みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトのマスターを見ていたら「医療観察通院精神療法(20歳未満)加算」という項目を見つけました。うちのクリニックでも算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。まず押さえてほしいのは、この加算はふだんの健康保険の診療報酬とは別の枠組みだということです。「医療観察」という言葉がついている点数は、医療観察法にもとづく医療のためのものなんですよ。
みらい(新人医療事務)
医療観察法…名前は聞いたことがありますけど、くわしくは知らないです。
あおい(元・医療事務)
正式には「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)」といいます。この法律にもとづく医療は、一般の保険医療機関が誰でも行えるものではなく、国が指定した医療機関が担う仕組みになっています。だからこの加算も、その仕組みの中で使われるものなんです。
この加算はどんな加算なの?

みらい(新人医療事務)
そもそも「医療観察通院精神療法」って、ふつうの通院の精神療法とは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
名前は似ていますが、位置づけが違います。医療観察法では、対象となった方が地域で生活しながら治療を受ける「指定通院医療」という段階があります。その通院医療の中で行われる精神療法が「医療観察通院精神療法」で、そこに20歳未満の患者さんへの加算が設けられている、という整理になります。
みらい(新人医療事務)
なるほど。じゃあ、うちみたいな一般のクリニックの「通院・在宅精神療法」とは別物なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ここはとても混同しやすいので、あとで表で並べて説明しますね。医療観察の点数は「医療観察診療報酬」という別の点数表で定められていて、一般の保険点数表(医科点数表)とは分かれています。
みらい(新人医療事務)
同じ「20歳未満加算」でも、根っこの制度が違うということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ですから「マスターに載っていた=うちで算定できる」とは限りません。まず自院がどの立場なのかを確認するのが出発点になります。
対象になるのはどんな医療機関?
みらい(新人医療事務)
算定できる医療機関って、具体的にはどこになるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
医療観察法にもとづく医療は、指定を受けた医療機関が担います。通院の段階では「指定通院医療機関」として指定された医療機関が対象になります。逆にいうと、その指定を受けていない一般の保険医療機関では、この加算を算定する場面自体がない、と考えるのが自然です。
みらい(新人医療事務)
うちが指定通院医療機関かどうかって、どこで分かるんですか?
あおい(元・医療事務)
医療観察法の指定は、通常の保険医療機関の指定とは手続きが異なります。自院が指定通院医療機関にあたるかどうかは、これまでの指定の経緯や所管の窓口で確認するのが確実です。ここは記事の情報だけで判断せず、必ず自院の状況を確かめてくださいね。
みらい(新人医療事務)
「たぶん違う」で流さずに、はっきり確認したほうがいいということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ほとんどの一般クリニックは指定通院医療機関ではありませんが、「対象外だろう」という思い込みも、逆に「載っていたから取れる」という思い込みも、どちらも避けたいところです。事実として自院の立場を確かめる。これが第一歩になります。
点数はどれくらい?
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどのくらいなんでしょう?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、令和8年度の「医療観察通院精神療法(20歳未満)加算」は350点として扱っています。ただし、これは医療観察診療報酬の点数であり、正確な点数と算定の条件は、医療観察診療報酬の最新の告示と自院の指定状況で必ず確認してください。ここは断定せず、確認が必要な部分です。
みらい(新人医療事務)
さっき言っていた、一般の「通院・在宅精神療法」の20歳未満加算とはどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
並べて見るのがいちばん分かりやすいです。混同を避けるための対比表として見てくださいね。
| 項目 | 医療観察通院精神療法(20歳未満)加算 | 通院・在宅精神療法(I002)の20歳未満加算 |
|---|---|---|
| 根拠となる制度 | 医療観察法にもとづく指定通院医療 | 一般の健康保険(医科点数表) |
| 点数(令和8年度) | 350点(※医療観察診療報酬・要確認) | 320点(所定点数に加算) |
| 算定できる医療機関 | 指定通院医療機関 | 保険医療機関(施設基準等による) |
| 位置づけ | 医療観察診療報酬の加算 | 医科点数表の加算 |
みらい(新人医療事務)
点数も350点と320点で違うんですね。うっかり取り違えそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。名前が似ているうえに、どちらも「20歳未満加算」なので、レセプト上で混同しやすいところです。一般の保険診療で20歳未満の患者さんに通院・在宅精神療法を行った場合は、医科点数表のI002の加算(令和8年度で320点)を検討する話になります。医療観察のほうの350点は、あくまで指定通院医療の枠の中の点数です。
点数の混同に注意
「医療観察通院精神療法(20歳未満)加算(350点)」と「通院・在宅精神療法(I002)の20歳未満加算(320点)」は、名前は似ていても別の制度の点数です。自院が算定するのはどちらの枠なのかを、まず制度の面から確認してください。医療観察側の350点や算定条件は、最新の告示で確認が必要です。
対象になる患者さんは?
みらい(新人医療事務)
「20歳未満」という条件は、そのまま年齢だけで判断していいんですか?
あおい(元・医療事務)
加算の名称のとおり、20歳未満の患者さんに医療観察通院精神療法を行った場合が想定されています。ただし、対象の考え方や、年齢に加えてほかの条件があるかどうかは、医療観察診療報酬の告示で定められている内容によります。当サイトでは現時点で告示本文の一次情報を確認できていないため、詳しい適用条件は断定できません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、年齢以外の条件があるかもしれない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。一般の保険側のI002では、20歳未満加算に「精神科を最初に受診した日から1年以内」という期間の条件があります。医療観察側で同じ条件があるかどうかは別の話なので、そこも含めて告示で確認する必要があります。「年齢だけで機械的に付ける」と決めつけないのが安全です。
みらい(新人医療事務)
似ている制度だからこそ、条件まで同じとは限らないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。似ている制度ほど、細部が違うことがあります。確認の手間を惜しまないでください。
施設基準・届出はどうなるの?
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は、どう考えればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
大前提として、医療観察法の指定通院医療機関としての指定を受けていることが土台になります。そのうえで、医療観察通院精神療法そのものの算定要件(実施する職種や実施内容など)を満たしているかを確認する流れになります。
みらい(新人医療事務)
一般の保険の施設基準の届出とは、窓口も手続きも違うんですね。
あおい(元・医療事務)
違うと考えておくのが安全です。医療観察法の指定にかかわる手続きは、通常の保険医療機関の届出とは体系が異なります。当サイトでは医療観察診療報酬の告示・通知の一次情報を確認できていないため、施設基準や届出の詳細をここで具体的に列挙することは控えます。この点は所管の窓口や最新の告示・通知で確認してください。
要件は自院の指定状況と告示で確認
医療観察通院精神療法(20歳未満)加算の算定にあたっては、自院が指定通院医療機関であること、そして医療観察通院精神療法本体の算定要件を満たしていることが前提になります。当サイトは医療観察診療報酬の告示本文を一次情報として確認できていないため、具体的な要件は最新の告示・通知と自院の指定状況で必ずご確認ください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
令和8年度で、この加算に変更ってあったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトでは医療観察診療報酬の告示の一次情報を確認できていないため、本記事作成時点(2026年8月・厚労省一次情報ベース)で、この加算の前回改定からの変更は確認されていません。医療観察診療報酬は、一般の診療報酬改定とは別のスケジュールで見直されることもあるため、点数や要件が変わっていないかは、最新の告示でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
変わっていないと断言するのではなく、「確認できていない」ということなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ここで見栄えのために「変更なし」と言い切ってしまうと、かえって危険です。事実として確認できた範囲だけをお伝えして、あとは一次情報で確かめていただく。これがいちばん誠実だと思っています。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
結局、何から確認すればいいのか、順番で教えてほしいです。
あおい(元・医療事務)
では、確認の流れを整理しますね。上から順にたどってみてください。
自院で確認する順番
- 自院が医療観察法の「指定通院医療機関」にあたるかを確認する(指定の経緯・所管窓口)
- 対象の医療が「医療観察通院精神療法」にあたるかを確認する
- 患者さんが20歳未満であるかを確認する
- 医療観察診療報酬の最新の告示で、点数(350点とされる部分)と算定条件を確認する
- 一般の保険側「通院・在宅精神療法(I002)」の加算と取り違えていないかを確認する
- 迷う場合は所管の窓口・審査支払機関に確認する
みらい(新人医療事務)
こうして並べると、まず「自院がその立場か」から入るんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ここを飛ばして点数や年齢の話から入ると、そもそも算定の場面ではないのに検討してしまう、ということが起こりえます。順番が大事なんです。
よくある混同・取り漏れ
みらい(新人医療事務)
この加算で、つまずきやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いちばん多いのは、やはり一般の保険の加算との混同です。ポイントを整理しておきますね。
混同しやすいポイント
制度の取り違え: 「医療観察通院精神療法」と一般の「通院・在宅精神療法(I002)」は別制度です。点数も350点と320点で異なります。 医療機関の立場: 指定通院医療機関でなければ、医療観察側の加算を算定する場面はありません。 年齢だけの判断: 「20歳未満だから」と機械的に付けず、告示上の条件を確認します。
みらい(新人医療事務)
「載っていたから取れる」ではなく、「制度・立場・条件」を順に見るんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。逆に、指定通院医療機関で該当する医療を行っているのに、一般の点数表しか見ておらず、医療観察診療報酬側の加算を見落とす、という取り違えもありえます。どちらの方向の間違いも、制度の枠を意識すれば防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
一般のクリニックでも、20歳未満の患者さんに精神療法をしたらこの350点が取れますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、その場合に検討するのは一般の保険側の点数です。医療観察通院精神療法(20歳未満)加算は、医療観察法の指定通院医療の枠の中の点数なので、指定通院医療機関でない場合はこの加算を算定する場面にはあたりません。一般の保険診療で20歳未満の患者さんに通院・在宅精神療法を行った場合は、I002の20歳未満加算(令和8年度で320点)を確認することになります。
みらい(新人医療事務)
点数の350点は、どこで確認するのが正しいですか?
あおい(元・医療事務)
医療観察診療報酬の告示が一次情報になります。当サイトの350点はデータベース上の整理値なので、正確な点数と条件は最新の告示でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
一般の20歳未満加算(I002)には期間の条件があるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。前回改定(令和6年度)以前から、I002の20歳未満加算には「精神科を最初に受診した日から1年以内」という期間の条件があります。ただし、これはあくまで一般の保険側の話です。医療観察側で同じ条件があるかは別途、告示で確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントを整理できます。医療観察通院精神療法のような特殊な枠のものは、まず制度の面から確認するのがおすすめです。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。特に医療観察通院精神療法(20歳未満)加算は、医療観察法にもとづく指定通院医療の診療報酬であり、点数や算定条件は医療観察診療報酬の最新の告示でのご確認が必要です。