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令和8年度最終更新 2026-08-13T01:10:19+00:00出典あり

重症者加算、精神療養病棟で算定候補?【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の重症者加算。精神療養病棟入院料(A312)または地域移行機能強化病棟入院料(A318)の届出病棟に入院している患者のうち、GAF尺度による判定が30以下(重症者加算1、60点)または40以下(重症者加算2、30点)の場合に、1日につき所定点数に加算する。重症者加算1は精神科救急医療確保事業等への関与を含む追加の施設基準届出が前提となる。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

「重症者加算」って名前を見つけたんですけど、これってどんな加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

重症者加算は、精神病棟の入院料に上乗せする加算です。具体的には精神療養病棟入院料または地域移行機能強化病棟入院料を算定している病棟の患者のうち、症状が重い方について、1日につき点数を加算できる仕組みになっています。令和8年度(2026年度)の診療報酬でも、この枠組み自体は継続しています。

みらい

みらい新人医療事務

うちのクリニックでも算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは重要な確認ポイントです。重症者加算は「精神病棟」を持つ病院向けの加算で、条文でも「精神病棟を有する保険医療機関」が対象と明記されています。無床のクリニックや、精神病棟以外の病棟には関係しません。まずは自院が精神療養病棟入院料か地域移行機能強化病棟入院料を届け出ているかどうかを確認しましょう。

対象医療機関・対象病棟

みらい

みらい新人医療事務

対象になる病棟をもう少し詳しく知りたいです。

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の医科点数表では、地域移行機能強化病棟入院料(区分番号A318)の条文に「注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について算定する」と定められています。精神療養病棟入院料(区分番号A312)についても同様に「届出に係る精神病棟に入院している患者」が前提になります。つまり、重症者加算単体で届け出るものではなく、ベースになる入院料(A312またはA318)の届出がまず必要、という位置づけです。

みらい

みらい新人医療事務

なるほど、単独の加算というより「上乗せ」のイメージなんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。ベースの入院料を算定していない病棟では、重症者加算の対象にはなりません。

重症者加算 点数区分(令和8年度)

点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数はどうなっていますか?

あおい

あおい元・医療事務

精神療養病棟入院料・地域移行機能強化病棟入院料のいずれも、注に同じ文言があります。「別に厚生労働大臣が定める状態の患者については、重症者加算として、当該患者に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。ただし、重症者加算1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する。イ 重症者加算1 60点 ロ 重症者加算2 30点」という内容です。

区分点数(1日につき)追加の施設基準届出
重症者加算160点必要(別建ての施設基準)
重症者加算230点ベース入院料の届出のみ(重症者加算2自体の追加届出規定は条文上確認できず)
みらい

みらい新人医療事務

重症者加算1と2で届出の重さが違うんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。重症者加算1は、条文に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する」と明記されているとおり、追加の施設基準届出が前提の候補です。重症者加算2はこの追加届出の規定が条文上見当たらないため、ベースの入院料の届出があれば候補になり得ますが、最終的には自院の届出内容・審査支払機関で確認が必要です。

対象患者の状態(GAF尺度)

みらい

みらい新人医療事務

「別に厚生労働大臣が定める状態の患者」って、具体的にはどんな患者さんのことですか?

あおい

あおい元・医療事務

これは厚生労働省の留意事項通知で示されています。当サイトが収録している一次資料の範囲では、「『注4』の重症者加算1は、算定する日においてGAF尺度による判定が30以下の患者である場合に算定する。『注4』の重症者加算2は、算定する日においてGAF尺度による判定が40以下の患者である場合に算定する」と整理されています。GAF尺度(機能の全体的評定尺度)は、精神症状や社会的機能の重さを数値で評価する指標です。数値が低いほど機能の障害が重いとされ、重症者加算1は30以下、重症者加算2は40以下が目安になります。この判定は算定日ごとに確認する必要がある点にも注意が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

数値の判定は誰がするんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは個別の医療機関の診療内容に関わる部分なので、当サイトで一律にお答えすることはできません。担当医の判定・診療録の記載状況をもとに、自院で確認していただく必要があります。

対象患者の判定は自院での確認が必要

GAF尺度による判定は算定日ごとに必要です。診療録に判定根拠が残っているかどうかも、届出・算定の確認ポイントになります。

施設基準・届出

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の中身はどこで確認できますか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」に、重症者加算1の施設基準の考え方が示されています。当サイトが収録している範囲では、「重症者加算1の施設基準 当該病棟を有する保険医療機関が次のいずれかの要件を満たすこと。(1)精神療養病棟入院料の重症者加算1の届出を行っていること。(2)次のいずれかの要件を満たすこと ア 精神科救急医療確保事業において常時対応型施設として指定を受けている医療機関又は身体合併症救急医療確保事業において指定を受けている医療機関であること。イ 精神科救急医療確保事業において病院群輪番型施設として指定を受けている医療機関であって、時間外、休日又は深夜における入院件数が年4件以上であること等の要件に該当すること」という要件が挙げられています。つまり、重症者加算1は「精神科救急医療の体制に関与しているかどうか」が施設基準の柱の一つになっています。すでに精神療養病棟入院料側で重症者加算1の届出をしている場合は、地域移行機能強化病棟入院料側でも同様の実績を踏まえて確認する流れになります。なお、同じ病棟の届出に関わる精神保健福祉士配置加算も合わせて確認しておくと、届出状況の整理がしやすくなります。

みらい

みらい新人医療事務

けっこう細かい要件ですね……。

あおい

あおい元・医療事務

はい。精神科救急医療確保事業の指定状況や、時間外・休日・深夜の対応実績など、自院の体制に直結する要件です。届出済みであれば重症者加算1の候補になりますが、要件を満たしているかどうかは自院の実績データを整理したうえでの確認が必要です。

取り漏れやすいポイント

重症者加算2の見落とし: 重症者加算1の届出要件ばかりに気を取られ、追加届出が不要な重症者加算2(GAF尺度40以下)の算定候補を見落としているケースがあります。

併算定の取り扱い

みらい

みらい新人医療事務

ほかの加算と一緒に算定できますか?

あおい

あおい元・医療事務

精神療養病棟入院料・地域移行機能強化病棟入院料は「診療に係る費用は入院料に含まれるものとする」という包括のルールがベースにあり、その中で重症者加算を含む一部の加算だけが「注」で個別に加算できる形になっています。医師事務作業補助体制加算や地域加算、データ提出加算など、一緒に算定できる項目・できない項目が条文で細かく列挙されているため、レセプトを組む際は自院のレセコン設定と条文を突き合わせて確認することをおすすめします。

包括範囲の確認は個別に

包括される費用の範囲は入院料ごとに条文が異なります。重症者加算以外の加算・薬剤・処置との併算定可否は、自院の算定内容に応じて個別に確認してください。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の改定から何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

前回改定(令和6年度)からの重症者加算に関する主な変更は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年8月)。点数(重症者加算1 60点、重症者加算2 30点)や、GAF尺度による判定基準(30以下・40以下)についても、令和8年度時点の条文・留意事項通知で同様の内容が確認できています。改定内容は随時更新される可能性があるため、最新の告示・通知は厚生労働省の公式資料で確認してください。

自院で確認する順番

自院で確認する順番

  1. 自院が精神療養病棟入院料(A312)または地域移行機能強化病棟入院料(A318)を届け出ているか確認する
  2. 対象患者の算定日ごとのGAF尺度判定が診療録に記録されているか確認する
  3. GAF尺度30以下なら重症者加算1、40以下なら重症者加算2の区分に該当するか確認する
  4. 重症者加算1を候補にする場合は、精神科救急医療確保事業等への関与状況を含む追加の施設基準を満たしているか確認する
  5. 併算定できない項目(入院料に包括される費用)が混在していないかレセプトで確認する

重症児(者)受入連携加算との混同に注意

みらい

みらい新人医療事務

名前が似ている加算があると聞きました。

あおい

あおい元・医療事務

はい、「重症児(者)受入連携加算」という別の加算があります。こちらは対象疾患・対象病棟が異なる加算で、精神療養病棟入院料・地域移行機能強化病棟入院料の重症者加算とは条文上の位置づけが別物です。名称が似ているため、算定候補を検討する際は加算名だけでなく、対象になる入院料の区分番号(A312・A318か、それ以外か)まで確認することをおすすめします。

加算名の混同に注意

「重症者加算」と「重症児(者)受入連携加算」は別の加算です。自院で該当条文の区分番号まで確認してから判断してください。

自院で確認する順番(令和8年度)

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式データで見る算定要件・施設基準・届出

  • 算定要件

    注1別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について、所定点数を算定する。

    全文を読む ▾

    2診療に係る費用(注3から注5までに規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、特定感染症患者療養環境特別加算、精神科措置入院診療加算、精神科地域移行実施加くう算、精神科慢性身体合併症管理加算、口腔管理連携加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、精神科救急搬送患者地域連携受入加算、データ提出加算、精神科入退院支援加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第7部リハビリテーションの区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、区分番号H002に掲げる運動器リハビリテーション料、区分番号H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料及び区分番号H003-2に掲げるリハビリテーション総合計画評価料、第8部精神科専門療法、第9かん部処置の区分番号J038に掲げる人工腎臓、区分番号J042に掲げる腹膜灌流及び区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げるかん人工腎臓又は区分番号J042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)、第14部その他並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神療養病棟入院料に含まれるものとする。

    3当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

    4別に厚生労働大臣が定める状態の患者については、重症者加算として、当該患者に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。ただし、重症者加算1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する。

    イ重症者加算1 60点ロ重症者加算2 30点5別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、精神保健福祉士配置加算として、1日につき30点を所定点数に加算する。

    6精神保健福祉士配置加算を算定した場合は、注5に規定する加算、区分番号A230-2に掲げる精神科地域移行実施加算、区分番号A246-2に掲げる精神科入退院支援加算、区分番号I011に掲げる精神科退院指導料及び区分番号I011-2に掲げる精神科退院前訪問指導料は、算定しない。A313削除

  • 算定要件

    注1別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について算定する。

    全文を読む ▾

    ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の精神病棟入院料の15対1入院基本料の例により算定する。

    2当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

    3別に厚生労働大臣が定める状態の患者については、重症者加算として、当該患者に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。ただし、重症者加算1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する。

    イ重症者加算1 60点ロ重症者加算2 30点4診療に係る費用(注2及び注3本文に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、特定感染症患者療養環境特別加算、精神科措置入院診療加算、精神科慢性身体合併症くう管理加算、口腔連携管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、精神科入退院支援加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第8部精神科専門療法(区分番号I011に掲げる精神科退院指導料及び区分番号I011-2に掲げる精神科退院前訪問指導料を除く。)、第9部処置の区分番号J038に掲げる人工かん腎臓、区分番号J042に掲げる腹膜灌流及び区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓又は区分番号J042に掲げるかん腹膜灌流に係るものに限る。)、第14部その他並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、地域移行機能強化病棟入院料に含まれるものとする。

よくある質問

重症者加算1と重症者加算2は同時に算定できますか?

条文では患者の区分に従って加算する整理のため、区分ごとに1つの点数が対応します。自院のレセコン設定・審査支払機関の判断も含めて確認することをおすすめします。

GAF尺度の判定はいつ確認しますか?

条文上「算定する日において」判定するとされているため、算定日ごとの確認が必要です。診療録への記載状況も確認しましょう。

精神療養病棟入院料と地域移行機能強化病棟入院料で点数区分は違いますか?

重症者加算1(60点)・重症者加算2(30点)の点数区分自体はどちらの入院料でも同じです。ただし届出要件やベースの入院料の点数は異なります。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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