みらい(新人医療事務)
「看護必要度加算」って名前をよく聞くんですけど、これって一般病棟ならどこの病院でも算定候補になるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
そこ、誤解しやすいところです。看護必要度加算は令和8年度の点数表では、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)と専門病院入院基本料を算定する病棟が対象で、一般の急性期一般入院料などを算定する病棟とは仕組みが別なんです。まず対象になる病院の種類から確認しましょう。
みらい(新人医療事務)
え、一般病棟入院基本料(いわゆる普通の急性期病棟)は対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の点数表を確認すると、一般病棟入院基本料の加算項目一覧には看護必要度加算は含まれていません。看護必要度加算という名称の加算が算定できるのは、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)と専門病院入院基本料の2つに限られます。まずはご自身の病院がこの2区分のどちらかに該当するかを確認するところからです。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちは特定機能病院でも専門病院でもないと思うんですけど、それでも一度確認した方がいいですか?
あおい(元・医療事務)
対象区分に該当しない場合は、そもそもこの加算の算定候補にはなりません。逆に該当する場合は、その病棟に入院している患者のうち、重症度、医療・看護必要度の評価対象になる患者が算定対象になります。産科患者や15歳未満の小児患者は、重症度・看護必要度の評価対象から除外される点も押さえておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
患者さんによって算定できる・できないがあるってことですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。病棟単位で施設基準に適合しているかどうかがまず前提になり、そのうえで対象患者について1日につき加算する仕組みです。次は点数を見ていきましょう。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では、看護必要度加算1から3まで3段階に分かれていて、それぞれ点数が違います。表で整理しますね。
| 区分 | 点数(1日につき) | 対象入院基本料 |
|---|---|---|
| 看護必要度加算1 | 55点 | 特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)/専門病院入院基本料 |
| 看護必要度加算2 | 45点 | 特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)/専門病院入院基本料 |
| 看護必要度加算3 | 25点 | 特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)/専門病院入院基本料 |

みらい(新人医療事務)
加算1・2・3って何で分かれてるんですか? 病棟が選べるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
病棟が自由に選ぶというより、その病棟に入院している重症患者の割合によって、どの区分の施設基準を満たしているかが決まる仕組みです。次は施設基準を見ていきましょう。
施設基準(重症患者割合と測定方法)
みらい(新人医療事務)
施設基準って具体的に何を満たせばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
大きく2つあります。1つ目は、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価票を用いて、対象病棟に入院しているすべての患者の状態を継続的に測定し、評価を行っていること。2つ目は、直近3か月の測定結果に基づく重症患者の割合が、区分ごとに定められた基準を満たしていることです。
みらい(新人医療事務)
割合の基準も区分ごとに違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の施設基準通知の別表10で示されている基準は次のとおりです。
| 区分 | 重症度、医療・看護必要度Ⅰの割合 | 重症度、医療・看護必要度Ⅱの割合 |
|---|---|---|
| 看護必要度加算1 | 18%(1割8分) | 17%(1割7分) |
| 看護必要度加算2 | 16%(1割6分) | 15%(1割5分) |
| 看護必要度加算3 | 13%(1割3分) | 12%(1割2分) |
評価から除外される患者
重症度、医療・看護必要度の評価にあたっては、産科患者や15歳未満の小児患者などが対象から除外されると定められています。自院の対象病棟にこうした患者が多い場合は、評価の集計方法自体を確認しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
測定さえしていれば施設基準を満たしたことになるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、測定・評価をしていることに加えて、その結果として重症患者の割合が基準を満たしていることが必要です。測定はしているが割合が基準に届いていない、というケースもあり得るので、直近3か月の実績を確認する必要があります。
対象入院基本料(10対1・13対1の範囲)
みらい(新人医療事務)
「10対1」とか「13対1」って言葉もよく出てきますけど、これは何ですか?
あおい(元・医療事務)
看護配置の基準のことです。厚生労働省の施設基準通知では、看護必要度加算及び一般病棟看護必要度評価加算を算定する病棟について、10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)及び専門病院入院基本料)及び13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る)を算定する病棟が対象であることが明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、専門病院なら13対1でも対象になり得るけど、特定機能病院は10対1の場合に限られる、ということですか?
あおい(元・医療事務)
資料上はそのように読み取れます。ただし実際にどちらの区分に該当するかは、自院が現在届け出ている入院基本料の区分によって変わりますので、最終的には自院の届出内容と照らし合わせて確認することが必要です。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていれば、自動的に算定できるようになるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、施設基準に適合しているだけでは足りず、地方厚生局長等への届出が必要です。届出済みであれば算定候補になりますが、届出をしていない場合は、施設基準を満たしていても算定できません。
みらい(新人医療事務)
届出の有無、意外と見落としそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。特に病棟の重症患者割合が改善して基準を上回るようになったタイミングでは、区分の見直し届出が必要になることもあるので、定期的な確認をおすすめします。
算定タイミング・注意点
算定単位・除外患者に注意
看護必要度加算は1日につき算定する加算です。また、重症度、医療・看護必要度の評価対象から除外される患者(産科患者・15歳未満の小児患者など)については、評価の集計方法が変わる場合があるため、レセプト作成時に混同しないよう注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
併算定で気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
同じ病棟で一般病棟看護必要度評価加算という別の加算が算定されている場合もあります。名称が似ているため混同しやすいですが、看護必要度加算とは施設基準・点数が異なる別の加算です。自院がどちらを届け出ているか、あるいは両方を届け出ているかを区別して確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料(令和8年度の点数表・留意事項通知・施設基準通知)の範囲では、看護必要度加算1~3の点数(55点・45点・25点)、対象入院基本料(特定機能病院入院基本料の一般病棟・専門病院入院基本料)、および施設基準の重症患者割合の基準について、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月)。過去の資料では、一般病棟入院基本料(A100)側の10対1入院基本料に付随していた看護必要度加算が、平成30年度改定で急性期一般入院料の区分に整理された経緯があります。この整理は既に行われたものであり、令和8年度時点の新しい変更ではない点に注意してください。
「一般病棟なら対象」という思い込みに注意
一般病棟入院基本料(急性期一般入院料など)を算定している病院では、看護必要度加算という名称の加算そのものは対象になりません。看護必要度そのものは急性期一般入院料の区分(重症患者割合)で評価される仕組みに変わっているため、名称だけで自院に当てはめないことが重要です。

自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 自院が特定機能病院入院基本料(一般病棟)または専門病院入院基本料を算定しているかを確認する
- 対象病棟で重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価票による継続的な測定・評価を行っているかを確認する
- 直近3か月の重症患者割合を集計し、看護必要度加算1~3のどの基準に該当するかを確認する
- 該当する区分の届出を地方厚生局長等に行っているかを確認する
- 一般病棟看護必要度評価加算など、名称が似た別の加算と混同していないかを確認する
よくある取り漏れ
測定はしているのに届出が古いまま
重症患者割合が改善して、より高い区分(例: 加算3から加算2)の基準を満たすようになっても、届出内容を更新していないケースがあります。直近3か月の実績と、現在届け出ている区分にずれがないか、定期的な見直しが必要です。
評価対象外の患者を含めて集計してしまう
産科患者や15歳未満の小児患者は、重症度、医療・看護必要度の評価対象から除外されることになっています。これらの患者を含めたまま重症患者割合を集計すると、実際の割合とずれる可能性があるため、集計ロジックの確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象の入院基本料区分や重症患者割合、届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 一般病棟看護必要度評価加算 や 急性期看護補助体制加算 と合わせて確認しておくと、病棟全体の届出の抜け漏れに気づきやすくなります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。