みらい(新人医療事務)
「特定機能病院結核病棟入院期間加算」という名前の加算を見つけたんですが、これって何のための加算なんですか?名前が長くて、うちで対象になるのかもよくわからなくて…。
あおい(元・医療事務)
これは名前のとおり、特定機能病院の結核病棟に入院している患者さんについて、入院期間の長さに応じて1日ごとに加算される点数です。特定機能病院入院基本料(区分番号A104)の注3で定められている「入院期間加算」の結核病棟版、という位置づけですね。まずは仕組みから確認していきましょう。
特定機能病院結核病棟入院期間加算とは
みらい(新人医療事務)
「入院期間加算」ということは、長く入院すればするほど点数が上がる、みたいなイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そこは逆です。入院期間が短いほど加算点数が高く、長くなるほど下がっていく仕組みです。厚生労働省の医科点数表では、A104特定機能病院入院基本料の注3に「当該病棟の入院患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する」と定められていて、結核病棟の場合は30日以内の期間と31日以上90日以内の期間の2区分に分かれています。
みらい(新人医療事務)
つまり入院基本料そのものとは別に、期間に応じたプラスアルファがあるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。特定機能病院入院基本料の基本点数(対象病棟が7対1か10対1かなどで決まる部分)に、この期間加算が1日につき上乗せされます。基本点数の詳しい区分は特定機能病院入院基本料の記事で確認できますので、ここでは期間加算の部分に絞ってお伝えしますね。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
「特定機能病院」って、どのくらいの病院が当てはまるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
特定機能病院は厚生労働大臣の承認を受けた病院で、主に大学病院の本院や一部のナショナルセンターなどに限られます。しかも、その中でさらに結核病棟の届出がある病院となると、対象はかなり絞られます。一般の病院の結核病棟は区分番号A102「結核病棟入院基本料」の対象で、A102の告示本文にも「病院(特定機能病院を除く。)の結核病棟」という表現があり、特定機能病院はA102の対象から明確に除かれています。
みらい(新人医療事務)
つまり「特定機能病院かどうか」で使う区分が変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特定機能病院の結核病棟であればA104(特定機能病院入院基本料)の結核病棟の区分が使われ、その注3にあたるのが今回の入院期間加算です。対象患者は、A104の施設基準に適合する病棟として地方厚生局長等に届け出た結核病棟に入院している患者さんで、告示では「第3節の特定入院料を算定する患者を除く」とも定められています。ICUなど特定入院料を算定する病室に移っている間は対象外になる、という点は押さえておきたいところです。

点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、結核病棟の入院期間加算は次の2区分です。
| 入院期間の区分 | 加算点数(1日につき) |
|---|---|
| 30日以内の期間 | 330点 |
| 31日以上90日以内の期間 | 200点 |
みらい(新人医療事務)
91日以上になったらどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注3ではこの2区分までしか記載がなく、91日目以降のこの加算に関する記載は確認できていません。91日以降の取り扱いについては、留意事項通知や自院のレセプトシステムのマスター設定で改めて確認することをおすすめします。当サイトが確認できている範囲を超える判断は、公式資料か審査支払機関への確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
同じ特定機能病院でも、一般病棟や精神病棟だと点数が違うんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、A104の注3には一般病棟用(14日以内712点、15日以上30日以内207点)、精神病棟用(14日以内505点など5区分)もあり、それぞれ点数も区分の切り方も違います。今回は結核病棟の2区分に絞ってご説明していますが、混同しないよう注意してください。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
この加算だけの届出みたいなものが別に必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示のA104注1を見ると、「特定機能病院の一般病棟、結核病棟又は精神病棟であって、看護配置、看護師比率、平均在院日数その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する」と定められています。つまり、この入院期間加算は独立した届出項目ではなく、A104特定機能病院入院基本料(結核病棟)そのものの施設基準・届出が前提になっている加算候補です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、A104の結核病棟の届出さえ済んでいれば自動的に対象になる、ということですか?
あおい(元・医療事務)
基本的な考え方はそのとおりですが、届出済みであれば候補になる、という段階で捉えてください。看護配置・看護師比率・平均在院日数など施設基準の詳細要件、届出書類の様式、直近の届出内容が現状と合っているかは、自院の届出台帳と厚生労働省の施設基準通知で確認が必要です。断定はできませんので、確認が必要な項目として扱ってくださいね。
算定にあたっての注意
この入院期間加算は、A104特定機能病院入院基本料(結核病棟)の施設基準に適合する病棟に届出済みであることが前提の加算候補です。特定入院料を算定する患者は対象外になる点、91日以降の取り扱いは告示本文に明記が見当たらない点にも注意してください。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
レセプトのタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
1日につき加算なので、入院日ごとに何日目の入院かをカウントして、区分を切り替える必要があります。入院期間の起算日の具体的な数え方(転棟時の扱いなど)は、告示本文だけでは細部まで確認できないので、留意事項通知やレセプトコンピュータのマスター設定と突き合わせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
併算定できる加算はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
A104には、注8以降に列挙されている入院基本料等加算(医師事務作業補助体制加算やデータ提出加算など)を、算定要件を満たせば別途算定できる旨の規定があります。ただし、この入院期間加算そのものと個別の加算の組み合わせが可否を分けるケースもあるため、実際に算定する加算ごとに告示・留意事項通知で確認するのが確実です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定(令和6年度)から点数は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、前回改定(令和6年度)時点のこの区分の点数を示す公式資料を、当サイトが収録している一次資料の範囲では特定できていません。そのため、令和6年度からの変更は確認されていません、という段階にとどまります。ここでお伝えできるのは令和8年度時点の点数(30日以内330点、31日以上90日以内200点)が最新の告示に基づく値である、ということです。
みらい(新人医療事務)
変わったかどうかわからない、というのは正直で安心します。
あおい(元・医療事務)
憶測で「上がった」「下がった」と書いてしまうと、かえって混乱を招きますからね。前回改定時点の点数を確認したい場合は、令和6年度診療報酬改定の告示・点数表を直接確認することをおすすめします。
改定年度の混同に注意
この記事は令和8年度の点数・施設基準を前提にしています。令和6年度時点の資料と混ぜて参照すると、点数や区分の対応関係を誤る可能性があるため、年度をそろえて確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの病院で確認するとしたら、何から見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
確認する順番は、次の4つのステップで見ていくとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 自院が厚生労働大臣の承認を受けた特定機能病院かどうかを確認する
- その中で結核病棟の届出(A104特定機能病院入院基本料・結核病棟の施設基準)があるかを確認する
- 対象患者が特定入院料を算定していないか、入院期間が30日以内か31日以上90日以内かを確認する
- 該当区分の点数(330点または200点)で1日につき加算する候補になっているかをレセプトで確認する

みらい(新人医療事務)
最初の「特定機能病院かどうか」で、対象になる病院はかなり絞られそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特定機能病院自体が限られたうえに、結核病棟を持つ病院はさらに少数です。まずは自院が特定機能病院かどうか、次に結核病棟の届出があるかどうかを、事務部門で確認するところから始めてみてください。
よくある取り漏れ
入院期間の起算日の見落とし
30日以内から31日以上90日以内へ区分が切り替わるタイミングを見落とし、古い区分のまま加算し続けてしまうケースが考えられます。日々の入院日数カウントとレセプトコンピュータのマスター設定を突き合わせて確認してください。
特定入院料算定期間の混在
同じ入院中でも、ICU等の特定入院料を算定している期間はこの加算の対象から除かれます。病棟間の転棟履歴を確認し、対象期間だけを正しく区分できているか点検することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や入院期間の実績を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。