みらい(新人医療事務)
先輩、輸血のレセプトを見ていたら「血液型加算」っていう項目があったんですけど、これって輸血をしたら毎回つけていいものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。血液型加算は、K920「輸血」の注5に基づく加算です。輸血に伴って患者さんの血液型検査(ABO式及びRh式)を行った場合に、54点を所定点数に加算できます。
みらい(新人医療事務)
ABO式とRh式、両方の検査をした場合の費用ってことですか? それとも片方だけでも54点なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では「輸血に伴って行った患者の血液型検査(ABO式及びRh式)の費用として54点を所定点数に加算する」とまとめて規定されています。ABO式とRh式を分けて別々に算定する条文にはなっていないので、輸血に伴う血液型検査という一連の検査行為に対して54点、という理解になります。
血液型加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも、輸血のたびに血液型検査をやり直す必要があるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
輸血の安全性を確保するために、輸血前には患者さんの血液型を確認するのが基本です。血液型加算は、この輸血に伴って行う血液型検査(ABO式及びRh式)にかかる費用を、K920輸血の所定点数に上乗せする形で評価する加算です。
みらい(新人医療事務)
「加算」という名前ですけど、血液型検査だけを単独で行った場合にも算定できるものなんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言は「輸血に伴って行った」検査、となっています。つまりK920「輸血」を算定した際に、その輸血に伴って血液型検査を実施した場合に上乗せする加算という位置づけです。輸血の算定と切り離して、血液型検査だけを単独で血液型加算として算定できる規定にはなっていません。
対象になりやすいケース
輸血を実施した患者: 自家採血輸血・保存血液輸血・自己血輸血などK920の対象となる輸血を行い、あわせてABO式及びRh式の血液型検査を実施している患者が対象候補です。検査タイミング: 輸血に伴って血液型検査を行っているかどうかを、検査オーダーとレセプトで突き合わせて確認するのが基本です。
対象医療機関・対象患者(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
この加算も、届出とか施設基準の書類が必要なタイプなんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、血液型加算に個別の施設基準や届出は定められていません。K920「輸血」を算定できる保険医療機関であれば、診療所・病院、外来・入院を問わず対象候補になります。
みらい(新人医療事務)
届出が要らないなら、確認することはあまりなさそうですね。
あおい(元・医療事務)
届出は不要ですが、その分「実際に血液型検査(ABO式及びRh式)を行ったかどうか」の記録が算定の根拠になります。輸血を算定した月に、血液型検査のオーダーや結果が診療録・検査記録に残っているかどうかを確認しておくことが大切です。
断定はできません
血液型加算は届出不要の加算ですが、対象になるかどうかは輸血の実施状況・血液型検査の実施記録によって変わります。ここでの説明は一般的な整理であり、算定候補・要確認・対象外の可能性のいずれになるかは、自院の記録に基づいて個別に確認が必要です。
点数・算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数のところ、もう一度整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表K920「輸血」注5には、次のように定められています。
| 区分 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 血液型加算 | 54点 | 輸血に伴って血液型検査(ABO式及びRh式)を行った場合 |
あおい(元・医療事務)
「輸血に伴って行った患者の血液型検査(ABO式及びRh式)の費用として54点を所定点数に加算する」という条文どおり、ABO式とRh式をまとめた血液型検査に対して54点、という構造です。回数や頻度についての特別な上限規定は、当サイトが収録している資料の範囲では確認されていません。
みらい(新人医療事務)
「1月に1回まで」とか「1週間に1回まで」といった制限は書かれていないんですか?
あおい(元・医療事務)
血液型加算の条文自体には、不規則抗体加算のような「1月につき」「1週間に1回」といった算定回数の限定は明記されていません。ただし、血液型検査そのものが輸血のたびに毎回行われる性質の検査とは限らないため、実際に検査を実施した事実と記録があるかどうかを、輸血ごとに確認するのが確実です。
みらい(新人医療事務)
自家採血輸血や保存血液輸血、自己血輸血など、輸血の種類によって54点の扱いが変わることはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
条文はK920「輸血」の注として定められているので、自家採血輸血・保存血液輸血・自己血輸血・希釈式自己血輸血・交換輸血のいずれであっても、輸血に伴って血液型検査(ABO式及びRh式)を行っていれば、同じ54点という扱いになります。輸血の種類ごとに点数が変わる規定にはなっていません。
併算定・注意点
みらい(新人医療事務)
輸血がらみの加算って種類が多くて、混同しそうで怖いんですけど…
あおい(元・医療事務)
そうですね。K920「輸血」には血液型加算(注5)のほかにも、不規則抗体加算(注6・197点)、HLA型適合血小板輸血に伴う加算(注7)、血液交叉試験加算・間接クームス検査加算・コンピュータクロスマッチ加算(注8・それぞれ30点/47点/30点)など、似た文脈の加算が並んでいます。
みらい(新人医療事務)
それぞれ何の検査に対する加算なのか、整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
血液型加算(注5)は、患者さんのABO式・Rh式という基本的な血液型を確認する検査に対する加算です。これに対して不規則抗体加算(注6)は、ABO式・Rh式以外の「不規則抗体」の有無を調べる検査、血液交叉試験加算・間接クームス検査加算(注8)は、輸血する血液と患者さんの血液が実際に適合するかどうかを確認する検査です。同じ「輸血に伴う検査」でも、確認している内容が違う、という点を押さえておくとレセプトチェックがしやすくなります。
混同注意
血液型加算(注5・54点)は、患者のABO式及びRh式血液型検査に対する加算です。不規則抗体加算(注6)・血液交叉試験加算や間接クームス検査加算(注8)など、名称の似た輸血関連加算とは対象となる検査が異なります。レセプトに記載する際は、どの注に基づく加算かを条文レベルで確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の一次資料(医科点数表・留意事項通知)を確認した範囲では、血液型加算(K920注5)の点数・算定要件に変更を示す記載は見当たりません。ただし、当サイトが収録している一次資料には令和6年度時点のK920条文そのものが含まれていないため、新旧を直接突き合わせての比較はできていません。
みらい(新人医療事務)
「変わっていなさそう」ではあるけど、断定はできないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。正確な新旧比較をしたい場合は、日本医師会や地方厚生局が公開している新旧対照表など、令和6年度・令和8年度双方の条文が並んだ一次資料を確認するのが確実です。ここでは令和8年度時点の内容として、点数(54点)と算定の考え方を正確にお伝えすることに絞っています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと、迷わず整理できます。
自院で確認する順番
- その月にK920「輸血」を算定した患者がいるかを確認する
- その輸血に伴ってABO式及びRh式の血液型検査を実施しているかを検査オーダー・結果記録で確認する
- 血液型検査の実施記録と、レセプトの血液型加算(54点)の記載が対応しているかを突き合わせる
- 不規則抗体加算・血液交叉試験加算など、他の輸血関連加算と混同していないかを条文の注番号で確認する
- 判断に迷う場合は自院の記録の残し方を含めて、算定候補か要確認かを個別に整理する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、輸血自体は算定しているのに、血液型検査を実施しているのに血液型加算をつけ忘れているケースです。届出が不要な加算なので、施設基準を意識する場面がなく、検査実施の記録を確認しないまま見送ってしまうことがあります。
よくある取り漏れ
届出不要ゆえの見落とし: 施設基準の届出がないため確認を後回しにし、血液型検査の実施記録を見ないまま加算を取り漏らすケース。他加算との混同: 不規則抗体加算や血液交叉試験加算と名称が似ているため、条文の注番号を確認せずに点数を取り違えるケース。輸血種類による思い込み: 自己血輸血だから対象外、保存血液輸血だから対象、といった輸血の種類による自己判断で、実際の血液型検査の実施記録を確認しないまま処理してしまうケース。

自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。