みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトの摘要欄に「遠隔画像診断管理加算」って書いてあるのを見かけたんですけど、これって画像診断管理加算とは別物なんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。名前は似ていますが、算定のきっかけが違うんです。令和8年度の医科点数表では、他の保険医療機関へ画像を伝送して読影を依頼した(または依頼された)場合に、画像診断管理加算1〜4に相当する点数を「遠隔」の区分で算定する仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
つまり、自院で常勤の放射線科医が読影する場合と、画像を送って他院に読影してもらう場合とで、コードが分かれているということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の第2章第4部画像診断 通則6には、「遠隔画像診断による画像診断(区分番号E001、E004、E102又はE203に限る。)を行った場合については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関間で行われた場合に限り算定する。この場合において、受信側の保険医療機関が通則第4号本文の届出を行った保険医療機関であり、当該保険医療機関において画像診断を専ら担当する常勤の医師が、画像診断を行い、その結果を送信側の保険医療機関に文書等により報告した場合は、区分番号E001又はE004に掲げる画像診断、区分番号E102に掲げる画像診断及び区分番号E203に掲げる画像診断のそれぞれについて月1回に限り、画像診断管理加算1を算定することができる」と定められています。
みらい(新人医療事務)
なるほど、「送信側」と「受信側」で役割が違うんですね。届出は両方の医療機関に必要ということですか?
あおい(元・医療事務)
施設間で行う仕組みなので、少なくとも受信側(読影を行う側)は施設基準の届出が必要です。詳しい仕組みの解説は遠隔画像診断の記事にまとめていますので、あわせて確認していただくと理解しやすいと思います。この記事では、実際にレセプトで使う「遠隔画像診断管理加算」のコード区分と点数の整理を中心にお話ししますね。
対象医療機関・対象となる場面
みらい(新人医療事務)
どんな場面で算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
自院に画像診断を専ら担当する常勤の医師がいない、または体制が限定的で、他の届出医療機関に画像を伝送して読影・診断を依頼する場合が典型です。診療所・病院どちらも対象になり得ますが、区分3・4は組織的な読影体制を前提としているため病院向けの区分になります。
みらい(新人医療事務)
うちは診療所で、常勤の放射線科医はいません。CTを撮って画像だけ他院に送るような運用でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
その運用自体は考えられますが、算定候補になるかどうかは、送信側・受信側それぞれの届出状況と、受信側で画像診断を専ら担当する常勤の医師が読影しているかによって変わります。ここは自院だけで判断せず、確認が必要な部分ですね。
点数・コード区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的にどんなコードと点数があるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している医科診療行為マスターの範囲では、遠隔画像診断管理加算は次の14区分に整理されています。区分ごとに撮影の種類(写真診断・基本的エックス線診断・核医学診断・コンピューター断層診断)で細分化されているのが特徴です。
| 区分 | 撮影の種類 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 遠隔画像診断管理加算1 | 写真診断 | 70点 |
| 遠隔画像診断管理加算1 | 基本的エックス線診断 | 70点 |
| 遠隔画像診断管理加算1 | 核医学診断 | 70点 |
| 遠隔画像診断管理加算1 | コンピューター断層診断 | 70点 |
| 遠隔画像診断管理加算2(通則7・一部委託・送信側届出あり) | 核医学診断/コンピューター断層診断 | 166点 |
| 遠隔画像診断管理加算2 | 核医学診断 | 175点 |
| 遠隔画像診断管理加算2 | コンピューター断層診断 | 175点 |
| 遠隔画像診断管理加算3 | 核医学診断 | 235点 |
| 遠隔画像診断管理加算3 | コンピューター断層診断 | 235点 |
| 遠隔画像診断管理加算4 | 核医学診断 | 340点 |
| 遠隔画像診断管理加算4 | コンピューター断層診断 | 340点 |
みらい(新人医療事務)
175点、235点、340点っていう数字はどこから来ているんですか?
あおい(元・医療事務)
同じ告示の通則8に、「区分番号E102及びE203に掲げる画像診断については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において画像診断を専ら担当する常勤の医師が、画像診断を行い、その結果を文書により報告した場合は、画像診断管理加算2、画像診断管理加算3又は画像診断管理加算4として、区分番号E102に掲げる画像診断及び区分番号E203に掲げる画像診断のそれぞれについて月1回に限り175点、235点又は340点を所定点数に加算する」と定められています。
あおい(元・医療事務)
そして、送信側が管理加算2の届出のみで受信側が管理加算2〜4の届出を行っている、いわゆる「一部委託」のケースでは、通則7に「遠隔画像診断による画像診断(区分番号E102及びE203に限る。)を通則第6号本文に規定する保険医療機関間で行った場合であって、送信側の保険医療機関が画像診断管理加算2の届出を行った保険医療機関であり、かつ、受信側の保険医療機関が画像診断管理加算2、画像診断管理加算3又は画像診断管理加算4の届出を行った保険医療機関である場合において、区分番号E102に掲げる画像診断及び区分番号E203に掲げる画像診断のそれぞれについて月1回に限り、画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)として、166点を所定点数に加算する」という、別立ての区分もあります。

コード表を読むときの注意
区分ごとに撮影種類が分かれている: 写真診断・エックス線診断・核医学診断・コンピューター断層診断で、それぞれ別のコードとして管理されています。実際にどのコードで算定されるかはレセプトコンピューターの設定にもよるため、迷ったら医事課システムのマスター登録内容を確認してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準はどのくらい厳しいんですか?
あおい(元・医療事務)
受信側は「画像診断を専ら担当する常勤の医師」を配置していることが前提です。加えて、疑義解釈(令和6年度・問194)では、「遠隔画像診断による画像診断の施設基準において、『関係学会の定める指針に基づく画像診断管理を行っていることが望ましい』とあるが、『関係学会の定める指針』とは、具体的には何を指すのか」という問いに対し、「現時点では、日本医学放射線学会の『保険診療における遠隔画像診断の管理に関する指針』を指す」と回答されています(この疑義解釈は前回改定=令和6年度に出されたものですが、令和8年度時点でも現行制度で参照される内容として扱われています)。
みらい(新人医療事務)
学会の指針まで確認しないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ここは自院の届出済み施設基準の内容と、実際の読影体制が指針に沿っているかを、届出時の書類や学会指針で確認しておくのが安心です。届出済みであれば候補になりますが、体制の実態確認は必要ですね。
よくある取り漏れ
疑義解釈(平成24年度・医科 問11)では、受信側のみ画像診断管理加算2の届出があり送信側に届出がないケースで、送信側が64列以上のマルチスライスCT装置で撮影を行った場合の一部区分について「算定できない」と回答されています。送信側・受信側どちらの届出状況も個別に確認しないと、算定候補と思っていたケースが対象外になることがあります。
算定タイミング・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
いつ算定するものなんですか? 撮影のたびに毎回ですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、月1回に限られます。留意事項通知では、「遠隔画像診断を行った場合、画像診断管理加算1は、受信側の保険医療機関において専ら画像診断を担当する医師が読影及び診断を行い、その結果を文書により送信側の保険医療機関において当該患者の診療を担当する医師に報告した場合に、月の最初の診断の日に算定する」と整理されています。
あおい(元・医療事務)
また、送信側・受信側の費用分担についても、「遠隔画像診断を行った場合は、送信側の保険医療機関において撮影料、診断料及び画像診断管理加算(当該加算の算定要件を満たす場合に限る。)を算定できる。受信側の保険医療機関における診断等に係る費用については受信側、送信側の医療機関間における相互の合議に委ねるものとする」という整理があります。
みらい(新人医療事務)
受信側の読影費用は、保険請求とは別に医療機関同士で決めるということですね。
あおい(元・医療事務)
そうなります。ここは自院の契約内容によって差が出る部分なので、算定候補かどうかとあわせて、委託契約の取り決めも確認しておくとよいでしょう。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、遠隔画像診断管理加算の算定要件・点数区分について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚生労働省の告示・留意事項通知ベース)。施設基準に関する疑義解釈(令和6年度・問194の関係学会指針の確認)は現行制度でも参照される内容として整理されています。
変更の有無は自院の届出内容とあわせて確認
点数・要件に変更が確認されていない場合でも、自院の届出が現行の施設基準を満たしているかは別問題です。届出内容の見直し時期にあわせて、地方厚生局への届出書類を再確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 自院に画像診断を専ら担当する常勤の医師がいるか、いない場合は他院への伝送体制があるかを確認する
- 送信側・受信側のどちらの立場になるかを整理する(自院が撮影のみ行い他院に読影を依頼するのか、他院から画像を受け取り読影するのか)
- 受信側の施設基準届出(画像診断管理加算1〜4のいずれか)が地方厚生局に提出済みかを確認する
- 撮影の種類(写真診断/基本的エックス線診断/核医学診断/コンピューター断層診断)に応じて、該当する点数区分を確認する
- 送信側・受信側間の費用分担(委託契約の取り決め)を確認する
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。送信側・受信側の届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。