みらい(新人医療事務)
先輩、「初期加算」って、入院のリハビリをしているとよく聞くんですが、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
「初期加算」は、疾患別リハビリテーション料の「注3」に位置づけられている加算です。発症・手術・急性増悪から早い時期に集中してリハビリを提供することに対して、1単位につき45点を上乗せする仕組みになっています(令和8年度・2026年度)。
みらい(新人医療事務)
発症や手術の後、早い段階でリハビリをするから評価される、ということですか?
あおい(元・医療事務)
そういうことです。特に心大血管疾患や脳血管疾患、骨折・関節疾患、呼吸器疾患などの患者さんに対して、入院中の早期リハビリを促進するために設けられている加算ですね。ただし、算定するためには複数の要件をすべて確認する必要がありますよ。

初期加算の対象となるリハビリテーション料
みらい(新人医療事務)
どのリハビリテーション料が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数表では、次の4つの疾患別リハビリテーション料に「注3」として初期加算が設けられています。
| 区分番号 | リハビリテーション料の名称 |
|---|---|
| H000 | 心大血管疾患リハビリテーション料 |
| H001 | 脳血管疾患等リハビリテーション料 |
| H002 | 運動器リハビリテーション料 |
| H003 | 呼吸器リハビリテーション料 |
みらい(新人医療事務)
4つもあるんですね。それぞれで届出が必要になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
はい、それぞれのリハビリテーション料に対応した施設基準の届出が前提になります。届出が済んでいる疾患別リハビリテーション料の患者さんについて初期加算の算定が候補になります。届出の状況は各施設で必ず確認してください。
入院基本料 初期加算は「何日まで」が算定期間?
みらい(新人医療事務)
「何日まで算定できるか」がわからなくて……。14日っていう数字をどこかで見た気がするんですが。
あおい(元・医療事務)
初期加算の算定期間は、要件の条文に明記されています。「発症、手術又は急性増悪から14日を限度として」とされています。つまり、その起算日から14日以内の期間が算定の候補となる期間です。
算定期間の起算点に注意
起算点は「発症」「手術」「急性増悪」のいずれかです。複数回の手術がある場合や、慢性期に急性増悪が生じた場合など、起算点の判断が複雑になることがあります。不明な場合は審査支払機関や保険者への確認をお勧めします。
みらい(新人医療事務)
14日を過ぎたら加算は取れなくなるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。また、この加算を算定できるのは「入院中の患者」に対してのみです。外来のリハビリでは算定の対象になりません。
リハビリテーション 初期加算の算定要件
みらい(新人医療事務)
算定要件をもう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
DB に格納されている要件の条文をそのまま確認すると、こう書かれています。
初期加算の主な算定要件(令和8年度・告示69号より)
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関であること
- 注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合に算定候補
- それぞれ発症、手術又は急性増悪から14日を限度として算定
- 1単位につき45点を所定点数に加算
みらい(新人医療事務)
「届け出た保険医療機関」というのが条件なんですね。届出なしでは算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。施設基準の届出が前提ですので、届出が完了していない場合は算定候補になりません。自院の届出状況を必ず確認してください。
対象患者・注意点
みらい(新人医療事務)
対象の患者さんについても確認したいんですが、どういう患者さんが対象になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
各リハビリテーション料の「注1」に規定されている「別に厚生労働大臣が定める患者」が対象です。ここで一つ重要な注意点があります。
慢性期・廃用症候群患者には算定制限あり
要件の条文(注意点)には、「特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、注3に規定する加算は算定できない」と明記されています。つまり、いわゆる廃用症候群や慢性期の患者さんであっても、手術・急性増悪があった場合は算定の候補になりますが、それがない場合は対象外となる可能性があります。
みらい(新人医療事務)
廃用症候群の患者さんの場合は、手術や急性増悪がなければ対象外になるんですね。これは見落としやすそうです。
あおい(元・医療事務)
現場でよくある取り漏れポイントです。逆に言えば、廃用症候群の患者さんでも急性増悪が記録されていれば算定候補になりますので、カルテへの記載が重要になりますね。
「注2」との関係(早期リハビリテーション加算との併算定)
みらい(新人医療事務)
「注2」というのが条文に出てきたんですが、これはどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
「注2」は早期リハビリテーション加算のことです。要件の注意点に「当該施設における心大血管疾患に対する治療開始後、より早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者に対して注2に規定する加算と別に算定することができる」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、早期リハビリテーション加算と初期加算は併算定できるということですか?
あおい(元・医療事務)
条文の記載では「注2と別に算定することができる」とされています。ただし、実際の算定にあたっては各リハビリテーション料ごとの詳細な要件を公式資料と照らし合わせて確認することが必要です。自院の状況で具体的に算定が可能かどうかは、審査支払機関等への確認をお勧めします。
点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数もあらためて確認させてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の初期加算の点数は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算点数 | 1単位につき 45点 |
| 算定単位 | 1単位ごと |
| 算定期間 | 発症・手術・急性増悪から14日以内 |
| 対象 | 入院中の患者(外来は対象外) |
| 届出 | 要(疾患別リハビリテーション料の施設基準届出) |
みらい(新人医療事務)
1単位45点、最長14日ということですね。1日に複数単位リハビリを行えば、単位数分加算されるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
「1単位につき45点」という算定ですので、単位数に応じて加算が積み上がります。ただし、各リハビリテーション料の1日あたり算定単位数の上限は別途設けられています。詳細は公式点数表(令和8年度告示第69号)で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、初期加算に何か変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度診療報酬改定について、厚生労働省告示第69号(令和8年度)の範囲で確認した限りでは、初期加算の点数(45点)・算定期間(14日)・算定単位(1単位ごと)・対象患者要件について、前回改定(令和6年度・2024年度)からの主な変更は確認されていません(確認: 2026年6月・厚労省一次情報ベース)。
改定差分の確認状況
- 点数: 1単位45点 → 変更なし(確認範囲内)
- 算定期間: 発症・手術・急性増悪から14日 → 変更なし(確認範囲内)
- 対象: 入院中の患者 → 変更なし(確認範囲内)
- 施設基準・届出: 確認範囲内では変更は確認されていません
※ 施設基準の細則(告示第71号・通知)については最新の公式資料で別途ご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「変更なし」ということが確認できると、安心して現行の運用が続けられますね。
あおい(元・医療事務)
ただし「確認できた範囲」という限定です。施設基準の細則や届出様式の変更は別紙通知で改正されることもありますので、各医療機関で最新の通知を確認することが大切です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で算定できるかどうかを確認する手順を教えてください。
自院で確認する順番
ステップ1: 疾患別リハビリテーション料の届出状況を確認する H000・H001・H002・H003のうち、自院が届出している種類を地方厚生局への届出台帳で確認する。
ステップ2: 対象患者の選定 入院中の患者であること、かつ各疾患別リハビリテーション料の対象患者(別に厚生労働大臣が定める患者)であることを確認する。廃用症候群の患者については手術・急性増悪の有無を確認する。
ステップ3: 起算点の特定 発症日・手術実施日・急性増悪日のいずれかを起算点として、14日以内かどうかをカルテ・看護記録で確認する。
ステップ4: 施設基準の充足確認 地方厚生局への届出が完了していること、施設基準(人員・設備等)を現在も充足していることを確認する。
ステップ5: 算定・レセプト記載 上記が確認できた場合、初期加算を算定候補として請求する。不明点は審査支払機関・保険者に確認する。
あおい(元・医療事務)
この順番で確認していくと、抜け漏れが防ぎやすくなります。特にステップ3の起算点の特定と、ステップ2の廃用症候群患者の取り扱いは、現場での見落としが起きやすいポイントです。

よくある取り漏れポイント
初期加算 取り漏れ注意(令和8年度)
- 外来患者への算定: 初期加算は入院中の患者が対象。外来リハビリでは算定不可
- 14日超の算定: 発症・手術・急性増悪から14日を超えたら算定候補ではなくなる
- 廃用症候群患者の見落とし: 手術や急性増悪がない廃用症候群患者は注意(別表第九の四第二号)
- 届出の未確認: 届出が完了していない疾患別リハビリテーション料での算定は不可
- 複数リハビリ料の混在: 同一患者で複数の疾患別リハビリを提供している場合、それぞれの届出・要件確認が必要
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか疑問が残っているので聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。どうぞ。
みらい(新人医療事務)
初期加算の施設基準って、どんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準は各疾患別リハビリテーション料に対応する届出の要件と一体になっています。具体的な人員配置基準(専任の医師・理学療法士・作業療法士等の常勤配置の有無など)は、令和8年度の特掲診療料施設基準告示(厚生労働省告示第71号)と届出に関する手続き通知で定められています。詳細は公式資料を直接ご確認ください。
みらい(新人医療事務)
届出を忘れていた場合、さかのぼって算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
原則として、届出が受理された日から算定が可能になります。さかのぼっての算定は認められていませんので、届出状況を定期的に確認する運用が重要です。
みらい(新人医療事務)
急性増悪の定義はどこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)に定義が規定されています。脳血管疾患等リハビリテーション料などでは「急性増悪」の状態像について通知上の取り扱いが記載されていますので、該当疾患の通知を確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が初期加算の算定候補になるか、もっと詳しく確認したいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や患者さんの状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。ぜひ活用してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(令和8年度厚生労働省告示・通知)・審査支払機関の判断でご確認ください。