デブリードマン加算(K000 注3)とは?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「デブリードマン加算」って聞いたんですけど、デブリードマン(K002)とは別のものですか?
あおい(元・医療事務)
よく気づきましたね。実は2種類あって、整理すると次の通りです。
| 区分 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| K000 注3「デブリードマン加算」 | 創傷処理(K000)に加算。汚染された挫創に対してデブリードマンを行った場合、当初の1回に限り算定候補 | 100点 |
| K002「デブリードマン」 | 独立した手術区分。創傷面積ごとに1,620〜11,230点が算定候補 | 1,620〜11,230点 |
みらい(新人医療事務)
えっ、全然違う手術コードなんですね。K000 の注3「デブリードマン加算100点」の方が今回のメインテーマということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。本記事では、K000(創傷処理)に加算できる「デブリードマン加算 100点」(令和8年度)をメインに解説します。ただし、K002 デブリードマン本体との違いや、両方に関わる時間外加算の話も交えながら説明しますね。
デブリードマン加算 100点(K000 注3)の基本

みらい(新人医療事務)
デブリードマン加算 100点はどんなときに算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示原文(K000 注3)では、「汚染された挫創に対してデブリードマンを行った場合は、当初の1回に限り 100点を加算する」とされています。ポイントは「汚染された挫創」であること、「デブリードマンを行った」こと、「当初の1回に限り」の3点です。
みらい(新人医療事務)
「汚染された挫創」って、具体的にどんな傷ですか?
あおい(元・医療事務)
挫創(ざそう)は、鈍的な力で皮膚が不規則に裂けた傷です。「汚染された」とは、土・砂・異物・菌などが混入した状態を指します。転倒やバイク事故などで生じる傷がイメージしやすいですね。そこにデブリードマン(壊死組織・汚染組織の除去)を行った場合に算定候補となります。
みらい(新人医療事務)
「当初の1回に限り」というのは、2回目以降は算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのとおりです。同じ患者さんの同じ傷に対して、2回目以降のデブリードマン操作にはこの加算は算定できません。「一連の治療の最初の処置に限り」というイメージで覚えておくといいですよ。
K002 デブリードマン(独立手術)の点数と算定要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
次に K002 デブリードマン本体についても教えてください。こちらはどんなときに使うんですか?
あおい(元・医療事務)
K002 は創傷面積が大きい場合や、独立した「デブリードマン手術」として行う場合の区分です。令和8年度(告示)での点数区分は次のとおりです(確認が必要な場合は公式点数表で照合してください)。
| 面積区分 | 点数(令和8年度) |
|---|---|
| 1. 100平方センチメートル未満 | 1,620点 |
| 2. 100平方センチメートル以上3,000平方センチメートル未満 | 4,820点 |
| 3. 3,000平方センチメートル以上 | 11,230点 |
みらい(新人医療事務)
かなり大きな点数差がありますね。どんな傷が対象ですか?
あおい(元・医療事務)
K002 の注には、次の3種類のケースが示されています。まず注1で「熱傷により全身の20パーセント以上に植皮を行う場合」または「A群溶連菌感染症に伴う壊死性筋膜炎の場合」は、5回に限り算定候補とされています。
みらい(新人医療事務)
壊死性筋膜炎って、かなり重篤な感染症ですよね。
あおい(元・医療事務)
そうです。早期に外科的デブリードマンが必要な緊急性の高い疾患です。告示では「5回に限り」と明示されていて、通常の場合(注2)は「当初の1回に限り」なのと対比されています。
注2: 算定回数の違いに注意
注1(広範囲熱傷植皮・壊死性筋膜炎): 5回に限り算定候補
注2(それ以外の場合): 当初の1回に限り算定候補
どちらに該当するかで算定回数が大きく変わります。診療内容と告示の要件を照合してください。
K002 の加算(深部・水圧式・超音波式デブリードマン加算)
みらい(新人医療事務)
K002 にもさらに加算があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、K002 には3つの付加加算が設けられています(令和8年度・告示注3〜5より)。
K002 に加算できる3つの加算(令和8年度)
深部デブリードマン加算(注3): 骨・腱または筋肉の露出を伴う損傷について、当初の1回に限り1,000点を加算(算定候補)
水圧式デブリードマン加算(注4): 水圧式デブリードマンを実施した場合、一連の治療につき1回に限り2,500点を加算(算定候補)
超音波式デブリードマン加算(注5): 超音波式デブリードマンを実施した場合、一連の治療につき1回に限り2,500点を加算(算定候補)
みらい(新人医療事務)
深部デブリードマン加算は「当初の1回」、水圧式と超音波式は「一連の治療につき1回」と書き分けられているんですね。
あおい(元・医療事務)
良い着目点です。「一連の治療」の範囲は実際の診療内容や審査の判断によるため、施設内での記録・算定根拠の整備が重要です。複数の加算を重複して算定できるかどうかは、公式資料や審査支払機関での確認が推奨されます。
デブリードマン加算 時間外加算の関係
みらい(新人医療事務)
「デブリードマン加算 時間外加算」という組み合わせで調べている先生もいると聞きました。これはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
手術(K000〜K916 系)には、緊急・時間外・休日・深夜に行った場合に所定点数に加算できる「手術の時間外加算」(通則12)があります。K002 デブリードマンもこの対象になります。
みらい(新人医療事務)
時間外に緊急でデブリードマンを行ったら、時間外加算も乗るということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度告示(第10部 手術 通則12)では、次の2パターンが示されています。
| 種別 | 施設基準届出あり(加算1) | 届出なし(加算2) |
|---|---|---|
| 休日加算 | 所定点数の160% | 所定点数の80% |
| 時間外加算(外来患者のみ) | 所定点数の80% | 所定点数の40% |
| 深夜加算 | 所定点数の160% | 所定点数の80% |
みらい(新人医療事務)
「施設基準の届出あり」と「なし」でかなり差がありますね。
あおい(元・医療事務)
はい。時間外加算1を算定するには「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」である必要があります(告示通則12イ)。届出状況は自院の管理者・事務担当者への確認が必要です。
時間外加算の算定要件に注意
・入院中の患者への時間外加算は算定できません(外来患者に限る旨が明記されています)
・「緊急のために休日に行う」または「診療時間外・深夜に開始する」という要件が前提です
・施設基準の届出有無により点数が大きく変わります。届出状況の確認が必要です

自院での確認手順
みらい(新人医療事務)
実際に算定を検討するとき、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の手順で確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
- 傷の種類と処置内容を確認する(汚染挫創か、K002 が必要な規模か)
- 算定回数の要件を確認する(当初1回か、5回まで可能なケースか)
- 施設基準届出の状況を確認する(時間外加算1を算定するか)
- 診療時間・患者区分を確認する(入院患者か外来患者か)
- 深部・水圧式・超音波式加算の該当有無を確認する
- レセプトの傷病名・診療内容との整合を確認する
みらい(新人医療事務)
傷の記録と診療内容の記載が大事ということですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。特に「汚染の状況」「デブリードマンを実施した事実」「回数」が記録に残っていることが重要です。審査支払機関の確認に備えて、カルテへの記載を丁寧に残してください。
よくある取り漏れ・注意点
算定時によくある確認漏れ
回数制限の見落とし: K000注3は「当初の1回」。2回目以降に誤って算定しないよう、レセプト入力前にカルテの処置歴を確認する
K000 とK002 の使い分け: 小さな汚染挫創への処置はK000(創傷処理)+デブリードマン加算100点が候補。大面積になればK002 が候補となるが、境界の判断は公式資料と照合する
時間外加算の患者区分: 入院患者には「時間外加算(外来患者のみ)」は算定候補にならない
施設基準届出の未確認: 時間外加算1と2で点数が変わる。届出を行っていない医療機関が加算1を算定しないよう確認する
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
今回の令和8年度(2026年度)改定でK002 デブリードマンや関連加算に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示(告示第69号・令和8年3月告示)と基本マスター変更情報(社会保険診療報酬支払基金)を一次資料として確認した範囲では、K002 デブリードマンの点数区分(1,620点・4,820点・11,230点)、注1〜注5の算定要件(5回・1回・深部加算1,000点・水圧式2,500点・超音波式2,500点)、および手術通則12の時間外加算率(加算1: 80%・160%・160%、加算2: 40%・80%・80%)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年6月・厚労省告示一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
大きな変更はなかったということですね。
あおい(元・医療事務)
一次資料の照合範囲では変更が確認できていません。ただし、疑義解釈の追加や訂正通知が後日発出される場合もありますので、定期的に厚労省・支払基金の公式情報を確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
K000 注3のデブリードマン加算と、K002 デブリードマンは同日に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
同一の傷について、K000(創傷処理)に加算できるK000注3のデブリードマン加算と、独立手術であるK002 デブリードマンは、別の算定区分です。同一部位に対して両方を重複して算定することは通常想定されません。いずれを算定するかは、実施した処置の内容と診療記録に基づいて判断し、不明な場合は審査支払機関への照会を検討してください。
みらい(新人医療事務)
壊死性筋膜炎の患者で、深夜に緊急でK002 デブリードマンを行った場合、算定できる加算の候補は?
あおい(元・医療事務)
算定候補として挙がるのは、まずK002 デブリードマンの所定点数(面積区分による)、次に「壊死性筋膜炎(A群溶連菌感染症に伴う場合)」として注1の5回算定候補、そして深夜加算(通則12)が考えられます。深夜加算は、施設基準届出がある場合は所定点数の160%、届出がない場合は80%の加算が候補となります。いずれも自院の届出状況・診療内容との照合が必要です。
みらい(新人医療事務)
深部デブリードマン加算は、K000 注3のデブリードマン加算とも組み合わせられますか?
あおい(元・医療事務)
深部デブリードマン加算(K002 注3)はK002 デブリードマンへの加算です。K000(創傷処理)への加算は「デブリードマン加算100点(K000注3)」の1種です。別の処置区分に対する加算なので、算定の組み合わせは実施した処置内容と区分番号に基づいて判断する必要があります。公式資料での確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。