紹介受診重点医療機関入院診療加算って、どんな加算なんですか?
みらい(新人医療事務)
「紹介受診重点医療機関入院診療加算」という名前を初めて見ました。入院診療加算というのはわかるんですが、「紹介受診重点医療機関」って何でしょう?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。令和8年度(2026年度)の点数表に載っている区分A204-3の加算です。「紹介受診重点医療機関」とは、医療法の規定に基づいて都道府県が外来機能報告対象病院等として公表した病院のことです。外来は紹介患者を中心に担い、入院の前後も含めて医療資源を大きく活用する機能を持つ病院として都道府県に公表された施設が対象になります。
みらい(新人医療事務)
都道府県に公表されるって、都道府県から何か認定されるということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。医療法第30条の18の5第1項第2号の規定に基づいて、都道府県が「紹介患者への外来を基本とする外来を担う機能を持つ基幹的な病院」として公表した病院です。この公表を受けた病院が、今回の加算の対象医療機関として位置づけられています。ただし、一般病床が200床未満の病院は対象外とされていますので、その点は注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
200床未満は対象外なんですね。大きな病院向けの加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項通知には「紹介受診重点医療機関における、入院の前後の外来や医療機器・設備等、医療資源の活用が大きく、紹介患者への外来を基本とする外来を担う機能等を評価するもの」と記載されています。入院基本料等加算(A章)の中の一つで、病院向けの加算です。

点数・算定タイミング(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
何点もらえる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)では、800点です。算定タイミングは入院初日のみ・1回限りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算区分 | A204-3 |
| 加算点数 | 800点 |
| 算定単位 | 入院初日 |
| 届出 | 不要(加算固有の届出なし) |
| 施設基準 | 加算固有の施設基準なし |
| 対象 | 病院(入院)・診療所は対象外 |
| 年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
「届出不要」なんですか?なんか珍しい気がします。
あおい(元・医療事務)
はい。この加算は、都道府県が医療法の規定に基づいて「紹介受診重点医療機関」として公表したという実績をもとに算定できるものです。加算固有の別途届出は不要です。ただし、患者が算定している入院基本料(第1節の入院基本料)については、施設基準の適合と地方厚生局への届出が前提になっています。ですので、「加算の届出は不要だが、入院基本料の届出は必要」という理解が正確です。
算定対象の患者・医療機関
みらい(新人医療事務)
どういう患者が対象になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示の注に基づくと、対象は次の条件を満たす患者になります。
算定対象患者の条件(令和8年度 告示 注 A204-3)
- 外来機能報告対象病院等として都道府県が公表した病院に入院している患者であること
- その病院の一般病床が200床以上であること
- 第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く)のうち、紹介受診重点医療機関入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者であること
みらい(新人医療事務)
「現に算定している患者に限る」というのは、どういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
入院基本料にはいくつか種類があって、この加算を算定できる入院基本料もあれば、できないものもあります。患者が算定している入院基本料が「算定できるもの」に該当している場合にのみ、この加算も一緒に算定候補になるという意味です。具体的にどの入院基本料が対象になるかは、自院のレセコン設定や算定ルールを確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
なるほど。入院基本料と連動しているんですね。
届出・施設基準の確認
みらい(新人医療事務)
届出が不要というのはありがたいですが、何か施設として必要な条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
この加算固有の施設基準は設けられていません。ただ、算定の大前提として、医療法に基づいて都道府県から「紹介受診重点医療機関(外来機能報告対象病院等)」として公表されていること、そして入院基本料の届出が適正にされていることが必要です。
算定前に確認すべき前提事項
- 自院が都道府県から「外来機能報告対象病院等」として公表されているか確認
- 一般病床が200床以上か確認
- 患者が算定している入院基本料の種類がこの加算と対応しているか確認
- 入院基本料の届出状況を確認
みらい(新人医療事務)
「都道府県から公表されているか」は、どこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
各都道府県の医療政策担当や地域医療計画担当の窓口で確認できます。また、厚生労働省や都道府県が公表する「外来機能報告」の結果として公表されていることが多いです。自院が該当しているかどうかは、事務長や管理部門に確認してみましょう。
算定上の注意点
みらい(新人医療事務)
他に気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
大きな注意点が2つあります。
算定上の注意(令和8年度 告示 注)
注意1: 地域医療支援病院入院診療加算(A204)との別算定不可 A204-3 紹介受診重点医療機関入院診療加算を算定した場合、区分番号A204 地域医療支援病院入院診療加算は別に算定できません。どちらか一方のみの算定となります。
注意2: 特定入院料を算定した場合の特例 入院初日に病棟単位で行うべき特定入院料以外の特定入院料を算定した場合は、入院基本料の入院期間の計算により一連の入院期間とされる期間中に特定入院料を算定しなくなった日(その日が退院日の場合は退院日)において1回に限り算定する取扱いとされています。
みらい(新人医療事務)
A204の「地域医療支援病院入院診療加算」と「紹介受診重点医療機関入院診療加算」は、どちらか一方しか算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。紹介受診重点医療機関入院診療加算(A204-3)は800点ですが、A204 地域医療支援病院入院診療加算と別に算定することはできません。自院がどちらの認定・指定を受けているかを確認したうえで、算定を検討する必要があります。
みらい(新人医療事務)
どちらに該当するかって、自院が「地域医療支援病院」か「紹介受診重点医療機関」かで変わってくるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。地域医療支援病院は厚生労働大臣の承認が必要ですが、紹介受診重点医療機関(外来機能報告対象病院等)は都道府県の公表によって指定されます。両方の認定を受けている病院があった場合も、1患者あたり1回・どちらか一方のみの算定です。詳細は自院の算定ルールと各要件を確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、この加算に何か変わったことはありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の厚労省一次情報(告示第69号・留意事項通知)の範囲で確認した結果、点数(800点)・算定単位(入院初日)・対象の基本的な要件に変更は確認されていません(確認日: 2026年06月、厚労省一次情報ベース)。
令和8年度 告示から確認できる現行内容
- 区分番号: A204-3
- 点数: 800点(入院初日)
- 対象: 外来機能報告対象病院等(一般病床200床以上)
- 別算定不可: A204 地域医療支援病院入院診療加算
- 根拠: 令和8年厚生労働省告示第69号
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度改定)との差分は確認できなかったということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。手元の一次情報は令和8年度のものに限られているため、令和6年度(2024年度)改定との詳細な比較は確認できていません。前回改定からの差分を確認したい場合は、厚労省の「令和8年度診療報酬改定 個別改定項目について」等の改定資料を直接ご参照ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
「うちは算定できそうだ」と思ったら、どの順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
ステップで整理するとこんな流れになります。

自院で確認する順番
-
都道府県が公表する「外来機能報告対象病院等」リストに自院が掲載されているか確認する
-
一般病床が200床以上かを確認する(200床未満は対象外)
-
対象患者が算定している入院基本料の種類を確認する(紹介受診重点医療機関入院診療加算を算定できる入院基本料かどうか)
-
A204 地域医療支援病院入院診療加算を算定していないか確認する(別算定不可)
-
入院初日の算定となっているか確認する
-
上記すべてが確認できたら、算定候補として医事部門・事務部門と協議する
みらい(新人医療事務)
ステップ1の「都道府県が公表するリスト」というのが、まず一番大事な確認なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。この加算は「都道府県が公表した病院」であることが大前提です。自院が公表されているかどうかを確認しないまま算定を進めると、後から問題になる可能性があります。まずここから確認してみましょう。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
他に見落としやすいポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかよくある確認漏れをまとめてみました。
よくある取り漏れ・確認漏れ(令和8年度)
- 200床条件の確認漏れ: 一般病床の床数ではなく「一般病床が200床以上」が要件。病床種別が混在している場合は一般病床のみでカウントする
- 算定初日の確認漏れ: 入院初日のみの算定。2日目以降は算定できないため、入院日のレセプト処理時に忘れると取り漏れになる
- A204との混在: 地域医療支援病院入院診療加算(A204)と混在させないよう、算定ロジックを整理しておく
- 特定入院料との関係: 特定入院料を算定した場合の特例ルールを事前に把握しておく
- 公表状況の最新確認: 都道府県の公表リストは随時更新されることがある。定期的に最新の公表状況を確認する
みらい(新人医療事務)
「入院初日のみ」は忘れやすそうですね。レセコンの設定で対応できますか?
あおい(元・医療事務)
多くのレセコンでは入院初日に自動で算定が立つよう設定できますが、設定されていないと手入力になり、忘れが発生することがあります。まずは自院のレセコン設定を確認してみましょう。具体的な設定方法はレセコンベンダーに確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「うちは地域医療支援病院でもあり、紹介受診重点医療機関でもある」という場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注に「この場合において、区分番号A204に掲げる地域医療支援病院入院診療加算は別に算定できない」と明記されています。つまり、同一入院につきどちらか一方のみの算定となります。算定上どちらを使うかは、自院が受けている認定・指定の状況と各加算の算定要件に基づいて確認してください。
みらい(新人医療事務)
入院初日に特定入院料を算定した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に特例が記載されています。入院初日に病棟単位で行うべき特定入院料以外の特定入院料を算定した場合は、一連の入院期間中に特定入院料を算定しなくなった日(その日が退院日の場合は退院日)において1回限り算定する取扱いとされています。通常の「入院初日」とは異なるタイミングになるケースがあるため、自院のレセプト担当者と事前に確認しておくことを推奨します。
みらい(新人医療事務)
診療所は算定できないんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。この加算は「入院基本料等加算(A章)」に分類される加算で、病院が対象です。診療所は算定できません。また、対象医療機関の要件として「都道府県が外来機能報告対象病院等として公表した病院(一般病床200床以上)」という条件があるため、診療所や小規模な病院は対象外となります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(令和8年厚生労働省告示第69号等)・審査支払機関の判断でご確認ください。