みらい(新人医療事務)
先輩、レントゲンのレセプトを見ていたら「電子画像管理加算」っていう項目がよく出てくるんですけど、これって何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。電子画像管理加算は、エックス線診断料の通則に規定されている加算です。撮影した画像をフィルムに焼かず電子的に管理・保存した場合に、一連の撮影について所定点数へ加算できる仕組みです。いわゆる「フィルムレス加算」と呼ばれることもありますよ。
みらい(新人医療事務)
フィルムレス加算…なるほど。うちのクリニックもデジタルのレントゲン装置を入れたので、対象になるか確認したいです!
あおい(元・医療事務)
このページでは、令和8年度の点数・条件を整理していきます。ただし算定できるかどうかは自院の運用や届出状況によって変わるので、最終的には自院での確認が必要な点は前提としてくださいね。
電子画像管理加算とは
みらい(新人医療事務)
あらためて、電子画像管理加算はどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、次のように整理されています。エックス線診断料の通則に規定する加算で、撮影した画像を電子化して管理及び保存した場合に、一連の撮影について単純撮影57点等を所定点数に加算するものです。フィルムを使わず電子的に画像を保存・管理する運用への対応として設けられている加算、という位置づけになります。
みらい(新人医療事務)
「単純撮影57点等」ということは、撮影の種類によって加算点数が違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。次の章で点数の内訳を見ていきましょう。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
この加算、診療所でもレセプト上で見かけた気がするんですが、病院じゃないと算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、診療所・病院のどちらも対象に含まれています。入院・外来のいずれの場面でも対象になり得るという整理です。ただし在宅(訪問診療など)の場面は、当サイトの整理では対象に含まれていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ外来のレントゲンでも、入院中の患者さんのレントゲンでも、どちらでも検討対象になり得るということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし「対象になり得る」というのは制度上の枠組みの話で、実際に算定候補になるかどうかは、次章以降の条件(電子的な保存・管理の実態、フィルム費用の扱いなど)を満たしているかによります。自院の撮影・保存の運用を照らし合わせて確認してみてください。
点数はいくら?(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
気になっていた点数の内訳、教えてください!
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科点数表(令和8年度)の通則には、次のように定められています。「撮影した画像を電子化して管理及び保存した場合においては、電子画像管理加算として、前3号までにより算定した点数に、一連の撮影について次の点数を加算する。ただし、この場合において、フィルムの費用は、算定できない。」として、撮影方法ごとに点数が分かれています。
| 撮影の区分 | 電子画像管理加算(令和8年度) |
|---|---|
| イ 単純撮影の場合 | 57点 |
| ロ 特殊撮影の場合 | 58点 |
| ハ 造影剤使用撮影の場合 | 66点 |
| ニ 乳房撮影の場合 | 54点 |

みらい(新人医療事務)
これは「一連の撮影」に対して1回だけ加算される点数、ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、条文でも「一連の撮影について次の点数を加算する」とされています。撮影の都度ではなく、一連の撮影単位での加算という理解になります。あわせて、この加算を算定した場合はフィルムの費用は算定できないとされている点も、レセプト記載で見落としやすいポイントです。
みらい(新人医療事務)
ちなみに、そもそもの撮影料(E002 撮影)自体の点数も気になります。
あおい(元・医療事務)
参考までに、令和8年度の医科点数表ではE002撮影の所定点数は、単純撮影がアナログ60点・デジタル68点、特殊撮影(一連につき)がアナログ260点・デジタル270点、造影剤使用撮影がアナログ144点・デジタル154点、乳房撮影(一連につき)がアナログ192点・デジタル202点とされています。電子画像管理加算は、この撮影料に上乗せする形の加算という位置づけです。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
加算というと、施設基準の届出が必要なイメージがあるんですけど、電子画像管理加算はどうですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、電子画像管理加算については施設基準の届出は不要とされています。他の多くの加算のように「事前に地方厚生局へ届出をしてから算定する」タイプの加算ではない、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出なしでいきなり算定していいってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは少し注意が必要です。届出が不要とされているのはあくまで当サイトが収集している一次資料の範囲での整理であり、実際に算定できるかどうかは「撮影した画像を電子的に管理・保存しているか」という運用の実態が条件になります。届出の要否だけでなく、自院のレセプト運用と合わせて確認することをおすすめします。
あおい(元・医療事務)
具体的には、令和8年度の留意事項通知には次のように定められています。「『4』に規定する画像を電子化して管理及び保存した場合とは、デジタル撮影した画像を電子媒体に保存して管理した場合をいい、フィルムへのプリントアウトを行った場合にも当該加算を算定することができるが、本加算を算定した場合には当該フィルムの費用は算定できない。」
みらい(新人医療事務)
フィルムにプリントアウトしていても算定できる場合がある、というのは意外でした。
あおい(元・医療事務)
はい。ポイントは「フィルムに出力するかどうか」ではなく「電子媒体に保存して管理しているかどうか」という点です。ここを自院の運用で確認してみてください。
施設基準届出の確認ポイント
電子画像管理加算は施設基準の届出そのものは不要とされていますが、算定候補になるかは「デジタル撮影した画像を電子媒体に保存・管理しているか」という運用実態がポイントです。届出がないからといって自動的に対象外というわけではなく、逆に電子的な保存・管理をしていなければ算定候補にはなりません。自院のレントゲン運用(保存先・保存方法)を一度確認しておくと安心です。
算定のタイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定のタイミングで気をつけたほうがいいことはありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の留意事項通知には、注意点として次の2つが定められています。「電子画像管理加算は、同一の部位につき、同時に2種類以上の撮影方法を使用した場合は一連の撮影とみなし、主たる撮影の点数のみ算定する。」そして「電子画像管理加算は、他の医療機関で撮影したフィルム等についての診断のみを行った場合には算定しない。」の2点です。
みらい(新人医療事務)
同じ部位を単純撮影と造影剤使用撮影の両方で撮った場合は、それぞれに加算がつくわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。一連の撮影とみなされ、主たる撮影の点数だけが算定対象になる、という整理です。どちらが「主たる撮影」にあたるかは個別の診療内容によるので、レセプト担当者だけで判断せず、撮影・読影を行った医師と情報共有しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
他の医療機関で撮ったフィルムを見て診断だけする場合は、対象外の可能性があるということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。自院で撮影・電子保存していない場合は算定対象にならない可能性がある、という整理になります。紹介状に添付されたフィルムやCDの読影のみを行うケースでは、この点を確認しておくとよいでしょう。
併算定・回数の注意
電子画像管理加算は「一連の撮影」単位で考える加算です。同一部位を複数の撮影方法で同時に撮影した場合は、すべての撮影方法に加算がつくわけではなく、主たる撮影の点数のみが対象になる可能性があります。またフィルムへのプリントアウトを行った場合でも、電子的な保存・管理を行っていれば算定候補になり得ますが、その場合フィルムの費用自体は別途算定できないとされています。レセプト記載前に自院の運用と条文を突き合わせて確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、電子画像管理加算に何か変更ってあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料(令和8年度の医科点数表・留意事項通知)の範囲では、電子画像管理加算の点数区分(単純撮影57点・特殊撮影58点・造影剤使用撮影66点・乳房撮影54点)や、電子的な保存・管理の定義、併算定に関する注意点について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
変更なしと言い切るのは難しいんですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。「変更が無いこと」自体を厚労省の一次資料だけで完全に証明するのは難しいので、「当サイトが確認できた範囲では変更が見当たらない」という表現にとどめています。改定内容が更新された場合は、このページも見直す予定です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちのクリニックで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくとスムーズです。
自院で確認する順番
- 自院のレントゲン撮影が、フィルムではなく電子的に保存・管理されているか確認する
- 電子保存に加えてフィルムへのプリントアウトも行っている場合、フィルム費用を別途算定していないか確認する
- 同一部位で複数の撮影方法を同時に使っているケースがあれば、主たる撮影の点数のみで算定しているか確認する
- 他院で撮影したフィルム・画像の診断のみを行うケースを、電子画像管理加算の対象から除外できているか確認する
- 自院のレセプトコンピューターの設定・運用が、上記の条件と一致しているか事務担当者・医師で共有する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番で見ていくと、届出の有無だけを見ていたら見落としそうなポイントがありますね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。届出不要という情報だけで安心せず、運用の実態を確認することが大切です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
電子画像管理加算で、取り漏れが起きやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まとめてみますね。
取り漏れが起きやすいポイント
デジタル撮影装置を導入していても、レセプトコンピューターの設定で電子画像管理加算の入力が漏れているケースがあります。また、フィルムへのプリントアウトを行っている場合に「フィルムを使っているから対象外」と誤って判断し、電子保存もしているのに加算を算定していないケースも考えられます。逆に、他院で撮影したフィルムの読影のみを行った場合にも算定してしまうと、条件と合わない可能性があります。自院の実際の運用と条文を照らし合わせて確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、素朴な疑問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では診療所も対象に含まれています。ただし施設基準の届出の有無に関わらず、電子的な保存・管理の運用実態が条件になるため、自院の運用を確認したうえでの算定候補という位置づけになります。
みらい(新人医療事務)
訪問診療で撮ったレントゲンも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、在宅(訪問診療など)の場面は対象に含まれていません。訪問診療での撮影については、対象外の可能性がある点として自院で確認しておくとよいでしょう。
みらい(新人医療事務)
電子画像管理加算と間違えやすい加算はありますか?
あおい(元・医療事務)
名称が似ている加算として、時間外や休日・深夜に緊急で院内撮影・画像診断を行った場合の時間外緊急院内画像診断加算があります。こちらは「電子的に保存しているか」ではなく「診療時間外・緊急かどうか」が主な条件になる、別の加算です。名称が近い加算を扱うときは、それぞれの条文の主語(何を条件にした加算か)を混同しないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
点数や条件をもっと詳しく自分でも確認したいです。
あおい(元・医療事務)
それなら次の章で紹介する加算チェッカーを使ってみるのがおすすめです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。撮影の電子保存の運用状況や撮影方法を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。