外来診療料(A002)とは?—「医療情報取得加算 外来診療料」を理解する
みらい(新人医療事務)
先輩、うちの病院で「外来診療料」っていう区分を算定していると聞いたんですが、これってどういう料金なんですか?「再診料」とは違うんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。外来診療料(区分番号A002)は、「一般病床が200床以上の病院」で再診を行った場合に算定する診療料です。診療所や200床未満の病院は対象外で、それらの施設では再診料(A001)を算定します。つまり同じ「再診」でも、病院の規模によって算定する区分が変わるんです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、規模で区分が分かれているんですね。では点数はいくつになるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数は基本が77点です。ただし、状況によっていくつかの区分に分かれています。一覧で見てみましょう。

| 区分 | 点数 | 主な条件(令和8年度) |
|---|---|---|
| 基本(注1) | 77点 | 一般病床200床以上の病院での再診 |
| 情報通信機器(オンライン) | 76点 | 届出済み機関でオンライン再診を行った場合 |
| 紹介・逆紹介割合等が低い場合(注2・注3) | 57点 | 特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関等で基準未達 |
| 特定妥結率外来診療料(注4) | 57点 | 医薬品妥結率に関する施設基準を満たさない場合 |
| 同日別科2つ目の診療科(注5) | 39点 | 同一日・別傷病で2科目再診した場合(上記特例時は29点) |
みらい(新人医療事務)
77点と57点と39点…状況によってかなり変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。特に「57点」になるケースは、医療機関の紹介・逆紹介の実績が基準を下回る場合です。これは病院と診療所の機能分担を推進する観点から設けられた仕組みで、令和8年度(2026年度)の留意事項通知(保医発0305第6号)にも詳しく書かれています。
医療情報取得加算 外来診療料との関係
みらい(新人医療事務)
「医療情報取得加算」という名前も聞くんですが、外来診療料とどう関係するんですか?
あおい(元・医療事務)
外来診療料(A002)の「注11」に、別に規定する施設基準を満たした届出機関で看護師等と情報通信機器を用いた診療を行った場合の加算があります。また、令和8年度(2026年度)の改定では、点数表の通則で「医療DX推進に係る体制」として届け出た機関での加算(電子的診療情報連携体制整備加算 月1回2点)が注10として位置づけられています。「医療情報取得加算」は外来診療料に付随して算定する加算のひとつです。
みらい(新人医療事務)
確認するポイントが多いですね。まず「うちの病院は外来診療料を算定できる病院なのか」というところから確認しないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。外来診療料は「一般病床が200床以上の保険医療機関」に限定されています。許可病床の中で一般病床の数が200床未満の場合は、外来診療料ではなく再診料(A001)を算定します。まずそこを確認することが第一歩です。
対象医療機関・算定要件
みらい(新人医療事務)
あらためて、どんな病院が対象になるのか教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の注1に明記されています。「許可病床のうち一般病床に係るものの数が200以上である保険医療機関において再診を行った場合に算定する」とあります。
外来診療料の基本的な要件(令和8年度)
対象: 許可病床のうち一般病床が200床以上の保険医療機関
算定対象行為: 再診(初診は対象外・初診料A000を算定)
算定単位: 再診1回ごと(ただし同日に2傷病以上の場合は注5の規定あり)
診療所・200床未満の病院: 外来診療料は算定せず、再診料(A001)を算定
みらい(新人医療事務)
じゃあ、同じ日に違う病気で別の診療科にもかかった場合はどうなるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
注5の規定があります。同一日・同一保険医療機関で別の傷病について他の診療科を再診として受診した場合、2つ目の診療科は39点(注2〜注4の場合は29点)になります。この場合、乳幼児加算・時間外加算・休日加算・深夜加算などは算定できません。
同日複数科受診の注意点
同一日に同一保険医療機関で別傷病・別診療科を再診として受診した場合: 2科目は39点(または29点)。この場合、注6のただし書および注7から注11の加算は算定しない。(令和8年厚生労働省告示第69号 A002 注5)
外来診療料に含まれるもの・別途算定できるもの
みらい(新人医療事務)
外来診療料を算定すると、一部の検査や処置は「含まれてしまう」って聞いたんですが。
あおい(元・医療事務)
そうです。これが外来診療料の大きな特徴のひとつです。注6に規定があって、一定の検査・処置は外来診療料に「包括」されます。別途算定できなくなるので注意が必要です。
外来診療料に包括される主な検査・処置(令和8年度)
検査(例):
- 尿検査(D000〜D002-2)
- 糞便検査(D003。ただしカルプロテクチンを除く)
- 血液形態・機能検査(D005。ただし一部を除く)
処置(例):
- 創傷処置(100cm²未満・100〜500cm²未満)
- 皮膚科軟膏処置(100cm²以上500cm²未満)
- 膀胱洗浄・膣洗浄・眼処置・耳処置・耳管処置・鼻処置・口腔咽頭処置
- 間接喉頭鏡下喉頭処置・ネブライザ・超音波ネブライザ
- 介達牽引・消炎鎮痛等処置
※包括範囲は告示(A002 注6)の原文を必ず確認してください
みらい(新人医療事務)
かなり多いですね。これを別途算定してしまうと、レセプトで問題になってしまいますよね?
あおい(元・医療事務)
はい、査定対象になる可能性があります。外来診療料の包括範囲は、再診料(A001)よりも広い点がポイントです。ただし、検体検査実施料の通則第3号に規定する加算(例: 外来迅速検体検査加算)は、外来診療料に係る加算として別に算定できるという例外があります(注6ただし書)。
乳幼児加算・時間外加算等
みらい(新人医療事務)
小さいお子さんや夜間・緊急の場合は、点数が加算されたりしますか?
あおい(元・医療事務)
はい、外来診療料にも各種加算があります。令和8年度(2026年度)の告示に規定されています。
| 加算の種類 | 点数(令和8年度) |
|---|---|
| 乳幼児加算(6歳未満・注7) | +38点 |
| 時間外加算(注8) | +65点(6歳未満:+135点) |
| 休日加算(注8) | +190点(6歳未満:+260点) |
| 深夜加算(注8) | +420点(6歳未満:+590点) |
| 小児科夜間・休日等(注9) | 各種(上記と異なる場合あり) |
| 電子的診療情報連携体制整備加算(注10) | 月1回 +2点 |
| 看護師等遠隔診療補助加算(注11) | +50点 |
みらい(新人医療事務)
電子的診療情報連携体制整備加算というのは、医療DXに関係する加算ですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。「医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して再診を行った場合は、電子的診療情報連携体制整備加算として、月に1回に限り2点を所定点数に加算する」(A002 注10)とされています。届出が必要なので、未届出の場合は算定候補にはなりません。
施設基準・届出の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
外来診療料を算定するのに、特別な届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
外来診療料(基本77点)の算定自体は、一般病床200床以上の病院であれば届出は不要です。ただし、①情報通信機器を使ったオンライン再診(76点)、②電子的診療情報連携体制整備加算(注10・2点)、③看護師等遠隔診療補助加算(注11・50点)、これらにはそれぞれ施設基準の届出が必要になります。
届出が必要な加算等(令和8年度)
以下は施設基準の届出が必要です。届出状況を必ず確認してください:
- 情報通信機器を用いた再診(76点): 地方厚生局長等への届出
- 電子的診療情報連携体制整備加算(月1回・2点): 「医療DX推進に係る体制」の届出
- 看護師等遠隔診療補助加算(50点): 別に定める施設基準の届出
みらい(新人医療事務)
紹介割合や逆紹介割合が低いと57点になってしまうという話がありましたが、これはどう確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)によると、特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関のうち「前年度1年間の紹介割合の実績が50%未満又は逆紹介割合の実績が50‰未満」の機関は、毎年10月に地方厚生(支)局長へ報告することが求められています。該当すると57点に変わりますので、自院の実績値を確認することが大切です。
自院で確認する順番
自院の算定区分を確認する順番(令和8年度)
STEP1: 自院の許可病床のうち一般病床の数が200床以上か確認する
STEP2: 再診であることを確認(初診は初診料A000)
STEP3: 特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関等に該当するか確認
STEP4: 紹介割合・逆紹介割合の実績が基準以上か確認(57点への変動リスク)
STEP5: 医療用医薬品の妥結率に関する施設基準を満たしているか確認
STEP6: 対象患者・診療内容に応じた加算(乳幼児・時間外等)の対象か確認
STEP7: 同日別科受診の場合は2科目を39点(または29点)で算定

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定で、外来診療料に何か変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)および留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)の範囲では、外来診療料の基本点数(77点)および主な算定要件の骨格は前回改定(令和6年度)から大きく変わっていません。ただし、「電子的診療情報連携体制整備加算」が注10として明確に位置づけられ、「看護師等遠隔診療補助加算」(注11・50点)が加わっています。
令和8年度 外来診療料の主な変更確認(前回改定からの差分)
変更が確認された点:
- 「電子的診療情報連携体制整備加算」の整備(注10・月1回2点)
- 「看護師等遠隔診療補助加算」(注11・50点)の規定
変更が(一次資料の範囲で)確認されていない点:
- 基本点数(77点)
- 同日別科2科目(39点・29点)
- 乳幼児加算・時間外加算等の点数
※一次資料の範囲での確認です。必ず最新の公式資料でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「看護師等遠隔診療補助加算」というのは初めて聞きました。どんな場合に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、看護師等といる患者に対して情報通信機器を用いた診療を行った場合は、看護師等遠隔診療補助加算として、50点を所定点数に加算する」(A002 注11)という内容です。要件を満たした届出機関で、看護師等が付き添う形でオンライン診療を行った場合の加算ですね。
よくある取り漏れ・注意ポイント
外来診療料でよくある取り漏れ・確認不足
取り漏れ1: 包括項目の二重請求 外来診療料に包括される検査・処置(注6)を別途算定してしまうケース。査定対象になります。
取り漏れ2: 乳幼児加算の確認もれ 6歳未満の患者に乳幼児加算(+38点)の算定を確認できているか。
取り漏れ3: 同日別科の点数区分 同一日に別傷病・別診療科を受診した場合の2科目(39点または29点)の確認。
取り漏れ4: 届出状況の確認 オンライン再診・電子的診療情報連携体制整備加算・看護師等遠隔診療補助加算は届出済みか。
取り漏れ5: 57点への変動チェック 紹介割合・逆紹介割合の実績や妥結率基準で57点になっていないか、定期的に確認を。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
病院で外来診療料を算定する場合、患者さんへの告知は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
注2または注3に規定する保険医療機関(紹介割合等が低い場合)では、対象患者に「十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意があった場合」に限り、選定療養として差額徴収できるケースがあります(ア該当)。ただし、算定区分・患者対応は施設の状況によって異なりますので、留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)を必ずご確認ください。
みらい(新人医療事務)
外来診療料を算定する病院で、12回以上外来を受診した患者さんはどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
注2または注3に規定する機関において、「当該病院において過去1年間に12回以上外来診療料(注1から注4までに限る。)を算定した患者」は、原則として57点での算定対象者に含まれる可能性があります。ただし、緊急やむを得ない事情・専門性の高い医学管理が必要などの例外規定もありますので、個別に留意事項通知を参照してください。
みらい(新人医療事務)
外来診療料は診療所では使えないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。診療所や一般病床200床未満の病院では「再診料」(A001)を算定します。外来診療料は一般病床200床以上の病院専用の区分です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが外来診療料を正しく算定できているか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や病床数・紹介割合などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。外来診療料は包括項目が多く、点数区分が複数あるので、定期的なチェックをおすすめします。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・許可病床数・紹介割合の実績・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。