みらい(新人医療事務)
「地域連携小児夜間・休日診療料」っていう名前、初めて見ました。うちの小児科がある診療所でも算定候補になったりするんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。これは令和8年度の医科点数表で区分番号B001-2-2にあたる診療料で、地域の小児科の医師同士が連携して、夜間・休日・深夜に小児の急病を診られる体制を維持していることを評価するものです。まずはどんな加算なのか、一緒に整理していきましょう。
みらい(新人医療事務)
「連携」ってところがポイントっぽいですね。うちが単独で夜間に開いているだけじゃダメなんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚生労働省の告示では、この診療料の趣旨についてこう書かれています。「地域連携小児夜間・休日診療料は、保険医療機関が地域の小児科を専ら担当する診療所その他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、小児の救急医療の確保のために、夜間、休日又は深夜に小児の診療が可能な体制を保つことを評価するものである。」自院単独の夜間診療体制というより、地域の小児科医が連携し合う仕組みそのものを評価する診療料です。届出済みであれば算定候補になりますが、まずはこの「連携体制」の実態があるかどうかが出発点になります。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんって、誰でもいいわけじゃないですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、対象は6歳未満の小児に限られます。告示の注1にはこうあります。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た小児科を標榜する保険医療機関において、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間、休日又は深夜において、入院中の患者以外の患者(6歳未満の小児に限る。)に対して診療を行った場合に、当該基準に係る区分に従い、それぞれ算定する。」つまり「小児科を標榜」「届出済み」「入院中の患者以外」「6歳未満」という条件が揃って、はじめて算定候補になる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
「入院中の患者以外」ということは、入院している子には使えないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項通知でも「入院中の患者については、地域連携小児夜間・休日診療料は算定できない。ただし、患者が地域連携小児夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合は、算定できる。」と書かれています。つまり最初から入院中だった患者には使えませんが、この診療料を算定する診療を受けたあとに入院になった場合は、算定候補として扱えるということです。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
この診療料には「地域連携小児夜間・休日診療料1」と「地域連携小児夜間・休日診療料2」の2区分があります。告示本文はこうです。「B001-2-2 地域連携小児夜間・休日診療料 1 地域連携小児夜間・休日診療料1 450点 2 地域連携小児夜間・休日診療料2 600点」。表にまとめますね。

| 区分 | 点数(令和8年度) | 体制のイメージ |
|---|---|---|
| 地域連携小児夜間・休日診療料1 | 450点 | あらかじめ地域に周知した特定の時間帯に診療する体制 |
| 地域連携小児夜間・休日診療料2 | 600点 | 6歳未満の小児を24時間診療する体制 |
| 院内トリアージ実施体制加算(注2) | +50点 | 上記1・2のいずれかに届出済みの医療機関が対象 |
みらい(新人医療事務)
料2のほうが点数が高いんですね。24時間体制のぶん評価が高いということですか?
あおい(元・医療事務)
そういう位置づけと理解して差し支えありません。留意事項通知では区分の使い分けについて「地域連携小児夜間・休日診療料1については、夜間、休日又は深夜であって、保険医療機関があらかじめ地域に周知している時間に、地域連携小児夜間・休日診療料2については、保険医療機関が24時間診療することを周知した上で、夜間、休日又は深夜に、それぞれ6歳未満の小児を診療した場合に算定する。」と説明されています。自院がどちらの体制を周知しているかで、算定候補になる区分が変わってきます。
院内トリアージ実施体制加算(注2)
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた「院内トリアージ実施体制加算」って、また別の届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、別建ての施設基準が必要です。告示の注2にはこうあります。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等ぼうに届け出た小児科を標榜する保険医療機関においては、院内トリアージ実施体制加算として、50点を所定点数に加算する。」つまり、料1・料2の届出をした上で、さらにトリアージ体制の施設基準を満たして届出をしないと、この加算は候補になりません。
トリアージ加算は対象患者が限定される
留意事項通知には「専任の医師又は救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師により、時間外、休日又は深夜において救急外来を受診した患者(救急用の自動車及び救急医療用ヘリコプターで搬送された患者を除く。)に対して院内トリアージを実施する体制が整備されている保険医療機関において診療を行った場合に、当該患者について、院内トリアージ実施体制加算の施設基準に定める体制が確保されている時間帯に限り算定する。」とあります。救急搬送された患者は対象外になる点、体制が確保されている時間帯に限られる点は見落としやすいポイントです。
施設基準(料1・料2・トリアージ加算で異なる)
みらい(新人医療事務)
施設基準も料1と料2で違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、かなり違います。厚生労働省の特掲診療料の施設基準等(令和8年保医発0305第8号)の内容を表にまとめました。
| 区分 | 主な施設基準(要旨) |
|---|---|
| 料1 | 夜間・休日・深夜に小児を診療できる体制/近隣医療機関を主たる勤務先とする小児科医3名以上を届出(うち2名以上は専ら小児科担当)/地域へ診療可能時間を周知/緊急入院体制の確保 |
| 料2 | 6歳未満の小児を24時間診療できる体制/専ら小児科を担当する医師3名以上を届出/24時間診療を地域に周知/緊急入院体制の確保 |
| 院内トリアージ実施体制加算 | トリアージ目標開始時間・再評価時間・分類・流れを含む実施基準を策定/患者への説明と院内掲示(原則ウェブサイト掲載)/専任の医師、または救急医療3年以上の経験を持つ専任看護師の配置 |
みらい(新人医療事務)
「3名以上」というのは、その3人が夜間ずっと病院にいないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは疑義解釈で明確にされています。厚生労働省の疑義解釈資料(医科 問98)では「地域連携小児夜間・休日診療料の要件にある3名の小児科医は、当該夜間、休日又は深夜の診療時間に常時勤務している必要があるのか。」という質問に対し、「3名の小児科医の登録があればよく、夜間、休日又は深夜の診療時間に3名の小児科医が常時勤務している必要はない。」と回答されています。登録要件であって、常時勤務までは求められていません。
施設基準の充足はご自身での確認が必要です
医師の勤務体制・地域への周知方法・トリアージの実施基準の整備状況は医療機関ごとに異なります。当サイトの整理は告示・留意事項通知に基づく一般的な内容であり、自院が実際に基準を満たしているかどうかは、届出書類の作成担当者や地方厚生局への確認が必要です。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準はわかりました。じゃあ届出ってどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
特掲診療料の施設基準等の届出に関する事項では、以下のように定められています。「(1) 地域連携小児夜間・休日診療料1及び2の施設基準に係る届出は、別添2の様式7を用いること。(2) 院内トリアージ実施体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式7の1の2を用いること。(3) 開放利用に関わる地域の医師会等との契約及び当該医療機関の運営規程等を記載すること。(4) 2の(1)に掲げる事項については、その体制の概要を添付すること。」料1・料2の届出様式とトリアージ加算の届出様式が別になっている点、地域の医師会等との契約内容の記載が必要な点がポイントです。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。留意事項通知から抜き出すと以下の通りです。
算定できないケース・回数制限に要注意
- 「地域連携小児夜間・休日診療料は、夜間、休日又は深夜に急性に発症し、又は増悪した6歳未満の患者であって、やむを得ず当該時間帯に保険医療機関を受診するものを対象としたものである。したがって、慢性疾患の継続的な治療等のための受診については算定できない。」
- 「一連の夜間及び深夜又は同一休日に、同一の患者に対しては、地域連携小児夜間・休日診療料は原則として1回のみ算定する。」複数回算定する場合は明細書の摘要欄に理由の記載が必要です。
- 「患者本人が受診せず、家族などに対して指導等を行った場合には、当該診療料は算定できない。」
- 「地域連携小児夜間・休日診療料は地域の夜間・急病センター、病院等において地域の医師が連携・協力して、診療に当たる体制を評価したものであり、在宅当番医制で行う夜間・休日診療においては算定できない。」
みらい(新人医療事務)
記録面で気をつけることは何かありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には記録・掲示の指示もあります。「夜間、休日又は深夜における担当医師名とその主たる勤務先について、予定表を作成し院内に掲示するものとする。」「地域連携小児夜間・休日診療料を算定する場合にあっては、診療内容の要点、診療医師名及びその主たる勤務先名を診療録に記載するものとする。」担当医師の予定表と、診療録への記載の両方が求められている点は運用としてしっかり押さえておきたいところです。
似た名前の診療料との違い
みらい(新人医療事務)
「地域連携小児夜間・休日診療料」と似た名前の診療料、他にもある気がします。混同しそうで心配です。
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。区分番号B001-2-4の地域連携夜間・休日診療料は対象が小児に限らない一般向けの診療料で、告示の注1に「入院中の患者以外の患者(区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料を算定する患者を除く。)に対して診療を行った場合に算定する。」とあり、地域連携小児夜間・休日診療料を算定する患者は明確に除外されています。両方を同じ患者に算定することはできません。
みらい(新人医療事務)
救急外来医学管理料というのもありますよね。トリアージ加算がこっちにもあるって聞いた気がします。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。救急外来医学管理料にも院内トリアージ実施体制加算がありますが、告示にはこう明記されています。「区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料の注2に規定する院内トリアージ実施体制加算及び区分番号B001-2-4に掲げる地域連携夜間・休日診療料の注2に規定する院内トリアージ実施体制加算は別に算定できない。」同じ患者について、複数のトリアージ加算を重ねて算定することはできない仕組みです。どの区分のトリアージ加算で届出をしているかを、自院で一本化して整理しておく必要があります。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この診療料、前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更点について確認しましたが、当サイトが収載している一次資料の範囲では、点数・施設基準・算定要件を含めて明確な変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月)。ただし改定内容は資料の読み込み範囲によって新たに判明することもあるため、最終的な変更有無は厚生労働省の告示・留意事項通知の原文でご確認いただくことをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの診療所が算定候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認していくと整理しやすいですよ。

自院で確認する順番
- 対象患者が6歳未満の小児で、夜間・休日・深夜のやむを得ない受診であるかを確認する(慢性疾患の定期受診は対象外)。
- 自院の診療体制が「あらかじめ周知した特定時間帯」(料1)なのか「24時間診療」(料2)なのかを整理する。
- 該当する区分の施設基準(医師の届出人数・地域周知・緊急入院体制)を満たしているか、届出担当者と確認する。
- 院内トリアージ実施体制加算の体制(実施基準・掲示・専任医師または専任看護師の配置)があるかを確認する。
- 様式7(料1・料2)または様式7の1の2(トリアージ加算)で届出済みかを確認し、未届出であれば地方厚生局への届出を検討する。
よくある取り漏れ
入院前の受診分を取りこぼしていないか
入院中の患者には算定できませんが、「地域連携小児夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合」は算定候補になります。入院に至ったケースを一律で対象外にしてしまうと、本来算定候補になる分を取りこぼす可能性があります。
複数回受診時の摘要欄記載を忘れていないか
同一の夜間・深夜・休日に同一患者へ複数回算定する場合は、原則1回のみという建て付けの例外にあたるため、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載する必要があります。記載漏れは審査で確認を求められる要因になり得ます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。