みらい(新人医療事務)
先生、気管支鏡検査のレセプトに「顕微内視鏡加算」という項目があったんですけど、これは何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これはD415「経気管肺生検法」という検査の注3に規定されている加算ですよ。プローブ型顕微内視鏡という機器を使って経気管肺生検法を行った場合に、所定点数へ1,500点を上乗せするものです。令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づく整理になります。
みらい(新人医療事務)
「経気管肺生検法」というのは、気管支鏡を使って肺の組織を採る検査のことですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。気管支鏡(気管支ファイバースコピー)を使って肺の病変部から組織を採取する検査で、D415という区分に4,800点の所定点数が定められています。その検査の中で、プローブ型顕微内視鏡という細い観察用のプローブを使って行った場合に限り、顕微内視鏡加算として1,500点が追加されるという構造です。
みらい(新人医療事務)
「注3」ってことは、他にも注1とか注2の加算があるってことですか?
あおい(元・医療事務)
はい。D415には注1〜3の3種類の加算が定められています。注1はガイドシースを用いた超音波断層法を併せて行った場合のガイドシース加算(500点)、注2は施設基準に適合し届出済みの医療機関がCT透視下で検査を行った場合のCT透視下気管支鏡検査加算(1,000点)、そして注3が今日お話ししている顕微内視鏡加算(1,500点)です。同じD415の中に似た名前の加算が並んでいるので、レセプトを見るときはどの注に基づく加算かを条文で確認することが大切ですね。
みらい(新人医療事務)
名前も点数も違うので、取り違えないように気をつけないとですね…!
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。特に注1のガイドシース加算と注3の顕微内視鏡加算は、後ほどお話しする併算定のルールもあるので、混同すると算定誤りにつながりやすいポイントです。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
この加算、うちみたいな診療所でも算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、D415経気管肺生検法の注3には、施設の規模(診療所・病院)を限定する記載は見当たりません。診療所・病院のいずれでも、外来・入院いずれの場面でも、経気管肺生検法を実施し、プローブ型顕微内視鏡を用いて行った保険医療機関であれば算定候補になり得ます。在宅の場面は経気管肺生検法自体の性質上、対象になりません。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの疾患名などは決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
条文自体には対象疾患を限定する文言はなく、「プローブ型顕微内視鏡を用いて行った場合」という技術要件のみが定められています。実務上は、肺の病変が疑われる患者さんに経気管肺生検法を実施し、その中でプローブ型顕微内視鏡を使用したかどうかが確認のポイントになります。対象患者の適応判断そのものは、自院の診療内容に基づいて確認してください。
みらい(新人医療事務)
逆に、経気管肺生検法をやってもプローブ型顕微内視鏡を使わなかった場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
その場合は顕微内視鏡加算の対象外の可能性が高いです。D415の所定点数(4,800点)は算定の対象になりますが、注3の加算はプローブ型顕微内視鏡を使用したという事実がなければ算定候補にはなりません。カルテに使用機器の記録が残っているかを確認することが大切です。
点数・コードの整理(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
D415まわりの点数、注が3つもあって整理したいです。表にできますか?
あおい(元・医療事務)
表にまとめるとこうなります。
| 区分 | 名称 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| D415本体 | 経気管肺生検法 | 4,800点 | 基本点数 |
| 注1 | ガイドシース加算 | 500点 | ガイドシースを用いた超音波断層法を併せて行った場合 |
| 注2 | CT透視下気管支鏡検査加算 | 1,000点 | 施設基準適合・届出済みでCT透視下に検査を行った場合 |
| 注3 | 顕微内視鏡加算 | 1,500点 | プローブ型顕微内視鏡を用いて行った場合(本記事のテーマ) |
みらい(新人医療事務)
マスターコードのようなものは分かっているんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、顕微内視鏡加算に対応する医科診療行為マスターコードは「160219570」として収録されています。実際のレセプト入力の際は、お使いのレセプトコンピュータ・医科診療行為マスターで最新のコードを確認してください。
みらい(新人医療事務)
注1のガイドシース加算(500点)と注3の顕微内視鏡加算(1,500点)、名前も点数も違うのに、どちらも「観察を補助する機器を使う」という点では似ていますね…!
あおい(元・医療事務)
そこはよくある取り違えポイントです。ガイドシースを用いた超音波断層法(注1)は「超音波で病変の位置を確認しながら誘導する」技術で、プローブ型顕微内視鏡(注3)は「顕微鏡レベルの画像で組織を直接観察する」技術です。使用した機器・技術がどちらだったかは、カルテの記録で個別に確認する必要があります。しかも次にお話しする通り、この2つは同時に算定できないというルールもあります。
算定タイミング・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
「同時に算定できない」というのはどういうことですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)には次のように定められています。「D415 経気管肺生検法 注3 プローブ型顕微内視鏡を用いて行った場合は、顕微内視鏡加算として、1,500点を所定点数に加算する。ただし、注1に規定するガイドシース加算は別に算定できない。」つまり、同じ経気管肺生検法の中で顕微内視鏡加算(注3)を算定する場合、ガイドシース加算(注1)は併せて算定できないというルールです。
併算定の注意(要確認)
顕微内視鏡加算(注3・1,500点)とガイドシース加算(注1・500点)は、同一の経気管肺生検法において同時に算定することはできません。どちらの技術を用いたかをカルテで確認し、両方の記録が残っている場合はレセプト担当者・医師と算定内容をすり合わせることをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
回数の制限のようなものはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
経気管肺生検法自体は、採取部位の数にかかわらず所定点数のみを算定する扱いです。顕微内視鏡加算についても、同一回の検査内でプローブ型顕微内視鏡を使用した場合に1回分として算定候補になるという理解が基本ですが、詳細な回数の取り扱いに疑問がある場合は、審査支払機関や地方厚生局に確認することをおすすめします。
施設基準・届出の確認
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出とか必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示・当サイトが確認した一次資料の範囲では、D415経気管肺生検法の注3(顕微内視鏡加算)には、施設基準への適合や地方厚生局長等への届出の要件は規定されていません。当該検査(経気管肺生検法)を実施し、プローブ型顕微内視鏡を用いて行った保険医療機関において算定する、という整理です。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、うちの診療所でも気にせず算定候補にしていいってことですか?
あおい(元・医療事務)
届出の要件がない、というだけであって「無条件で算定できる」という意味ではありません。プローブ型顕微内視鏡という機器を実際に保有し、使用した事実がカルテに記録されていることが前提です。届出は不要でも、機器の使用実態の確認は必要ですので、その点は混同しないようにしてください。
みらい(新人医療事務)
ちなみに、注2のCT透視下気管支鏡検査加算は届出が必要なんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。注2は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、CT透視下に当該検査を行った場合」に算定候補となるもので、施設基準の適合と届出が要件になっています。同じD415の中でも、注によって届出の要否が異なる点は注意が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが確認できた一次資料の範囲では、令和6年度時点のD415経気管肺生検法・注3(顕微内視鏡加算)に関する告示本文までは確認が取れておらず、前回改定からの点数・要件の変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。令和8年度の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)に基づく現行の内容は本記事のとおりですので、前回改定時との厳密な比較が必要な場合は、貴院で保管されている令和6年度当時の告示・通知と照らし合わせてご確認ください。
みらい(新人医療事務)
分かりました。少なくとも今の令和8年度のルールは、ここまでの内容で合っているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度時点での点数(1,500点)、施設基準・届出不要という整理、ガイドシース加算との併算定不可というルールは、いずれも令和8年厚生労働省告示第69号の記載に基づいています。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
うちの診療所で顕微内視鏡加算が算定候補になるか、確認する順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
それでは確認の流れをまとめますね。
自院で確認する順番
- D415経気管肺生検法を実施したかを確認する
- その検査の中でプローブ型顕微内視鏡を使用したかをカルテ・記録で確認する
- 同じ検査で注1のガイドシース加算を算定していないかを確認する(併算定不可のため)
- 上記が満たされていれば顕微内視鏡加算(1,500点)の算定候補として整理する
- 最終的な算定可否は自院の記録・公式資料・審査支払機関で確認する
よくある取り漏れ・確認ポイント
みらい(新人医療事務)
現場で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかまとめておきますね。
確認しておきたいポイント
- 機器使用の記録: プローブ型顕微内視鏡を使用した事実がカルテ・検査記録に残っているか
- 併算定の重複: 同一検査でガイドシース加算(注1)を誤って同時に算定していないか
- 類似加算との混同: 注1(ガイドシース加算)・注2(CT透視下気管支鏡検査加算)・注3(顕微内視鏡加算)は名称・点数・要件がそれぞれ異なるため、どの注に基づく加算かを条文で確認する
- 対象の検査コード: 顕微内視鏡加算はD415経気管肺生検法(本体4,800点)の注3であり、D415-3(ナビゲーションによるもの)やD415-4(仮想気管支鏡を用いた場合)とは異なる区分であることを確認する
みらい(新人医療事務)
最後の「D415-3」「D415-4」というのは何ですか?
あおい(元・医療事務)
これらは経気管肺生検法の別の実施方法(ナビゲーションによるもの・仮想気管支鏡を用いた場合)で、それぞれ独立した点数区分(5,500点・5,000点)が定められています。当サイトが確認した資料の範囲では、これらの区分にはガイドシース加算に相当する注はありますが、顕微内視鏡加算という名称の注は規定されていません。似た名前の検査区分と取り違えないよう、レセプト入力の際はD415本体(経気管肺生検法)の注3であることを確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
顕微内視鏡加算は病院でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが確認した一次資料の範囲では、施設の規模(診療所・病院)を限定する記載はなく、経気管肺生検法を実施しプローブ型顕微内視鏡を用いた保険医療機関であれば、病院でも算定候補になり得ます。
みらい(新人医療事務)
届出をしていなくても算定できますか?
あおい(元・医療事務)
顕微内視鏡加算そのものには施設基準・届出の要件が規定されていません。ただし、機器の使用実態(プローブ型顕微内視鏡を実際に使用したこと)の確認は必要です。届出不要イコール無条件算定ではない点に注意してください。
みらい(新人医療事務)
ガイドシース加算と顕微内視鏡加算を同じ日の別の検査で算定するのは大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
併算定できないという規定は「同一の経気管肺生検法において」という条文の文脈で定められています。別の検査回であれば状況が異なる可能性もありますが、個別の判断は自院の診療記録に基づいて確認し、疑問があれば審査支払機関に確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した検査の内容や使用機器を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
関連する検査加算(令和8年度・参考)
- 超音波内視鏡検査加算: 内視鏡検査の通則加算。超音波内視鏡検査を実施した場合の加算という構造は本加算と似ています
- 胆管・膵管鏡加算: 別の検査(D308)の注加算ですが、「特定の内視鏡機器を用いた場合の上乗せ加算」という構造の類似例です
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。