みらい(新人医療事務)
「分染法加算」って点数表で見かけたんですけど、これって何をする加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
染色体検査で「分染法」という染色技術を使ったときに、追加でつく加算ですよ。区分番号D006-5「染色体検査」の注1に定められていて、令和8年度は386点です。
みらい(新人医療事務)
染色体検査そのものとは別の点数なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。染色体検査(FISH法・流産検体を用いた絨毛染色体検査・その他のいずれか)を行ったうえで、さらに分染法という手法を使った場合に、所定点数へ上乗せする加算という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
そもそも分染法ってどういう技術なんですか?
あおい(元・医療事務)
染色体を顕微鏡で見分けやすいように染め分ける技術の総称で、G分染法・Q分染法など複数の手法があります。染色体の構造異常や数の異常を調べる際に、標準的な染色体検査に加えて行われることが多い手技です。加算の名前どおり、この「染め分ける」処理を行ったかどうかが算定のポイントになります。
分染法加算の対象になる場面
みらい(新人医療事務)
どんな患者さん・どんな場面で出てくる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
染色体検査(D006-5)を実施する診療所・病院が対象です。外来・入院どちらでも算定の場面があります。在宅医療での算定は想定されていません。
みらい(新人医療事務)
うちは無床の診療所ですけど、対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院という施設種別では限定されていません。染色体検査を分染法で実施したかどうかがポイントで、病床規模による除外もありません。ただし実際に染色体検査を院内または委託で行っているかどうかは、自院の検査体制で確認が必要です。
対象になりうる医療機関
診療所: 染色体検査を行っていれば対象になりえます 病院: 病床規模の制限なく対象になりえます 外来・入院: どちらの場面でも算定候補になりえます 在宅: 現時点の整理では対象場面としていません
点数と対象になる染色体検査の区分
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
染色体検査(D006-5)の所定点数と、分染法加算の点数を分けて見ると分かりやすいです。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| D006-5「1」 | FISH法を用いた場合 | 2,477点 |
| D006-5「2」 | 流産検体を用いた絨毛染色体検査を行った場合 | 4,465点 |
| D006-5「3」 | その他の場合 | 2,444点 |
| 注1 分染法加算 | 分染法を行った場合の加算 | 386点 |

みらい(新人医療事務)
この386点は、どの区分でも同じように加算されるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。告示上は「分染法を行った場合は、分染法加算として、386点を所定点数に加算する」とされていて、区分「1」〜「3」のどれを算定した場合でも、分染法を行っていれば386点の加算という整理です。ただし、実際にどの区分を算定するかは、行った検査の内容によって決まるので、そこは検査担当者・臨床側との確認が必要です。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
分染法加算そのものには、施設基準や届出は設けられていません。ですから「届出が済んでいないと算定できない」というタイプの加算ではないです。
みらい(新人医療事務)
届出なしでもいきなり算定候補になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そう言い切れる場合が多い、というのが正確な言い方です。分染法加算自体には施設基準はありませんが、D006-5の「2」(流産検体を用いた絨毛染色体検査)は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た保険医療機関でなければ算定できないとされています。ですから「2」の区分を使う場合は、その届出状況を先に確認する必要があります。
区分によって届出の要否が変わる点に注意
分染法加算そのものには施設基準・届出はありません。ただし、あわせて算定する染色体検査の区分(特に流産検体を用いた絨毛染色体検査)によっては、別途施設基準の届出が必要になる場合があります。自院がどの区分で算定しているかを確認したうえで判断してください。
算定タイミング・回数の注意点
みらい(新人医療事務)
分染法加算って、何回でも算定していいものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこは注意が必要なところです。留意事項通知では「染色体検査の『注1』の分染法加算については、その種類、方法にかかわらず、1回の算定とする」とされています。
みらい(新人医療事務)
「その種類、方法にかかわらず」ってどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
分染法にはG分染法・Q分染法など複数の技法がありますが、どの技法を使っても、また複数の技法を組み合わせて実施しても、加算としては1回分の386点しか算定できないという意味です。同一の染色体検査の中で技法を重ねて算定回数を増やす、という扱いにはなりません。
複数技法を使っても加算は1回まで
分染法加算は、技法の種類や方法にかかわらず1回の算定です。同一の染色体検査で複数の分染法を行っても、加算点数が重複して積み上がることはありません。
みらい(新人医療事務)
染色体検査自体の判断料はどうなるんですか。
あおい(元・医療事務)
染色体検査(D006-5)は、区分番号D026検体検査判断料のうち「遺伝子関連・染色体検査判断料」(100点)の対象に含まれる検査です。分染法加算はあくまで検査そのものへの加算で、判断料は判断料として別枠で月1回の算定という整理になります。この関係も踏まえて、レセプト上の点数の積み上げ方を確認しておくと安心です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定と比べて、この加算は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更点については、当サイトが確認できた一次資料の範囲では、分染法加算386点および算定回数の扱いに変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
変わっていない、とはっきり分かると安心ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし今後の改定で点数や算定要件が変わる可能性はあるので、レセプト作成時には常にその時点の告示・留意事項通知を確認する習慣をつけておくと良いです。
改定差分の確認ポイント
点数: 令和8年度は386点。前回改定からの変更は確認されていません 算定回数: 「その種類、方法にかかわらず1回」の扱いは継続しています 施設基準: 分染法加算自体に施設基準は設けられていません
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの場合、何から確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に見ていくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
染色体検査(D006-5)を実施しているか、まず確認します 実施した検査で分染法(G分染法・Q分染法などいずれか)を用いたかを確認します 同一検査内で分染法加算をすでに算定していないか(1回のみの算定)を確認します D006-5「2」(流産検体を用いた絨毛染色体検査)を算定する場合は、その施設基準の届出状況を確認します

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
見落としやすいポイント
分染法を使ったのに加算し忘れる: 検査担当者側では分染法を実施した記録があるのに、会計・レセプト側で386点の加算が反映されていないケースがあります 技法を複数回行って2回加算してしまう: 「その種類、方法にかかわらず1回」のため、複数技法を行っても386点は1回までです D006-5「2」の届出状況を未確認のまま算定候補として扱う: 分染法加算自体は届出不要でも、あわせて算定する区分によっては届出確認が必要です
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
分染法加算だけを単独で算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
分染法加算は染色体検査(D006-5)の所定点数に対する加算という位置づけなので、単独では算定できず、染色体検査とあわせての算定が前提になります。
みらい(新人医療事務)
分染法加算に施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
分染法加算そのものには施設基準・届出は設けられていません。ただし、あわせて算定する染色体検査の区分によっては届出が必要な場合があるので、その点は別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
分染法を2回使ったら386点を2回算定できますか?
あおい(元・医療事務)
できません。留意事項通知で「その種類、方法にかかわらず、1回の算定とする」とされているため、同一の染色体検査内で分染法を複数回・複数技法で行っても、加算は386点1回までです。
みらい(新人医療事務)
令和6年度から令和8年度にかけて、この加算の点数は変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、令和6年度から令和8年度にかけて386点や算定回数の扱いに変更は確認されていません。ただし最終的には、その時点の告示・留意事項通知を確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
似たような「注加算」には他にどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
検体検査の注加算という枠組みでは、たとえば真菌培養加算のように、特定の検査に対して追加の技法・手技を行った場合に点数を上乗せするものがあります。あわせて確認しておくと、レセプトの積み上げ方の理解が深まります。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
この記事のもとになった公式資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
主に次の2つを確認しています。
参考資料(令和8年度)
医科診療報酬点数表(告示): 「D006-5 染色体検査」の点数・注加算の定めを掲載。厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 関係告示PDF 留意事項通知に基づく算定回数の整理: 分染法加算が「その種類、方法にかかわらず1回」であることの根拠。詳細は厚生労働省 令和8年度診療報酬改定についてのページから関連通知を確認できます
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。