がん治療連携指導料とはどんな指導料ですか?
みらい(新人医療事務)
「がん治療連携指導料」という名前を初めて聞きました。どんな目的の指導料なんですか?
あおい(元・医療事務)
がん患者さんが入院治療を終えて退院した後も、地域で切れ目のない治療を受けられるように連携する体制を評価した指導料です。令和8年度(2026年度)の診療報酬では区分番号B005-6-2として位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
退院後のフォローアップを担う医療機関に算定される、ということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。大まかに言うと「計画策定病院(主にがん診療連携拠点病院など)」と「連携医療機関(診療所や一般病院)」という2種類の施設が関わります。このがん治療連携指導料は、連携医療機関の側で算定される指導料です。計画策定病院側は別に「がん治療連携計画策定料(B005-6)」を算定します。
みらい(新人医療事務)
つまりうちの診療所が連携先として患者さんを外来でフォローするときに算定できる、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし算定候補になるかどうかは施設基準の届出が前提になりますので、詳しく見ていきましょう。
この指導料の評価の背景(令和8年度)
がん診療連携拠点病院等を中心に策定された地域連携診療計画に沿ったがん治療において、計画策定病院と連携医療機関が協働してがん患者に地域における切れ目のない医療を提供することを評価したものです。
(出典: 留意事項通知 B005-6・B005-6-2 (1))
令和8年度の点数と算定単位
みらい(新人医療事務)
具体的に何点で、どのくらいの頻度で算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数は以下のとおりです。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| B005-6-2 | がん治療連携指導料 | 300点 | 月1回 |
あおい(元・医療事務)
出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 B005-6-2

みらい(新人医療事務)
月1回300点、ということは1月3,000円相当の評価ですね。それを毎月算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、月1回の制限のもとで継続して算定候補となります。ただし算定の前提として、毎月計画策定病院に文書で情報提供を行う必要があります。情報提供の頻度は「基本的には治療計画に記載された頻度に基づく」とされていますが、患者さんの状態変化等により計画策定病院に相談・変更が必要になった際にも算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
毎月必ず300点取れる、というわけではなく、実際に情報提供をしたときに算定する、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。算定ありきではなく、患者ごとの治療計画に基づいた連携行為が伴っていることが前提です。
算定要件(告示原文)
みらい(新人医療事務)
算定するための具体的な条件を教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示の注1(原文)では次のように規定されています。
算定要件(令和8年厚生労働省告示第69号 B005-6-2 注1 原文)
「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(計画策定病院を除く。)が、区分番号B005-6に掲げるがん治療連携計画策定料1又はがん治療連携計画策定料2を算定した患者であって入院中の患者以外のものに対して、地域連携診療計画に基づいた治療を行うとともに、当該患者の同意を得た上で、計画策定病院に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合に、月1回に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
うーん、少し複雑ですね。ポイントを整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
噛み砕くと、次の4つの条件が揃ったときに算定候補となります。
自院で確認する順番
-
施設基準の届出が完了していること: 別に定める施設基準に適合し、地方厚生局長等への届出が済んでいること。なお計画策定病院(がん診療連携拠点病院等)は算定対象外です。
-
対象患者であること: B005-6のがん治療連携計画策定料1または計画策定料2を算定した患者で、かつ入院中ではない患者(外来患者)であること。
-
地域連携診療計画に基づいた治療を行っていること: 計画策定病院が作成した治療計画に沿った診療を連携医療機関として提供していること。
-
計画策定病院に文書で情報提供をしていること: 患者の同意を得た上で、診療情報を文書により計画策定病院に提供すること。
みらい(新人医療事務)
「計画策定病院は算定対象外」というのはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
がん治療連携指導料は**連携先の医療機関(連携医療機関)**が算定するものです。計画策定病院(がん診療連携拠点病院など)は、別に「がん治療連携計画策定料」を算定します。一方の施設が両方を算定するわけではない、という仕組みです。
地域連携診療計画とは何ですか?
みらい(新人医療事務)
「地域連携診療計画」という言葉が繰り返し出てきますが、どんな計画ですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知によると、「あらかじめがん診療連携拠点病院等において、がんの種類や治療方法等ごとに作成され、退院後の治療を共同して行う複数の連携保険医療機関との間で共有して活用されるもの」とされています。計画の内容は、病名・ステージ・入院中の治療・退院後の計画策定病院・連携医療機関それぞれでの治療内容と受診頻度などが含まれます。
みらい(新人医療事務)
ということは、計画策定病院があらかじめ作っておいた計画をもとに、連携先の医療機関がフォローを担う仕組みですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。この計画は計画策定病院が患者ごとに具体化し、連携医療機関と共有します。がん治療連携計画策定料(B005-6)を算定した入院時が計画策定のタイミングで、その後の外来フォローを担う連携医療機関がこの指導料(B005-6-2)を算定します。
施設基準と届出
みらい(新人医療事務)
どんな施設基準が必要なんですか?うちの診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示(B000に掲げる特定疾患療養管理料と異なり診療所・病院両方対象)から、この指導料は診療所・病院ともに届出が可能です。ただし届出が必要で、届出なしでは算定できません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の具体的な内容はどこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
特掲診療料の施設基準等(令和8年厚生労働省告示第71号)および特掲診療料の施設基準等の取扱い通知(保医発0305第8号)に規定されています。届出様式は別添様式があります。自院の届出状況や施設基準の充足については、必ず公式資料と審査支払機関に確認されることをお勧めします。
施設基準・届出に関する注意
算定候補となるには施設基準の届出が完了していることが前提です。届出の有効性・充足の確認は、審査支払機関への問い合わせや公式資料(令和8年度告示・通知)でご確認ください。
よくある質問: 特定疾患療養管理料と同時算定できるか
みらい(新人医療事務)
ところで、この指導料を算定する月に、同じ患者さんに特定疾患療養管理料(B000)も算定することはできますか?「がん治療連携指導料 特定疾患療養管理料 同時算定できるか」というのが気になっていて。
あおい(元・医療事務)
良い点に気づきましたね。これは多くの連携医療機関(特に診療所)で確認が必要な論点です。告示(令和8年厚生労働省告示第69号)のB005-6-2の条文を確認すると、同条文自体には特定疾患療養管理料(B000)との不算定を明示した規定は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
え、では同時算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
慎重に考える必要があります。他の類似連携指導料では特定疾患療養管理料が不算定とされる例もあり、一律に「問題なし」と判断できないケースがあります。B005-6-2の条文には明示規定が確認されていませんが、審査支払機関の判断は条文の明示の有無にかかわらず異なる場合もあります。
みらい(新人医療事務)
つまり、「明示されていないから大丈夫」とも「明示されていないが不可」とも言いきれない、ということですか?
あおい(元・医療事務)
その通りです。この論点は自院の実態や審査支払機関の判断基準によって異なる場合があります。安全を期すなら、算定前に審査支払機関(支払基金・国保連合会)や地方厚生局に確認することを強くお勧めします。私が確認した公式資料(令和8年度告示・留意事項通知)の範囲では断定できる情報は見つかりませんでした。
特定疾患療養管理料との同時算定についての注意
令和8年度告示第69号のB005-6-2条文には、特定疾患療養管理料(B000)との明示的な不算定規定は確認されていません(一次資料確認範囲: 令和8年3月時点の告示・留意事項通知)。ただし、審査支払機関の判断は個別の事例・届出状況・算定実態によって異なります。実際に算定する前に、地方厚生局または審査支払機関(支払基金・国保連合会)に確認することを強くお勧めします。
みらい(新人医療事務)
この点は自院で確認することが大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。一次資料で確認できる範囲を超えた個別判断は、必ず審査支払機関へ問い合わせるのが安全です。
診療情報提供料(I)・連携強化診療情報提供料との関係
みらい(新人医療事務)
計画策定病院に文書を送ると言っていましたが、診療情報提供料(B009)は別に請求できますか?
あおい(元・医療事務)
ここも重要なポイントです。告示の注2に次の規定があります。
注2の規定(令和8年厚生労働省告示第69号 B005-6-2)
「注1の規定に基づく計画策定病院への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料の費用は、所定点数に含まれるものとする。」
みらい(新人医療事務)
つまり、計画策定病院への情報提供文書の費用は「所定点数(300点)の中に含まれている」ということですね。別に請求できない。
あおい(元・医療事務)
そうです。B009診療情報提供料(Ⅰ)とB011連携強化診療情報提供料は、この文書提供については別に算定できません。取り漏れとして勘違いして別途請求しないよう注意が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
今回の令和8年度(2026年度)改定で、がん治療連携指導料に何か変化はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)告示第69号および留意事項通知(保医発0305第8号)の一次資料を確認した範囲では、B005-6-2がん治療連携指導料の点数(300点)・算定要件・算定回数(月1回)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(2026年3月時点の告示・通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
点数も要件も据え置きなんですね。
あおい(元・医療事務)
確認できた範囲ではそうです。ただし「変更なし」と言えるのは点数と算定要件について一次資料で照合した結果であり、届出様式の細部変更等については特掲診療料施設基準の取扱通知(保医発0305第8号)を直接ご確認ください。改定内容は毎年変わりますので、最新の官報・通知を確認することが重要です。
自院で確認するチェックリスト
みらい(新人医療事務)
実際に算定候補になるか確認するには、何から始めればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認してみてください。

自院で確認する順番
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当院は計画策定病院ではないことを確認する: がん診療連携拠点病院・地域がん診療病院・小児がん拠点病院として指定されている場合は算定対象外となります。
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施設基準の届出状況を確認する: 特掲診療料の施設基準等(告示第71号)に基づく届出が完了しているかを確認します。未届出の場合は算定候補になりません。
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対象患者がいるかを確認する: B005-6(がん治療連携計画策定料1または2)を算定した計画策定病院から紹介された外来患者が在籍しているか確認します。
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地域連携診療計画を保有・共有しているか確認する: 計画策定病院から地域連携診療計画が共有されているか確認します。
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毎月の情報提供体制を確認する: 計画策定病院への文書による診療情報提供の体制(様式・記録管理・送付手順)が整っているか確認します。
みらい(新人医療事務)
ステップが具体的でわかりやすいです。どのステップが一番つまずきやすいですか?
あおい(元・医療事務)
現場でよく聞くのは「計画策定病院から連携診療計画の共有を受けていない」または「毎月の情報提供の記録管理が不十分」というケースです。連携の仕組みを計画策定病院とあらかじめ確認しておくことが大切です。
よくある取り漏れ
がん治療連携指導料の取り漏れポイント
取り漏れ1: 「情報提供したのに算定し忘れた」 毎月の文書提供をしても、レセプトに計上するのを忘れるケースがあります。文書提供と算定のフローを紐付けておきましょう。
取り漏れ2: 「B009診療情報提供料を別に算定してしまった」 計画策定病院への文書費用はB005-6-2に含まれます。誤って重複算定しないよう注意が必要です。
取り漏れ3: 「届出がないまま算定している」 施設基準の届出なしでは算定できません。届出が済んでいるか確認が必要です。
取り漏れ4: 「入院中の患者に算定している」 入院中の患者には算定できません。外来患者(入院中でない患者)に限られます。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある質問をいくつか教えてください。
あおい(元・医療事務)
はい。実際によく受ける質問を整理しました。
みらい(新人医療事務)
がん治療連携計画策定料(B005-6)も同月に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
がん治療連携計画策定料は計画策定病院(がん診療連携拠点病院等)が算定するもので、連携医療機関が算定するものではありません。そのため、連携医療機関では通常、両方を同時に算定する状況は生じません。なお計画策定病院においては、連携医療機関が指導料を算定している患者について、状態変化等で治療計画を変更した場合に「計画策定料2」を算定します。
みらい(新人医療事務)
「計画策定病院からの紹介患者」以外のがん患者に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
B005-6(がん治療連携計画策定料1または2)を算定した患者であることが要件です。計画策定病院を経ていない外来がん患者には算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
この指導料の算定記録や文書はどのくらい保管しますか?
あおい(元・医療事務)
計画策定病院への文書提供の記録や、患者の同意に関する記録は診療録に保管します。一般的な診療録の保管期間(5年)に準じることになりますが、詳細は施設の規定・審査支払機関の指導に従ってください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補になるか、もっと詳しく調べたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や診療体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。