みらい(新人医療事務)
あおいさん、休日往診加算ってどんな加算なんですか?往診料とは別に算定できるものですか?
あおい(元・医療事務)
はい、休日往診加算は往診料(C000・720点)に上乗せして算定する加算です。医科点数表の告示上の正式名称は「夜間・休日往診加算」で、夜間・休日どちらに往診をおこなっても同じ点数区分が使われます。この記事では、そのうち「休日」に往診した場合にしぼって整理しますね。令和8年度(2026年度)の点数では、医療機関の区分と患者の状態によって405点〜1,700点の幅があります。
みらい(新人医療事務)
意外と幅が広いんですね。まず休日って具体的にいつを指すんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の留意事項通知に定義があります。
「休日」の定義(令和8年度)
休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日及び3日並びに12月29日、30日及び31日は、休日として取り扱う。
あおい(元・医療事務)
つまり、日曜・祝日に加えて、正月三が日(1/2・1/3)と年末の12/29〜31も休日として扱われます。1/1は国民の祝日に含まれるので、これも休日です。
みらい(新人医療事務)
なるほど。年末年始も休日として扱われるんですね。じゃあ、休日に往診したらいくら算定候補になるんですか?
令和8年度の点数区分(休日往診加算)

あおい(元・医療事務)
医療機関の区分(在宅療養支援診療所・病院かどうか)と、患者が「別に厚生労働大臣が定める患者」に該当するかどうかの2軸で区分が分かれます。表にまとめますね。
| 医療機関の区分 | 対象患者 | 休日往診加算(夜間・休日往診加算) |
|---|---|---|
| 在宅療養支援診療所・病院(機能強化型)病床あり | 別に定める患者 | 1,700点 |
| 在宅療養支援診療所・病院(機能強化型)病床なし | 別に定める患者 | 1,500点 |
| 在宅療養支援診療所・病院(通常型) | 別に定める患者 | 1,300点 |
| 上記以外の保険医療機関 | 別に定める患者 | 650点 |
| すべての医療機関 | 上記以外の患者 | 405点 |
あおい(元・医療事務)
出典は『診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)』のC000往診料 注1です。条文の原文では「夜間・休日往診加算」として、夜間と休日が同じ点数でまとめて規定されています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、休日往診加算という名前の加算コードが単独であるわけではなくて、「夜間・休日往診加算」という条文上の一つの区分の中に、休日分と夜間分のコードが分かれて存在するイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。医科診療行為マスターでは、休日分は「休日往診加算(機能強化した在支診等)(病床あり)」のように、区分ごとに個別のコードとして登録されています。ただし条文上の所定点数の根拠(1,700点・1,500点・1,300点・650点・405点)は、夜間分も休日分も同じ「夜間・休日往診加算」の規定です。
対象になる往診の条件
みらい(新人医療事務)
そもそも往診料自体、どんな時に算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
往診料の算定要件も告示の留意事項通知で定められています。
往診料の算定要件(令和8年度)
往診料は、患者又は家族等の患者の看護等に当たる者が、保険医療機関に対し電話等で直接往診を求め、当該保険医療機関の医師が往診の必要性を認めた場合に、可及的速やかに患家に赴き診療を行った場合に算定できるものであり、定期的ないし計画的に患家又は他の保険医療機関に赴いて診療を行った場合には算定できない。
みらい(新人医療事務)
「定期的・計画的な訪問」は往診とは別扱いなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。定期的な訪問は在宅患者訪問診療料(C001等)の枠組みで、患者・家族からの求めに応じて臨時に赴くのが往診料です。休日往診加算は、この往診料が算定候補になっている場合の上乗せという位置づけです。
標榜時間との関係に要注意
みらい(新人医療事務)
休日に開けているクリニックだと、休日往診加算は算定できないケースもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは確認が必要なポイントです。留意事項通知には次の規定があります。
標榜時間に関する規定(令和8年度)
夜間(深夜を除く。)とは午後6時から午前8時までとし、深夜の取扱いについては、午後10時から午前6時までとする。ただし、これらの時間帯が標榜時間に含まれる場合、夜間・休日往診加算及び深夜往診加算は算定できない。
あおい(元・医療事務)
この規定は夜間・深夜の時間帯の定義に続けて書かれているもので、夜間・休日往診加算と深夜往診加算がまとめて対象とされています。休日の往診であっても、その時間帯が自院の標榜時間に含まれる場合には算定できない可能性があるということです。ここは条文の読み方によって解釈の幅が出やすい部分なので、自院の標榜時間と実際に往診した時間帯の関係は、届出内容や地方厚生局への確認をおすすめします。
断定はできない注意点
休日の往診でも、標榜時間との関係で休日往診加算が算定候補にならない場合があります。「休日だから例外なく算定候補」と決めつけず、自院の標榜時間・診療体制と照らして確認してください。
医療機関の区分と「別に定める患者」
みらい(新人医療事務)
表の中の「機能強化した在支診等」とか「在支診等」という区分、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
「在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの」(機能強化型)については、留意事項通知で次のように定義されています。
機能強化型の在宅療養支援診療所等の定義(令和8年度)
「注1のイ」、「注3のイの(1)」及び「注3のロの(1)」に規定する「在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの」とは、特掲診療料施設基準通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)及び (2)のアに規定する在宅療養支援診療所、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援病院である。
あおい(元・医療事務)
つまり、単に在宅療養支援診療所・病院として届け出ているだけでなく、施設基準通知が定める追加要件(機能強化型の基準)を満たして届け出ているかどうかで、1,700点・1,500点の区分か、1,300点の区分かが変わります。
みらい(新人医療事務)
「別に定める患者」という条件も気になります。どういう患者さんが該当するんですか?
あおい(元・医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める患者」の枠組みは前回改定(令和6年度)で導入され、令和8年度の告示条文(イ〜ニの区分)でも同じ構造が継続しています。前回改定(令和6年度)の個別改定項目資料には、患者要件が次のように整理されています。
「厚生労働大臣が定める患者」の要件(前回改定=令和6年度改定資料・枠組みは継続)
次のいずれかに該当するものであること。 イ 往診を行う保険医療機関において過去60日以内に在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)又は在宅がん医療総合診療料を算定しているもの ロ 往診を行う保険医療機関と連携体制を構築している他の保険医療機関において、過去60日以内に在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)又は在宅がん医療総合診療料を算定しているもの ハ 往診を行う保険医療機関の外来において継続的に診療を受けている患者 二 往診を行う保険医療機関と平時からの連携体制を構築している介護老人保健施設、介護医療院及び特別養護老人ホームに入所する患者
みらい(新人医療事務)
つまり、もともと関係のある患者さんや連携施設への休日往診は点数が高くなって、初めての患者さんへの休日往診は405点が算定候補になる、というイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。「別に定める患者」に該当しない場合は、医療機関の区分にかかわらず一律で405点(夜間・休日往診加算)が算定候補です。この患者区分の該当有無は自院で確認する必要がある項目です。
特別往診料(距離が離れている場合)の休日加算
みらい(新人医療事務)
遠方への往診でも同じ点数なんですか?
あおい(元・医療事務)
往診先が遠方の場合は「特別往診料」という別の規定があります。
特別な往診(距離)の規定(令和8年度)
保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合又は海路による往診を行った場合で、特殊の事情があったときの往診料は、別に厚生労働大臣が定めるところにより算定する。
あおい(元・医療事務)
この特別往診料に対しても、休日に往診した場合の加算区分が別コードとして医科診療行為マスターに用意されています。基本となる往診料(720点)に対する休日往診加算と、点数の考え方自体は同じ枠組み(医療機関区分・患者区分による405〜1,700点)です。ただし特別往診料そのものの点数や適用条件は別途確認が必要な項目なので、該当しそうな場合は個別に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)改定で、休日往診加算に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示(第69号)を前回(令和6年度)の改定資料と照合したところ、休日往診加算そのものの点数区分(405〜1,700点、イ〜ニの枠組み)には変更が確認されていません(2026年6月・告示第69号ベース)。一方で、注8の上乗せ加算については名称と点数の変更が確認されました。
令和8年度改定での変更点(一次情報確認ベース)
前回(令和6年度): 注6「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算 100点/在宅療養実績加算1 75点/在宅療養実績加算2 50点」 令和8年度: 注8「在宅医療充実体制加算 200点/在宅療養実績加算1 75点/在宅療養実績加算2 50点」 変更内容: 名称が「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(100点)」から「在宅医療充実体制加算(200点)」に変更。点数が倍増。
みらい(新人医療事務)
休日往診加算自体は変わっていないけれど、届出をしていれば上乗せできる加算の中身が変わったんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。休日往診加算(1,700〜405点)に、届出があればさらに在宅医療充実体制加算等が上乗せされる構造は前回改定(令和6年度)から続いています。上乗せ加算の届出有無は自院で確認してください。
具体的な確認のながれ

みらい(新人医療事務)
実際に休日往診加算が算定候補になるか確認する手順を教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認すると整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 往診日が休日に該当するか確認: 日曜・国民の祝日・1月2日/3日・12月29日〜31日のいずれかを記録から確認する
- 往診を実施した時間帯が自院の標榜時間に含まれていないか確認: 標榜時間内であれば算定できない可能性があるため、診療時間の記録と照合する
- 患者が「別に厚生労働大臣が定める患者」に該当するか確認: 過去60日以内の訪問診療歴、外来での継続診療歴、連携介護施設への入所歴などを確認する
- 在宅療養支援診療所・病院の届出区分を確認: 機能強化型(病床あり・なし)か通常型か、届出がない場合はそれ以外の区分になる
- 点数区分を決定し、注8の上乗せ加算の届出有無も確認する
みらい(新人医療事務)
手順1と2をどちらも満たさないとダメなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。「休日だから算定候補」と単純に決めつけず、時間帯と患者区分の両方を確認したうえで、該当する点数区分を判断する流れになります。
よくある取り漏れと注意点
みらい(新人医療事務)
取り漏れになりやすいケースがあれば知りたいです。
あおい(元・医療事務)
いくつかまとめておきますね。
よくある取り漏れ・注意点(令和8年度)
- 休日の範囲の見落とし: 正月三が日(1/2・1/3)や年末(12/29〜31)も休日扱いになることを見落とし、通常の往診料のみで算定しているケース
- 標榜時間との照合漏れ: 休日でも自院の標榜時間に含まれる時間帯は、休日往診加算が算定できない可能性がある。診療時間の記録と往診時刻の照合が必要
- 患者区分の確認漏れ: 「別に定める患者」に該当するのに一般患者扱い(405点)で算定しているケース。過去60日以内の訪問診療歴等の確認を怠らない
- 深夜との混同: 休日でも午後10時〜午前6時にかかる時間帯は「深夜往診加算」として区分が変わる。時刻記録を正確に残す
- 在宅療養支援診療所の届出区分の確認: 機能強化型か通常型かで点数が変わるため、届出内容を確認する
よくある質問
みらい(新人医療事務)
往診料(720点)と休日往診加算は同時に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
はい、往診料(720点)が基本料で、休日往診加算(夜間・休日往診加算)はそれに加算するものです。告示では「所定点数に加算する」と規定されています。休日に往診した場合、往診料+休日往診加算(医療機関区分・患者区分に応じた点数)の合計が算定候補です。
みらい(新人医療事務)
元日(1月1日)に往診した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
1月1日は「国民の祝日に関する法律第3条」に規定される祝日にあたるため、休日の定義に含まれます。休日往診加算の対象になる可能性がありますが、標榜時間や患者区分などほかの条件もあわせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
休日に往診して、そのまま在宅で患者さんが亡くなった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示(C000注3)では、死亡日及び死亡日前14日以内に退院時共同指導料1を算定した上で往診を実施した場合に、在宅ターミナルケア加算が算定候補になると規定されています。休日往診加算とは別の区分なので、該当しそうな場合は往診料の注3を個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定では、前回改定(令和6年度・2024年度)と比較して注8の上乗せ加算の名称・点数が変更されました(「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算100点」→「在宅医療充実体制加算200点」)。休日往診加算の基本的な点数区分(405〜1,700点)は告示の範囲では変更が確認されていません(2026年6月・告示第69号ベース)。
関連する加算もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
夜間の往診についても、休日と同じ考え方なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、条文上は同じ「夜間・休日往診加算」の規定を共有しているので、点数の考え方はほぼ共通です。夜間往診加算の記事でも、時間帯の定義や在宅療養支援診療所の施設基準について詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や往診の実施体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。