みらい(新人医療事務)
あおいさん、「頻回訪問加算」ってレセプトで見かけたんですけど、これってどんな加算ですか?名前からすると、何回も訪問すると点数がつく感じですか?
あおい(元・医療事務)
イメージとしてはそのとおりです。頻回訪問加算は、在宅時医学総合管理料(C002)の注5に定められた加算で、特別な管理を必要とする患者さんに対して、1か月に4回以上の往診または訪問診療を行った場合に、患者1人につき1回に限り所定点数に上乗せできるものです。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、この位置づけは変わっていません。
みらい(新人医療事務)
「特別な管理を必要とする患者さん」って、具体的にはどんな方ですか?誰でも4回訪問すれば対象になるわけじゃないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。対象になるのは「別に厚生労働大臣が定める状態等にあるもの」に限られていて、この状態等の具体的な範囲は特掲診療料の施設基準等の別表第三の一の三で定められています。施設基準通知にも「第三の一の三に掲げる患者に対し、月4回以上の往診又は訪問診療を行い、必要な医学管理を行っている場合に頻回訪問加算として算定する」と書かれています。ですので、単に訪問回数が多いだけでなく、対象患者の状態が別表の要件に当てはまっているかを、まず告示・通知の原文で確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
なるほど、回数だけじゃなくて状態要件もセットなんですね。うちのクリニックでも訪問診療をやっているので、算定候補になるかもしれないと思ったんですが、何から確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に整理していきましょう。まず対象医療機関と対象患者の場面から見ていきますね。
対象医療機関・対象患者
あおい(元・医療事務)
頻回訪問加算は、在宅時医学総合管理料(C002)を算定している診療所・病院が対象になります。訪問診療や往診を行っている在宅医療の現場であれば、診療所でも病院でも算定候補になり得ます。
みらい(新人医療事務)
病院でもいいんですね。入院患者さんは対象外ですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、対象になるのは在宅の患者さんです。在宅時医学総合管理料を算定すべき医学管理に関し「特別な管理を必要とする患者(別に厚生労働大臣が定める状態等にあるものに限る。)」に対して、1月に4回以上の往診または訪問診療を行った場合が要件です。入院中の患者さんや外来通院のみの患者さんは対象になりません。
みらい(新人医療事務)
施設に入居している患者さんはどうなりますか?在宅と施設で扱いが違うイメージがあります。
あおい(元・医療事務)
良い質問です。施設に入居している患者さんの管理料は、C002ではなくC002-2「施設入居時等医学総合管理料」になりますが、施設基準通知には「在宅時医学総合管理料の『注5』又は施設入居時等医学総合管理料の『注5』の規定により準用する在宅時医学総合管理料の『注5』に係る加算は」という表現があります。つまり施設入居時等医学総合管理料の側にも、準用というかたちで同じ趣旨の加算が置かれているということです。ただし、どちらの管理料を算定しているかによって根拠になる注が変わるので、自院がどちらで算定しているかをまず確認してください。
対象患者の状態は別表で個別に確認
頻回訪問加算の対象は「訪問回数が多い患者」全般ではなく、特掲診療料の施設基準等・別表第三の一の三に掲げる状態等に該当する患者に限られます。どの状態が該当するかは、告示・通知の別表原文で個別に確認する必要があります。当サイトの記事だけで対象状態のすべてを判断せず、原文の該当箇所を必ず参照してください。
点数・コード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はさっき「上乗せ」って言ってましたけど、具体的にはいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、初回とそれ以降で点数が分かれています。表にまとめますね。
| 区分 | 点数 | 根拠 |
|---|---|---|
| イ 初回の場合 | 800点 | 在宅時医学総合管理料 注5 |
| ロ 2回目以降の場合 | 300点 | 在宅時医学総合管理料 注5 |
みらい(新人医療事務)
「初回」と「2回目以降」って、月ごとに切り替わるということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。頻回訪問加算は「患者1人につき1回に限り」所定点数に加算するとされていて、要件を満たした月ごとに、その月が初めて該当する月なら800点、すでに以前の月で頻回訪問加算を算定したことがあれば300点、という整理になります。厚生労働省の疑義解釈(疑義解釈資料の送付について(その1)医科 問172)でも、この初回・2回目以降の考え方が示されています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ一度算定した患者さんは、ずっと300点のままですか?
あおい(元・医療事務)
そこにも確認すべきポイントがあります。次の算定タイミングのところで詳しく見ていきましょう。

算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
「一度算定した患者さんは、ずっと300点」というわけではないんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈(その1・問172)では、過去に頻回訪問加算を算定していた患者さんが、病状が安定したこと等でいったん算定しなくなり、その後また病状が悪化するなどして頻回の訪問が必要になった場合は、原則として「2回目以降の場合」=300点を算定するとされています。ただし、過去に頻回の訪問を必要としていた疾患と異なる疾患によって、あらためて頻回の訪問が必要になった場合は、初回に限り「初回の場合」=800点を算定して差し支えない、とされています。
みらい(新人医療事務)
疾患が変わったかどうかまで見るんですね……。カルテの記載も大事になりそうです。
あおい(元・医療事務)
おっしゃるとおりです。どちらの点数を算定するかは、過去の算定履歴と今回の状態悪化の原因(同一疾患か、別の疾患か)をカルテで確認できる状態にしておくことが大切です。もうひとつ、併算定の注意点として、施設入居時等医学総合管理料(C002-2)を算定している患者さんについては、在宅時医学総合管理料の注5としての頻回訪問加算は算定しないとされています。区分番号C002-2に掲げる施設入居時等医学総合管理料を算定している患者については算定しないという規定です。
みらい(新人医療事務)
つまり、COO2とCOO2-2のどちらの管理料で算定しているかによって、頻回訪問加算の根拠になる注も変わるし、二重に算定することはできないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。自院が同一月に、同じ患者さんについてC002とC002-2の頻回訪問加算を両方算定していないか、レセプト作成時に確認しておくと安心です。
回数のカウントと併算定は必ず自院で確認
月4回以上の往診・訪問診療の回数カウント方法や、初回・2回目以降どちらに該当するかの判断は、患者ごとの算定履歴とカルテの記載内容によって変わります。本記事の説明は一般的な整理であり、個別の算定可否を判断するものではありません。最終的な判断は自院のレセプト担当者・顧問の審査支払機関等にご確認ください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?点数が高めなので、何か届出が要りそうな気がします。
あおい(元・医療事務)
頻回訪問加算そのものについては、当サイトが確認した一次資料の範囲では、個別の施設基準の届出を求める記載は見当たりません。届出が必要になるのは、頻回訪問加算とは別に、在宅時医学総合管理料の注7に定められている「在宅医療充実体制加算」のように、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が対象になる、別の加算です。頻回訪問加算自体の算定要件は「対象患者の状態等」と「月4回以上の往診又は訪問診療」が中心で、そこに施設基準の届出が条件として明記されているわけではありません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、頻回訪問加算そのものは届出なしで算定候補になり得るということですか?
あおい(元・医療事務)
「候補になり得る」というところまでは言えますが、断定はできません。頻回訪問加算は在宅時医学総合管理料(またはC002-2)の注として存在する加算なので、その土台になる在宅時医学総合管理料自体の届出・算定要件は別途満たしている必要があります。また、施設基準や届出の要否は改定や通知で変わることがあるため、算定前に必ず自院の届出状況と最新の告示・通知を確認してください。
| 確認項目 | 内容 | 断定可否 |
|---|---|---|
| 頻回訪問加算そのものの届出 | 当サイトが確認した一次資料の範囲では個別届出の明記なし | 要確認(一次資料で個別に確認) |
| 土台となる在宅時医学総合管理料の届出 | 別途、自院の届出状況の確認が必要 | 要確認 |
| 対象患者の状態要件 | 特掲診療料の施設基準等 別表第三の一の三に掲げる状態等 | 要確認(原文で個別確認) |
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定から、頻回訪問加算の点数や要件って変わったりしたんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲で確認した限りでは、頻回訪問加算の点数(初回800点・2回目以降300点)や、対象患者の状態要件・月4回以上という算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示・施設基準通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
変わっていない、というのも大事な情報ですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ただし「変更なし」という整理は、あくまで当サイトが確認できた一次資料の範囲でのことです。個別改定項目についてなど、告示・通知の全体を継続的に確認する必要があるので、最新の公式資料もあわせてチェックする姿勢をおすすめします。
改定の有無も一次資料で確認する習慣を
点数や算定要件が「変わっていない」ように見えても、関連する施設基準や周辺加算(在宅医療充実体制加算・在宅移行早期加算など)が改定されている場合があります。頻回訪問加算単体だけでなく、在宅時医学総合管理料の注全体を通して確認すると見落としを防ぎやすくなります。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでのお話を、自院で確認する手順としてまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、順番に並べるとこうなります。
自院で確認する順番
- 対象患者が「別に厚生労働大臣が定める状態等」(特掲診療料の施設基準等 別表第三の一の三)に該当するかを原文で確認する
- 当該月の往診・訪問診療の回数が4回以上あるかをカルテ・記録で確認する
- その患者さんが在宅時医学総合管理料(C002)とC002-2のどちらで算定しているかを確認する
- 過去に頻回訪問加算を算定したことがあるか、あるなら同一疾患による再発かどうかを確認し、初回(800点)か2回目以降(300点)かを判断する
- C002とC002-2で同一患者に対して重複算定していないかをレセプト作成時に確認する

みらい(新人医療事務)
この順番で確認していけば、算定候補かどうかの見当がつけやすくなりそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に1番目の対象患者の状態要件は見落とされがちなポイントなので、次に「よくある取り漏れ」として整理しておきます。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場でよくある取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか代表的なものを挙げますね。
訪問回数だけで判断してしまう
月に4回以上訪問しているという事実だけで頻回訪問加算の対象と考えてしまうケースです。対象患者の状態要件(特掲診療料の施設基準等 別表第三の一の三)を満たしていることが前提なので、回数だけで判断せず、状態要件を原文で確認する必要があります。
初回・2回目以降の判定を見落とす
過去に頻回訪問加算を算定していた患者さんが、いったん算定しなくなった後に再び対象になった場合、疑義解釈の考え方に沿って初回・2回目以降のどちらに当たるかを判断する必要があります。カルテに算定履歴や疾患の変化が記録されていないと、この判断が難しくなります。
みらい(新人医療事務)
どちらも「確認すればわかる」ことなのに、確認を飛ばしてしまいそうなポイントですね。
あおい(元・医療事務)
はい。だからこそ、自院のレセプト担当者だけでなく、訪問診療を担当する医師・看護師にも状態要件を共有しておくと、取り漏れや誤りに気づきやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
月に3回しか訪問できなかった月は、頻回訪問加算は算定候補になりませんか?
あおい(元・医療事務)
算定要件は「1月に4回以上の往診又は訪問診療」なので、3回にとどまった月は、この要件を満たさない可能性が高いと考えられます。ただし患者ごとの記録の取り方によって解釈が変わる場合もあるため、最終的には自院で記録を確認し、必要に応じて審査支払機関にご確認ください。
みらい(新人医療事務)
施設入居時等医学総合管理料(C002-2)を算定している患者さんは、頻回訪問加算の対象に一切ならないんですか?
あおい(元・医療事務)
対象外というわけではありません。施設基準通知では、施設入居時等医学総合管理料の注5の規定により在宅時医学総合管理料の注5を準用するかたちで、同じ趣旨の加算が置かれています。つまりC002-2を算定している患者さんは、在宅時医学総合管理料(C002)の注5としての頻回訪問加算は算定しませんが、C002-2側の準用規定に基づいて確認する必要がある、ということです。どちらの管理料を算定しているかで根拠になる注が変わる点に注意してください。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていない診療所でも、算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
頻回訪問加算そのものについては、当サイトが確認した一次資料の範囲では個別の施設基準の届出は明記されていません。ただし、土台となる在宅時医学総合管理料自体の届出状況は別途必要になるため、届出をしていない場合はまずそちらから確認してください。
みらい(新人医療事務)
ありがとうございます、だいぶ整理できました!
あおい(元・医療事務)
頻回訪問加算は「回数」と「対象患者の状態」の両方がそろって初めて算定候補になる加算です。原文の別表を確認しながら、自院の患者さんに当てはめていくのがおすすめの進め方です。
関連する加算・管理料もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
頻回訪問加算のもとになっている在宅時医学総合管理料についても、詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料(C002) の記事でも、算定要件や点数区分を整理しています。施設に入居している患者さんについては 施設入居時等医学総合管理料(C002-2) もあわせてご覧ください。同じ在宅医療加算の枠組みでは 在宅移行早期加算 も関連が深い加算です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。