みらい(新人医療事務)
「看護職員夜間16対1配置加算」って名前だけ見ると難しそうです。うちの病棟でも算定候補になったりするんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
入院基本料に上乗せできる加算のひとつですよ。夜間の看護職員を手厚く配置している病棟を評価する加算で、令和8年度(2026年度)も設けられています。まずは全体像から確認していきましょう。
この加算はどういう加算?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どんな趣旨の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
正式名称は「看護職員夜間16対1配置加算」で、点数表上は「A207-4 看護職員夜間配置加算」の区分のひとつです。夜間、つまり夜勤帯の看護職員を、入院患者16人あたり1人以上の割合で手厚く配置している病棟に対して、入院基本料に上乗せして算定できる加算候補になります。留意事項通知では次のように説明されています。「看護職員夜間配置加算は、看護職員の手厚い夜間配置を評価したものであるため、当該基準を満たしていても、基本診療料の施設基準等の第5の1の(7)に定める夜勤の看護職員の最小必要数を超えた3人以上でなければ算定できない。」(令和8年度 留意事項通知)
みらい(新人医療事務)
「夜勤の看護職員を手厚く配置している病棟」を応援する加算、というイメージですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。同じA207-4の区分には「12対1配置加算」もありますが、今日は「16対1配置加算」に絞って確認していきますね。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな病棟が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算そのものが対象にできるのは、入院基本料のうち看護職員夜間配置加算を算定できる病棟に限られます。具体的には、急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟)の7対1・10対1、専門病院入院基本料の7対1・10対1のいずれかを算定している病棟が前提です。告示の注書きにはこうあります。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)のうち、看護職員夜間配置加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、当該基準に係る区分に従い、入院した日から起算して14日を限度として所定点数に加算する。」(令和8年度 医科点数表 告示)
みらい(新人医療事務)
「特別入院基本料等を除く」という一文も気になります。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特別入院基本料のような低い基準の入院基本料を算定している病棟は、そもそもこの加算の対象にならないという意味です。まず自院の病棟がどの入院基本料を算定しているか、を最初に確認する形になりますよ。
点数・コード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
気になる点数を教えてください!
あおい(元・医療事務)
「看護職員夜間16対1配置加算」には2つの区分があります。表にまとめますね。
| 区分 | 点数(1日につき) |
|---|---|
| 看護職員夜間16対1配置加算1 | 70点 |
| 看護職員夜間16対1配置加算2 | 45点 |
みらい(新人医療事務)
表の元になった、告示そのものの言い回しも見てみたいです。
あおい(元・医療事務)
告示の原文(令和8年度)はこちらです。「2 看護職員夜間16対1配置加算 イ 看護職員夜間16対1配置加算1 70点 ロ 看護職員夜間16対1配置加算2 45点」(令和8年度 医科点数表 告示)

みらい(新人医療事務)
「1」と「2」で25点も違うんですね。何が分かれ目なんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の厳しさが違います。次のセクションで詳しく見ていきましょう。参考までに、同じA207-4の区分にある「12対1配置加算」は1が110点、2が90点で、より手厚い配置区分になります。今日はあくまで「16対1」の話に絞りますね。
施設基準(自院で確認する項目)
みらい(新人医療事務)
施設基準がいちばん気になります。何を満たせば算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、確認すべきポイントを整理しますね。まず「看護職員夜間16対1配置加算1」(70点)の施設基準は、施設基準等の届出手続きの通知にこうあります。「3 看護職員夜間16対1配置加算1の施設基準 (1) 1の(1)から(5)まで、(7)及び(8)を満たすものであること。 (2) 当該病棟において、夜間に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。ただし、同一の入院基本料を届け出ている病棟間においてのみ傾斜配置できるものであること。」(令和8年度 施設基準等の届出手続きについて)
みらい(新人医療事務)
「1の(1)から(5)まで」って何のことですか?
あおい(元・医療事務)
同じ通知の「看護職員夜間12対1配置加算1」の施設基準を指しています。項目ごとに見ていきましょう。
16対1配置加算1(70点)が引用する要件
- (1): 年間の緊急入院患者数が200名以上の実績を有する病院、または「周産期医療の体制構築に係る指針」に規定する総合周産期母子医療センターを設置している保険医療機関であること
- (2): 年間の救急自動車・救急医療用ヘリコプターによる搬送人数を把握していること
- (3): 急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟)の7対1・10対1、専門病院入院基本料の7対1・10対1のいずれかを算定する病棟であること
- (4): 重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者の割合が一定以上であること(急性期一般入院料6または10対1入院基本料の病棟では、必要度Ⅰで0.6割以上、必要度Ⅱで0.5割以上)
- (5): 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票を継続的に記入していること
- (7): 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を整備していること
- (8): 夜間の看護業務負担軽減に関する項目のうち、アまたはウを含む4項目以上を満たしていること
みらい(新人医療事務)
結構な数の要件が積み重なっているんですね…!
あおい(元・医療事務)
そうなんです。加えて16対1配置加算1では、夜間の看護職員の配置人数として「入院患者16人(またはその端数を増すごとに1人)以上」という数値要件が上乗せされます。この人数基準を満たしていても、それとは別に、夜勤の看護職員の最小必要数を超えた3人以上を確保していなければ算定できないという下限要件が留意事項通知に定められています。人数基準・3人以上の下限、どちらも同時に満たす必要がある点に注意してください。
みらい(新人医療事務)
では、45点の「16対1配置加算2」はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
こちらは要件が絞られています。通知の原文はこうです。「4 看護職員夜間16対1配置加算2の施設基準 (1) 1の(1)、(2)、(5)及び(7)並びに3の(2)を満たすものであること。 (2) 急性期一般入院料2から6までのいずれかを算定する病棟であること。」(令和8年度 施設基準等の届出手続きについて)
16対1配置加算2(45点)が引用する要件
- 上記(1)(緊急入院患者数等)、(2)(搬送人数の把握)、(5)(評価票の継続記入)、(7)(負担軽減・処遇改善体制)を満たすこと
- 加えて、16対1配置加算1で示した「夜間看護職員16人に1人以上」の配置基準((2))を満たすこと
- 急性期一般入院料2から6までのいずれかを算定する病棟であること
あおい(元・医療事務)
16対1配置加算2は、重症度・医療看護必要度の患者割合基準((4))や夜間業務負担軽減の4項目要件((8))が求められない点が、1との違いになります。ただし対象は急性期一般入院料2〜6の病棟に限られます。
届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていたら、それだけで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、届出をしていることが前提です。「届出済みであれば候補」という考え方をしてくださいね。通知にはこうあります。「看護職員夜間配置加算に関する施設基準に係る届出は別添7の様式9、様式10、様式13の3及び様式18の3を用いること。」(令和8年度 施設基準等の届出手続きについて)
届出の確認ポイント
様式9・様式10・様式13の3・様式18の3を用いる届出です。部数の取り扱いや他の届出との併記可否など様式の詳細は、最新の届出様式・通知でご確認ください。
算定タイミング・回数制限の注意点
みらい(新人医療事務)
算定できる期間には制限があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、期間の上限があります。留意事項通知にこうあります。「看護職員夜間配置加算は、当該患者が入院した日から起算して14日を限度として算定できる。」(令和8年度 留意事項通知)
算定期間の上限に注意
入院した日から起算して14日が限度です。それ以降の入院日には、この加算は算定候補になりません。入院期間の管理と合わせて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
夜勤の人数もちゃんと数えないといけないんですよね。
あおい(元・医療事務)
そうです。留意事項ではさらに「当該基準を満たしていても、基本診療料の施設基準等の第5の1の(7)に定める夜勤の看護職員の最小必要数を超えた3人以上でなければ算定できない」とも定められています。夜勤の看護職員数が3人未満の日は、たとえ施設基準の届出をしていても算定候補にならない可能性があるので、日々の夜勤配置の記録が重要になりますよ。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
通知の中に、経過措置についての規定があります。「看護職員夜間配置加算について、令和8年3月31日において現に当該加算に係る届出を行っている保険医療機関にあっては、令和8年9月30日までの間、令和8年度改定後の看護職員夜間配置加算の重症度、医療・看護必要度の基準を満たすものとみなすものであること。」(令和8年度 施設基準等の届出手続きについて)
みらい(新人医療事務)
経過措置があるということは、何かが変わったということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、この経過措置の規定から、重症度、医療・看護必要度の基準について令和8年度改定で見直しがあったことは確認できます。ただし、前回改定(令和6年度)時点の具体的な基準値については、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。そのため、旧基準との数値の比較はここでは行わず、断定を避けます。自院に影響があるかは、最新の基準(このページの施設基準セクション)と、届出済みの内容を照らし合わせて確認することをおすすめします。
経過措置のポイント
令和8年3月31日時点で届出済みの医療機関は、令和8年9月30日までの間、改定後の重症度・医療看護必要度の基準を満たしているものとみなされます。この期間内に、新基準への対応状況を確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病棟はどこから確認したらいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると、こんな流れになります。

自院で確認する順番
- 自院の病棟が対象の入院基本料(急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料の7対1・10対1、専門病院入院基本料の7対1・10対1など)を算定しているか確認する
- 夜間の看護職員数が、入院患者16人ごとに1人以上(かつ実人数3人以上)を満たせているか確認する
- 重症度、医療・看護必要度の基準(16対1配置加算1の場合)や、急性期一般入院料2〜6の区分(16対1配置加算2の場合)に該当するか確認する
- 看護職員の負担軽減・処遇改善に資する体制、夜間業務負担軽減の項目数を満たしているか確認する
- 様式9・様式10・様式13の3・様式18の3を用いて地方厚生局に届出を行う
みらい(新人医療事務)
届出まで終わって、初めて算定候補になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出前の段階では、まだ「確認が必要」の状態だと考えておくのが安全ですよ。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな見落としってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れが起きやすいポイント
- 14日の期限切れ: 入院日から14日を超えた日にも、うっかりこの加算を算定候補として計上してしまうケース
- 夜勤3人未満の日の算定: 施設基準は満たしていても、実際の夜勤看護職員が3人に届かない日があるまま算定してしまうケース
- 16対1配置加算1と2の混同: 重症度・医療看護必要度の基準や入院料区分の違いを確認せずに、点数の高い区分(1・70点)で計上してしまうケース
- 経過措置期間の失念: 令和8年9月30日までの経過措置の適用有無を確認しないまま、新基準の要件だけで判断してしまうケース
みらい(新人医療事務)
逆パターン、つまり「本当は算定候補になるのに見送ってしまう」こともありそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。夜間の看護職員配置に自信がなくて確認自体をしていない病棟もあると聞きます。まずは自院の夜勤配置記録を数えるところから始めてみてください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や夜間の看護職員配置を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する加算として、看護職員夜間配置加算や急性期看護補助体制加算、夜間看護体制加算も合わせて確認しておくと理解が深まりますよ。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。