小児科外来診療料とは?まず基本を押さえましょう
みらい(新人医療事務)
先輩、うちのクリニック(小児科)で「小児科外来診療料」というのをよく見かけるんですけど、これって何のための診療料なんですか?
あおい(元・医療事務)
小児科外来診療料は、小児科を標榜する保険医療機関が、6歳未満の乳幼児を外来で診察したときに算定できる診療料です。区分番号はB001-2で、令和8年度(2026年度)の医科点数表に定められています。
みらい(新人医療事務)
初診料や再診料とは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
ええ、少し仕組みが違います。小児科外来診療料は「包括払い」の考え方が基本なんですよ。つまり、診察だけでなく、一部の検査や処置・投薬なども含めて「まとめて算定する」という点が特徴です。原則として、対象患者(6歳未満の外来患者)への診療報酬請求はこの診療料によって行うこととされています。
みらい(新人医療事務)
ということは、普通の初診料や再診料は算定しないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。この診療料を算定する場合、対象患者に対しては原則として初診料・再診料ではなくこの小児科外来診療料を使います。ただし、初診を行ってそのまま入院となった場合など、いくつかの例外があります。
小児科外来診療料のポイント(令和8年度)
- 区分番号: B001-2
- 対象: 小児科標榜の保険医療機関の、6歳未満の乳幼児(外来)
- 算定単位: 保険医療機関単位・1日につき
- 特徴: 包括払いが基本(一部の費用が所定点数に含まれる)
令和8年度の点数区分を確認しましょう
みらい(新人医療事務)
実際の点数はいくつですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)は4区分あります。院外処方(処方箋を交付するか否か)と、初診・再診の組み合わせで点数が変わります。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 1・イ | 処方箋を交付する場合・初診時 | 604点 |
| 1・ロ | 処方箋を交付する場合・再診時 | 411点 |
| 2・イ | 処方箋を交付しない場合(院内処方)・初診時 | 721点 |
| 2・ロ | 処方箋を交付しない場合(院内処方)・再診時 | 529点 |
あおい(元・医療事務)
出典: 令和8年厚生労働省告示第69号(診療報酬の算定方法の一部を改正する件)B001-2

みらい(新人医療事務)
院内処方の方が点数が高いんですね!なんでですか?
あおい(元・医療事務)
院内処方では薬の調剤費用も包括されているから、その分高めに設定されています。逆に処方箋を交付する場合(院外処方)は、調剤は保険薬局で算定するため、診療料は低くなっています。
みらい(新人医療事務)
なるほど!でも同一月に院内処方の日と処方箋交付の日が混在した場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
それは留意事項に記載があります。同一月において院外処方箋を交付した日がある場合は、当該月においては「1(処方箋を交付する場合)」の所定点数を用いることになります。ただし、夜間緊急の受診など「やむを得ない場合」に院内投薬を行う場合は「2」の点数を用いることが可能ですが、その場合は診療報酬明細書の摘要欄にその理由を記載する必要があります。
対象医療機関・対象患者の確認
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が算定の候補になりますか?施設基準はありますか?
あおい(元・医療事務)
算定の候補になるには施設基準を満たすことが必要です。ポイントは2点です。
自院で確認する順番
- 小児科を標榜する保険医療機関であること(特掲施設基準 第5・令和8年保医発0305第8号)
- 長期処方・リフィル処方箋に関する掲示があること: 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示すること
みらい(新人医療事務)
届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
この施設基準については、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して届出を行う必要はありません。要件を満たしていれば届出なしで算定が可能です(特掲施設基準 第5・届出に関する事項 令和8年保医発0305第8号)。
みらい(新人医療事務)
えっ、届出不要なんですか!それは助かりますね。
あおい(元・医療事務)
ただし、施設基準の「満たしていること」の確認は自院で行う必要があります。特に掲示要件については、院内のどこかに掲示されているか確認してみてください。
対象患者と算定できないケースの確認
みらい(新人医療事務)
対象患者は6歳未満の乳幼児ということですが、例外はありますか?
あおい(元・医療事務)
算定対象外となる患者がいくつかあります。留意事項(令和8年保医発0305第6号)(2)に明示されています。
小児科外来診療料を算定できない患者(令和8年度)
以下に該当する患者には算定できません:
- 小児かかりつけ診療料(B001-2-11)を算定している患者
- 在宅療養指導管理料(第2部第2節第1款)の各区分を算定している患者(他の保険医療機関で算定している患者を含む)
- パリビズマブまたはニルセビマブを投与している患者(投与当日に限る)
- 入院中の患者
みらい(新人医療事務)
在宅療養指導管理料は「他院で算定している場合」も除外されるんですね。これは見落としやすそう!
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ここは取り漏れではなく、逆に誤って算定してしまう「過誤算定」につながりやすいポイントです。レセプトのダブルチェック時に確認しておく価値があります。
みらい(新人医療事務)
6歳の誕生日が属する月はどう扱うんですか?
あおい(元・医療事務)
6歳の誕生日が属する月において、6歳の誕生日前に受診して小児科外来診療料を算定した場合は、6歳の誕生日後に受診しても、当該月の診療に係る請求は小児科外来診療料によって行うものとされています。留意事項(令和8年保医発0305第6号)(8)に記載されています。
包括される費用と別に算定できる費用
みらい(新人医療事務)
「包括払い」ということですが、具体的にどんな費用が含まれているんですか?
あおい(元・医療事務)
ここが少し複雑です。小児科外来診療料の所定点数に含まれる(=別に算定できない)費用と、例外的に別に算定できる費用があります。
別途算定が可能な(含まれない)費用(主なもの)
以下は別途算定が可能です(留意事項 令和8年保医発0305第6号 (3)):
- 小児抗菌薬適正使用支援加算(注4)
- 初診料・再診料・外来診療料の時間外加算・休日加算・深夜加算・小児科特例加算(ただし点数調整あり)
- 電子的診療情報連携体制整備加算
- 地域連携小児夜間・休日診療料(B001-2-2)
- 救急外来医学管理料(B001-2-6)
- 診療情報提供料(Ⅱ)(B010)・連携強化診療情報提供料(B011)
- 往診料(C000)及びその加算
- 外来感染対策向上加算・連携強化加算・サーベイランス強化加算・抗菌薬適正使用体制加算(通則3〜6号)など
みらい(新人医療事務)
時間外加算は「点数調整あり」とありましたが、どういうことですか?
あおい(元・医療事務)
初診料の時間外加算(注7・注8に規定するもの)を算定する場合は、加算点数からそれぞれ115点を減じた点数を算定します。再診料・外来診療料の時間外加算等(注5・注6・注8・注9)を算定する場合は、それぞれの加算点数から70点を減じた点数を算定します。告示(令和8年厚生労働省告示第69号)B001-2注3に規定されています。
みらい(新人医療事務)
なるほど、減算があるんですね。じゃあ、「時間外加算」との関係は、別に算定の候補にはなるけれども点数が調整される、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。時間外加算自体は算定の候補になりますが、小児科外来診療料の所定点数には一部の基本点数が内包されているため、重複しないよう調整されるわけです。
| 加算の種類 | 点数調整 |
|---|---|
| 初診料の時間外加算(注7・注8) | 加算点数から115点を減算 |
| 再診料・外来診療料の時間外加算等(注5・注6・注8・注9) | 加算点数から70点を減算 |
みらい(新人医療事務)
夜間に急患が来た場合など、実際どんな点数で算定するか、事前に確認しておく必要がありますね。
小児抗菌薬適正使用支援加算(80点)について
みらい(新人医療事務)
さっき「注4」として別途算定が可能と出てきた小児抗菌薬適正使用支援加算って何ですか?
あおい(元・医療事務)
これは令和8年度の注4に規定されている加算で、抗菌薬を不要と判断した急性気道感染症・急性中耳炎・急性副鼻腔炎・急性下痢症の患者に対して、必要な指導と検査結果の説明を行い、文書で説明内容を提供した場合が算定の候補になります。月1回に限り80点です。
みらい(新人医療事務)
この加算に施設基準はありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、この加算には独自の施設基準があります。「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」に位置づけられた「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」に係る活動に参加し、または感染症にかかる研修会等に定期的に参加していることが必要です(特掲施設基準 第5 令和8年保医発0305第8号)。
みらい(新人医療事務)
研修会参加が必要なんですね。うちはどうかな……
あおい(元・医療事務)
感染症関係の研修会への定期的な参加記録があるか、確認してみてください。これも届出不要の施設基準ですが、算定するには要件を満たしていることが前提です。
小児抗菌薬適正使用支援加算の要件確認(令和8年度)
- 対象疾患: 急性気道感染症・急性中耳炎・急性副鼻腔炎・急性下痢症
- 算定条件: 抗菌薬不使用+文書による説明内容の提供
- 点数: 月1回に限り80点を所定点数に加算
- 施設基準: AMR対策の地域ネットワーク活動参加または感染症研修会への定期参加
電子的診療情報連携体制整備加算との関係について
みらい(新人医療事務)
「電子的診療情報連携体制整備加算」は小児科外来診療料と一緒に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項(令和8年保医発0305第6号)(3)に、別途算定できる費用として「電子的診療情報連携体制整備加算」が列挙されています。包括点数に含まれない費用として位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
つまり小児科外来診療料を算定していても、電子的診療情報連携体制整備加算は別に算定できる可能性があるということですね。
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項(3)ではそのように整理されています。ただしこちらの加算には施設基準の届出が必要で、体制整備・マイナ保険証対応等の要件があります。詳細は当該加算のページや施設基準をご確認ください。いずれにせよ、要件を満たす医療機関であれば算定候補になります。詳細は電子的診療情報連携体制整備加算をご覧ください。
200床以上の病院の特例
みらい(新人医療事務)
大きな病院の場合、特別なルールがあると聞きましたが?
あおい(元・医療事務)
留意事項(令和8年保医発0305第6号)(9)に規定があります。小児科外来診療料を算定している保険医療機関のうち、許可病床数が200床以上の病院においては、他の保険医療機関等からの紹介なしに受診した6歳未満の乳幼児の初診については、保険外併用に係る費用(特定療養費)の徴収ルールが適用される場合がある旨が記載されています。詳細は留意事項(9)の原文(令和8年保医発0305第6号)でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
うちは小さなクリニックなので関係ないですが、200床以上の病院では紹介状なし受診に関するルールに注意が必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。外来機能の分化・集約化の観点から設けられている規定です。大病院では専門外来への集中防止という政策意図があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、小児科外来診療料は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定後の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)および施設基準(令和8年保医発0305第8号)・留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)の範囲で確認した結果をお伝えします。
令和6年度改定との主な変化点(確認範囲)
令和8年度改定の一次情報(告示・留意事項)の範囲で確認された変化点:
- 留意事項(3)にて「電子的診療情報連携体制整備加算」が別途算定可能な費用として記載: 医療DX推進に伴い整備された加算で、令和8年度の留意事項(3)に記載があります(令和8年保医発0305第6号)。前回改定時との対比については、一次資料の比較範囲を超えるため、詳細は公式資料でご確認ください。
- 「ニルセビマブ」が算定除外薬剤に追加: パリビズマブに加えてニルセビマブ(投与当日)が除外薬剤として留意事項(2)に明記されました(令和8年保医発0305第6号)。
点数(411点〜721点・4区分)については、一次情報の範囲で令和6年度からの変更は確認されていません(2026年6月時点・告示ベース)。施設基準の掲示要件(28日以上長期投薬・リフィル処方箋対応の掲示)は継続されています。
みらい(新人医療事務)
ニルセビマブって何ですか?
あおい(元・医療事務)
RSウイルス感染症予防のための抗体製剤です。令和6年度以降に乳幼児への使用が認められた薬剤で、パリビズマブと同様に算定除外(投与当日)の対象として追加されました。
自院で確認すべきチェックリスト
みらい(新人医療事務)
実際に自院が算定候補かどうか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
以下の順番で確認すると抜け漏れが防げます。
自院で確認する順番
- 小児科を標榜しているか: 保険医療機関として小児科を標榜していることを確認
- 掲示要件は満たしているか: 「28日以上の長期処方またはリフィル処方箋を交付できる」旨の掲示が院内の見やすい場所にあるか確認
- 対象患者の確認: 6歳未満の外来患者(入院患者は対象外)が対象
- 算定除外患者の確認: 小児かかりつけ診療料算定患者・在宅療養指導管理料算定患者・パリビズマブ/ニルセビマブ投与当日患者でないか
- 処方箋の交付状況の確認: 同一月に院外処方箋交付の日がある場合は、当該月は「1」の点数で算定
- 小児抗菌薬適正使用支援加算の要件確認: AMR活動参加・研修会参加の記録確認(加算を算定する場合)
- 時間外等加算の算定ルール確認: 時間外・休日・深夜加算を算定する場合の減算規定を確認
みらい(新人医療事務)
レセプト作成時に特に注意すべきことはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかポイントがあります。留意事項(4)(令和8年保医発0305第6号)に「同一日において、同一患者の再診が2回以上行われた場合であっても、1日につき所定の点数を算定する」と規定されています。6歳の誕生日が属する月の取り扱い(留意事項(8))も忘れずに。また留意事項(7)に「6歳未満の小児が初診を行いそのまま入院となった場合の初診料は、小児科外来診療料ではなく、初診料を算定し、当該初診料の請求は入院の診療報酬明細書により行う」と規定されています。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
他にもよくある質問はありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかまとめておきましょう。
みらい(新人医療事務)
小児科以外の診療科(例: 内科を兼ねた小児科)でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
「小児科を標榜する保険医療機関」が要件ですので、内科・外科等と小児科を同時に標榜している医療機関でも、施設基準を満たしていれば算定候補になります。ただし、小児科以外の疾患で受診した場合の取り扱いについては、一次資料(留意事項通知)でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
同日に複数の専門科を受診した場合はどう扱うんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項(4)(令和8年保医発0305第6号)に「同一日において、同一患者の再診が2回以上行われた場合であっても、1日につき所定の点数を算定する」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
小児かかりつけ診療料と小児科外来診療料の違いは何ですか?
あおい(元・医療事務)
小児かかりつけ診療料は届出が必要な診療料で、「かかりつけ医機能」を評価するものです。算定中の患者には小児科外来診療料は対象となりません。両者は選択関係にあります。詳しくは小児かかりつけ診療料を参照してください。

自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補になるかどうか、もう少し詳しく確認したいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示第69号・令和8年保医発0305第6号・第8号)・審査支払機関の判断でご確認ください。