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令和8年度最終更新 2026-08-12T21:08:59+00:00出典あり

選択的冠灌流加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の選択的冠灌流加算。4,800点。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

先輩、心臓血管外科の術後カルテを見ていたら「選択的冠灌流加算」っていう名前の加算が出てきたんですけど、これって何のための加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

それは K601 人工心肺という手術の点数区分に付く加算の一つですよ。人工心肺、つまり体外循環を使う心臓や大動脈の手術で、心臓を保護するために特別な方法で冠動脈へ血液を送った場合に算定候補になる加算です。

みらい

みらい新人医療事務

「特別な方法」というと、具体的にはどういうことをするんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の医科点数表の留意事項では、「大動脈基部を切開し、左右冠動脈口に個別にカニューレを挿入し、心筋保護を行った場合」にこの加算を算定する、とされています。つまり、大動脈の根元を切開して、左右の冠動脈の入り口それぞれに管(カニューレ)を挿入し、心筋を保護する処置を行った場合が対象です。

みらい

みらい新人医療事務

なるほど、心臓手術の中でもかなり専門的な技術のことなんですね。うちのクリニックでも算定候補になるんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

この加算は K601 人工心肺という手術区分の加算なので、人工心肺を用いた心臓・大血管の手術を実施している医療機関が対象になります。人工心肺自体、専門的な体制を持つ医療機関で行われる手術ですから、まずは自院で該当の手術・技術を実施しているかどうかから確認するのが順番です。

選択的冠灌流加算の点数と算定単位(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数はどのくらいなんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の医科点数表では、K601 人工心肺(1日につき)の「注1」に加算として位置づけられています。まず人工心肺自体の点数を見てみましょう。

区分点数(令和8年度)
K601 人工心肺(1日につき)1 初日30,150点
K601 人工心肺(1日につき)2 2日目以降3,000点
注1加算(補助循環・選択的冠灌流・逆行性冠灌流のいずれか)4,800点
注2加算(選択的脳灌流)7,000点

選択的冠灌流加算 点数の整理(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

選択的冠灌流加算は4,800点なんですね。人工心肺の点数に上乗せするイメージですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。「初日に、補助循環、選択的冠灌流又は逆行性冠灌流を併せて行った場合には、4,800点を所定点数に加算する」と書かれています。つまり、人工心肺の初日の点数に4,800点を加算する形です。

みらい

みらい新人医療事務

「補助循環」や「逆行性冠灌流」という名前も見えますけど、これらと選択的冠灌流はどう違うんですか?

あおい

あおい元・医療事務

同じ注1の中に3つの技術が並んでいますが、それぞれ目的や手技が違います。補助循環は人工心肺を用いた心大血管手術後の低心拍出量症候群に対して循環を補助する場合、逆行性冠灌流は冠静脈洞にバルーンカテーテルを挿入して心筋保護を行う場合、そして選択的冠灌流は先ほど説明した左右冠動脈口への個別カニューレ挿入による心筋保護の場合です。技術としては別物ですが、点数上の扱いに注意が必要です。

3つの加算は主たるもの1つだけ算定

医科点数表の条文には「4,800点を所定点数に加算する(主たるもののみを算定する。)」と明記されています。補助循環・選択的冠灌流・逆行性冠灌流を同じ日に複数併用した場合でも、加算として算定できるのはこのうち主たるもの1つだけです。3つを同時に算定できるわけではない点に注意してください。

選択的冠灌流加算の対象患者・対象手術

みらい

みらい新人医療事務

対象になる患者さんは、どんな手術を受ける人なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

人工心肺を用いた心臓・大血管の手術のうち、大動脈基部を切開して左右の冠動脈口に個別にカニューレを挿入し、心筋保護を行う術式を採用した患者さんが対象になります。大動脈弁の手術や大動脈基部の手術などで、このような心筋保護の方法が選択されるケースが典型的です。

みらい

みらい新人医療事務

逆に、対象にならないケースもあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

はい。例えば人工心肺を使わない冠動脈バイパス術(オフポンプ手術)や、選択的冠灌流以外の心筋保護法(例えば逆行性冠灌流のみ、あるいは大動脈遮断による通常の順行性心筋保護のみ)を用いた場合は、この加算の対象にはなりません。「人工心肺を使った」というだけでなく、「大動脈基部切開+左右冠動脈口への個別カニューレ挿入」という具体的な手技要件を満たしているかどうかが確認のポイントです。

算定候補になるかの確認ポイント

手術内容: 人工心肺を用いた心臓・大血管手術で、大動脈基部を切開しているか。 心筋保護の方法: 左右冠動脈口に個別にカニューレを挿入する方式を採用しているか(逆行性冠灌流や通常の大動脈遮断のみではないか)。 算定日: 人工心肺実施の初日に行っているか(注1の加算は初日の扱いとして記載されています)。 他の加算との関係: 同じ注1内の補助循環・逆行性冠灌流と重複して算定していないか(主たるもの1つのみ)。

施設基準・届出(要確認)

みらい

みらい新人医療事務

施設基準や届出は必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

正直に言うと、当サイトが収録している一次資料の範囲では、選択的冠灌流加算そのものに個別の施設基準や届出様式が定められているという記載は確認できていません。K601人工心肺は手術の部の点数区分であり、実施する術式や医師の技術水準に応じて算定するタイプの加算です。

みらい

みらい新人医療事務

それだと、届出なしでもいつでも算定できるということですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは断定できません。「確認できていない」というのは、あくまで当サイトが収録している範囲での話です。人工心肺を用いた心臓外科手術自体は高度に専門的な体制(心臓血管外科の常勤医師配置、集中治療の体制など)を前提に実施されるのが一般的ですから、自院の手術の部全体に関わる施設基準・人員体制を含めて、医科点数表の該当箇所や地方厚生局への確認を必ず行ってください。

届出要否は個別に確認を

本加算は技術要件(大動脈基部切開+左右冠動脈口への個別カニューレ挿入)が中心の加算です。ただし、K601人工心肺を含む手術の実施体制については、医療機関ごとに施設基準・人員配置の確認が必要になる場合があります。届出の要否や記載内容は、必ず自院の地方厚生局への届出状況と最新の告示・通知で確認してください。

算定タイミング・回数・併算定の注意

みらい

みらい新人医療事務

算定するタイミングで、他に気をつけることはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

いくつかあります。まず、注1の加算は「初日に」併せて行った場合の加算とされているので、人工心肺実施日の中でも初日が対象という点です。2日目以降も人工心肺を継続する場合は、K601の「2 2日目以降 3,000点」の区分で算定しますが、注1の4,800点加算がそのまま繰り返し算定できるかどうかは、条文上「初日に」と限定されているため、慎重に確認する必要があります。

みらい

みらい新人医療事務

カニューレを挿入する手技自体の料金は別に請求できるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ。留意事項には「人工心肺実施のために血管を露出し、カニューレ、カテーテル等を挿入した場合の手技料は、所定点数に含まれ、別に算定できない」とあります。つまり、選択的冠灌流のためのカニューレ挿入手技自体を人工心肺の所定点数とは別に算定することはできません。

みらい

みらい新人医療事務

選択的脳灌流加算(7,000点)と一緒に算定できるケースもあるんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

選択的脳灌流加算は同じK601の「注2」に定められている、別の技術(脳への選択的灌流)に対する加算です。条文上は注1と注2は別立てで書かれていますが、両方を同時に行った場合の扱いについて、当サイトが収録している一次資料の範囲では明確な記載を確認できていません。弓部大動脈の手術など脳灌流と冠灌流の両方が問題になる術式もあり得るため、このケースに該当する場合は、算定候補として扱わず、必ず公式資料や審査支払機関に個別に確認してください。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の令和6年度改定から、この加算に変わったところはあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料の範囲では、選択的冠灌流加算について令和6年度からの点数・算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026-08・厚労省一次情報ベース)。今回の記事は令和8年度時点の医科点数表・留意事項通知に基づいて整理しています。

改定確認の考え方

点数が変わっていなくても、対象手技の定義や算定要件(今回でいえば「大動脈基部切開+左右冠動脈口への個別カニューレ挿入」という要件)が改定で見直されることもあります。自院で算定を検討する際は、必ずその年度の最新の医科点数表・留意事項通知を確認してください。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

自院がこの加算の算定候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

次のような順番で確認するとよいと思います。

自院で確認する順番

  1. 人工心肺を用いた心臓・大血管手術を実施しているか(K601 人工心肺を算定する体制があるか)
  2. 実施した術式が、大動脈基部を切開して左右冠動脈口に個別にカニューレを挿入する方式(選択的冠灌流)に該当するか
  3. 同じ人工心肺実施日の中で、補助循環・逆行性冠灌流など他の注1加算と重複算定していないか
  4. 手術記録・麻酔記録・体外循環記録に、選択的冠灌流を行った旨と手技の具体的内容が記載されているか
  5. 自院の届出状況や地方厚生局の案内で、人工心肺・心臓血管外科手術に関わる施設基準を満たしているか

自院で確認する順番(令和8年度)

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

現場で見落としやすいポイントってありますか?

あおい

あおい元・医療事務

よくあるのは、人工心肺を使った手術だからといって、心筋保護の方法を確認せずに「補助循環加算」や「逆行性冠灌流加算」とまとめて同じように扱ってしまうケースです。実際に行った心筋保護の技術がどれに当たるかを、手術記録から具体的に確認する必要があります。

よくある取り漏れ・誤り

技術の取り違え: 選択的冠灌流・逆行性冠灌流・補助循環は別の技術。手術記録の記載を確認せずに名称だけで判断しない。 重複算定の見落とし: 注1加算は「主たるもの1つのみ」。複数の技術を併用した記録があっても、加算として算定できるのは1つだけ。 初日以外の算定: 注1の加算は初日に併せて行った場合の加算。2日目以降も同様に算定できるかは条文上明確でないため、要確認として扱う。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。手術内容や体外循環の記録を整理しながら入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

公式資料の根拠

みらい

みらい新人医療事務

この記事の内容って、どの資料をもとにしているんですか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省が公開している令和8年度の医科点数表と関連資料に基づいて整理しています。参照した資料は次のとおりです。

資料リンク
医科点数表 別表第一(K601 人工心肺(1日につき)令和8年度)mhlw.go.jp
令和8年度診療報酬改定説明資料等について(留意事項通知等の所在ページ)mhlw.go.jp

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

よくある質問

人工心肺を使わない冠動脈バイパス術でも選択的冠灌流加算の対象になりますか?

いいえ。選択的冠灌流加算はK601人工心肺の注1加算のため、人工心肺(体外循環)を使わない手術では対象になりません。

逆行性冠灌流と選択的冠灌流を同じ手術で行った場合、加算は両方算定できますか?

できません。医科点数表の条文上、補助循環・選択的冠灌流・逆行性冠灌流のうち主たるもの1つのみを算定します。

選択的冠灌流加算専用の届出様式はありますか?

当サイトが収録している一次資料の範囲では、選択的冠灌流加算だけを対象にした単独の届出様式は確認できていません。人工心肺を含む手術実施体制全体の中で、自院の届出状況を地方厚生局に確認してください。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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