認されていません(2026年6月・厚労省告示・施設基準通知ベース)。点数(1,000点・2,000点)、対象(入院から30日以内)、施設基準(夜間看護職員1名以上)は従来通りの内容です。
みらい(新人医療事務)
では令和6年度から算定できていた診療所は、令和8年度もそのまま継続できる可能性が高いということですね。
あおい(元・医療事務)
一次資料の確認範囲ではその通りです。ただし改定時には疑義解釈通知が複数発出されることもあります。算定を継続する場合も、最新の通知内容を確認することをお勧めします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
看取り加算って同じ月に他の加算と一緒に取れますか?
あおい(元・医療事務)
有床診療所入院基本料の「注8」には、当該診療所で算定できる入院基本料等加算のリストがありますが、看取り加算は「注7」に規定された加算ですので、そのリストとは別扱いです。同月内で有床診療所入院基本料を算定していて、施設基準・届出を満たしていれば、看取り加算の算定候補となります。ただし、具体的な他の加算との関係については、審査支払機関や個別事例で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
有床診療所療養病床入院基本料(A109)のほうでも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
施設基準通知(保医発0305第7号)では、「有床診療所入院基本料と有床診療所療養病床入院基本料のいずれも届け出ている保険医療機関においては、届出を行っているいずれかの病床で夜間の看護職員の数が1以上であること」と規定されており、療養病床でも施設基準を満たせる場合があります。留意事項通知(保医発0305第6号)でも「「注7」に規定する看取り加算は有床診療所入院基本料の(8)の例による。」と明記されており、療養病床への適用については有床診療所入院基本料と同様の取り扱いとされています。詳細は審査支払機関に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
「入院の日から30日以内」の「入院の日」って、この入院の開始日のことですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、基本的には当該入院の開始日です。ただし同一診療所への再入院の場合、第2部通則5に規定する起算日のルールが適用されます。過去の入院歴と通算されるケースもありえますので、再入院患者については特に注意が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や夜間の看護体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。