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令和8年度最終更新 2026-07-04T02:04:34+00:00出典あり

在宅患者緊急入院診療加算は算定候補?点数区分【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の在宅患者緊急入院診療加算(区分A206)。1,000点〜2,500点(3区分)。対象: 診療所・病院・届出不要・施設基準なし。入院基本料等加算(A章)。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

在宅患者緊急入院診療加算っていう名前を初めて見たんですけど、これって何のための加算なんですか?

在宅患者緊急入院診療加算とは何のための加算か

あおい

あおい元・医療事務

在宅患者緊急入院診療加算(区分番号A206)は、令和8年度(2026年度)の診療報酬点数表にある入院基本料等加算のひとつです。厚生労働省の留意事項通知では、この加算の目的を「在宅での療養を行っている患者の病状の急変等により入院が必要となった場合に、円滑に入院でき、かつ入院を受け入れた保険医療機関(以下この項において「受入保険医療機関」という。)においても患者の意向を踏まえた医療が引き続き提供されるための取組を評価した加算である」と説明しています。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、在宅で診てもらっていた患者さんが急に具合が悪くなって、別の病院に入院するときの話ということですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。かかりつけの診療所で在宅医療を受けていた患者が急変し、別の保険医療機関(受入保険医療機関)に緊急入院した場合に、その受け入れた側の医療機関が算定候補になる加算です。診療所と病院の連携がどれくらいできているかによって、点数区分が変わる仕組みになっています。

対象になる医療機関・場面

みらい

みらい新人医療事務

うちは在宅医療をやっている診療所なんですが、算定するのはうちの側ですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、算定するのは在宅患者を受け入れて入院させた側の医療機関です。対象は診療所・病院のいずれも入院機能を持つ場合で、入院基本料や特定入院料のうち在宅患者緊急入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者が対象になります。外来や在宅療養そのものへの加算ではなく、あくまで入院に対する加算という位置づけです。

みらい

みらい新人医療事務

どんな患者さんが対象になるんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知では「診療所において「C002」在宅時医学総合管理料、「C002-2」施設入居時等医学総合管理料、「C003」在宅がん医療総合診療料又は第2章第2部第2節第1款に掲げる在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料(「C101」在宅自己注射指導管理料を除く。)を入院の月又はその前月に算定している患者について、当該患者の病状の急変等に伴い当該診療所の保険医の求めに応じて入院させた場合に、受入保険医療機関において、当該入院中1回に限り、入院初日に算定する」とされています。

みらい

みらい新人医療事務

在宅時医学総合管理料施設入居時等医学総合管理料在宅がん医療総合診療料を算定していた患者さんが対象になるんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。ただし在宅自己注射指導管理料だけを算定している患者は、この規定からは除かれています。対象患者に該当するかどうかは、入院した月またはその前月の算定状況を診療録・レセプトで確認する必要があります。

点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数はいくらになるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

告示(令和8年厚生労働省告示第69号)では、受入保険医療機関と紹介元の連携関係によって3つの区分に分かれています。

区分主な内容点数
他院との連携により在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の体制を確保している医療機関が、当該他院の求めに応じて行う場合、又は在宅療養後方支援病院が他院の求めに応じて行う場合2,500点
連携医療機関である場合(1の場合を除く)2,000点
1及び2以外の場合1,000点

在宅患者緊急入院診療加算(A206)点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

3段階もあるんですね…どうやって自院がどこに当てはまるか見分ければいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

告示の原文は「1 他の保険医療機関との連携により在宅療養支援診療所(区分番号B004に掲げる退院時共同指導料1に規定する在宅療養支援診療所をいう。)若しくは在宅療養支援病院(区分番号C000に掲げる往診料の注1に規定する在宅療養支援病院をいう。)(別に厚生労働大臣が定めるものに限る。)の体制を確保している保険医療機関において、当該他の保険医療機関の求めに応じて行う場合又は在宅療養後方支援病院(区分番号C012に掲げる在宅患者共同診療料の注1に規定する在宅療養後方支援病院をいう。)が他の保険医療機関の求めに応じて行う場合 2,500点 2 連携医療機関である場合(1の場合を除く。) 2,000点 3 1及び2以外の場合 1,000点」という書き方になっています。区分1は在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院・在宅療養後方支援病院に関わる連携、区分2はそれ以外の連携医療機関、区分3はそのどちらでもない場合、という整理です。

区分の見分け方(確認ポイント)

自院が「在宅療養支援診療所」「在宅療養支援病院」「在宅療養後方支援病院」のどの届出区分に当たるか、そして紹介元との連携体制がどの区分の要件に該当するかは、自院の届出内容を確認しないと判断できません。名称が似ていても届出区分(強化型・単独型・連携型など)によって該当・非該当が変わるため、確認が必要です。

算定要件を細かく見る(1と2の違い)

みらい

みらい新人医療事務

区分1と区分2って、具体的に何が違うんですか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知では、区分1に該当するケースを「在宅患者緊急入院診療加算の「1」は、以下の場合に算定する。ア 特掲診療料施設基準通知の第9に掲げる在宅療養支援診療所(当該基準を満たすものを以下この項において「在宅療養支援診療所」という。)の施設基準の1の(2)又は第14の2に掲げる在宅療養支援病院(当該基準を満たすものを以下この項において「在宅療養支援病院」という。)の施設基準の1の(2)に規定する在宅支援連携体制を構築している在宅療養支援診療所が診療を行っている患者を、当該診療所の保険医の求めに応じて、同じく当該体制を構築している、病床を有する他の在宅療養支援診療所(在宅療養支援診療所の施設基準の1の(2)の在宅療養支援診療所に限る。)又は在宅療養支援病院(在宅療養支援病院の施設基準の1(2)の在宅療養支援病院に限る。)に入院させた場合 イ 特掲診療料施設基準通知の第16の3に掲げる在宅療養後方支援病院(当該施設基準を満たすものを以下この項において「在宅療養後方支援病院」という。)の施設基準の1の(2)に規定する連携医療機関が訪問診療を行っている患者であって、緊急時に当該在宅療養後方支援病院に入院を希望する者として当該在宅療養後方支援病院にあらかじめ届け出ている者を、当該連携医療機関の保険医の求めに応じて、当該在宅療養後方支援病院に入院させた場合」と定めています。かなり長い規定なので、要は「あらかじめ体制を構築している医療機関同士の連携」かどうかがポイントです。

みらい

みらい新人医療事務

区分2のほうは、事前に受け入れ先を伝えておくケースということですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。留意事項通知には「在宅患者緊急入院診療加算の「2」は、当該診療所の保険医が患者又はその家族に対して、事前に緊急時の受入保険医療機関の名称等を文書にて提供し、受入保険医療機関に入院した場合(在宅患者緊急入院診療加算の「1」の場合を除く。)に算定する。また、当該診療所の保険医は、提供した文書の写しを診療録に添付すること」と書かれています。

みらい

みらい新人医療事務

診療所側にも書類の準備が必要なんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。事前に受け入れ先の名称等を文書で患者・家族へ提供し、その写しを診療録に添付しておくことが、区分2の算定条件のひとつになっています。この文書と診療録への添付が確認できないと、区分2としての算定候補にはなりません。

施設基準・届出の考え方

みらい

みらい新人医療事務

この加算自体に、施設基準の届出は必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

在宅患者緊急入院診療加算そのものには、個別の届出は求められていません。ただし、どの点数区分(2,500点・2,000点・1,000点)に該当するかは、自院や紹介元が「在宅療養支援診療所」「在宅療養支援病院」「在宅療養後方支援病院」の届出をしているかどうかで変わります。これらの施設基準の届出状況によって区分が変わるため、加算そのものの届出は不要でも、関連する体制の届出状況の確認は必要です。

断定できないポイント

「届出不要」というのは在宅患者緊急入院診療加算そのものの話です。どの点数区分に当たるかは在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院・在宅療養後方支援病院の届出区分に左右されるため、自院と紹介元双方の届出状況を確認しないと、区分1〜3のどれに該当するかは判断できません。

算定タイミング・回数制限・注意点

みらい

みらい新人医療事務

算定できるタイミングや回数に決まりはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

入院初日に限り、所定点数に加算する扱いです。留意事項通知でも「当該入院中1回に限り、入院初日に算定する」と明記されています。また、紹介元の診療所の医師からの求めによらない緊急入院であっても、算定候補になり得るケースがあります。留意事項通知には「当該診療所の保険医の求めによらない緊急入院において、当該患者の入院後24時間以内に、当該診療所の保険医から、受入保険医療機関の保険医に対して当該患者の診療情報が提供された場合であっても算定できる」とあります。

みらい

みらい新人医療事務

24時間以内に情報提供があれば良いんですね。受入側の医療機関がやることはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

あります。留意事項通知では受入保険医療機関側の対応についても「受入保険医療機関の保険医は、入院前又は入院後速やかに患者の希望する診療内容等の情報を当該診療所の保険医に確認し共有すること」と定めています。さらに告示の注2では、在宅療養後方支援病院(許可病床数400床以上)に限った追加の規定もあります。告示には「1について、在宅療養後方支援病院(許可病床数が400床以上のものに限る。)において、別に厚生労働大臣が定める疾病等を有する患者を入院させた場合に、当該患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は第3節の特定入院料のうち、在宅患者緊急入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、入院初日に限り所定点数に加算する」と書かれています。

併算定・回数の確認ポイント

入院初日限定・同一入院中1回限りという条件に加えて、対象患者が入院基本料または特定入院料のうち在宅患者緊急入院診療加算を算定できるものを現に算定していることが前提です。入院料の種類によっては、そもそも算定対象にならない可能性があるため、レセプト担当者による事前確認をおすすめします。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の令和6年度改定から、何か変わったところはあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の令和8年度の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)と留意事項通知を確認した限り、点数区分は2,500点・2,000点・1,000点の3区分のままで、区分1〜3の算定要件(在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院・在宅療養後方支援病院に関する規定、24時間以内の情報提供に関する規定など)についても、現行の一次資料の記載内容に大きな変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ、これまで算定していた医療機関は特に変更対応しなくていいということですか?

あおい

あおい元・医療事務

現時点で確認できた一次資料の範囲では、点数・要件の変更は確認されていませんが、疑義解釈や訂正通知が別途出る可能性もあります。届出区分や連携体制に変更があった場合は、そのつど確認が必要です。

自院チェックリスト

みらい

みらい新人医療事務

自院がこの加算の算定候補になるかどうか、どんな順番で確認すればいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

次の順番で確認するとわかりやすいです。

自院で確認する順番

  1. 在宅で療養していた患者が病状の急変等により、自院に緊急入院したかを確認する
  2. 対象患者の要件(在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・在宅がん医療総合診療料・在宅療養指導管理料の算定状況など)に該当するかを確認する
  3. 紹介元の診療所と自院(または在宅療養後方支援病院)の届出区分・連携体制を確認し、点数区分1〜3のどれに当たるかを確認する
  4. 区分2に該当する場合は、事前提供した文書の写しが診療録に添付されているかを確認する
  5. 入院初日の算定であり、同一入院中1回に限られているかを確認する

自院で確認する順番(令和8年度)

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

現場でありがちな取り漏れのパターンってありますか?

あおい

あおい元・医療事務

よくあるのは次のようなケースです。

よくある取り漏れ

紹介元の診療所からの緊急入院の依頼だったのに、区分1・区分2どちらの要件にも当てはまるかを確認せず、一律で区分3(1,000点)として算定してしまうケースです。連携体制や届出区分の確認を後回しにすると、本来対象になり得る区分を取り漏れる可能性があります。

みらい

みらい新人医療事務

逆に、算定できないのに算定してしまうケースもありますか?

あおい

あおい元・医療事務

対象患者の要件(在宅時医学総合管理料等を入院の月またはその前月に算定していたか)を確認せずに算定してしまうケースには注意が必要です。対象患者に該当するかどうかは、レセプトの算定履歴で必ず確認してください。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

最後に、よくある疑問を教えてください。まず、外来患者にもこの加算は使えますか?

あおい

あおい元・医療事務

使えません。在宅患者緊急入院診療加算は入院基本料等加算に分類されており、対象は入院した患者です。外来や訪問診療そのものに対する加算ではありません。

みらい

みらい新人医療事務

同じ入院で2回算定できますか?

あおい

あおい元・医療事務

できません。留意事項通知では「当該入院中1回に限り、入院初日に算定する」とされており、入院初日のみ・同一入院につき1回限りの扱いです。

みらい

みらい新人医療事務

紹介元が診療所ではなく病院の場合はどうなりますか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知の対象患者要件は「診療所において」算定している患者を前提にしています。紹介元が病院の場合に該当するかどうかは、個別のケースごとに一次資料と照らして確認が必要です。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や連携体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 対象医療機関

    入院基本料等加算(A章)。患者の状態・要件に基づき入院料に加算(注)。

  • 算定要件

    注1別の保険医療機関(診療所に限る。)において区分番号C002に掲げる在宅時医学総合管理料、区分番号C002-2に掲げる施設入居時等医学総合管理料、区分番号C003に掲げる在宅がん医療総合診療料又は第2章第2部第2節第 1款の各区分に掲げる在宅療養指導管理料(区分番号C101に掲げる在宅自己

よくある質問

在宅患者緊急入院診療加算は外来患者にも算定できますか?

算定できません。入院基本料等加算に分類されており、対象は入院した患者です。

同じ入院で複数回算定できますか?

できません。当該入院中1回に限り、入院初日に算定する扱いです。

この加算の届出は必要ですか?

加算そのものの届出は不要ですが、点数区分は在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院・在宅療養後方支援病院等の届出区分によって変わるため、関連する届出状況の確認が必要です。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

疾患・テーマから確認する

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