みらい(新人医療事務)
先生、食道の手術のレセプトに「血行再建加算」って書いてあるのを見つけたんですけど、これってどんな時に算定するものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。血行再建加算は、食道の悪性腫瘍手術で消化管を再建するときに、血流を保つための血管吻合などの「血行再建」を併せて行った場合に、所定点数へ加算するものです。令和8年度(2026年度)の点数表では、K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)の注に定められています。
みらい(新人医療事務)
「血行再建」ってどういう意味なんですか?
あおい(元・医療事務)
再建した消化管や移植した組織に、血液がきちんと流れ続けるように血管をつなぎ直す手技のことです。食道がんの手術では、頸部・胸部・腹部にまたがる大きな再建になることが多く、その過程で血管の吻合が必要になる場合があります。今日は、この加算がどんな場面で算定候補になるか、一緒に確認していきましょう。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
うちは診療所なんですが、対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、この加算の基本となるK529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)は、頸部・胸部・腹部にわたる大がかりな手術で、入院設備のある病院で実施されるものです。診療所や外来、在宅の場面は資料上想定されていません。対象外の可能性が高いですが、まずは自院が食道悪性腫瘍手術を行う体制かどうかを確認するところから始めましょう。
みらい(新人医療事務)
病院なら誰でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。あくまで「K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)を実施し、かつ血行再建を併せて行った場合」に算定候補になる加算です。届出や特別な施設基準は、当サイトが確認した範囲では求められていませんが、実際に算定できるかどうかは、手術記録の内容と自院の届出状況を確認したうえで判断する必要があります。
点数とコード
みらい(新人医療事務)
具体的にどのくらいの点数になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では、K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)は操作範囲によって3段階に分かれていて、そのどれに対しても、血行再建を併せて行った場合は一律3,000点が加算されます。表にまとめますね。
| 基本術式(K529) | 点数 | 血行再建加算 |
|---|---|---|
| 頸部、胸部、腹部の操作によるもの | 122,540点 | +3,000点 |
| 胸部、腹部の操作によるもの | 101,490点 | +3,000点 |
| 腹部の操作によるもの | 69,840点 | +3,000点 |

みらい(新人医療事務)
どの操作範囲でも加算は同じ3,000点なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の医科点数表では、K529の項に「血行再建を併せて行った場合は、3,000点を加算する。」と定められています。同じ項には「有茎腸管移植を併せて行った場合は、7,500点を加算する。」という注も並んでいて、こちらは別建ての加算です。基本術式の点数は操作範囲ごとに違いますが、血行再建加算そのものは一律3,000点、という整理になっています。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算を取るのに、事前に届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、血行再建加算そのものに専用の施設基準や届出は求められていません。基本となるK529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)を実施できる体制があれば、血行再建を併せて行った場合に加算候補となる、という整理です。ただし、これは加算単体の話であって、食道悪性腫瘍手術自体や関連する手術管理料に施設基準が求められていないという意味ではありません。自院の届出状況は必ず確認してくださいね。
みらい(新人医療事務)
なるほど、加算自体には届出がいらないけど、油断はできないんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。届出が不要だからといって、無条件に算定できるという意味ではありません。実際に血行再建を行ったことが手術記録から確認できるかどうかが、最終的な判断のポイントになります。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
血行再建加算は、K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)と同時に行った場合に所定点数へ上乗せする形の加算です。手術とは別の日に単独で算定するものではなく、手術記録の中で「血行再建(血管吻合等)を併せて実施した」ことが確認できる必要があります。
有茎腸管移植加算との混同に注意
同じK529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)には、血行再建加算(3,000点)とは別に、有茎腸管移植を併せて行った場合の加算(7,500点)も定められています。名称も点数も異なる別建ての加算です。血行再建と有茎腸管移植の両方の手技を行った場合は、それぞれの注に基づき両方とも算定候補になり得ますが、実際にどちらを算定するかはレセプト記載の実務・自院の届出状況とあわせて確認してください。なお、有茎腸管移植加算は術式によって対象や点数が異なるため、有茎腸管移植加算の記事もあわせて確認しておくと、加算の見落とし・混同の防止に役立ちます(この記事は胃切除術系を中心に扱っており、対象術式ごとに点数が異なる点にご注意ください)。
みらい(新人医療事務)
名前が似ている加算があると、どちらを書けばいいか迷いそうです。
あおい(元・医療事務)
はい、この加算に限らず、似た構造を持つ加算は「どの手技に対する加算か」を手術記録と条文の両方で確認してから記載することが大切です。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の一次資料の範囲では、血行再建加算(K529食道悪性腫瘍手術系、3,000点)について、前回改定(令和6年度)からの個別の変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月)。今後、疑義解釈や訂正通知が公表された場合は、当サイトでも随時確認していきます。
改定差分の確認ポイント
点数が変わっていなくても、施設基準や算定要件だけが改定で見直されることがあります。今回はその双方について、当サイトが確認できた一次資料の範囲で変更は確認されていません。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちで算定候補になるか、どんな順番で確認したらいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)を実施したかを確認する
- 手術記録に「血行再建」(血管吻合等)を併せて行った旨の記載があるかを確認する
- 有茎腸管移植加算など、同じ手術に定められている他の注加算と混同していないかを確認する
- レセプトに加算点数(3,000点)を正しく記載し、自院の届出状況とあわせて最終確認する

みらい(新人医療事務)
手術記録の確認が一番大事そうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。血行再建加算は、届出よりも「実施した内容が手術記録から確認できるか」が判断の中心になる加算です。
よくある取り漏れ
取り漏れやすいポイント
K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)は、頸部・胸部・腹部の操作範囲によって基本点数が3段階に分かれています。どの操作範囲であっても血行再建を併せて行っていれば加算の対象となりうるため、「基本点数が違うから加算も違うはず」と思い込んで記載を省略してしまうと取り漏れにつながります。手術記録で血行再建の実施有無を個別に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
操作範囲が違っても、加算自体は同じ扱いなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。操作範囲(頸部・胸部・腹部の組み合わせ)で変わるのはあくまで基本術式の点数で、血行再建加算そのものは一律3,000点です。この整理を知らないと、複雑な術式ほど加算の記載が埋もれやすくなるので注意してくださいね。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
この加算の情報は、どこの資料を確認したんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)」の医科点数表、K529食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)の項を確認しています。令和8年度診療報酬改定 医科点数表(厚生労働省) で公開されている資料です。
みらい(新人医療事務)
ほかにも確認した資料があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。厚生労働省の通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第7号)」にも、マスターコード150386970が「血行再建加算(食道悪性腫瘍手術)」であることを示す記載があり、点数表側の記載と突き合わせて確認しています。なお、この通知内の分類は短期滞在手術等基本料の外来移行指数を計算するための分類表(別紙25)に関するもので、血行再建加算そのものの算定条件を定めたものではありません。混同しないよう、点数と算定条件はあくまでK529の点数表本体の記載を基準にしています。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。