みらい(新人医療事務)
「B006 救急救命管理料」ってレセプトで見かけたんですけど、これってどんな場面で算定するものなんですか?
あおい(元・医療事務)
救急救命管理料は、救急救命士が患者さんの発生した現場に赴いて処置を行うときに、その救急救命士へ医師が必要な指示を出した場合に算定できる管理料です。令和8年度(2026年度)時点で500点、区分番号はB006になります。
みらい(新人医療事務)
「現場」っていうのは、病院の中じゃなくてってことですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。患者さんが倒れた場所や事故現場など、院外の現場が前提になっています。救急救命士がその現場に赴き、必要な処置等を行う際に、無線や電話などで医師が指示を行った場合に算定候補になる、という整理です。まず全体像を図で見てみましょう。

救急救命管理料とは(対象医療機関・対象患者)
みらい(新人医療事務)
診療所でも病院でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。診療所・病院のどちらでも算定候補になり得ますし、入院ではなく外来の枠組みで算定される点数です。当サイトが収録している一次資料の範囲では、対象を診療所・病院に限定する記載や、特定の診療科に限定する記載は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんはどんな人ですか?
あおい(元・医療事務)
「患者の発生した現場に保険医療機関の救急救命士が赴いて必要な処置等を行った場合」が前提です。つまり患者さん側の要件というより、救急救命士の出動と医師の指示という「体制・行為」の要件が中心になっている加算、という理解が近いです。
ここが読み違えやすいポイント
主役は医師の指示: 算定の中心は、救急救命士が現場で行う処置そのものではなく、その処置に対して医師が行う「指示」です。指示を行った医師が所属する保険医療機関で算定する、という構造を押さえておく必要があります。
点数・区分番号(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数は500点で合っていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(告示)では、区分番号B006「救急救命管理料」として500点と定められています。まず点数と区分を表で確認しましょう。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 年度 |
|---|---|---|---|
| B006 | 救急救命管理料 | 500点 | 令和8年度(2026年度) |
| (参考)注1 | 算定の要件 | ― | 令和8年度(2026年度) |
| (参考)注2 | 救急救命士の処置費用の扱い | 所定点数に含む | 令和8年度(2026年度) |
あおい(元・医療事務)
告示の原文では「B006 救急救命管理料 500点」に続けて、「注1 患者の発生した現場に保険医療機関の救急救命士が赴いて必要な処置等を行った場合において、当該救急救命士に対して必要な指示を行った場合に算定する。2 救急救命士が行った処置等の費用は、所定点数に含まれるものとする。」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
救急救命士が使った処置の費用って、別に請求できないんですか?
あおい(元・医療事務)
できません。注2にあるとおり、救急救命士が行った処置等の費用は所定点数(500点)に含まれるものとされていて、別立てでの算定はできないという整理です。ここは見落としやすいので、レセプト作成時に注意したい点です。
算定要件を具体的に確認する
みらい(新人医療事務)
もう少し詳しい要件ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知では、告示の注1・注2に加えて、実務でつまずきやすい4つのポイントが示されています。ひとつずつ見ていきましょう。
自院で確認する順番
- 保険医療機関に所属する救急救命士に対して、必要な指示等を行った医師の所属する保険医療機関において算定する
- 救急救命士の行った処置等の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない
- 救急救命士の所属する保険医療機関と指示等を行った医師の所属する保険医療機関が異なる場合においても、当該指示等を行った医師の所属する保険医療機関において算定する
- 医師が救急救命士に指示を行ったのみで診察をしていない場合には、救急救命管理料のみを算定し、初診料・再診料・外来診療料は算定できない
みらい(新人医療事務)
3番目、救急救命士の所属先と医師の所属先が違う病院でも算定できるってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。救急救命士が所属する保険医療機関と、無線や電話で指示を行った医師が所属する保険医療機関が別の施設であっても、算定候補になるのは「指示を行った医師の所属する保険医療機関」という整理です。同一施設内の話に限られない、という点は自院の体制によっては確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
4番目が気になります。医師が診察せずに指示だけした場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
医師が実際に患者さんを診察していない場合は、救急救命管理料のみが算定候補になり、初診料・再診料・外来診療料は併せて算定できない、とされています。指示のみか、診察を伴ったかで扱いが変わるため、カルテやレセプトに記録を残しておくことが確認のポイントになります。
届出・施設基準は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、届出とか施設基準はいるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、救急救命管理料に施設基準の適合や地方厚生局への届出を求める記載は確認されていません。届出が不要な整理になっている加算、という位置づけです。
届出不要でも自院での確認は必要
届出・施設基準が不要とされていても、算定できるかどうかは「救急救命士が現場に赴いたか」「医師が必要な指示を行ったか」「指示を行った医師の所属先はどこか」という個別の事実関係で決まります。届出不要=無条件に算定候補、という意味ではない点に注意してください。
算定タイミング・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
大きく2つあります。1つは、救急救命士の処置費用を別に請求してしまわないこと。もう1つは、医師が診察をしていない場合に初診料・再診料・外来診療料を一緒に算定してしまわないことです。どちらもレセプトの重複請求として指摘されやすいポイントです。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できるケースはありますか?
あおい(元・医療事務)
例えば外来感染対策向上加算は、施設基準に適合し届出を行った診療所が、対象となる医学管理料等を算定した月に上乗せできる加算ですが、告示ではその対象の一つとして救急救命管理料が挙げられています。告示の原文では、対象となる医学管理料等を列挙する中で「ト 救急救命管理料」と明記されています。自院が外来感染対策向上加算の施設基準を満たしているかどうかは別途の確認が必要ですが、組み合わせ自体は想定されている、という理解になります。
みらい(新人医療事務)
なるほど、加算同士のつながりもチェックした方がいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。次は、実際にどこから見直すべきかを、確認の順番で整理してみましょう。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定からこの加算は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表(告示第69号)および実施上の留意事項について確認した限りでは、救急救命管理料(B006)の点数(500点)や、注1・注2の算定要件、留意事項通知の4項目の内容に、前回改定からの変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示・留意事項通知を一次情報として参照)。
みらい(新人医療事務)
つまり「変わっていない」ということですね。
あおい(元・医療事務)
当サイトが今回確認した一次資料の範囲では、という限定付きにはなりますが、そう理解して問題ありません。ただし、外来感染対策向上加算のように救急救命管理料と組み合わせて算定できる加算側の要件が改定で変わることはあるため、組み合わせ先の加算については別途、最新の要件を確認することをおすすめします。
変更なし=確認不要ではない
点数や算定要件そのものに変更がなくても、組み合わせて算定する加算(外来感染対策向上加算など)の施設基準・届出要件は改定のたびに見直される場合があります。救急救命管理料単体だけでなく、併せて算定している加算側の最新情報もあわせて確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの診療所や病院で確認する順番を教えてください。
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと、要件との対応関係が整理しやすいです。
自院で確認する順番
- 患者の発生した現場に、自院に所属する救急救命士が赴いて処置等を行ったかを確認する
- その処置等に対して、医師が必要な指示を行ったかを確認する
- 指示を行った医師の所属する保険医療機関がどこかを確認する(救急救命士の所属先と異なっていても、指示を行った医師の所属先で算定候補になる)
- 医師が指示のみを行い診察をしていないか、診察も行ったかを区別して記録する
- 診察をしていない場合は、初診料・再診料・外来診療料を併せて算定していないかをレセプト作成時に確認する
みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、算定漏れも二重請求も防げそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に4番目と5番目は、カルテの記載が曖昧だと後から確認しづらくなるので、指示のみだったか診察も行ったかをその場で記録しておくことをおすすめします。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れとか勘違いってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか整理してみます。
よくある取り漏れ・勘違い
救急救命士の処置費用を別立てで算定してしまう: 注2のとおり、救急救命士が行った処置等の費用は所定点数に含まれ、別に算定できません。 指示のみなのに初診料等も算定してしまう: 医師が診察をしていない場合、救急救命管理料のみが算定候補で、初診料・再診料・外来診療料は併せて算定できません。 所属先が違うと算定できないと思い込む: 救急救命士の所属先と、指示を行った医師の所属先が異なる保険医療機関であっても、指示を行った医師の所属する保険医療機関で算定候補になります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、気になる質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
救急救命士が自院に所属していない場合は、算定できませんか?
あおい(元・医療事務)
救急救命士の所属先そのものよりも、必要な指示を行った医師の所属する保険医療機関で算定候補になる、という整理です。救急救命士と医師の所属先が異なる場合の扱いは留意事項通知に明記されているので、自院がどちらの立場にあるかを確認してみてください。
みらい(新人医療事務)
医師が現場に同行した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
現場で医師が実際に診察を行ったかどうかで、初診料・再診料・外来診療料との関係が変わってきます。指示のみか診察も伴ったかは、当サイトの整理だけで判断せず、自院のカルテ記録と公式資料に照らして確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は本当にいらないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、救急救命管理料そのものに施設基準や届出を求める記載は確認されていません。ただし、自院の状況によって解釈が分かれる可能性もあるため、最終的には公式資料や審査支払機関への確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。