みらい(新人医療事務)
先輩、口腔外科の患者さんのレセプトを見ていたら「連続歯結紮法(三内式線副子以上)加算」っていう項目が出てきたんですけど、これって何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。これは下顎骨折の治療で行う「K428下顎骨折非観血的整復術」という手術に、特定の固定処置をあわせて行った場合に上乗せできる加算です。令和8年度の点数表では、K428の「注」に定められています。
みらい(新人医療事務)
「非観血的整復術」って、切らずに骨折を治す処置ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。皮膚を切開せずに、外部から骨折部位を整復する処置を指します。下顎骨折の場合、整復したあとにあごの位置がずれないよう固定する必要があり、その固定方法の一つが「三内式線副子以上を使用する連続歯結紮法」です。歯に金属線をかけて連続的に結紮し、上下の歯列を固定する処置とイメージしてください。
みらい(新人医療事務)
つまり、この加算だけを単独で算定することはできない、ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのとおりです。土台になるのはあくまでK428下顎骨折非観血的整復術で、そこに三内式線副子以上を使用する連続歯結紮法を行ったという事実があって初めて、この加算が算定候補になります。手術記録や診療録に、整復後の固定処置として連続歯結紮法を行った旨の記載があるかどうかが、まず確認すべきポイントです。
対象医療機関・対象となる場面
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関で目にすることが多い加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している一次資料の範囲では、この加算はK428下顎骨折非観血的整復術を実施できる医療機関であれば、診療所・病院のどちらでも算定候補になり得るデータとして整理されています。ただし、下顎骨折の整復と歯列固定を行う場面ですので、口腔外科・歯科口腔外科・形成外科などを標榜する医療機関での実施が中心になると考えておくとよいでしょう。
みらい(新人医療事務)
医科の点数表に載っているのに、歯や口の処置なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。この項目はいわゆる歯科診療報酬点数表ではなく、医科点数表の手術(K区分)に収載されています。交通外傷やスポーツ外傷、転倒などによる下顎骨折の治療は、口腔外科や形成外科を持つ病院で医科として扱われることが多いためです。歯科医療機関単独で完結するケースとは前提が異なる点に注意してください。
点数・区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的に何点になるんですか?
あおい(元・医療事務)
整理すると次のとおりです。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| K428 下顎骨折非観血的整復術(基本術式) | 1,240点 |
| 連続歯結紮法(三内式線副子以上)加算 | 650点 |

みらい(新人医療事務)
基本の手術1,240点に、この加算650点が上乗せされるイメージですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。単純に足すと1,890点分の算定候補になる計算ですが、実際の算定にあたっては、レセプトコンピューターのマスター登録内容や併算定の可否も含めて確認する必要があります。金額の大きさだけを見て判断せず、実施した処置の内容が公式資料の要件と一致しているかを確認する姿勢が大切です。
みらい(新人医療事務)
レセプト上のコードって決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載しているデータでは、この加算のマスターコードは150267270として整理されています。実際の入力の際は、自院のレセプトコンピューターに登録されているマスター情報とあわせて確認してください。
「三内式線副子以上」とはどんな処置か
みらい(新人医療事務)
「三内式線副子以上」っていう言葉、聞き慣れないんですけど、どういう意味なんですか?
あおい(元・医療事務)
正直に言うと、当サイトが収集している一次資料の範囲では、「三内式線副子」という固定方法の具体的な定義や適応の詳細までは確認できていません。公式資料に書かれているのは「三内式線副子以上を使用する連続歯結紮法を行った場合は、650点を加算する」という記載までです。線副子を使った歯列固定にはいくつかの方式があり、その中でも一定以上の規模・方式の固定処置を行った場合にこの加算が算定候補になる、という位置づけだと考えられます。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、実際にどの固定方法がこれに該当するかは、現場の先生に確認したほうがいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。手術記録に記載された固定方法の名称や手技の内容を、実際に処置を行った口腔外科医・歯科医師に確認するのが確実です。当サイトの記事だけで「この処置は該当する/しない」と判断せず、記録の記載内容を医師とすり合わせる工程を必ず入れてください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、届出とか特別な体制が必要だったりしますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、この加算単体について個別の施設基準や届出は確認されていません。ただし、土台となるK428下顎骨折非観血的整復術自体の算定要件を満たしていることが前提になりますので、その要件と自院の届出状況をあわせて確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、下顎骨折の手術ができる体制さえあれば、固定処置をしたときに自動的についてくるようなイメージですか?
あおい(元・医療事務)
イメージとしては近いですが、「自動的に算定できる」と言い切ることはできません。三内式線副子以上を使用する連続歯結紮法を実施した事実が、診療録・手術記録にきちんと記載されていることが前提です。記録の整備状況もあわせて自院で確認してください。
算定タイミングの注意
連続歯結紮法(三内式線副子以上)加算は、K428下顎骨折非観血的整復術を算定する一連の処置の中で、三内式線副子以上を使用する連続歯結紮法をあわせて行った場合の加算です。上顎骨折の非観血的整復術(K432)には、当サイトが収集している一次資料の範囲では同様の加算規定は確認されていません。対象となる基本術式を取り違えないよう注意してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から点数とか変わったりしたんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収集している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)時点でのこの加算に関する公式資料をまだ確認できておらず、点数や算定要件が変更されたかどうかは確認できていません(確認日: 2026年8月)。令和8年度診療報酬点数表に基づく現在の内容は、基本術式1,240点に対して加算650点、という構成です。今後、前回改定時点の一次資料を確認でき次第、この記事を更新します。
改定チェックのポイント
点数が変わっていなくても、算定要件や記録の様式が改定で変わることがあります。前回改定と比べて手術記録・診療録の記載欄が変わっていないか、様式面も含めて確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にレセプトを作るとき、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で見ていくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 実施した手術がK428下顎骨折非観血的整復術に該当するかを確認する
- 手術記録・診療録に、三内式線副子以上を使用する連続歯結紮法を行った旨の記載があるかを確認する
- 記載されている固定方法の名称・内容を、実際に処置を行った医師に確認する
- レセプトコンピューターのマスター登録内容(コード150267270)と点数(650点)が一致しているかを確認する
- K428本体の算定要件・併算定の可否とあわせて最終確認する

みらい(新人医療事務)
順番に見ていけば、見落としも防げそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に3番目の「固定方法の内容を医師に確認する」工程は省略されがちですが、この加算は固定方法の種類によって算定候補になるかどうかが変わる可能性があるので、記録の文言だけで自己判断しないことが大切です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実務でありがちなミスってどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
よく聞くのは次のようなケースです。
取り漏れ例①
手術記録には連続歯結紮法の実施が書いてあるのに、K428本体の算定にとどまり、加算そのものが算定候補から漏れてしまうケースです。下顎骨折の非観血的整復術を確認する際は、固定処置の有無まで必ずセットで見る習慣をつけるとよいでしょう。
取り漏れ例②
逆に、上顎骨折の非観血的整復術(K432)でも同じように加算できると思い込んでしまうケースです。当サイトが収集している一次資料の範囲では、この加算はK428下顎骨折非観血的整復術に対する注書きとして規定されており、K432には同様の記載が確認されていません。基本術式の取り違えに注意してください。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
この記事の内容って、どこの資料を見て書いているんですか?
あおい(元・医療事務)
主に厚生労働省の令和8年度診療報酬点数表(K428下顎骨折非観血的整復術・注の規定)を確認しています。あわせて、比較のためにK432上顎骨折非観血的整復術の点数区分も参照しました。資料は厚生労働省のウェブサイトで公開されているものです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した処置の内容や記録の整備状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の診療録・手術記録の記載内容、届出状況、公式資料、審査支払機関の判断でご確認ください。