みらい(新人医療事務)
院長から「外来排尿自立指導料も算定候補にならないか確認しておいて」と言われたんですが、正直あまり聞いたことがなくて…。これって何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
外来排尿自立指導料は、入院中に「排尿ケアチーム」による包括的な排尿ケアを受けていた患者さんが、退院後も外来で同じケアを続けられるようにするための指導料です。区分番号はB005-9、令和8年度の医科診療報酬点数表に定められています。
みらい(新人医療事務)
「排尿ケアチーム」というのが鍵になりそうですね。入院中にケアを受けていない患者さんは対象外なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚生労働省の留意事項通知では、次のように定義されています。「外来排尿自立指導料は、当該保険医療機関に排尿に関するケアに係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(以下「排尿ケアチーム」という。)を設置し、入院中から当該患者の排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的なケア(以下「包括的排尿ケア」という。)を実施していた患者に対して、入院中に退院後の包括的排尿ケアの必要性を認めた場合に、外来において、引き続き包括的排尿ケアを実施することを評価するものである」とされています。つまり、入院中の「排尿自立支援加算」との連続性が前提の加算です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関と患者さんについて、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は、施設基準に適合して地方厚生局長等に届け出た保険医療機関です。留意事項通知には「当該指導料は、当該保険医療機関の入院中に「A251」排尿自立支援加算を算定し、かつ、退院後に継続的な包括的排尿ケアの必要があると認めたものであって、次のいずれかに該当する者について算定できる」とあります。
みらい(新人医療事務)
「次のいずれか」というのは、具体的にどんな患者さんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に列挙されている2つのパターンです。表にまとめますね。
| 区分 | 対象患者の状態 |
|---|---|
| ア | 尿道カテーテル抜去後に、尿失禁・尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有するもの |
| イ | 尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの |
あおい(元・医療事務)
加えて、「排尿自立支援加算に規定するとおり、退院後に継続的な包括的排尿ケアの必要があると認めた旨を診療録等に記載していること」も条件です。入院中の記録がなければ、外来での算定候補にはならない点に注意が必要です。

点数・算定単位
みらい(新人医療事務)
気になる点数を確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のとおり定められています。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| B005-9 | 外来排尿自立指導料 | 200点 | 週1回(患者1人につき) |
あおい(元・医療事務)
告示の「注」には、こう書かれています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、包括的な排尿ケアを行った場合に、患者1人につき、週1回に限り、区分番号A251に掲げる排尿自立支援加算を算定した期間と通算して12週を限度として算定する。ただし、区分番号C106に掲げる在宅自己導尿指導管理料を算定する場合は、算定できない」。
みらい(新人医療事務)
「排尿自立支援加算を算定した期間と通算して12週」というのが、少し複雑ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。入院中に排尿自立支援加算を算定していた週数もカウントに含めて、合計12週が上限になります。入院中に長くケアを受けていた患者さんほど、外来で算定できる残り週数は少なくなる計算です。
併算定・除外規定の確認
在宅自己導尿指導管理料(区分番号C106)を算定する月がある場合、外来排尿自立指導料は算定できません。告示の注に明記された除外規定なので、レセプト作成前に必ず確認してください。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?届出のハードルが高そうな印象があります。
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第7号)の「第26の9 排尿自立支援加算」に、排尿ケアチームの構成が定められています。外来排尿自立指導料の排尿ケアチームは、この排尿自立支援加算のチームと兼任してよいとされています。
| 職種 | 求められる要件 |
|---|---|
| 医師 | 下部尿路機能障害を有する患者の診療経験を有する医師。3年以上の勤務経験を有する泌尿器科の医師、または排尿ケアに係る適切な研修(国・医療関係団体等が主催・通算6時間以上)を修了した者 |
| 看護師 | 下部尿路機能障害を有する患者の看護に3年以上従事した経験があり、所定の研修(国・医療関係団体等が主催・通算16時間以上)を修了した専任の常勤看護師 |
| 理学療法士・作業療法士 | 下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を有する専任の常勤理学療法士または専任の常勤作業療法士 |
みらい(新人医療事務)
研修の時間まで決まっているんですね。うちのチームが要件を満たしているか、自己判断で大丈夫でしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にお願いします。研修の実施主体や内容の適合性、常勤・専任の判定は、書類だけでなく実際の勤務実態も含めて確認が必要な項目です。当サイトが収録している一次資料の範囲でも、「排尿ケアチームは、対象となる患者抽出のためのスクリーニング及び下部尿路機能評価のための情報収集(排尿日誌、残尿測定)等の排尿ケアに関するマニュアルを作成し、当該保険医療機関内に配布するとともに、院内研修を実施すること」という運用面の要件もあります。要件充足の最終判断は、自院の届出書類と地方厚生局への確認が前提になります。
よくある確認漏れ
排尿ケアチームの医師が、当該患者の診療を担う医師と同一の場合でも算定候補になりますが、疑義解釈では「排尿ケアチームとして、当該患者の状況を評価する等の関与を行う必要がある」とされています。名前だけ兼任にして実質的な関与がない状態は、算定要件を満たさない可能性があります。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準はわかりました。じゃあ届出ってどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
外来排尿自立指導料そのものは、入院中の排尿自立支援加算の施設基準・排尿ケアチームを前提とした加算です。まずは自院が排尿自立支援加算(A251)の施設基準の届出を済ませているかを確認するのが出発点になります。届出様式や具体的な提出手続きは、地方厚生局が公表する最新の届出様式(別添様式)と、厚生局への相談で確認してください。届出済みであれば、外来排尿自立指導料の算定候補として次のステップに進めます。
よくある取り漏れ
外来での算定候補チェック
入院中に排尿自立支援加算を算定していたのに、退院時に「退院後も継続的な包括的排尿ケアが必要」という記載を診療録に残していないと、外来での算定候補から外れてしまいます。退院前のカンファレンスや退院時サマリーの記載ルールを、病棟と外来の間で共有できているか確認しましょう。
みらい(新人医療事務)
入院と外来の連携がポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。この加算は入院側と外来側、両方の記録がつながっていて初めて算定候補になるという点が、他の指導料と違うところです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度の医科点数表・留意事項通知・施設基準届出通知)の範囲では、外来排尿自立指導料の点数(200点)、算定要件(排尿自立支援加算との通算12週限度、在宅自己導尿指導管理料との併算定不可)、施設基準(排尿ケアチームの構成・研修要件)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。ただし、これは当サイトが参照した資料の範囲での確認であり、様式の軽微な変更などが別途生じている可能性もあるため、届出前には最新の告示・通知を自院でもご確認ください。
改定差分の確認範囲
点数・算定要件・施設基準(人員配置・研修時間)・対象患者の4項目について、令和8年度の告示・留意事項通知・施設基準届出通知を確認しましたが、いずれも令和6年度時点の内容と同じ記載でした。疑義解釈(令和2年度・2020年3月31日公表分)で示された運用上の考え方(排尿ケアチームの兼務可否、研修の内容など)も、現行の取扱いの参考として引き続き有効とされています。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 入院側で排尿自立支援加算(A251)の施設基準を届け出ているか確認する
- 排尿ケアチーム(医師・看護師・理学療法士または作業療法士)の構成が要件を満たしているか確認する
- 対象となる患者について、退院時に「退院後も継続的な包括的排尿ケアが必要」と診療録に記載しているか確認する
- 外来での算定にあたり、排尿自立支援加算を算定した期間と通算して12週以内かを確認する
- 在宅自己導尿指導管理料(C106)を算定する月でないかを確認する

よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか気になっていることを質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
排尿ケアチームの医師が、患者さんの主治医と同じ人でも大丈夫なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈では「算定可能」とされています。ただし「算定に当たっては、排尿ケアチームとして、当該患者の状況を評価する等の関与を行う必要がある」という条件付きです。主治医が兼務する場合でも、排尿ケアチームとしての評価プロセスを経ていることの記録が必要です。
みらい(新人医療事務)
施設基準で求められる医師・看護師の研修は、どんな研修を受ければいいんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈では、「令和2年度診療報酬改定前の区分番号「B005-9」排尿自立指導料と同様である」とされ、それ以前の疑義解釈(平成28年3月31日事務連絡)の内容が参照先として案内されています。研修の実施団体や内容が要件を満たすかどうかは、当サイトで一律に判定できる内容ではないため、研修主催団体の案内や地方厚生局への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から点数は変わっていないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが確認した一次資料の範囲では、令和6年度(2024年度)改定時点と令和8年度(2026年度)改定後の内容を比べても、外来排尿自立指導料の点数・算定要件・施設基準に変更は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
うちの医療機関、診療所なんですが対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
外来排尿自立指導料は診療所・病院のどちらでも対象になり得ます。ただし、排尿ケアチームの設置や研修修了者の配置など、入院機能を前提とした施設基準を満たす必要があるため、外来のみの診療所では体制面のハードルが高くなる場合があります。自院に入院機能があるか、排尿自立支援加算の届出実績があるかを、まず確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や排尿ケアチームの体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。