みらい(新人医療事務)
「看護職員夜間12対1配置加算」って名前を見つけたんですけど、これってうちの病棟でも算定候補になったりしますか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。これは急性期の入院基本料に上乗せする加算で、夜間の看護職員配置を手厚くしている病棟を評価するものです。ただし対象になるかは病棟の種類や重症度・医療看護必要度の実績など、確認すべき条件がいくつもあります。順番に見ていきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします!まず、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、まずは加算の位置づけから確認していきましょう。
看護職員夜間12対1配置加算とは(令和8年度)
あおい(元・医療事務)
看護職員夜間12対1配置加算は、区分番号A207-4「看護職員夜間配置加算」の一区分です。夜間に看護を行う看護職員の人数を手厚く配置している病棟を評価する入院基本料等加算で、令和8年度(2026年度)時点でも制度として存在しています。
みらい(新人医療事務)
「夜間配置加算」には他にも種類があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。A207-4には「看護職員夜間12対1配置加算」と「看護職員夜間16対1配置加算」の2系統があり、それぞれさらに1・2の区分があります。この記事では「看護職員夜間12対1配置加算」(加算1・加算2)に絞って確認していきます。16対1配置加算は基準が異なるので、混同しないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、12対1のグループなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の告示ではこう整理されています。
根拠となる告示の記載
「A207-4 看護職員夜間配置加算(1日につき) 1 看護職員夜間12対1配置加算 イ 看護職員夜間12対1配置加算1 110点 ロ 看護職員夜間12対1配置加算2 90点」(厚生労働省告示・令和8年度診療報酬点数表より)
みらい(新人医療事務)
対象になる病棟や患者さんについても教えてください。
あおい(元・医療事務)
次は対象範囲を確認しましょう。
対象医療機関・対象患者
あおい(元・医療事務)
告示の注では、対象患者はこう定められています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)のうち、看護職員夜間配置加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)」とされていて、対象は入院基本料の届出病棟の入院患者に限られます。
みらい(新人医療事務)
「特別入院基本料等を除く」ってどういうことですか?
あおい(元・医療事務)
特別入院基本料のような一部の入院基本料は対象から外れる、という意味です。加えて、施設基準では対象となる病棟の入院基本料の種類も限定されています。留意事項通知に基づくと、次のいずれかを算定する病棟であることが前提です。
対象となる入院基本料の例(加算1の場合)
「次のいずれかを算定する病棟であること。ア 急性期病院一般入院基本料 イ 急性期一般入院基本料 ウ 特定機能病院入院基本料(一般病棟)の7対1入院基本料又は10対1入院基本料 エ 専門病院入院基本料の7対1入院基本料又は10対1入院基本料」(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)
みらい(新人医療事務)
つまり、療養病棟や回復期リハ病棟みたいなところは対象外ってことですか?
あおい(元・医療事務)
少なくとも今確認した一次資料の範囲では、急性期の一般病棟系(7対1・10対1相当)が前提になっています。自院の病棟がこの区分に当てはまるかどうかは、まず入院基本料の届出内容から確認する必要がありますね。
みらい(新人医療事務)
わかりました。じゃあ次は肝心の点数を詳しく見たいです!
あおい(元・医療事務)
では点数区分を整理しましょう。
点数区分(令和8年度)

あおい(元・医療事務)
令和8年度時点の点数は次のとおりです。
| 区分 | 点数(1日につき) |
|---|---|
| 看護職員夜間12対1配置加算1 | 110点 |
| 看護職員夜間12対1配置加算2 | 90点 |
みらい(新人医療事務)
加算1と加算2で20点差があるんですね。何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の細かい要件が違います。詳しくは次の「施設基準」で説明しますが、加算2は加算1の要件のうち一部(夜間の看護業務負担軽減に関する項目)が求められない、というイメージです。どちらも「1日につき」の加算である点は共通です。
みらい(新人医療事務)
算定できる日数に制限ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、あります。告示の注にこう書かれています。
算定日数の制限
「当該基準に係る区分に従い、入院した日から起算して14日を限度として所定点数に加算する。」(厚生労働省告示より)つまり、入院日から数えて14日間が算定の上限になります。
みらい(新人医療事務)
14日を超えたら算定できなくなるんですね。レセプトのときに気をつけないと。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ここは実務でうっかり見落としやすいポイントなので、次の「算定タイミング・注意点」でもう一度触れます。
みらい(新人医療事務)
点数はわかりました。次は施設基準を詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
では施設基準を一つずつ確認していきましょう。ここが一番のボリュームゾーンです。
施設基準
あおい(元・医療事務)
まず看護職員夜間12対1配置加算1の施設基準です。留意事項通知(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)の「第4の4 看護職員夜間配置加算」に定められています。
加算1の施設基準(抜粋)
「(1) 年間の緊急入院患者数が200名以上の実績を有する病院又は「周産期医療の体制構築に係る指針」に規定する総合周産期母子医療センターを設置している保険医療機関であること。」 「(2) 年間の救急自動車及び救急医療用ヘリコプターによる搬送人数を把握していること。」 (基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてより)
みらい(新人医療事務)
「緊急入院患者数200名以上」って、けっこうハードルが高そうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。救急対応の実績がある病院か、総合周産期母子医療センターであることが前提の一つになっています。加えて、算定する病棟の種類、重症度・医療看護必要度の基準も条件になります。
重症度、医療・看護必要度の基準(抜粋)
「看護職員夜間配置加算を算定するものとして届け出た病床に、直近3月において、入院している全ての患者の状態を、(中略)継続的に測定し、その結果、当該加算を算定するものとして届け出た病床に入院している患者全体(延べ患者数)に占める基準を満たす患者の割合が急性期一般入院料6又は10対1入院基本料を算定する病棟においては重症度、医療・看護必要度Ⅰで0.6割以上、重症度、医療・看護必要度Ⅱで0.5割以上であること。」(同通知より)
みらい(新人医療事務)
必要度の測定を継続していないといけないんですね。夜間の人員配置についても基準があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、あります。ここがこの加算の核となる部分です。
夜間の看護職員配置基準
「当該病棟において、夜間に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が12又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。ただし、同一の入院基本料を届け出ている病棟間においてのみ傾斜配置できるものであること。(中略)夜間に看護を行う看護職員の数が前段に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、前段の規定にかかわらず、3以上であることとする。」(同通知より)
みらい(新人医療事務)
患者数12人ごとに看護職員1人以上、しかも最低でも3人以上っていうことですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ここに加えて、看護職員の負担軽減・処遇改善に資する体制の整備や、夜間の看護業務負担軽減に関する項目(勤務間隔の確保、連続夜勤の制限、ICT・AI等の活用など)のうち一定数以上を満たすことも加算1の要件に含まれます。
夜間の看護業務負担軽減に関する項目(一部抜粋)
「次に掲げる夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む4項目以上を満たしていること。」(同通知より)具体的には、勤務終了から次の勤務開始までの間隔が11時間以上あること、連続夜勤が2回以下であること、ICT・AI・IoT等の活用による負担軽減などが挙げられています。
みらい(新人医療事務)
加算2はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
加算2は、加算1の要件のうち一部だけで足ります。通知にはこう書かれています。
加算2の施設基準
「看護職員夜間12対1配置加算2の施設基準 1の(1)から(7)までを満たすものであること。」(同通知より)
みらい(新人医療事務)
つまり、加算1にあった「夜間の看護業務負担軽減に関する項目」の要件だけが加算2では求められない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
資料の記載を素直に読むとそういう整理になります。加算1のほうが要件が一段多く、その分点数も高い、という構造ですね。
みらい(新人医療事務)
施設基準、思ったよりボリュームがありますね……。
あおい(元・医療事務)
一つひとつは自院の勤務体制や届出済みの入院基本料と照らし合わせれば確認できる内容です。次は届出の話に進みましょう。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準はわかりました。じゃあ届出ってどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
届出に必要な様式についても通知に記載があります。
届出に関する事項
「看護職員夜間配置加算に関する施設基準に係る届出は別添7の様式9、様式10、様式13の3及び様式18の3を用いること。」(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてより)
みらい(新人医療事務)
複数の様式が必要なんですね。入院基本料の届出とは別に出す必要があるんですか?
あおい(元・医療事務)
通知では「入院基本料等の施設基準に係る届出と当該施設基準を併せて届け出る場合であって、別添7の様式9を用いる場合は、1部のみの届出で差し支えない」といった取り扱いも示されています。実際の届出方法は、地方厚生局への確認や自院の届出担当者との連携が必要になりますね。
みらい(新人医療事務)
届出済みかどうかは、どこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の届出状況は、通常は自院の医事課・地方厚生局への届出台帳で管理されています。まずは自院がすでに「看護職員夜間配置加算」の届出をしているか、届出内容が12対1配置加算に該当するかを確認するのが第一歩です。届出をしていなければ、算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
届出、地味に大事なポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。施設基準を満たしていても、届出をしていなければ算定できません。次は算定のタイミングや注意点をまとめて確認しましょう。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
あおい(元・医療事務)
すでに触れましたが、算定できるのは入院した日から起算して14日が限度です。加えて、留意事項通知にはこんな記載もあります。
夜勤の最小必要数を超える人員が前提
「看護職員夜間配置加算は、看護職員の手厚い夜間配置を評価したものであるため、当該基準を満たしていても、基本診療料の施設基準等の第5の1の(7)に定める夜勤の看護職員の最小必要数を超えた3人以上でなければ算定できない。」(A207-4に関する留意事項通知より)
みらい(新人医療事務)
最小必要数を「超えた」人数が必要なんですね。ぎりぎりの人員だと算定候補にならないということですか?
あおい(元・医療事務)
資料の記載を踏まえると、そう読み取れます。基本診療料の施設基準で定められた夜勤の看護職員の最小必要数を上回る配置が前提になっている、という点は見落とさないようにしたいですね。
みらい(新人医療事務)
併算定についても確認しておいたほうがいいですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。この加算は同じ区分(A207-4)の中で「12対1配置加算」と「16対1配置加算」のいずれか一方の該当区分を算定する形になります。他の入院基本料等加算との組み合わせについては、当該加算・関連加算の告示・通知に定められた取り扱いを個別に確認する必要があります。当サイトが収録している一次資料の範囲を超える組み合わせの可否については、審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
わかりました。次は改定の変更点も気になります。
あおい(元・医療事務)
前回改定との比較も見ておきましょう。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
あおい(元・医療事務)
看護職員夜間配置加算そのものは令和8年度(2026年度)以前から存在する加算です。今回確認した一次資料(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて・令和8年3月5日 保医発0305第7号)には、次のような経過措置の記載があります。
経過措置の記載(重症度・医療看護必要度の基準に関する見直しを示唆)
「看護職員夜間配置加算について、令和8年3月31日において現に当該加算に係る届出を行っている保険医療機関にあっては、令和8年9月30日までの間、令和8年度改定後の看護職員夜間配置加算の重症度、医療・看護必要度の基準を満たすものとみなすものであること。」(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてより)
みらい(新人医療事務)
この経過措置があるということは、重症度・医療看護必要度の基準が令和8年度改定で見直された、ということですか?
あおい(元・医療事務)
この経過措置の存在から、重症度、医療・看護必要度の基準に何らかの見直しがあったことは読み取れます。ただし、前回改定(令和6年度)時点の具体的な基準値との比較は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。点数(加算1110点・加算290点)自体の新旧比較についても、今回参照した資料の範囲では変更の有無は確認されていません。既存の届出内容がある場合は、経過措置の期限(令和8年9月30日)も含めて、自院の届出内容を最新の基準と照らし合わせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
経過措置の期限、うっかり忘れそうです。メモしておきます。
あおい(元・医療事務)
そうですね。次は自院で確認する順番を整理しましょう。
自院で確認する順番

あおい(元・医療事務)
これまでの内容を、確認する順番として並べるとこうなります。
自院で確認する順番
- 自院が対象となる入院基本料(急性期病院一般入院基本料・急性期一般入院基本料・特定機能病院入院基本料の7対1/10対1・専門病院入院基本料の7対1/10対1等)を算定している病棟かを確認する
- その病棟で重症度、医療・看護必要度の基準(急性期一般入院料6又は10対1入院基本料の場合は必要度Ⅰで0.6割以上・Ⅱで0.5割以上)を満たしているか、継続的な測定結果を確認する
- 夜間の看護職員配置(患者数12人ごとに1人以上、かつ最小必要数を超える3人以上)が実現できているかを確認する
- 加算1を目指す場合は、夜間の看護業務負担軽減に関する項目(勤務間隔・連続夜勤・ICT活用等)を4項目以上満たせているかを確認する
- 施設基準に係る届出様式(様式9・様式10・様式13の3・様式18の3)を準備し、地方厚生局への届出状況を確認する
みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、自院がどこまで進んでいるか整理しやすそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に1と2は病棟単位で結果が変わるので、複数病棟がある場合は病棟ごとに確認するのがおすすめです。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
実務でよくある確認漏れをいくつか紹介しますね。
取り漏れやすいポイント
「14日の算定日数の上限を超えて算定してしまっていないか」「夜間の看護職員数が最小必要数ぎりぎりで、加算に必要な『超えた3人以上』の要件を満たせていないか」「重症度、医療・看護必要度の測定・記録が継続的に行われているか」「経過措置の期限(令和8年9月30日)を過ぎても旧基準のままになっていないか」の4点は特に確認しておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
14日の上限と、経過措置の期限、両方とも「期限」がポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。期限に関わる要件はレセプト提出後に指摘を受けやすいポイントなので、院内でのチェック体制を作っておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や夜間の看護職員配置人数を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて、上位区分にあたる看護職員夜間配置加算の概要ページや、関連する急性期看護補助体制加算のページも参考にしてみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。