自家腸骨片充填加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「自家腸骨片充填加算」っていう名前をレセプトの資料で見たんですけど、これってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表にある手術の加算です。区分番号「K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)」という手術に対して、患者さん自身の腸骨(骨盤の骨)から採取した骨片を、手術部位に充填した場合に付く加算になります。
みらい(新人医療事務)
「自家」っていうのは、患者さん自身の骨を使うっていう意味なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。他人の骨(同種骨)や人工材料ではなく、患者さん自身の腸骨から採取した骨片を用いて充填した場合に限られる、という点がポイントです。厚生労働省の医科点数表には、K340-4の注として「自家腸骨片を充填した場合は3,150点を所定点数に加算する。」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、K340-4の手術をしただけでは自動的に付く加算ではないということですか?
あおい(元・医療事務)
はい。あくまで「自家腸骨片を充填した場合」という条件付きの加算です。まずは土台になっているK340-4の手術がどんな内容か、次の章で点数と一緒に整理しますね。
点数・算定コードの確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を見せてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。令和8年度時点でのK340-4と、その注として定められている自家腸骨片充填加算の関係をまとめると、この表になります。
| 区分番号 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| K340-4 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術) | 12,000点 |
| 注(自家腸骨片充填加算) | K340-4について、自家腸骨片を充填した場合 | +3,150点 |

みらい(新人医療事務)
この3,150点は、K340-4にしか付かないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の医科点数表では、区分番号「K340-4」の直下に「注 自家腸骨片を充填した場合は3,150点を所定点数に加算する。」という注が置かれています。同じ内視鏡下鼻・副鼻腔手術のシリーズには「K340-3 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)3,600点」「K340-5 Ⅲ型」「K340-6 Ⅳ型」「K340-7 Ⅴ型」もありますが、当サイトが確認した一次資料の範囲では、自家腸骨片充填加算の注はK340-4にのみ付いており、他の型(Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ型)には同じ注は見当たりません。
みらい(新人医療事務)
マスターコードはどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、この加算に対応する医科診療行為マスターの個別コード(150380370)を、加算概念として管理しています。実際のレセプト入力時のコード運用については、自院のレセプトコンピュータの設定や医科診療行為マスターで最終確認することをおすすめします。
どんな場面で算定候補になりますか?
みらい(新人医療事務)
この加算、うちの医療機関でも関係ある場面ってあるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
まず前提として、K340-4「内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)」自体が耳鼻咽喉科領域の手術ですので、耳鼻咽喉科の手術を扱う病院・診療所が対象になります。そのうえで、この手術を実施した際に、患者さん自身の腸骨から採取した骨片を手術部位に充填した場合が、加算の算定候補になる場面です。
みらい(新人医療事務)
「充填した」というのは、具体的にはどんな状況なんですか?
あおい(元・医療事務)
副鼻腔の手術で骨の欠損部や空洞を補う目的で、自家骨(患者さん自身の骨)を移植・充填する処置が行われることがあります。今回の加算は、その骨の採取元が「腸骨」であり、かつK340-4の手術に付随して行われた場合に対応するものです。手術記録に「自家腸骨片」「腸骨からの骨採取」といった記載があるかどうかが、確認の出発点になります。
みらい(新人医療事務)
他の部位から骨を採取した場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した条文は「自家腸骨片を充填した場合」と、採取元を腸骨に限定した表現になっています。腸骨以外の部位から採取した骨を使った場合にこの加算が対象になるかどうかは、今回参照した一次資料の範囲では明記されておらず、対象外の可能性も含めて要確認として扱うのが安全です。
施設基準・届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
外来感染対策向上加算みたいに、事前の届出や施設基準ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した医科点数表の条文には、自家腸骨片充填加算そのものについて、施設基準への適合や地方厚生局への事前届出を求める記載は見当たりませんでした。K340-4という手術の実施内容(自家腸骨片を充填したかどうか)に連動して所定点数へ加算される仕組みと考えられます。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出は一切いらないということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは言い切れません。当サイトが確認できた一次資料の範囲では届出に関する記載が見当たらなかった、という状態です。手術そのもの(K340-4を含む内視鏡下鼻・副鼻腔手術)を実施するための施設基準・体制が別途定められている可能性もありますので、届出の要否については自院のレセプト担当者や地方厚生局、審査支払機関に念のため確認していただくのが確実です。
断定はできません
届出に関する記載が確認できていない、という状態であり、「届出が一切不要」と保証するものではありません。最終的な取扱いは自院の状況と審査支払機関の判断で確認してください。
算定タイミングと注意点: 同時実施の手術との関係
みらい(新人医療事務)
他に気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、内視鏡下鼻・副鼻腔手術のシリーズ(K340-3からK340-7)に関する通知に、大事な注意点があります。「『K340-3』から『K340-7』までに掲げる手術を同時に実施した場合は、主たるもののみ算定する。」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、複数の型の手術を同時にやっても、まとめて算定はできないということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。たとえばK340-4(Ⅱ型)とK340-5(Ⅲ型)を同時に実施したとしても、算定できるのは主たる手術1つ分のみです。自家腸骨片充填加算はK340-4に対する注ですので、主たる手術としてK340-4を算定する場合に、あわせて自家腸骨片の充填という条件を満たしているかどうかを確認する、という順番になります。
みらい(新人医療事務)
似たような名前の加算で、他にも気をつけるものはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、混同しやすいものとして「副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2・1,000点)」があります。これはK340-3からK340-7まで、およびK350からK365までの手術で、副鼻腔手術用の骨軟部組織切除機器を使用した場合に算定するものです。「骨」という言葉が共通していますが、自家腸骨片充填加算は患者さん自身の骨を充填した場合の加算、K934-2は機器を使用した場合の加算で、条件も対象コードの範囲も別物です。
混同しやすい加算に注意
自家腸骨片充填加算(K340-4の注・3,150点): 自家腸骨片を充填した場合に限定。対象はK340-4のみ。
副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2・1,000点): 副鼻腔手術用の骨軟部組織切除機器を使用した場合。対象はK340-3〜K340-7、K350〜K365と範囲が広い。
名前や「骨」という共通ワードにつられず、条文の条件(充填か、機器使用か)を個別に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した令和8年度の一次資料(診療報酬の算定方法の一部を改正する件)と、それより前の版の医科点数表を突き合わせた範囲では、K340-4の所定点数(12,000点)、自家腸骨片充填加算の点数(3,150点)、および条文の文言について、変更を示す記載は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
近くの項目は変わっているのに、この加算だけ変わっていないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこは確認しています。同じ耳鼻咽喉科の手術区分でも、たとえば鼻甲介切除術や鼻茸摘出術などは版によって点数が変動していましたが、K340-4本体の点数と自家腸骨片充填加算の3,150点は、当サイトが照合した複数の版で同じ記載でした。
みらい(新人医療事務)
「確認されていない」というのは、変わっていないと言い切れるということですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこは言い切れません。当サイトが参照した一次資料の範囲で突き合わせた結果、変更を示す記載が見当たらなかった、という状態です。点数や算定条件は改定のたびに見直される可能性がありますので、最新の告示・通知は都度ご確認いただくことをおすすめします。
自院での確認手順
みらい(新人医療事務)
うちの医療機関でこの加算が算定候補になるか確認したい場合、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
-
手術記録を確認 — K340-4「内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)」を実施したかどうかを、術式名・手術記録で確認
-
他の型との同時実施を確認 — K340-3からK340-7のいずれかを同時に実施していないか。同時実施の場合、算定できるのは主たる手術のみ
-
自家腸骨片の充填を確認 — 手術記録に、患者さん自身の腸骨から採取した骨片を充填した旨の記載があるかを確認
-
採取元が腸骨であることを確認 — 骨の採取元が腸骨以外(他部位や同種骨・人工材料など)でないかを確認
-
他の機器加算との混同がないか確認 — 副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2)など、別の条件の加算と取り違えていないか確認
-
レセプト記載・審査を確認 — 最終的な算定内容は、自院のレセプト担当者・審査支払機関の判断で確認

みらい(新人医療事務)
手術記録の細かいところまで戻って確認する必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。手術系の加算は特に、加算名だけで判断せず、条文の条件(どの区分番号に対する注か、どんな条件が付いているか)と手術記録の内容を照らし合わせて確認することが大切です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある見落としのパターンってありますか?
よくある取り漏れポイント
- K340-4で自家腸骨片を充填したのに、加算の記載自体を失念しているケース
- K340-3やK340-5など、他の型の手術と取り違えて加算を検討してしまうケース
- 骨の採取元が腸骨以外だったにもかかわらず、自家腸骨片充填加算として記載しようとするケース
- 副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2)と自家腸骨片充填加算を混同するケース
- K340-3からK340-7を同時実施した際に、主たる手術以外の分もまとめて算定しようとするケース
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な条文・最新の告示内容は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号関連・医科点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省特設ページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。手術の実施内容や充填した骨の採取元を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。