みらい(新人医療事務)
回復期リハビリテーション強化体制加算という名前を最近よく聞くんですけど、これは新しい加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度(2026年度)診療報酬改定で新設された加算です。厚生労働省の告示によると、回復期リハビリテーション病棟入院料の「注4」に規定されていて、回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟について施設基準を満たす場合に、患者1人につき1日につき80点を所定点数に加算するとされています。
みらい(新人医療事務)
「注4」に規定するということは、単独の点数ではなく、入院料への上乗せということですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項通知では、この加算は「回復期リハビリテーションに係る高い実績を有し、退院前訪問指導等の在宅復帰の促進に資する取組を行っている保険医療機関を評価するもの」と説明されています。回復期リハビリテーション病棟入院料の枠組みの中で、実績が高く在宅復帰支援に力を入れている病棟を評価する加算候補、という位置づけです。
対象医療機関・対象病棟
みらい(新人医療事務)
うちは回復期リハビリテーション病棟をやっているんですけど、それだけで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認が必要です。告示の文言では「回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟について」施設基準を満たす場合に加算するとされているので、まず回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出ている病棟であることが前提になります。入院料2〜5の病棟は、この加算の対象条件を満たさない可能性があります。
みらい(新人医療事務)
入院料1じゃないと対象外なんですね…。
あおい(元・医療事務)
資料の範囲ではそう読み取れます。ただし実際の届出区分の解釈は個別事情によって変わりうるため、最終的には自院の届出内容を確認したうえで判断してください。

点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の正誤情報では、患者1人につき1日につき80点を所定点数に加算すると明記されています。回復期リハビリテーション病棟入院料本体に上乗せする形の加算です。
| 区分 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|
| 回復期リハビリテーション強化体制加算(A308注4) | 80点 | 1日につき | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
レセプトに書くときは何か決まった略称があるんですか?
あおい(元・医療事務)
診療報酬明細書の記載欄では「復リ強」という略称が使われることが確認できます。回復期リハビリテーション病棟入院料の欄に記載する形です。
施設基準(確認が必要な4項目)
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の通知では、大きく4つの項目が挙げられています。①回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出を行っていること、②届出を行う月及び各年度4月・7月・10月・1月に算出したリハビリテーション実績指数が48以上であること、③排尿自立支援加算(A251)に係る届出を行っている保険医療機関であること(摂食嚥下機能回復体制加算1の届出も望ましいとされています)、④直近6か月間に自宅へ退院した患者のうち1割以上に退院前訪問指導を実施していること、の4点です。
みらい(新人医療事務)
結構細かいですね…。1つずつ確認しないといけなさそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に②の実績指数と④の退院前訪問指導の実施割合は、日々のデータ管理が前提になります。算定候補かどうかは、自院の実績データを実際に集計してから確認するのが確実です。
施設基準4項目の確認ポイント
回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出: 入院料2〜5の病棟は対象外になる可能性があります。 実績指数48以上: 届出月と4・7・10・1月に算出した数値で判定されます。 排尿自立支援加算の届出: A251の届出が前提条件です。摂食嚥下機能回復体制加算1は「望ましい」とされ必須ではありません。 退院前訪問指導の実施割合: 直近6か月の自宅退院患者のうち1割以上が対象です。
| 施設基準の項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| ① 入院料の届出 | 回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出 | 施設基準通知 |
| ② 実績指数 | 届出月・4/7/10/1月の算出値が48以上 | 施設基準通知 |
| ③ 排尿自立支援加算 | A251の届出(摂食嚥下機能回復体制加算1は望ましい) | 施設基準通知 |
| ④ 退院前訪問指導 | 自宅退院患者の1割以上に実施 | 施設基準通知 |
届出の仕方
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていそうなら、届出はどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準に係る届出は、様式49の5を用いることになっています。病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式20の看護要員の記載を省略できるとされています。
みらい(新人医療事務)
届出の単位は病棟ごとですか?それとも病院全体ですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈では、回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟全体で届け出るとされています。病棟の一部だけを対象にした届出ではない、という点は確認しておきたいところです。
届出単位の注意
疑義解釈資料では「保険医療機関内の回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出る病棟全体で届出を行うこと」と示されています。複数病棟がある場合は、対象病棟全体での要件充足を確認してください。
算定タイミングと実績指数の考え方
みらい(新人医療事務)
実績指数がちょうど算出できるタイミングじゃないと届出できないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは疑義解釈で柔軟に扱われています。実績指数の算出月以外のタイミングでも、届出を行う前月までの6か月間を算出期間として実績指数を算出したうえで届け出ることができるとされています。この場合、対象期間の全ての患者について令和8年度改定後の基準で計算する必要があります。
みらい(新人医療事務)
除外した患者の扱いも何か決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。算出期間に退院した患者が入棟した月について、実績指数の算出から除外した入棟患者のうち一定の患者を算出対象に加え、各月の除外患者の割合が100分の20を超えないようにする、という調整ルールが示されています。実際の計算は自院のデータで確認が必要です。
施設基準の各項目を深掘り
みらい(新人医療事務)
排尿自立支援加算の研修要件って、何か特別なものが必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈では、排尿自立支援加算の要件である研修について、具体的な研修名が示されています。挙げられているのは、全日本病院協会「下部尿路機能障害の治療とケア研修会」、東京都立病院機構「東京総合診療推進プロジェクト(T-GAP)排尿機能回復に向けた治療とケア講座」、日本リハビリテーション病院・施設協会「下部尿路機能障害の排尿ケア講座」、回復期リハビリテーション病棟協会「排尿自立支援加算研修会」の4つです。自院のスタッフがこれらのいずれかを受講済みかどうかの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
退院前訪問指導の実施割合の計算方法も気になります。1人の患者に2回訪問指導をしたらどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈では、1人の患者に入院後早期と退院前の2回訪問指導を行った場合でも、分子となる患者数は1人として算出するとされています。また「自宅」の定義についても疑義解釈があり、サービス付き高齢者向け住宅は含む一方、障害福祉サービスを行う施設、事業所及び福祉ホームは「自宅」に含まないとされています。
みらい(新人医療事務)
他の病棟で退院前訪問指導をしてから回復期リハビリテーション病棟に転棟した患者はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
その場合も、退院前訪問指導を実施した患者として分子に含めて計算できるとされています。ここも自院の記録と照らし合わせて確認が必要な部分です。
よくある取り漏れ
摂食嚥下機能回復体制加算1は必須ではない: 「望ましい」とされているだけで、施設基準の必須要件ではありません(A251排尿自立支援加算は必須)。 実施割合の分子カウント方法: 同一患者への複数回訪問指導は1人としてカウントするため、患者数ベースで実施割合を管理する必要があります。 転棟患者の取り扱い: 他病棟での退院前訪問指導実施実績も、条件を満たせば算出対象に含められる場合があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定にもあったんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の施設基準届出チェックリストでは、回復期リハビリテーション病棟入院料1の注4に規定する回復期リハビリテーション強化体制加算が、令和8年6月1日付けの新設項目として挙げられています。当サイトが確認できた一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)にはこの加算区分は確認されておらず、令和8年度(2026年度)改定で新たに新設されたものです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、これまで届出をしていなかった病棟も、今回初めて検討することになるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。新設の加算なので、既存の届出内容を見直すというより、実績指数や退院前訪問指導の実施状況といった新しい要件を一から確認していくことになります。
前回→今回の位置づけ
令和6年度: 回復期リハビリテーション強化体制加算という区分は、当サイトが確認できた一次資料の範囲では存在が確認されていません。 令和8年度: A308回復期リハビリテーション病棟入院料の注4として新設。80点/1日、回復期リハビリテーション病棟入院料1の病棟が対象です。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出ているか確認する: 入院料2〜5の場合は対象条件を満たさない可能性があります。 直近の実績指数を算出する: 届出月及び4・7・10・1月の実績指数が48以上か確認します。 A251排尿自立支援加算の届出状況を確認する: 届出がない場合は先にそちらの要件を満たす必要があります。 退院前訪問指導の実施割合を集計する: 直近6か月の自宅退院患者のうち1割以上に実施しているか確認します。 様式49の5で届出内容を準備する: 病棟全体での届出であることを確認したうえで書類をそろえます。

自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。