みらい(新人医療事務)
「一般病棟看護必要度評価加算」って名前を見つけたんですけど、これって私たちの病棟でも算定候補になるんでしょうか。似た名前の加算が多くて、正直こんがらがっています。
あおい(元・医療事務)
名前が似ている加算が多いところですよね。まず結論から言うと、これは限られた入院基本料でしか算定できない加算なので、うちの病棟がその対象かどうかを最初に確認する必要があります。順番に整理していきましょう。年度は令和8年度(2026年度)の医科点数表を前提に説明しますね。
みらい(新人医療事務)
お願いします。まず、そもそもどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
一般病棟看護必要度評価加算は、入院患者の重症度、医療・看護必要度(略して「看護必要度」と呼ばれることが多いです)を継続的に測定・評価している病棟を評価する加算です。厚生労働省の医科点数表では、専門病院入院基本料の「注4」と、特定一般病棟入院料の該当する注に、それぞれ規定されています。
みらい(新人医療事務)
「専門病院入院基本料」と「特定一般病棟入院料」、両方に出てくるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。当サイトが収録している一次資料の範囲では、専門病院入院基本料(区分番号A105)の点数表にこう書かれています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た病棟において、当該患者の看護必要度について測定を行った場合には、一般病棟看護必要度評価加算として、1日につき5点を所定点数に加算する。」特定一般病棟入院料(区分番号A317)の点数表にも、ほぼ同じ文言があります。
対象となる病棟・入院基本料
みらい(新人医療事務)
じゃあ、うちの病棟が対象かどうかは、まず「専門病院入院基本料」か「特定一般病棟入院料」を算定しているかどうかで決まるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そこが最初の分かれ道です。さらに専門病院入院基本料の場合は、留意事項通知でもう一段階しぼり込まれています。「『注4』に規定する一般病棟看護必要度評価加算は、13対1入院基本料を算定する病棟であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす病棟に入院しており、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の測定及び評価が行われた患者について算定すること。」という記載があるので、専門病院入院基本料の中でも「13対1」の区分であることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
13対1じゃない専門病院入院基本料の病棟だと、対象外になる可能性があるってことですか。
あおい(元・医療事務)
資料の文言どおりに読むとそうなります。ただし、施設基準の充足や実際の届出内容は個別の状況によるので、対象外の可能性があるという段階で止めて、必ず自院の届出区分を確認してくださいね。断定はできません。
みらい(新人医療事務)
なるほど、似た名前の「看護必要度加算」というのもあるって聞いたんですけど、それとは別物ですか?
あおい(元・医療事務)
別物です。専門病院入院基本料の点数表では、「注3」に規定する看護必要度加算(10対1入院基本料が対象で、看護必要度加算1〜3の段階があります)と、「注4」に規定する一般病棟看護必要度評価加算(13対1入院基本料が対象で、5点の一段階のみ)が、それぞれ別の区分として並んでいます。「看護必要度加算」と「一般病棟看護必要度評価加算」を混同しないよう注意が必要です。

点数
みらい(新人医療事務)
点数はどちらの入院基本料でも同じなんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の医科点数表では、専門病院入院基本料(13対1)でも特定一般病棟入院料でも、一般病棟看護必要度評価加算は1日につき5点で共通です。段階制ではなく、要件を満たしていれば一律5点という設計になっています。
| 対象入院基本料 | 加算点数(1日につき) | 根拠となる区分 |
|---|---|---|
| 専門病院入院基本料(13対1) | 5点 | 医科点数表 A105「注4」 |
| 特定一般病棟入院料 | 5点 | 医科点数表 A317該当の注 |
みらい(新人医療事務)
段階がないぶん、看護必要度加算よりはシンプルなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし「測定・評価をしている」ことそのものが要件なので、評価の実施体制が整っていないと算定候補にならない点は注意してください。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的にどういう内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きについての通知に、専門病院入院基本料(13対1)と特定機能病院入院基本料・10対1の看護必要度加算とあわせて、次のように書かれています。「10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)及び13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟は、当該入院基本料を算定するものとして届け出た病棟に、直近3月において入院している全ての患者の状態を、別添の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて継続的に測定し、その結果に基づいて評価を行っていること。」
みらい(新人医療事務)
「直近3月」で「全ての患者」を継続的に測定、というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。あわせて評価の実施体制についても定めがあります。「重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票の記入は、院内研修を受けたものが行うものであること。(中略)実際に、患者の重症度、医療・看護必要度が正確に測定されているか定期的に院内で確認を行うこと。」とされているので、評価票を記入する担当者が院内研修を受けているか、測定結果を定期的にチェックする体制があるかも確認ポイントになります。
みらい(新人医療事務)
看護必要度加算のように「該当患者の割合が◯割以上」みたいな基準もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが看護必要度加算との違いです。10対1入院基本料の看護必要度加算については、評価結果に基づく該当患者割合の基準(別表)が定められていますが、一般病棟看護必要度評価加算(13対1・専門病院入院基本料)については、当サイトが収録している一次資料の範囲では、割合基準ではなく「継続的な測定・評価を行っていること」自体が要件として記載されています。特定一般病棟入院料側の詳細な施設基準についても、届出前に該当する通知本文を必ず確認してください。
対象患者の除外規定に注意
評価に当たっては、産科患者・15歳未満の小児患者・一定の結核患者などが対象から除外される旨が、施設基準の通知に定められています。自院の対象病棟にこうした患者が含まれる場合は、評価対象からの除外が正しく運用されているか確認が必要です。
届出
みらい(新人医療事務)
届出は必須なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。点数表の条文でも「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た病棟」であることが加算の要件そのものになっています。届出をしていない病棟では、実際に看護必要度の測定を行っていても算定候補にはなりません。届出済みであれば候補になる、という順番で考えてください。
みらい(新人医療事務)
届出さえ済んでいれば、あとは自動的に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこも断定はできません。届出はあくまで前提条件で、実際に対象患者全員の継続的な測定・評価が行われているか、評価票の記入者が院内研修を受けているかなど、日々の運用が要件どおりかどうかを確認する必要があります。届出後の運用実態も含めて確認が必要というのが正確な言い方になります。
算定にあたっての注意点
看護必要度加算との違いに注意
一般病棟看護必要度評価加算(13対1・専門病院入院基本料または特定一般病棟入院料、5点)と、看護必要度加算(10対1・専門病院入院基本料等、1〜3の段階制)は、同じ点数表の中で別区分として規定されています。名称が似ているため、届出内容やレセプト記載の際に取り違えないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
ほかに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
評価方法(重症度、医療・看護必要度ⅠかⅡか)は入院基本料の届出時にあわせて届け出る必要があるとされています。評価方法だけを変更する場合も、決められた様式での届出と、切替月の期限内提出が必要になるので、変更のタイミングでは特に確認が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
点数そのもの(1日につき5点)は令和6年度から据え置きで変更は確認されていません。一方で、評価票の運用面では経過措置が置かれています。施設基準の通知にこう書かれています。「一般病棟看護必要度評価加算の経過措置について、令和8年3月31日において、現に一般病棟看護必要度評価加算の届出を行っている病棟にあっては、令和8年9月30日までの間に限り、令和6年度改定前の基本診療料施設基準通知の別添の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。」
経過措置のポイント(令和8年度改定)
令和8年3月31日時点ですでに一般病棟看護必要度評価加算の届出を行っている病棟は、令和8年9月30日まで、旧様式の評価票を使い続けても差し支えないとされています。この期間を過ぎたら新しい評価票への切り替えが必要になるため、切替スケジュールの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
つまり「点数は変わらないけど、評価票の切り替えに猶予期間がある」ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。点数だけを見て「変更なし」と判断せず、評価票の運用ルールも含めて確認しておくと安心です。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病棟でまず何から確認すればいいんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 自院の病棟が専門病院入院基本料(13対1)または特定一般病棟入院料を算定しているか確認する
- 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価票を用いて、対象患者を継続的に測定・評価する体制があるか確認する
- 評価票の記入者が院内研修を受けているか、測定結果を定期的に院内で確認する仕組みがあるか確認する
- 一般病棟看護必要度評価加算の施設基準届出を行っているか、届出内容が現状の運用と一致しているか確認する
- 経過措置の対象病棟であれば、評価票の切替期限(令和8年9月30日)を確認する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってどんなところですか?
あおい(元・医療事務)
いくつか挙げますね。
よくある確認漏れ
対象入院基本料の勘違い: 専門病院入院基本料でも「13対1」以外の区分では、この加算の対象にならない可能性があります。区分を確認せずに一律で算定候補と考えてしまうケースに注意してください。 評価対象からの除外規定: 産科患者・15歳未満の小児患者・一定の結核患者などは評価対象から除外するとされています。除外規定を反映せずに測定・評価を行っていないか確認が必要です。 評価票の記入者要件: 評価票の記入は院内研修を受けた者が行うこととされています。担当者の研修受講記録が残っているか確認しておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。