みらい(新人医療事務)
先輩、大腸CT撮影加算ってうちのクリニックでも算定候補になるんでしょうか?CT室はあるんですけど、大腸の検査は普段は内視鏡でやっていて…。
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。大腸CT撮影加算は、大腸のCT撮影を炭酸ガス(二酸化炭素)注入下で行う特殊な検査に対する加算です。令和8年度(2026年度)診療報酬の医科点数表では、コンピューター断層撮影(区分番号E200)の「注7」に規定されています。まずは対象になる患者さんや検査の内容から一緒に確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
内視鏡じゃなくてCTで大腸を診るってことですよね?どういう患者さんが対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の実施上の留意事項通知では、「他の検査で大腸悪性腫瘍が疑われる患者」に対して行う撮影とされています。つまり、健診などの内視鏡や便潜血検査で大腸がんの疑いが出た患者さんに対して、CTを使って大腸の状態を確認する場合が対象になります。単なるスクリーニング目的での使用ではない点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
撮影のやり方にも決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。厚生労働省の通知では、直腸用チューブを用いて二酸化炭素を注入し、下部消化管をCT撮影したうえで三次元画像処理を行うもの、と定義されています。単に大腸のあたりをCTで撮っただけでは、この加算の対象にはならない可能性があります。撮影手技そのものが要件の一部になっている加算ですね。
点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
まず土台になるコンピューター断層撮影(E200)自体の点数を押さえておきましょう。令和8年度の医科点数表では、使用するCT装置の列数によって点数が分かれています。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| イ | 128列以上のマルチスライス型 | 共同利用施設1,120点 / その他1,100点 |
| ロ | 64列以上128列未満のマルチスライス型 | 共同利用施設1,020点 / その他1,000点 |
| ハ | 16列以上64列未満のマルチスライス型 | 900点 |
| ニ | 4列以上16列未満のマルチスライス型 | 750点 |
| ホ | イ〜ニ以外 | 560点 |
みらい(新人医療事務)
この上に大腸CT撮影加算が乗るんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。医科点数表のE200「注7」には、「CT撮影のイ、ロ又はハについて、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、大腸のCT撮影(炭酸ガス等の注入を含む。)を行った場合は、大腸CT撮影加算として、それぞれ620点又は500点を所定点数に加算する」と定められています。
620点と500点、どちらが自院に当てはまる?
条文上は「イ・ロ・ハについて、それぞれ620点又は500点」とまとめて書かれており、どちらの点数がどの機器区分に対応するかまでは、この一文だけでは明確に読み取れません。自院で届け出ているCT装置の区分(イ・ロ・ハのいずれか)をもとに、医科点数表の原文や地方厚生局への確認で、実際に加算される点数を確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
なるほど、条文には「それぞれ」としか書かれていないので、思い込みで決めない方が良さそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。点数は必ず、自院が届け出ている機器区分と照らし合わせて確認しましょう。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっていますか?届出とか結構大変なイメージがあります。
みらい(新人医療事務)
意外とシンプルなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし前提として、そもそもコンピューター断層撮影(イ・ロ・ハ)自体の施設基準(十分な機器及び施設を有していること等)を満たして届け出ている必要があります。大腸CT撮影加算単体の要件だけを見るのではなく、土台になっているCT撮影の届出区分とあわせて確認する必要があります。
施設基準の充足はAIでは判定できません
「十分な機器を有していること」の該当性や、実際の機器・体制が基準を満たしているかどうかの判断は、記事の情報だけでは行えません。地方厚生(支)局への確認や、院内の医療安全管理者・事務長との相談が必要です。
届出は必要か
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていたら、大腸CT撮影加算として別に届出を出す必要はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、大腸CT撮影加算そのものに対する単独の届出様式は明記されていません。コンピューター断層撮影のイ・ロ・ハとしての届出(機器区分の届出)を行っていれば、その範囲内で大腸CT撮影加算の算定候補になる、という整理です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出は不要ってことですか?
あおい(元・医療事務)
「不要」と断定はできません。地方厚生局ごとの運用や様式の取り扱いが変わる可能性もあるため、必ず自院を管轄する地方厚生(支)局に確認するようにしてください。ここは特に思い込みで進めず、確認が必要なポイントです。
算定タイミング・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
大腸CT撮影加算を算定する場合、造影剤注入手技料や麻酔料(L008に掲げる声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔を除く)は、加算の所定点数に含まれるものとされています。つまり、これらを大腸CT撮影加算と別立てで算定することはできません。
みらい(新人医療事務)
造影剤を使う撮影と組み合わせることもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。厚生労働省の留意事項通知では、大腸CT撮影とは別に、転移巣の検索や他部位の検査目的で静脈内注射・点滴注射などによる造影剤使用撮影を同時に行った場合は、注3の造影剤使用加算を別に算定できるとされています。ただし、これは「大腸の検査に付随する造影剤」ではなく、別の目的で行う撮影が前提になっている点に注意しましょう。
麻酔・造影剤の算定は個別確認が必要
麻酔の種類(閉鎖循環式全身麻酔かどうか)や造影剤使用の目的によって、別途算定できるかどうかが変わります。レセプト作成時は、当該撮影の目的と麻酔方法を診療録で確認したうえで判断してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この加算に変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示・通知および改定概要資料を確認した範囲では、大腸CT撮影加算(注7)の点数(620点・500点)や施設基準(十分な機器を有していること)に変更を示す記載は確認されていません(確認日: 2026-08、厚生労働省の一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
加算そのものは大きく変わっていなさそうなんですね。少し安心しました。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし、土台になっているコンピューター断層撮影(イ・ロ・ハ)本体の点数や区分は改定のたびに見直される可能性があるため、自院のCT装置がどの区分に該当するかは、改定のたびに点数表の原文で確認しておく必要があります。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 大腸悪性腫瘍が他の検査で疑われている患者に対する撮影か確認する
- 自院がCT撮影(イ・ロ・ハ)のいずれかの区分で届出済みかを確認する
- 「十分な機器を有していること」という施設基準を満たしているか、地方厚生局の基準原文と照らして確認する
- 直腸用チューブを用いた二酸化炭素注入下の撮影+三次元画像処理という撮影方法に該当するか確認する
- 造影剤・麻酔を別途行った場合は、目的(大腸の検査か、別部位の検査か)を診療録で確認し、算定区分を整理する
よくある取り漏れ
点数の思い込みに注意
「大腸CT撮影加算=620点」と一律に思い込んでしまうケースがあります。条文上は「それぞれ620点又は500点」とされ、機器区分によって金額が異なる可能性があるため、届出内容を都度確認しましょう。
造影剤注入手技料の二重算定
大腸CT撮影加算を算定する際、造影剤注入手技料や一部の麻酔料は所定点数に含まれます。うっかり別立てで算定してしまうと、査定・返戻の対象になる可能性があります。
あおい(元・医療事務)
レセプト点検の際は、大腸CT撮影加算のレコードと造影剤注入手技料のレコードが重複していないか、必ず確認するようにしましょう。
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公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
この記事は、以下の厚生労働省の一次資料をもとに整理しています。
参照した公式資料(令和8年度)
- 「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表(令和8年7月30日訂正後版)
- 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号)医科点数表
- 「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号、令和8年度改定後)第六 画像診断 五の三 大腸CT撮影加算の施設基準
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。