看護補助体制充実加算ってどんな加算?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「看護補助体制充実加算」という加算を聞いたんですが、うちの病棟でも算定候補になるか気になっています。
あおい(元・医療事務)
この加算は小児入院医療管理料(区分番号A307)の「注10」に規定された加算です。対象となる病棟がかなり限定されているので、まずどういう加算なのかから整理しましょう。
みらい(新人医療事務)
何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
一言で言うと、「看護職員の負担軽減と処遇改善のために、看護業務の補助体制を充実させている小児科病棟」を評価する加算です。令和8年度(2026年度)の診療報酬点数表では156点と定められています(令和8年厚生労働省告示第69号・A307注10)。
みらい(新人医療事務)
156点というのは、1日あたりの点数ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、1日につき156点です。ただし算定できるのは入院した日から起算して14日を限度としています。無制限に算定できるわけではありません(令和8年厚生労働省告示第69号 A307注10)。

看護補助体制充実加算の算定要件と対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな病棟が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象は、次の2つの条件を同時に満たす必要があります。
算定対象の2条件(令和8年度)
条件1: 対象病棟: 施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟であること
条件2: 対象患者: 小児入院医療管理料1・2・3のいずれかを算定している患者であること(小児入院医療管理料4・5は算定対象患者の範囲外)
みらい(新人医療事務)
小児入院医療管理料を算定していない病棟は、そもそも対象外ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。小児科を標榜していて、A307の届出をしている病棟が前提になります。病院が小児科を診療していても、A307を届け出ていなければこの加算は算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
「小児入院医療管理料1・2・3を算定している患者に限る」というのはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
A307には1から5の区分があるんですが、より高い診療機能(1・2・3)の病棟が対象になっています。告示上は「小児入院医療管理料1、小児入院医療管理料2又は小児入院医療管理料3を算定している患者に限る」と規定されており、小児入院医療管理料4や5の病棟は算定対象患者の範囲に含まれていないため、施設基準の確認が必要です(令和8年厚生労働省告示第69号)。
注意: 看護補助加算(注9)との関係
A307の注9「看護補助加算」(151点)と注10「看護補助体制充実加算」(156点)は、同一患者に対してどちらか一方のみ算定する取扱いです。告示上「この場合において、注10に掲げる看護補助体制充実加算は別に算定できない」と規定されています(令和8年厚生労働省告示第69号 A307注9)。加算体系の整理が必要です。
看護補助体制充実加算の施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準ってどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の内容は大きく2つに分かれています(令和8年度・令和8年厚生労働省告示第70号準拠)。
みらい(新人医療事務)
まず1つ目を教えてください。
あおい(元・医療事務)
1つ目は、看護補助加算の一般的施設基準(8の(1)から(6))を満たすことです。具体的には、看護補助者に対する院内研修の実施(業務マニュアルを作成して研修を実施)、適切な配置、看護業務と看護補助業務の明確な分担などが含まれます。ただし、看護補助者が受講する研修内容のうち「エ」の部分については、業務マニュアルを院内で作成してそれを用いた院内研修の実施で対応できる旨が施設基準に規定されています(令和8年厚生労働省告示第70号)。
みらい(新人医療事務)
2つ目は何ですか?
あおい(元・医療事務)
2つ目が「看護師長等の所定研修の修了」です。当該病棟の看護師長等が所定の研修(修了証が交付されるもの)を修了していることが必要です。そして、その研修を修了した看護師長等を除く病棟の全ての看護職員が、年1回以上院内研修を受講していることも求められます(令和8年厚生労働省告示第70号)。
研修に関する施設基準のポイント(令和8年度)
看護師長等: 所定の研修(修了証が交付されるものに限る。)を修了していること
一般の看護職員: 看護師長等(研修修了者)を除く全ての看護職員が、院内研修を年1回以上受講していること
研修修了証の管理と院内研修の実施記録が必要です(令和8年厚生労働省告示第70号)
みらい(新人医療事務)
研修の受講管理も大変そうですね。
あおい(元・医療事務)
新人が入ったりシフトが変わったりすると、受講漏れが発生しやすいポイントです。全員が年1回以上受講できているかを確認する仕組みを作ることが重要です。
身体的拘束を最小化する取組
みらい(新人医療事務)
「身体的拘束を最小化する取組」という要件も出てきましたが、これも関係あるんですか?
あおい(元・医療事務)
注9(看護補助加算)と注10(看護補助体制充実加算)を算定する病棟は、身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定するという要件があります(令和8年度・令和8年厚生労働省告示第69号 A307留意事項)。
みらい(新人医療事務)
これを満たしていないと算定候補にならないんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示上は「身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定する」と規定されています。この要件を満たしていない場合、両加算が算定候補にならない可能性があります。取組の具体的な内容については施設基準や留意事項通知(保医発0305第6号)・院内規程を確認することが必要です。
みなし計算ルール(看護補助者の計算方法)
みらい(新人医療事務)
「みなし補助者」というのが注意点に書いてありましたが、どういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準で定める必要な数を超えて配置している看護職員は、看護補助者とみなして計算できるという規定があります。ただし夜勤の場合だけ特別ルールがあります(令和8年厚生労働省告示第69号 A307注9・注10)。
夜勤みなし補助者の特例と例外(令和8年度)
原則: 施設基準で定める必要な数を超えて配置している看護職員は、看護補助者とみなして計算可
例外(夜勤): 夜勤を行う看護補助者の数については、みなし補助者を除いた実際の看護補助者が夜勤時間帯に配置されている場合のみ算定する取扱いです
夜勤帯の看護補助者の数はみなし補助者を含めずに計算します(令和8年厚生労働省告示第69号)。
みらい(新人医療事務)
夜勤だけは特別ルールがあるということですね。レセプト担当として把握しておかないといけないですね。
点数・コード一覧(令和8年度)
| 区分・加算名 | 点数 | 算定単位 | 算定限度 |
|---|---|---|---|
| 看護補助体制充実加算(A307注10) | 156点 | 1日につき | 入院日から14日限度 |
| (参考)看護補助加算(A307注9) | 151点 | 1日につき | 入院日から14日限度 |
届出の確認
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するには届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
必要です。看護補助加算(注9)と看護補助体制充実加算(注10)の施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式13の3及び様式18の3を用いることが定められています(令和8年厚生労働省告示第70号 届出に関する事項)。
みらい(新人医療事務)
届出の様式が複数あるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。様式9が一般の看護補助関係の基本様式、様式13の3と様式18の3が追加の様式です。届出に必要な書類の一式を確認し、地方厚生局への届出が完了していることが算定候補の前提条件になります。
自院で確認する順番
自院で確認する順番(令和8年度)
- A307(小児入院医療管理料)の届出があるか確認し、どの区分(1〜5)を届け出ているかを確認
- 小児入院医療管理料1・2・3を届け出ているか確認(4・5は本加算の対象患者範囲外)
- 看護師長等が所定研修(修了証付き)を修了しているか確認
- 全看護職員(研修修了の看護師長等を除く)の年1回以上の院内研修受講状況を確認
- 看護補助者の業務マニュアルが作成され、院内研修を実施しているか確認
- 身体的拘束を最小化する取組を実施しているか確認
- 様式9・様式13の3・様式18の3の届出が完了しているか確認
- 夜勤帯の実際の看護補助者(みなし補助者除き)の配置が基準を満たしているか確認

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は今回の改定で変わったことはありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年厚生労働省告示第69号・第70号および疑義解釈資料(令和8年3月23日 事務連絡)をもとに確認した範囲では、A307注10の看護補助体制充実加算の点数(156点)・算定限度(14日)・対象患者の範囲(小児入院医療管理料1・2・3)・施設基準の基本構成について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(2026年6月時点・厚労省一次情報ベース)。
令和8年度の関連改定事項(確認済み・厚労省一次情報ベース)
身体的拘束最小化の取組: 看護補助加算・看護補助体制充実加算を算定する病棟への要件として令和8年厚生労働省告示第69号 A307に規定。この要件の明示が令和8年度の運用に関係します
情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務効率化の施設基準: 令和8年度改定で新たに疑義解釈(疑義解釈その1 問6)が示された関連領域です(確認した出典: 令和8年3月23日 事務連絡 問6)
みらい(新人医療事務)
大きな変更はなかったんですね。
あおい(元・医療事務)
今回確認した一次情報の範囲ではそのとおりです。現行(令和8年度)の要件を正確に把握した上で、施設基準の充足と届出状況を確認することが最優先です。
よくある取り漏れ・算定上の注意
みらい(新人医療事務)
実際に算定するときに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
レセプト担当としては特に次の点に注意が必要です。
算定漏れ・誤算定を防ぐためのポイント(令和8年度)
注9と注10の選択: 同一患者に対して注9(看護補助加算 151点)と注10(看護補助体制充実加算 156点)はどちらか一方のみ算定する取扱いです。誤って両方算定しないよう確認が必要です
14日上限の管理: 入院日から14日目までが算定限度。14日を超えて算定しないよう管理が必要です
研修未実施による施設基準の維持: 年度途中に看護職員が異動・入職した場合の院内研修受講状況の管理が重要です
夜勤補助者の数の計算方法: みなし補助者を含めた総数ではなく、実際の看護補助者の夜勤配置数が基準を満たしているかを確認が必要です
「看護補助体制充実加算」の名称の混同に注意
みらい(新人医療事務)
ところで、この加算と似た名前の別の加算があると聞いたんですが、どう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
一般の入院基本料を算定している病棟の「看護補助体制充実加算(A207-4)」とは全く異なる加算です。同じ名称を持つ別の加算が存在するので注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
え、同じ名前なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。A207-4「看護補助体制充実加算」(加算1=20点・加算2=5点)は急性期看護補助体制加算(A207-3)を算定している一般病棟が対象の加算です。今回の話(A307注10・156点)とは算定根拠も点数も異なります。算定根拠の区分番号を確認することが重要です(令和8年厚生労働省告示第69号)。
みらい(新人医療事務)
区分番号の確認が大切なんですね。
あおい(元・医療事務)
特にレセプト審査では区分番号と点数の整合性が確認されます。同名の加算でも根拠となる区分番号が異なれば算定要件も全く別ですから、混同しないよう注意してください。
「看護補助体制充実加算」の名称が重複している点に注意
A207-4の看護補助体制充実加算: 急性期看護補助体制加算(A207-3)の上乗せ加算。加算1=20点・加算2=5点。一般病棟対象
A307注10の看護補助体制充実加算(本記事): 小児入院医療管理料(1〜3)の上乗せ加算。156点。小児科病棟対象
区分番号と算定根拠を必ず確認してください(令和8年度)
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補かどうか、もっと詳しく確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況・病棟区分・研修の実施状況を入力すると、確認すべきポイントが整理されます。小児科の施設基準に関する疑問も、まずチェッカーで整理してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。