みらい(新人医療事務)
「肝炎インターフェロン治療連携加算」って、名前だけ見るとちょっと難しそうです。これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)、いわゆる紹介状の加算の1つですよ。長期にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者さんを、連携している肝疾患の専門医療機関に紹介するとき、治療計画に基づく診療状況の文書を添えて紹介した場合に、診療情報提供料(Ⅰ)の注13として50点が所定点数に加算されます。令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づく整理です。
みらい(新人医療事務)
「診療情報提供料(Ⅰ)」に上乗せする形なんですね。うちみたいな診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院どちらも対象になり得ますし、外来の患者さんが対象です。ポイントは、紹介元と紹介先の両方に条件があることです。まず紹介元は、治療計画に基づいて長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者(入院中の患者以外)について、患者さんの同意を得ていること。そして紹介先は「B005-8 肝炎インターフェロン治療計画料」を算定している専門医療機関であることが必要です。
みらい(新人医療事務)
紹介先がどこでもいいわけじゃないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚生労働省の告示(医科点数表)では、診療情報提供料(Ⅰ)の注13についてこう定められています。
令和8年度 医科点数表(告示)B009 診療情報提供料(Ⅰ)注13
告示の文言: 「保険医療機関が、治療計画に基づいて長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者であって入院中の患者以外のものの同意を得て、当該保険医療機関と連携して治療を行う肝疾患に関する専門医療機関に対して、治療計画に基づく診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合は、肝炎インターフェロン治療連携加算として、50点を所定点数に加算する。」
あおい(元・医療事務)
この「連携して治療を行う肝疾患に関する専門医療機関」というのが、留意事項通知でさらに具体化されていて、肝炎インターフェロン治療計画料を算定する専門医療機関に限定されています。
どんな医療機関・患者が対象になりますか?
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんのイメージがまだつかめていません。もう少し具体的に教えてください。
あおい(元・医療事務)
対象になるのは、長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者さんで、かつ入院中の患者さん以外、つまり外来の患者さんです。入院中の患者さんは、この加算の対象になりません。
みらい(新人医療事務)
なるほど、外来限定なんですね。うちの診療所からインターフェロン治療計画を持つ専門医療機関に紹介した場合、という理解で合っていますか?
あおい(元・医療事務)
概ねその理解で候補になりますが、大事なのは紹介先が「B005-8 肝炎インターフェロン治療計画料」を算定する専門医療機関であることです。留意事項通知にはこうあります。
留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)B009 診療情報提供料(Ⅰ)
通知の文言: 「『注13』に規定する肝炎インターフェロン治療連携加算は、『B005-8』に掲げる肝炎インターフェロン治療計画料を算定する専門医療機関において作成された治療計画に基づいて行った診療の状況を示す文書を添えて、当該専門医療機関に対して当該患者の紹介を行った場合に算定する。」
あおい(元・医療事務)
なので、紹介先の専門医療機関が実際にその治療計画料を算定しているかどうかを、事前に確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
逆に、自院が紹介される側(専門医療機関側)だったらどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
それは今回の「肝炎インターフェロン治療連携加算」ではなく、専門医療機関側が算定する「B005-8 肝炎インターフェロン治療計画料」(700点)の話になります。今回ご紹介している加算は、あくまで紹介元(かかりつけ医療機関側)が算定候補になるものです。役割が逆になると根拠となる点数項目も変わるので、混同しないよう注意したいところです。
点数はどうなっていますか?
みらい(新人医療事務)
点数の全体像を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度(2026年度)の医科点数表で確認できる関連点数をまとめるとこうなります。
| 項目 | 点数 | 算定する医療機関 |
|---|---|---|
| 診療情報提供料(Ⅰ)本体(B009) | 250点 | 紹介元の保険医療機関 |
| 肝炎インターフェロン治療連携加算(注13) | +50点 | 紹介元の保険医療機関(診療情報提供料(Ⅰ)への加算) |
| (参考)肝炎インターフェロン治療計画料(B005-8) | 700点 | 紹介先の専門医療機関 |

みらい(新人医療事務)
加算だけで50点じゃなくて、診療情報提供料(Ⅰ)の250点と合わせて算定候補になるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。この加算だけを単独で算定することはできず、診療情報提供料(Ⅰ)を算定した上での上乗せという位置づけです。紹介先の700点は、あくまで専門医療機関側の点数であり、紹介元が請求するものではない点も、あわせて押さえておくとよいと思います。
点数の取り漏れに注意
診療情報提供料(Ⅰ)本体の算定要件: 紹介状(文書)を実際に交付していないと、注13の加算単独では算定候補になりません。 紹介先の要件確認: 紹介先が肝炎インターフェロン治療計画料を算定する専門医療機関であることを、紹介前に確認しておくと取り漏れ・査定のリスクを減らせます。
施設基準・届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するために、施設基準の届出は必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示の注13の文言を確認すると、他の一部の加算にあるような「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が」という一文が入っていません。つまり、紹介元の医療機関側では、この加算のための個別の施設基準の届出は不要と整理できます。
みらい(新人医療事務)
届出なしで確認が進められるのは助かります。でも何も確認しなくていいわけではないですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、そこは注意が必要です。紹介元に施設基準の届出は不要でも、紹介先の専門医療機関が「肝炎インターフェロン治療計画料」(B005-8)の施設基準に適合し、地方厚生局に届出済みであることは前提になります。紹介先の届出状況までは自院で保証できるものではないので、連携時に確認しておくことをおすすめします。
届出の考え方に注意
「加算そのものに届出が要らない」ことと、「紹介先医療機関の届出状況を確認しなくてよい」ことは別の話です。紹介先が要件を満たした専門医療機関かどうかは、連携時に確認が必要です。
算定のタイミングや回数の注意点
みらい(新人医療事務)
算定できる回数に制限はありますか?月1回まで、みたいな決まりがあるものも多い印象です。
あおい(元・医療事務)
良い視点です。診療情報提供料(Ⅰ)の他の注(例えば注4〜注7など)には「患者1人につき月1回に限り算定する」という文言が明記されているものがあります。ただ、今回確認した告示・留意事項通知の範囲では、注13(肝炎インターフェロン治療連携加算)自体に、月何回までという回数の上限は明記されていませんでした。
みらい(新人医療事務)
明記がない、というのはどう考えればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、この加算は「治療計画に基づく診療状況を示す文書を添えて紹介を行った場合」という、紹介という行為に紐づく加算です。同じ紹介について重複して算定するものではない、という前提で運用し、実際の算定にあたっては院内のレセプト担当者・審査支払機関にも確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
併算定についてはどうですか?
あおい(元・医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)は1つの文書に対して算定する点数なので、同じ紹介について他の注(例えば認知症専門医療機関連携加算など)と重ねて算定することは想定されていません。紹介の目的・添付文書の内容に応じて、どの注に該当するかを1つずつ確認する形になります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、令和6年度の改定から何か変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度の医科点数表・留意事項通知)の範囲で確認した限り、肝炎インターフェロン治療連携加算の点数(50点)や算定要件に、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
前回→今回の整理
令和6年度(2024年度)改定: 診療情報提供料(Ⅰ)の注13として肝炎インターフェロン治療連携加算50点が設けられていました。 令和8年度(2026年度)改定: 点数・算定要件ともに、確認できた一次資料の範囲で大きな変更は見当たりません。
みらい(新人医療事務)
変更がないなら、これまでどおりの運用で大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
そう考えてよいと思いますが、「変更なし」も一次資料で確認した結果です。改定のたびに、点数だけでなく施設基準・算定要件・様式まで含めて確認する姿勢は続けていただくのがよいと思います。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にこの加算を検討するとき、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で見ていくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
- 対象の患者さんが「入院中の患者以外」であるかを確認する
- 長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者であるかを確認し、患者の同意を得る
- 紹介先が「肝炎インターフェロン治療計画料」を算定する専門医療機関であるかを確認する
- 治療計画に基づく診療状況を示す文書を作成し、添えて紹介を行う
- 診療情報提供料(Ⅰ)本体とあわせて、注13の加算を算定候補として記録する

みらい(新人医療事務)
この順番なら、担当者が変わっても迷わずに確認できそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に3番目の「紹介先の要件確認」は見落としやすいポイントなので、紹介状のテンプレートやチェックリストに組み込んでおくと運用が安定すると思います。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れのパターンも聞いておきたいです。
あおい(元・医療事務)
いくつか整理しますね。
よくある取り漏れ①
紹介先の確認不足: 連携先が肝炎インターフェロン治療計画料を算定しているかを確認せずに紹介し、後から要件を満たしていないことが判明するケースです。
よくある取り漏れ②
入院患者への適用誤り: 入院中の患者さんについて、この加算の対象と誤認してしまうケースです。対象は入院中の患者以外に限られます。
診療情報提供料(Ⅰ)本体の算定確認も忘れずに
注13の加算だけを見て、診療情報提供料(Ⅰ)本体(250点)の算定要件を満たしているかの確認が漏れることがあります。文書の交付・患者の同意など、本体の要件もあわせて確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある疑問をいくつか聞かせてください。まず、届出は本当に不要なんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した告示の文言上、この加算自体には施設基準の届出は明記されていません。ただし紹介先の届出状況の確認は別途必要です。断定はできないので、不明な点は審査支払機関にも確認いただくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、診療所・病院いずれも対象になり得ます。外来の患者さんであることが前提です。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)と比べて、令和8年度改定で内容は変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度・2024年度)からの変更は、確認できた一次資料の範囲では見当たりませんでした。ただし今後の改定で変わる可能性はあるので、都度最新の告示・通知を確認していただくのがよいと思います。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 診療情報提供料(Ⅰ) や、同じ注の並びにある 認知症専門医療機関連携加算 もあわせて確認してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。