みらい(新人医療事務)
あおいさん、「外来放射線照射診療料」って初めて見た名前です。放射線治療をしている患者さんに関係する診療料ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのとおりです。放射線治療を要する外来患者さんに対して、入院ではなく通院で放射線照射に関わる診療を行った場合に算定できる可能性がある診療料です。区分番号はB001-2-8、令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づく整理です。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんは対象外なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の告示では「放射線治療を要する入院中の患者以外の患者に対して、放射線治療の実施に関し必要な診療を行った場合」と定められています。あくまで外来通院での放射線治療が前提になります。
みらい(新人医療事務)
うちの医院、放射線治療をやっているクリニックなんですが、算定候補になるか気になります。
あおい(元・医療事務)
それはこの後の施設基準と届出のところで一緒に確認していきましょう。まずは点数から見ていきますね。
点数・算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、外来放射線照射診療料は298点です。ただし、7日以内の治療予定日数によって点数が変わる仕組みになっているので、テーブルで整理しますね。
| 区分 | 点数 | 条件 |
|---|---|---|
| 基本点数 | 298点 | 算定日から起算して7日以内の期間に4日以上の放射線治療を予定している場合 |
| 減算点数 | 149点(100分の50) | 算定日から起算して7日以内の期間に4日以上の放射線治療を予定していない場合(3日以内で照射が終了する場合を含む) |
みらい(新人医療事務)
半分になることもあるんですね。予定日数がポイントなんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚労省の告示原文には「外来放射線照射診療料を算定する日から起算して7日以内の期間に4日以上の放射線治療を予定していない場合には、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する」とあります。留意事項通知にも「算定した日を含め、3日間以内で放射線照射が終了する場合は、本点数の100分の50に相当する点数を算定する」と書かれていて、同じ考え方が別の表現で示されています。
みらい(新人医療事務)
算定できる回数にも決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。「7日間に1回に限り算定する」という制限があります。同じ患者さんに対して短い間隔で繰り返し算定することはできない設計です。

対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者は「放射線治療を要する入院中の患者以外の患者」、つまり外来で放射線治療を受けている、または受ける予定の患者さんです。対象医療機関は、後で説明する施設基準を満たして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に限られます。届出をしていない医療機関では、たとえ放射線治療を実施していても算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
届出が前提条件なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。施設基準を満たしていることと、実際に届出を済ませていることの両方が必要になります。ここは断定できる話ではなく、自院の届出状況を必ず確認していただく部分です。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?具体的に知りたいです。
あおい(元・医療事務)
大きく4つの要件があります。順番に見ていきますね。
外来放射線照射診療料の施設基準(令和8年度)
放射線治療医の配置: 放射線照射の実施時に、放射線治療の経験を5年以上有する放射線治療医が配置されていること。 専従の看護師・診療放射線技師: 専従の看護師および専従の診療放射線技師がそれぞれ1名以上勤務していること。 精度管理担当の技術者: 放射線治療に係る医療機器の安全管理・保守点検・安全使用のための精度管理を専ら担当する技術者(放射線治療の経験を5年以上有する者に限る)が1名以上勤務していること。 緊急時の連絡体制: 合併症の発生により速やかに対応が必要である場合等、緊急時に放射線治療医が対応できる連絡体制をとること。
みらい(新人医療事務)
専従の診療放射線技師さんって、他の加算と兼任できたりするんですか?
あおい(元・医療事務)
一定の条件で兼任が認められています。厚労省の告示では、専従の診療放射線技師は「放射線治療専任加算、外来放射線治療加算、遠隔放射線治療計画加算」や「強度変調放射線治療(IMRT)」「画像誘導放射線治療加算」など、放射線治療に関する複数の加算に係る常勤の診療放射線技師を兼任できるとされています。ただし専従の看護師については、粒子線治療医学管理加算やホウ素中性子捕捉療法医学管理加算に係る常勤の看護師とは兼任できないという制限もあります。この兼任関係は複雑なので、自院の人員配置表と照らし合わせて個別に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
精度管理の技術者さんも兼任できるんですか?
あおい(元・医療事務)
精度管理を担当する技術者も、放射線治療関連の各種加算に係る常勤の診療放射線技師との兼任は認められていませんが、医療機器安全管理料2に係る技術者との兼任は可能とされています。人員体制が「何が取れるか」を左右する部分なので、まずは配置の実態を書き出すところから始めるとよいと思います。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていたら、あとは届出するだけですか?
あおい(元・医療事務)
はい、施設基準に適合しているだけでは算定候補にならず、地方厚生局長等への届出が必要です。厚労省の資料では「外来放射線照射診療料の施設基準に係る届出は、別添2の様式7の6を用いること」とされています。届出済みであれば算定候補になりますが、届出前は算定できません。
みらい(新人医療事務)
様式が決まっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。様式7の6を使って必要事項を記載し、地方厚生局に提出する流れになります。届出の具体的な記載方法や添付書類は、地方厚生局のホームページや窓口で最新の様式を確認していただくのが確実です。
届出は必須の前提条件
施設基準を満たしていても、届出が完了していなければ外来放射線照射診療料は算定候補になりません。届出の受理日・有効期限も含めて、自院の状況を確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングにも決まりがありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知では「放射線治療医(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る)が診察を行った日に算定」するとされています。つまり、放射線治療医の診察が行われた日が算定日の起点になります。
みらい(新人医療事務)
他の診療料と一緒に算定できないこともあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは特に注意が必要なポイントです。告示では「外来放射線照射診療料を算定する日から起算して7日以内の期間においては、当該放射線治療の実施に係る区分番号A000に掲げる初診料(注16に規定する加算を除く)、区分番号A001に掲げる再診料(注19に規定する加算を除く)及び区分番号A002に掲げる外来診療料(注10に規定する加算を除く)は、算定しない」と定められています。つまり算定日から7日間は、その放射線治療に関する初診料・再診料・外来診療料を別途算定できません。
みらい(新人医療事務)
加算部分は別扱いなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。初診料の注16、再診料の注19、外来診療料の注10に規定されている加算については、この制限の対象外とされています。ただしこの整理も個別のケースで確認が必要な部分なので、レセプト作成の際は算定要件の原文と照らし合わせることをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
患者さんの観察記録についても何か決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。留意事項通知には「外来放射線照射診療料を算定した場合にあっては、第2日目以降の看護師、診療放射線技師等による患者の観察については、照射ごとに記録し、医師に報告すること」とされています。日々の観察記録と医師への報告が求められる運用要件です。
みらい(新人医療事務)
患者さんへの説明も必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。「放射線治療を行う前に、放射線治療により期待される治療効果や成績などとともに、合併症、副作用等についても必ず患者又はその家族に説明し、文書等による同意を得ること」とされています。また「関係学会による放射線精度管理等のガイドラインを遵守すること」も求められています。
併算定・記録要件は見落としやすいポイント
7日間の初診料・再診料・外来診療料の算定制限、観察記録の義務、患者・家族への説明と文書同意は、いずれも算定要件の一部です。レセプト作成時にまとめて確認する運用にしておくと取りこぼしを防ぎやすくなります。

令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが今回確認できた令和8年度の一次資料(告示・留意事項通知)の範囲内では、外来放射線照射診療料そのものの新設・廃止・点数変更・施設基準変更を明示した比較情報は確認できていません。298点という基本点数と、7日以内に4日以上の放射線治療を予定していない場合に100分の50で算定する仕組みは、今回参照した令和8年度の告示・留意事項に記載されている内容です。
みらい(新人医療事務)
つまり「変わっていない」と言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこまでは言い切れません。当サイトが参照できた一次資料の範囲では変更点の記載を確認できていない、という意味です。前回改定(令和6年度)からの詳細な比較は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」や「個別改定項目について」といった資料で個別に確認する必要があります。自院での運用に反映する前に、最新の公式資料で改定の有無をあわせて確認していただくことをおすすめします。
改定確認のポイント
点数だけでなく、施設基準の人員要件・届出様式・記録や説明の運用ルールも、改定のたびに変わることがあります。「点数が同じだから要件も同じ」と思い込まず、都度公式資料を確認する習慣が取りこぼし防止につながります。
自院チェックリスト
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医院で確認すべき順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、順番に並べますね。
自院で確認する順番
放射線治療を要する外来患者に対して、放射線治療の実施に関し必要な診療を行っているか確認する 放射線治療医(経験5年以上)、専従の看護師、専従の診療放射線技師、精度管理担当の技術者の配置状況を人員配置表で確認する 施設基準を満たしていれば、様式7の6で地方厚生局に届出を行う(届出済みかどうかをまず確認する) 算定日から7日以内の放射線治療の予定日数が4日以上か3日以内かを確認し、298点か149点かを判断する 算定日から7日間の初診料・再診料・外来診療料の算定制限、観察記録、患者・家族への説明と同意の運用が整っているか確認する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントってどんなところですか?
あおい(元・医療事務)
いくつか代表的なものをまとめますね。
よくある取り漏れ・確認ポイント
届出の未実施: 施設基準を満たしているつもりでも、地方厚生局への届出(様式7の6)が完了していなければ算定候補になりません。 予定日数の判定漏れ: 7日以内に4日以上の放射線治療を予定しているかどうかで点数が298点と149点に分かれるため、判定を誤ると過大・過少算定につながる可能性があります。 7日間の重複算定: 初診料・再診料・外来診療料との重複算定制限を見落とし、算定日から7日以内に別途算定してしまうケースが考えられます。 兼任要件の確認漏れ: 専従の看護師・診療放射線技師・精度管理担当の技術者の兼任可否は加算ごとに細かく定められているため、人員配置の見直し時に見落としやすい部分です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。