みらい(新人医療事務)
先生、レセプトのチェックをしていたら「フュージョンイメージング加算」っていう見慣れない加算が出てきました。これ、何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。フュージョンイメージング加算は、令和8年度の医科点数表で200点が設定されている加算候補です。CT・MRIなど事前に撮影した画像と、手術中にリアルタイムで見ている超音波の画像を重ね合わせる技術を使って、肝臓や肺、腎臓などの悪性腫瘍を焼灼する手術を行ったときに、その手術の点数に上乗せする形の加算です。
みらい(新人医療事務)
「上乗せ」ということは、単独では算定できない加算ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。フュージョンイメージング加算は単独の項目ではなく、特定の手術の「注」として設定されています。つまり、対象となる手術を実施し、かつその手術でフュージョンイメージングという技術を用いた場合に、算定候補になる加算です。まずは自院で対象の手術自体を行っているかどうかが出発点になります。
フュージョンイメージング加算の対象となる手術
みらい(新人医療事務)
対象の手術って、具体的にはどんな手術なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している厚生労働省の医科点数表(令和8年度・別表第一)の範囲で確認できたのは、次の7つの手術です。いずれも経皮的に画像を見ながら病変を焼灼・凝固させる術式で、その注書きに「フュージョンイメージングを用いて行った場合は、フュージョンイメージング加算として、200点を所定点数に加算する」という同一の文言が置かれています。
| 区分番号 | 手術名 | 対象臓器・部位 |
|---|---|---|
| K053-2 | 骨悪性腫瘍、類骨骨腫及び四肢軟部腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) | 骨・四肢軟部 |
| K476-5 | 乳腺悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) | 乳腺 |
| K514-7 | 肺悪性腫瘍及び胸腔内軟部腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) | 肺・胸腔内 |
| K645-3 | 骨盤内悪性腫瘍及び腹腔内軟部腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) | 骨盤内・腹腔内 |
| K697-2 | 肝悪性腫瘍マイクロ波凝固法(一連として) | 肝臓 |
| K697-3 | 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) | 肝臓 |
| K773-7 | 腎悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) | 腎臓 |

みらい(新人医療事務)
肝臓のラジオ波焼灼療法は聞いたことがあります。肝臓以外にも肺や腎臓、骨、乳腺まで対象になっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。いずれも「一連として」算定する手術で、腫瘍のサイズによって本体の点数が15,000点〜23,260点程度に分かれていますが、フュージョンイメージング加算の200点自体は、どの手術に付いても共通です。
よくある取り漏れ
本体の手術(例: 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法)は算定していても、フュージョンイメージングを実際に使っているのに200点の加算を付け忘れているケースが起こりやすいポイントです。手術記録・レセプト摘要欄にCT/MRIと超音波の画像を融合させて使用した旨の記載があるか、まず確認しましょう。
フュージョンイメージングとはどんな技術か
みらい(新人医療事務)
そもそも「フュージョンイメージング」ってどういう技術なんですか? 名前だけだとイメージがわきません。
あおい(元・医療事務)
事前に撮影しておいたCTやMRIの断面画像と、手術中にリアルタイムで撮影している超音波(エコー)の画像を、位置を合わせて重ね合わせて表示する技術のことです。超音波だけでは分かりにくい病変の位置を、CT・MRIの情報と組み合わせることで正確に捉えやすくなり、焼灼針を病変に正確に誘導しやすくなる、という位置づけの技術です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、超音波だけだと見えにくい病変を、事前の画像と組み合わせてより正確に狙う、というイメージですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし、この記事で確認できた一次資料の範囲では、フュージョンイメージングという技術そのものの詳細な定義や実施手順が書かれた留意事項までは見つかっていません。点数表の「注」に書かれている文言が現時点で確認できる一次情報の中心になります。
点数と算定の考え方
みらい(新人医療事務)
点数のところ、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、フュージョンイメージング加算は200点で、対象となる7つの手術のいずれかを実施し、かつフュージョンイメージングを用いて行った場合に、それぞれの手術の所定点数に加算する形になっています。加算そのものに独自の算定回数の制限は、確認できた資料の範囲では明記されていません。
みらい(新人医療事務)
複数の対象手術を同時に行った場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
たとえば肝臓のケースでは、K697-3(ラジオ波焼灼療法)とK697-2(マイクロ波凝固法)を併せて行った場合、留意事項の記載では主たるものだけを算定する扱いになっています。フュージョンイメージング加算についても、主たる手術として算定した術式の側で200点を加算する、という考え方が自然ですが、この点を明記した資料までは確認できていないので、複数術式を組み合わせるケースは個別に確認したほうが安心です。
断定できないポイント
フュージョンイメージング加算は、対象手術を実施し画像を融合して使用していれば必ず算定できる、というものではありません。手術記録の記載内容やレセプトの摘要欄記載など、実施した事実を裏付ける記録が伴っているかどうかも合わせて確認が必要です。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算って、事前に届出とか施設基準とかが必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしますね。当サイトが収録している一次資料(医科点数表の該当箇所)の範囲では、フュージョンイメージング加算そのものに対して、独立した施設基準や届出様式を定めた記載は見つかっていません。あくまで対象手術の点数表の「注」として200点を加算する、という形の書かれ方です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出なしでもいきなり算定していいってことですか?
あおい(元・医療事務)
そう決めつけるのは早いです。フュージョンイメージング加算自体に独立した届出が求められていないとしても、対象となっている7つの手術(K697-3など)には、それぞれ実施医の経験年数や画像診断機器の配置など、手術ごとの施設基準・実施要件が別に定められている可能性があります。加算だけを見て判断せず、まず土台となる手術側の施設基準・届出状況を医科点数表と院内の届出台帳で確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
- 対象の7術式(K053-2/K476-5/K514-7/K645-3/K697-2/K697-3/K773-7)のいずれかを自院で実施しているか確認する
- 実施した手術で、CT/MRIなどの画像と術中超音波を融合させる「フュージョンイメージング」を用いたか、手術記録で確認する
- 対象手術本体の施設基準・届出状況を医科点数表・院内届出台帳で確認する
- 手術記録・レセプト摘要欄にフュージョンイメージングを用いた旨の記載があるか確認する
- ここまで確認できたら算定候補として整理する

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定と比べて何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更点について、当サイトが今回確認できた一次資料の範囲では、フュージョンイメージング加算の新設・点数変更・対象手術の追加や削除を明示した記載は見つかっていません。対象となる7術式と200点という点数は、令和8年度の医科点数表に記載されている内容です。前回改定時点からの継続かどうかを含め、変更の有無は今回の確認範囲(2026年8月)では確定できていないため、断定は避けます。改定に関する情報は今後、厚生労働省の一次資料で追加確認され次第、この記事を更新します。
改定差分は今後の更新予定
「個別改定項目について」など改定内容そのものを解説した一次資料までは今回参照できていません。フュージョンイメージング加算が新設なのか、既存加算が令和8年度改定を経て継続しているのかは、確認が取れ次第この記事に反映します。
併算定・注意点
みらい(新人医療事務)
ほかに気をつけておくべきことはありますか?
あおい(元・医療事務)
大きく2点です。1つ目は、対象の手術どうしを同時に行った場合、主たる手術のみ算定する扱いになっている点(K697-2とK697-3の関係で確認済みです)。2つ目は、腫瘍の大きさで点数が分かれる手術が多いですが、その「2センチメートル」という基準は焼灼した範囲ではなく、腫瘍そのものの長径を指すという定義がある点です。この2つは、フュージョンイメージング加算そのものというより土台の手術側のルールですが、レセプト作成の際に混同しやすいので押さえておくとよいです。
みらい(新人医療事務)
加算の200点だけでなく、土台になっている手術側のルールもセットで見ておく必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。加算だけを切り出して考えると見落としが起きやすいので、対象手術の算定要件全体とあわせて確認する習慣をつけておくと安心です。なお、手術の際に画像を活用する加算としては、ナビゲーションなどを用いる画像等手術支援加算もあります。対象となる場面が異なる別の加算なので、混同せずそれぞれ個別に確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、現場でよく出てきそうな質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
超音波だけを使ってCTやMRIとの画像融合をしていない場合は、加算の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
点数表の注書きは「フュージョンイメージングを用いて行った場合」に加算するという条件です。画像を融合する処理を行っていない場合は、この加算の対象外の可能性が高いです。実際に融合表示を用いたかどうかを手術記録で確認してください。
みらい(新人医療事務)
対象の7術式以外の手術でフュージョンイメージングを使った場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料では、フュージョンイメージング加算が付いているのはこの7術式に限られています。それ以外の手術でも画像融合の技術自体は使われることがありますが、加算として算定できるかどうかは、その手術の点数表の注書きに同様の記載があるかを個別に確認する必要があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象手術の実施状況や画像融合の使用有無を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。