一般名処方加算ってどんな加算ですか?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトを見ていたら「一般名処方加算」という項目がありました。これはどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。一般名処方加算は、院外処方箋を出すときに、お薬を「先発品や後発品の個別の商品名」ではなく「一般的名称(成分名)」で記載して交付した場合に、処方箋料に上乗せできる加算です。令和8年度(2026年度)でいうと、区分番号F400の処方箋料の「注6」に規定されています。
みらい(新人医療事務)
商品名じゃなくて成分名で書く、ということですね。どうしてそれが加算になるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
一般的名称で処方すると、どの銘柄(先発品でも後発品でも)を選ぶかを保険薬局や患者さんの側で調整しやすくなります。後発医薬品(ジェネリック)の使用を進めるうえで役立つ処方の仕方なので、国が加算として評価しているという整理です。
みらい(新人医療事務)
なるほど。じゃあ、うちのクリニックでも算定候補になりそうですか?
あおい(元・医療事務)
院外処方箋を交付していて、施設基準を満たしていれば算定候補になります。ただし「対象になる」と決めつけるのは早いので、点数・要件・掲示のルールを順番に見ていきましょうね。
点数はいくらですか?(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
まず点数が知りたいです。一般名処方加算はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数はこちらです。加算は「1」と「2」の2区分に分かれています。

| 区分 | 点数(令和8年度) | 算定単位 |
|---|---|---|
| 一般名処方加算1 | 8点 | 処方箋の交付1回につき |
| 一般名処方加算2 | 6点 | 処方箋の交付1回につき |
みらい(新人医療事務)
「1回につき」ということは、お薬の種類が多くても点数は変わらないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。処方箋料と同じで、1枚の処方箋につき1回の算定です。処方した薬剤の数や日数の多さで点数が増えるわけではありません。ここは取り違えやすいので注意したいところですね。
みらい(新人医療事務)
加算1と加算2で点数が違うのは、どういう差なんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが一番のポイントなので、次で詳しく見ていきましょう。
加算1と加算2はどう違うんですか?
みらい(新人医療事務)
8点と6点、この分かれ目が気になります。何で決まるんですか?
あおい(元・医療事務)
交付した処方箋の中身で決まります。厚生労働省の留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)では、次のように整理されています。加算1は、処方箋に含まれる「後発医薬品のある全ての医薬品」と「バイオ後続品のあるバイオ医薬品」が、一般名処方されている場合です。加算2は、そのうち1品目でも一般名処方されたものが含まれている場合です。
みらい(新人医療事務)
つまり、後発品のある薬を「全部」成分名で書けば加算1、「一部だけ」なら加算2、というイメージですか?
あおい(元・医療事務)
おおむねそのイメージで合っています。より正確に言うと、加算1は「後発品のある医薬品などがすべて一般名処方」(2品目以上あるとき)、加算2は「1品目でも一般名処方が含まれる」場合です。同じ処方箋で両方を重ねて算定することはできず、どちらか一方になります。
品目数の数え方(留意事項通知より)
一般的名称で計算: 品目数は一般的名称で数えます。 投与経路が違えば別品目: 一般的名称が同じでも、内服と外用など投与経路が異なる場合は別品目として数えます。
みらい(新人医療事務)
数え方まで決まっているんですね。ここは自己流で判断せず、通知どおりに確認したほうがよさそうです。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。迷う症例では、留意事項通知の原文や審査支払機関の取り扱いを確認するのが安全ですよ。
対象になるのはどんな医療機関・場面ですか?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どんな医療機関が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
一般名処方加算は処方箋料(区分F400)の加算なので、まず院外処方箋を交付していることが前提になります。診療所でも病院でも、外来で保険薬局あての処方箋を出す場面が対象です。院内で薬を渡す(院内処方)の場合は処方箋料そのものが算定されないので、この加算も対象外になります。
みらい(新人医療事務)
院外処方を出しているかどうか、がスタートラインなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。処方箋料の考え方をあわせて確認したい方は、処方箋料のページも参考にしてください。一般名処方加算は、その処方箋料に上乗せする関係になっています。
みらい(新人医療事務)
対象患者に条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
患者さんの疾患を限定する加算ではありません。後発医薬品のある医薬品やバイオ後続品のあるバイオ医薬品を、一般的名称で処方したかどうかが判断の中心になります。ただし、どの処方箋でも自動的に対象になるわけではなく、施設基準の掲示要件を満たしているかもあわせて確認が必要です。
施設基準・届出はどうなっていますか?
みらい(新人医療事務)
施設基準があるんですよね。届出は必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
一般名処方加算は「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関」が算定できる加算です。施設基準を満たしていれば算定候補になり、地方厚生局への届出そのものは求められていません(届出不要の加算です)。ただし、届出が不要であることと、掲示などの要件を満たしていることは別の話なので、そこは必ず確認してくださいね。
みらい(新人医療事務)
掲示の要件、というのは何を掲示すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の特掲診療料の施設基準(令和8年保医発0305第8号)では、次のような内容が求められています。
施設基準で求められる掲示(令和8年度)
院内掲示: 医薬品の供給状況や、長期収載品について医療上の必要性が認められない場合に患者の希望を踏まえて処方等をしたときは選定療養となること等を踏まえつつ、一般名処方の趣旨を患者に十分に説明することについて、見やすい場所に掲示していること。 ウェブサイト掲載: 原則として、その掲示事項をウェブサイトに掲載していること。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない場合はこの限りではないこと。
みらい(新人医療事務)
院内に貼るだけじゃなくて、原則ホームページにも載せる必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、近年の改定で、施設基準に「原則ウェブサイト掲載」を求める項目が増えています。一般名処方加算もその一つなので、自院のサイトに掲載できているかは確認しておきたいポイントです。掲示・掲載が整っていない場合は、算定候補に見えても要確認の状態になります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)改定で、何か変わった点はありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数表では、一般名処方加算1が8点、一般名処方加算2が6点として設定されています。一般名処方加算は改定のたびに点数区分や要件が見直されてきた加算なので、前回改定(令和6年度)と点数や要件が同じかどうかは、必ず現行年度の一次資料で確認するのが安全です。
前回との対比は一次資料で
本記事の点数(加算1 8点・加算2 6点)は令和8年度(2026年度)の医科点数表(区分F400処方箋料 注6)に基づく数値です。前回改定(令和6年度)からの具体的な点数・要件の対比は、厚生労働省が公表する「診療報酬改定の概要」「個別改定項目について」等の一次資料でご確認ください。当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度の点数は加算1が8点・加算2が6点です。
みらい(新人医療事務)
「たぶん下がった」みたいな思い込みで書かないのが大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。点数や要件は年度で変わりますから、記憶ではなく現行年度の告示・通知で確認する。この姿勢が、返戻や査定を防ぐことにつながります。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちが算定候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認してみてください。
自院で確認する順番
- 院外処方箋を交付しているか(院内処方のみなら処方箋料・本加算とも対象外)を確認する。
- 交付した処方箋に、後発医薬品のある医薬品やバイオ後続品のあるバイオ医薬品が含まれ、それを一般的名称で記載しているかを確認する。
- 対象の医薬品が「すべて」一般名処方か(加算1候補)、「一部」か(加算2候補)を、留意事項通知の数え方で確認する。
- 一般名処方の趣旨を院内掲示し、原則としてウェブサイトにも掲載しているかを確認する。
- 以上を満たしていれば算定候補。迷う点は公式資料・審査支払機関で最終確認する。
みらい(新人医療事務)
こうして並べると、掲示の要件を見落としがちだと気づきました。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。点数だけ見て「取れる」と判断せず、掲示・ウェブ掲載までワンセットで確認するのがコツですよ。
よくある取り漏れ・注意点
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントも教えてください。
あおい(元・医療事務)
現場でよく相談を受けるのは、次のようなケースです。
よくある取り漏れ・確認ポイント
加算1と加算2の取り違え: 後発品のある薬をすべて一般名処方していたのに、加算2で算定してしまう(本来は加算1候補)ケース。処方箋の中身を通知の基準で見直すと差が出ます。 院内処方への切替時: 院外処方から院内処方に変えた患者では、処方箋料が算定されず本加算も対象外になります。 掲示・ウェブ掲載の未整備: 施設基準の掲示要件を満たしていないと、算定候補に見えても要確認になります。
算定の可否を決めつけない
一般名処方加算は、処方箋の内容・施設基準の充足・自院の届出状況によって算定可否が変わります。本記事は令和8年度(2026年度)の一次資料に基づく一般的な整理であり、個別の算定可否を保証するものではありません。
みらい(新人医療事務)
「見えても要確認」という言い方、覚えておきます。
あおい(元・医療事務)
それがいちばん安全な考え方です。算定候補・要確認・対象外の可能性、という3つの見方で整理するとよいですよ。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
今日の内容は、どの資料を根拠にしているんですか?
あおい(元・医療事務)
点数や算定要件は、厚生労働省が公表している令和8年度(2026年度)の一次資料に基づいています。詳しく確認したい方は、令和8年度診療報酬改定 医科点数表(区分F400処方箋料)をご覧ください。施設基準の掲示要件は特掲診療料の施設基準等(令和8年保医発0305第8号)、算定の詳しい取り扱いは留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)に記載されています。
みらい(新人医療事務)
迷ったら、まず一次資料に戻る。これですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。年度が変わると点数や要件も変わりますから、必ず現行年度の資料で確認してくださいね。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。院外処方の有無や掲示・ウェブ掲載の状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。本記事は令和8年度(2026年度)の厚生労働省一次資料に基づく整理であり、個別の算定可否を保証するものではありません。