この管理料はどんな場面で算定候補になるの?
みらい(新人医療事務)
先生、「臍ヘルニア圧迫指導管理料」ってカルテで見かけたんですけど、正直あまり馴染みがなくて。これってどういう場面で算定候補になるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
臍ヘルニア(でべそ)のある赤ちゃんの保護者に対して、病態や治療法について個別に説明・指導を行ったときに算定候補になる管理料です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では区分B001-8として整理されています。
みらい(新人医療事務)
「でべそ」って手術するイメージがあったんですけど、指導だけでも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。臍ヘルニアは自然治癒することも多く、まずは圧迫療法という保存的な指導管理を行うケースがあります。この管理料はその「指導」の部分を評価するもので、手術(区分K633ヘルニア手術)とは別区分です。手術を行った場合の取り扱いは今回の管理料の対象外なので、その点は分けて考える必要がありますね。
みらい(新人医療事務)
なるほど、指導と手術は別物なんですね。じゃあ具体的にどんな医療機関、どんな患者さんが対象になるのか教えてください。
対象医療機関・対象患者
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は保険医療機関全般です。診療所でも病院でも算定候補になり、入院ではなく外来での算定が前提です。対象患者は1歳未満の乳児で、臍ヘルニアに対する指導を受けている方です。
みらい(新人医療事務)
病院でも診療所でも対象になるのはありがたいですね。年齢の区切りは1歳未満、というのは厳密に見るところですか?
あおい(元・医療事務)
はい、公式資料では「1歳未満の乳児に対する臍ヘルニアについて療養上の必要な指導を行った場合」と明記されています。年齢は算定候補かどうかを左右する重要な条件なので、レセプトに乗せる前に生年月日と指導実施日から必ず確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
わかりました。次は点数がどうなっているか知りたいです。
点数・算定単位(令和8年度)
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数は次のとおりです。表にまとめました。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| B001-8 | 臍ヘルニア圧迫指導管理料 | 100点 | 患者1人につき1回 |
みらい(新人医療事務)
「患者1人につき1回」というのがポイントですね。月1回とかではなく、1人の患者さんに対して生涯で1回、ということですか?
あおい(元・医療事務)
公式資料の表現は「患者1人につき1回に限り算定する」となっていて、月単位の回数制限ではなく、その患者さんについて1回のみという整理です。同じ患者さんに複数回の指導を行っても、算定できるのは1回のみという点は算定時に確認しておきたいところですね。

みらい(新人医療事務)
画像で見るとすっきり整理できますね。じゃあ次は施設基準や届出について聞いてもいいですか?
施設基準・届出は必要?
あおい(元・医療事務)
この管理料については、施設基準の届出は不要です。特別な人員配置や設備要件も定められていません。
みらい(新人医療事務)
届出不要なんですか。じゃあ要件を満たせばどの医療機関でもすぐに算定候補になるんですね。
あおい(元・医療事務)
届出という手続き面のハードルはない、というのが公式資料での整理です。ただし届出が不要というのは「施設として満たすべき基準がない」という意味であって、算定するたびに個別の算定要件(後で説明する指導内容やカルテ記載)を満たしているかどうかは、その都度確認が必要です。届出さえしておけば自動的に算定できる、というものではない点は注意したいですね。
届出不要 ≠ 要件チェック不要
施設基準の届出が不要な項目でも、算定要件(対象患者・指導内容・記録)を満たしているかどうかは1件ごとに確認が必要です。届出関連の書類だけを見て安心せず、カルテ記載まで確認する運用にしておくと取り漏れ・算定誤りの両方を防ぎやすくなります。
算定要件とカルテ記載
みらい(新人医療事務)
「療養上の必要な指導」って、具体的に何を話せばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知(医科診療報酬点数表に関する事項)では、保護者に対して次の4項目について個別に説明・指導管理を行った場合に算定できる、とされています。1つ目は臍ヘルニアの病態、2つ目は臍ヘルニア圧迫療法の概要及び具体的実施方法、3つ目は臍ヘルニア圧迫療法の治癒率と治癒しなかった場合の治療法、4つ目は想定される合併症及び緊急時の対処方法です。
みらい(新人医療事務)
4つとも全部説明しないといけないんですか? 一部だけ話した場合はどうなるんでしょう。
あおい(元・医療事務)
公式資料は「以下に示す事項について、個別に説明及び指導管理を行った場合に算定できる」という書き方で、4項目がまとめて示されています。一部のみの説明で算定候補になるかどうかは資料の文言だけでは判断がつかない部分もあるので、4項目すべてを説明したうえで算定する運用が確実です。判断に迷う場合は自院の届出状況や解釈について、審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
説明した内容は記録に残すんですよね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知には「指導内容の要点を診療録に記載する」と明記されています。説明した、算定した、というだけでなく、実際に何を話したかの要点がカルテに残っているかどうかは、算定候補かどうかを確認するうえで欠かせないポイントです。
医師が行った指導であることの確認
公式資料の記載は「保険医療機関において、医師が1歳未満の乳児に対する臍ヘルニアについて療養上の必要な指導を行った場合」となっています。看護師や他の職種が単独で説明を行ったケースが要件を満たすかどうかは、資料の文言だけでは明確に読み取れない部分があるため、自院の運用と照らして確認が必要です。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
タイミングについても確認したいです。生まれてすぐに指導した方がいいんですか?
あおい(元・医療事務)
公式資料には算定するタイミング(生後何日目までに、といった時期の指定)についての具体的な記載は見当たりません。示されているのは「1歳未満の乳児」という対象年齢と、「患者1人につき1回」という回数制限です。実際にいつ指導を行うかは、臨床的な判断に基づくものになります。
みらい(新人医療事務)
併算定についてはどうですか? 同じ日に他の管理料と一緒に算定できたりするんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料の範囲では、他の管理料との併算定を明示的に禁止する記載は見当たりませんでした。ただし、これは「併算定できる」と断定できるという意味ではなく、資料に明記された禁止事項が見当たらなかったというだけです。実際に他の項目と合わせて算定する場合は、レセプトチェックの段階で個別に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
慎重に確認したほうがよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に「臍ヘルニアの手術(区分K633ヘルニア手術など)」と混同しないことが大切です。この管理料はあくまで保存的な指導管理を評価するもので、手術を実施した場合の取り扱いはこの管理料とは別に確認する必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この管理料、前回の改定(令和6年度)から何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料(令和8年度の告示・留意事項通知)の範囲では、点数(100点)・算定要件・施設基準(届出不要)のいずれについても、前回改定からの変更を示す記載は見当たりませんでした。この管理料自体は以前の点数表にも同じ区分番号・同じ内容で存在しており、令和8年度時点でも同様の整理が続いていると考えられます。
改定差分の確認範囲(令和8年度時点)
今回の確認は令和8年度の告示・留意事項通知(医科診療報酬点数表に関する事項)を一次資料として行いました。点数・算定要件・施設基準(届出の要否)のいずれについても、前回改定(令和6年度)からの変更を示す記載は確認されていません。改定内容は今後の疑義解釈等で補足される可能性もあるため、最新の公式資料もあわせてご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」というのも、ちゃんと確認した上での結論なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。確認していないから書かない、ではなく、確認した結果として変更が見当たらなかった、という状態を明記するようにしています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で算定候補かどうかを確認するときは、どんな順番で見ていけばいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認するとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 対象患者か確認する(1歳未満の乳児で、臍ヘルニアに対する指導であること)
- 医師が保護者に対して、病態・圧迫療法の概要と方法・治癒率と治癒しなかった場合の治療法・想定される合併症と緊急時対応の4項目を個別に説明しているか確認する
- 指導内容の要点が診療録(カルテ)に記載されているか確認する
- 同一患者について、この管理料をすでに算定していないか確認する(患者1人につき1回のみ)
- ここまで確認できれば算定候補です。最終的な判断は自院の状況と公式資料で確認してください

みらい(新人医療事務)
フローになっていると迷わず確認できますね。
よくある取り漏れ
あおい(元・医療事務)
現場でよく見られる取り漏れ・確認漏れのパターンを2つ紹介しますね。
よくある取り漏れ①: 説明内容の一部だけで算定してしまう
4項目(病態・圧迫療法の概要と方法・治癒率と治癒しなかった場合の治療法・合併症と緊急時対応)のうち、病態と圧迫療法の説明だけで終わってしまい、治癒率や合併症についての説明・記載が抜けているケースがあります。算定候補にするなら4項目すべての説明とカルテ記載までをセットで運用しておくと安心です。
よくある取り漏れ②: カルテに指導内容の要点が残っていない
指導は行ったものの、「指導実施」とだけ記載してあり、具体的にどの項目を説明したかの要点が診療録に残っていないケースです。留意事項通知は「指導内容の要点を診療録に記載する」ことを求めているため、要点まで記録に残すことを意識しておくと、後から確認しやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか気になっていることを質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は本当に不要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。今回確認した一次資料の範囲では、この管理料について施設基準や届出の要件は定められていません。ただし届出が不要でも、算定要件(対象患者・指導内容・カルテ記載)を満たしているかどうかは、算定のたびに確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
同じ患者さんに何度も臍ヘルニアの相談を受けた場合、その都度算定できますか?
あおい(元・医療事務)
公式資料では「患者1人につき1回に限り算定する」とされているので、同一患者について繰り返し算定することは想定されていません。1回目の指導でこの管理料を算定したあとは、同じ患者さんについて再度算定することは難しいと考えられます。
みらい(新人医療事務)
手術になった場合はこの管理料は関係なくなるんですか?
あおい(元・医療事務)
この管理料はあくまで保存的な指導管理を評価するものです。手術を実施する場合は区分K633ヘルニア手術など別の区分での取り扱いになるため、手術に至った場合の算定については、その区分の要件を別途確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
看護師さんが説明した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
公式資料の記載は「医師が」指導を行った場合、というものです。看護師など他の職種が単独で説明したケースが要件を満たすかどうかは資料の文言だけでは明確に読み取れないため、確認が必要な部分だと考えています。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者や指導内容、カルテ記載の状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
この記事は厚生労働省の公式資料をもとに整理しています。資料名と参照先をまとめておきますね。
| 資料種別 | 資料名 | 参照先 |
|---|---|---|
| 告示(診療報酬の算定方法) | B001-8 臍ヘルニア圧迫指導管理料 | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf |
| 留意事項通知 | 医科診療報酬点数表に関する事項(別添1) | https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984041.pdf |