みらい(新人医療事務)
先輩、レセプトに「顕微鏡下処置加算」という項目があるんですが、これって何の加算なんですか。名前だけ見るとちょっと想像がつかなくて。
あおい(元・医療事務)
眼科の処置に関わる注加算ですよ。厚生労働省の告示(令和8年度医科点数表)を確認すると、対象になるのはJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)という処置です。この処置を顕微鏡下で行った場合に、注加算として180点を所定点数に加算できる、という整理になっています。
みらい(新人医療事務)
「注加算」というのは、もとの処置にプラスして加算する点数ということですか。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。当サイトが確認した告示の該当箇所には「J087 前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。) 180点 注 顕微鏡下に行った場合は、顕微鏡下処置加算として、180点を加算する。」と記載されています。つまり、J087自体の点数180点に、顕微鏡下で実施した場合の加算180点が上乗せされる構造です。単独では算定できず、あくまでJ087の実施が前提になっている点は押さえておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、独立した処置ではなく「上乗せ」なんですね。うちの眼科クリニックでも前房穿刺はときどきやっていると思うんですけど、顕微鏡を使っていれば自動的に算定候補になるんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
自動的にというより、「顕微鏡下で実施したことが記録として残っているか」がポイントになります。断定はできませんが、J087を顕微鏡下で行い、その旨が診療録に記録されていれば算定候補になり得ます。逆に、顕微鏡を使わずに実施した通常の前房穿刺には、この加算は対象外の可能性が高いです。実施記録と算定内容が一致しているかを、まず確認することから始めましょう。
対象になる場面(J087前房穿刺又は注射)
みらい(新人医療事務)
対象になる処置がJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)に限られる、というのはどういう意味ですか。他の処置にも使えたりしませんか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、顕微鏡下処置加算はJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)の注加算として定義されています。他の処置区分に同名の加算があるという記載は確認できていません。似た名前の「顕微鏡下」を冠する加算は手術の区分などにも存在しますが、それらは区分も算定要件も別物です。区分番号(どのJコードの注加算なのか)を取り違えないことが大切です。
みらい(新人医療事務)
「前房内注入を含む」というのも気になります。前房穿刺と前房内注入は別の処置なのかと思っていました。
あおい(元・医療事務)
告示の表題には「前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)」とまとめて記載されています。前房穿刺と、前房内への注射(前房内注入を含む)が、同じJ087という区分の中で扱われている、という整理です。どちらの手技であっても、J087として実施し、かつ顕微鏡下で行った場合に、この注加算の対象になり得ます。ただし、実際にどちらの手技として記録・請求すべきかは、診療内容と自院のレセプト運用に沿って確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関にも決まりがあるんですか。診療所でも病院でも同じように扱われるんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
当サイトのデータ整理では、診療所・病院いずれも対象、外来・入院いずれの場面でも対象という区分になっています。ただし、これは「診療報酬上、医療機関種別を限定する記載が確認できていない」という意味であって、実際に算定候補になるかどうかは、J087を顕微鏡下で実施したという事実と記録が伴っているかどうかに左右されます。医療機関の種類だけで自動的に決まるものではない、という理解をしていただくのが安全です。
点数・コードの整理(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
点数の関係を一度、表で整理してもらえますか。ぱっと見て混乱してしまいそうです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示の内容を表にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 点数 | 根拠(令和8年度告示) |
|---|---|---|
| J087 前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。) | 180点 | 医科点数表 別表第一(区分番号J087) |
| 顕微鏡下処置加算(J087の注加算) | 180点加算 | 同区分の「注」に規定 |
| 合計の目安(顕微鏡下で実施した場合) | 360点 | 180点+180点の機械計算による目安 |
みらい(新人医療事務)
合計360点というのは、あくまで「顕微鏡下で行った場合の目安」であって、必ずこの点数になると決まっているわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、その理解で合っています。ここでの360点は、J087の所定点数180点に、顕微鏡下処置加算180点を単純に足し合わせた機械的な計算にすぎません。実際の算定可否や、他の加算・逓減ルールとの兼ね合いによって最終的な点数は変わり得ますので、あくまで目安として捉えてください。断定的な金額として院内で案内するのは避けたほうが安心です。
届出・施設基準の確認
みらい(新人医療事務)
加算というと、事前の届出や施設基準が必要なイメージがあります。顕微鏡下処置加算はどうなんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、顕微鏡下処置加算そのものに、個別の届出や施設基準を求める記載は見当たりませんでした。告示の「注」に定められているのも、あくまで「顕微鏡下に行った場合は、顕微鏡下処置加算として、180点を加算する」という算定要件のみです。ですので、届出済みであれば候補になる、という他の施設基準加算とは少し性質が異なります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出のことは気にしなくていいということですか。
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に言い切らないほうがいいと思います。この加算自体には独自の届出要件が確認できていない、というだけであって、J087前房穿刺又は注射という処置そのものや、眼科診療全体に関わる別の届出・施設基準まで不要と断定しているわけではありません。自院がどの届出を行っているか、算定要件全体を満たしているかは、レセプト担当者間で改めて確認しておくことをおすすめします。
届出情報は加算単体だけで判断しない
顕微鏡下処置加算そのものに個別の届出・施設基準は確認されていませんが、対象処置であるJ087や眼科診療全体に関わる要件まで不要と決まったわけではありません。自院の届出状況全体を踏まえて確認が必要です。
算定時の注意点(対象範囲・記録)
みらい(新人医療事務)
算定するときに、特に気をつけたほうがいいポイントはありますか。
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、対象になるのはJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)に限られるということ。他の処置や手術のついでに顕微鏡を使ったとしても、それだけでこの加算の対象になるわけではありません。次に、顕微鏡下で実施した事実が診療録にきちんと記録されているかどうかです。算定はしたけれど記録が残っていない、という状態は避けたいところです。
みらい(新人医療事務)
記録がないと、後から確認されたときに困ってしまいますね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。審査支払機関から内容の確認を求められる可能性もゼロではありませんので、「いつ、どの処置を、顕微鏡下で行ったか」がわかる記載を残しておくと安心です。また、同じ処置加算カテゴリの中には、時間外・休日加算のように、実施した時間帯によって適用可否が変わる注加算もあります。処置系の注加算は、それぞれ適用条件が個別に決まっているので、加算名だけで判断せず、根拠になる区分番号とセットで確認する習慣をつけておくと取り違えを防げます。
対象処置を取り違えない
顕微鏡下処置加算はJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)の注加算です。名称が似た「顕微鏡下」を含む他区分の加算と混同しないよう、区分番号(J087)とセットで確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定のときから、この加算の内容って変わったんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが確認できた一次資料の範囲では、令和6年度時点のJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)の注加算に関する記載そのものを見つけられていません。確認できているのは令和8年度の告示(前房穿刺又は注射180点、注として顕微鏡下に行った場合に顕微鏡下処置加算180点を加算する、という内容)までです。
みらい(新人医療事務)
つまり、変わったかどうかもはっきりとは言えない、ということですか。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。前回改定(令和6年度)との直接の比較材料が揃っていないため、確認できた範囲では前回改定からの変更は確認されていません、という言い方にとどめます。「変わっていないと確定した」という意味ではなく、「比較できる一次資料をまだ確認できていない」という意味合いです。もし過去の点数表をお持ちであれば、自院でも令和6年度時点の記載と見比べていただくと、より詳しく把握できます。
改定差分の確認は加算単体だけで終わらせない
J087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)本体の点数や算定要件が改定で変わっていないかも合わせて確認すると安心です。注加算だけを見て安心してしまうと、本体側の変更を見落とすことがあります。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
ここまで聞いたことを、実際にうちの医院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか。
あおい(元・医療事務)
次のような順番で見ていくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
- J087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)を実施したかどうかを、当該日の診療内容から確認する
- その手技を顕微鏡下で行ったかどうか、診療録に記録が残っているかを確認する
- レセプトに顕微鏡下処置加算(180点)として正しく入力・請求されているかを確認する
- J087本体および加算の合計点数、算定回数のルールに沿っているかを確認する
- 最終的な算定可否は、自院の届出状況・診療内容の実態と合わせて、必要であれば審査支払機関にも確認する
みらい(新人医療事務)
こうやって順番になっていると、レセプト点検のときにも使えそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に眼科で前房穿刺や前房内注入を扱うことが多い医療機関では、この確認手順をチェックリスト化しておくと、算定漏れにも過剰請求にも気づきやすくなります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場で「うっかり」起きやすいミスってどんなものがありますか。
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、顕微鏡下で前房穿刺を行っているのに、注加算のことを失念してしまうケースです。もう一つは逆に、通常の(顕微鏡を使わない)前房穿刺にまで、慣習的に顕微鏡下処置加算を付けてしまっているケースです。どちらも、実施記録と算定内容を突き合わせて確認することで気づける取り漏れです。
算定漏れのパターン
J087前房穿刺又は注射を顕微鏡下で実施したにもかかわらず、顕微鏡下処置加算(180点)の入力が漏れているケースです。実施記録を確認する運用にしておくと防ぎやすくなります。
過剰算定のパターン
顕微鏡を使用していない通常の前房穿刺にまで、習慣的に顕微鏡下処置加算を付けてしまっているケースです。診療録に「顕微鏡下」であることの記載があるかを、算定の都度確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうなことをいくつか聞いてもいいですか。
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に見ていきましょう。
みらい(新人医療事務)
顕微鏡下処置加算は、前房穿刺や前房内注入以外の処置にも使えますか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、顕微鏡下処置加算はJ087前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)の注加算として定義されており、他の処置区分への適用は確認できていません。対象外の可能性がありますので、別の処置に用いる場合は、その処置区分ごとの告示内容を個別に確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、事前の届出は必要ですか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、顕微鏡下処置加算そのものに個別の届出要件は見当たりませんでした。ただし、これは加算単体についての確認結果であり、自院の届出状況全体まで不要と保証するものではありません。念のため自院の届出内容と合わせて確認いただくことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)から点数は変わりましたか。
あおい(元・医療事務)
確認できた一次資料の範囲では、令和6年度時点の記載と直接比較できていないため、変更の有無について確定的にはお答えできません。令和8年度時点では180点の加算として確認できていますので、最新の点数を基準にしつつ、気になる場合は自院でも過去の点数表と見比べていただくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。