休日リハビリテーション加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「休日リハビリテーション加算」っていう名前を最近よく見るんですけど、これって新しい加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度(2026年度)の診療報酬改定で新設された加算です。厚生労働省の疑義解釈でも「令和8年度診療報酬改定において、休日リハビリテーション加算が新設される」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
新設ということは、令和6年度の点数表にはなかったんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。心大血管疾患リハビリテーション料・脳血管疾患等リハビリテーション料・廃用症候群リハビリテーション料・運動器リハビリテーション料・呼吸器リハビリテーション料といった、入院で行うリハビリテーション料の「注」に、令和8年度から新しく規定されました。入院中の患者に対して休日にリハビリテーションを実施した場合に、1単位につき25点を所定点数に加算する仕組みです。
みらい(新人医療事務)
「休日に頑張ってリハビリした分を評価してくれる」ようなイメージですか?
あおい(元・医療事務)
おおまかにはその理解で合っています。発症・手術・急性増悪などから間もない時期に、休日も含めて切れ目なくリハビリテーションを実施する体制を評価する加算、という位置づけです。ただし対象患者や日数の限度が細かく決まっているので、次から順に確認していきましょう。
対象医療機関・対象患者はどこまでですか?
みらい(新人医療事務)
うちは入院基本料もリハビリも届け出ている病院なんですが、そのまま対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象になる可能性はありますが、まず前提を確認しましょう。この加算は入院中の患者を対象にした加算で、外来や在宅では算定できません。診療所・病院どちらの入院でも対象になり得ますが、外来リハビリテーションには適用されません。
みらい(新人医療事務)
入院していればどんな患者さんでもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、対象は「注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者」に限られます。つまり、各リハビリテーション料の算定要件を満たしている患者が前提です。例えば脳血管疾患等リハビリテーション料の注5では、入院中の患者に加えて、脳卒中の患者で退院後まもない一部の患者(地域連携診療計画加算を算定した患者に限る)も対象に含まれると規定されています。一方、心大血管疾患リハビリテーション料や廃用症候群リハビリテーション料の注5では、入院中の患者に限定される書きぶりになっています。
みらい(新人医療事務)
リハビリの種類によって対象の範囲が少し違うんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。「うちの患者がどのリハビリテーション料に該当するか」によって、対象になる患者の範囲が変わります。自院で算定しているリハビリテーション料の注をそれぞれ確認するのが確実です。
点数の確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的に何点になるのか、表で見たいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の点数はどのリハビリテーション料でも共通で、次のとおりです。
| 対象リハビリテーション料 | 休日リハビリテーション加算 | 起算・限度日数 |
|---|---|---|
| 心大血管疾患リハビリテーション料(H000) | 1単位につき25点 | 発症・手術・急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早い方から起算して30日目まで |
| 脳血管疾患等リハビリテーション料(H001) | 1単位につき25点 | 発症・手術・急性増悪から30日目まで |
| 廃用症候群リハビリテーション料(H001-2) | 1単位につき25点 | 廃用症候群に係る急性疾患等の発症・手術・急性増悪等から30日目まで |
| 運動器リハビリテーション料(H002) | 1単位につき25点 | 発症・手術・急性増悪から30日目まで |
| 呼吸器リハビリテーション料(H003) | 1単位につき25点 | 発症・手術・急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早い方から起算して30日目まで |

みらい(新人医療事務)
どのリハビリでも25点というのは共通なんですね。でも起算日の考え方が少し違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。心大血管疾患リハビリテーション料と呼吸器リハビリテーション料は「発症・手術・急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いもの」から起算して30日目まで、という表現です。それ以外の脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハビリテーション料は「発症・手術・急性増悪等から」起算して30日目まで、という表現になっています。細かい違いなので、自院が算定しているリハビリテーション料の注を実際に確認することをおすすめします。
専用のマスターコードは設定されていません
休日リハビリテーション加算には、独立した医科診療行為コードは割り振られていません。対象となる各リハビリテーション料(H000〜H003等)の「注」に規定された加算として算定する形になります。レセプトへの記載方法は、各リハビリテーション料の留意事項通知や自院のレセプトコンピュータの設定でご確認ください。
算定要件・回数制限はどうなっていますか?
みらい(新人医療事務)
「休日」ならいつでも算定していいわけじゃないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうですね。まず大前提として、対象患者に「休日にリハビリテーションを行った場合」であることが必要です。そのうえで、発症・手術・急性増悪等からの起算日から数えて30日目までという上限があります。31日目以降に休日リハビリテーションを実施しても、この加算の対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
「週」の数え方も加算の単位数の上限に関係してくるんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
それは別の話ですが、関連する疑義解釈が出ています。「1週間の単位は、第1部初・再診料通則で定める単位と同様か」という質問に対して、厚生労働省は「そのとおり。日曜日から土曜日までを週の単位とする」と回答しています。療法士の週当たり上限単位数(108単位)を数える際の「週」の考え方として示されたものですが、休日リハビリテーション加算とあわせて新設が案内された論点です。
みらい(新人医療事務)
令和8年6月1日より前から入院している患者さんの場合、起算日はどう考えればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこも疑義解釈で示されています。「休日リハビリテーション加算の起算日に相当する日付が令和8年5月31日以前であっても、当該日付を起算日と考え、6月1日以降、算定要件を満たす日に算定可能である」という回答です。制度開始前から入院している患者さんでも、起算日自体は実際の発症日等にさかのぼって考える、という整理になります。
届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、別途必要になりますか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体に独立した届出は求められていません。ただし、前提として対象となるリハビリテーション料(心大血管疾患・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器リハビリテーション料など)を算定できる体制が整っていることが必要です。つまり「本体のリハビリテーション料の届出が前提」という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
本体のリハビリ料の届出があれば、自動的についてくるようなイメージですか?
あおい(元・医療事務)
体制面ではそう捉えて差し支えありませんが、算定候補になるかどうかは患者ごとの状態・実施日・起算日からの日数で変わります。本体の届出はあくまで前提条件のひとつという位置づけで、届出があれば自動的に算定候補が確定するわけではありません。実際の算定候補判断は患者単位での確認が必要です。
令和8年度改定での変更点(新設)
みらい(新人医療事務)
この加算、令和6年度から何か変わった点があるんですか?
あおい(元・医療事務)
変わったというより「新しくできた」加算です。令和8年度診療報酬改定で新設されたことは、疑義解釈資料でも明確に案内されています。令和6年度以前の点数表には、休日リハビリテーション加算という項目自体がありませんでした。
前回改定(令和6年度)→今回改定(令和8年度)
- 令和6年度(2024年度)改定時点: 休日リハビリテーション加算は存在しない
- 令和8年度(2026年度)改定: 心大血管疾患・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器の各リハビリテーション料の注に、休日リハビリテーション加算(1単位につき25点)が新設
みらい(新人医療事務)
新設ということは、まだ運用に慣れていない医療機関も多そうですね。
あおい(元・医療事務)
そう思います。新設加算は算定漏れも起こりやすい一方で、要件の解釈を誤ると過剰算定にもなりえます。起算日の考え方や対象患者の範囲は各リハビリテーション料で表現が微妙に異なるので、自院が算定するリハビリテーション料の注を実際に確認してから運用を始めることをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで算定候補になるか、どう確認していけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するとわかりやすいですよ。
自院で確認する順番
- 自院が心大血管疾患・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器リハビリテーション料等を届け出て算定しているか確認する
- 対象患者が各リハビリテーション料の注1本文に規定する患者に該当するか確認する(入院中か、一部は退院後の患者も含まれる)
- 実際に休日にリハビリテーションを実施した単位があるか確認する
- 発症・手術・急性増悪等からの起算日を確定し、30日目(または7日目/治療開始日のいずれか早い方から30日目)までの範囲内か確認する
- 上記すべてを満たしていれば算定候補として整理し、レセプト記載を準備する

みらい(新人医療事務)
順番に見ていけば、抜け漏れが少なくなりそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に起算日の考え方はリハビリテーション料ごとに表現が違うので、そこだけは自院が算定している対象コードの注を個別に見ておくと安心です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際に取り漏れやすいポイントってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れが起きやすいポイント
- 起算日の誤解: 「入院日」を起算日と勘違いしてしまい、実際の発症・手術・急性増悪日を起算日として数え直していないケース
- 30日目超過の見落とし: 起算日から30日を超えて休日にリハビリテーションを実施した分まで加算してしまうケース(対象外)
- 対象患者の範囲の思い込み: 「入院中のみ」と一律に考え、脳血管疾患等リハビリテーション料のように退院後の一部患者が対象に含まれるケースを見落とす、あるいは逆に対象外の患者にまで広げて考えてしまうケース
- 令和8年5月31日以前から入院している患者の起算日: 制度開始前からの入院患者について、起算日を令和8年6月1日以降に置き換えてしまい、本来の起算日(発症日等)からずれて数えてしまうケース
みらい(新人医療事務)
起算日まわりの取り違えが一番多そうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。休日リハビリテーション加算に限らず、リハビリテーション関連の加算は起算日の考え方が算定可否を左右するので、患者ごとに起算日をカルテ上ではっきり記録しておくことをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか気になる点を質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
外来でリハビリテーションを実施した休日分は対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象外の可能性が高いです。この加算は入院中の患者を対象にした規定であり、外来リハビリテーションには適用されません。自院で外来リハビリを実施している場合は、この加算の対象にはならない前提で確認してください。
みらい(新人医療事務)
「週」の単位の考え方は、この加算の算定回数の上限にも関係しますか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈で示された「日曜日から土曜日までを週の単位とする」という考え方は、療法士の週当たり上限単位数(108単位)を数える際の週の区切りとして示されたものです。休日リハビリテーション加算そのものの算定回数の上限は、起算日からの日数(30日目まで等)で決まります。
みらい(新人医療事務)
令和8年6月1日より前から入院していた患者の場合、この加算は使えないんですか?
あおい(元・医療事務)
使える可能性があります。疑義解釈では、起算日に相当する日付が令和8年5月31日以前であっても、その日付を起算日と考え、6月1日以降で算定要件を満たす日に算定可能、と整理されています。ただし患者ごとの起算日・実施日の確認は必要です。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省公式資料を根拠としています。詳細な算定要件・起算日の考え方は、必ず一次資料でもご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 疑義解釈資料の送付について(その1)(令和8年3月23日 事務連絡・医科 問38・問39) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や対象患者の状態を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。加算の算定に際しては、対象患者の該当性・起算日・実施日の記録を必ず自院で確認してください。