薬剤管理指導料とは?
みらい(新人医療事務)
「薬剤管理指導料」って、どんなときに算定する指導料なんですか?
あおい(元・医療事務)
薬剤管理指導料(区分番号B008)は、入院患者に対して病院の薬剤師が直接訪問し、薬学的管理指導を行った場合に算定候補となる指導料です。令和8年度(2026年度)現在の点数は区分ごとに2段階あります。
みらい(新人医療事務)
外来の患者さんには算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。「入院している患者」に限られています。届出を行った病院の薬剤師が、投薬・注射の状況を確認しながら服薬指導や薬学的管理指導を行った場合が算定の対象です。診療所では算定できない点も押さえておきましょう。
令和8年度の点数区分
みらい(新人医療事務)
区分が2段階あるとのことでしたが、具体的にどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数はこちらです。
| 区分 | 対象患者 | 点数 |
|---|---|---|
| 区分1 | 特に安全管理が必要な医薬品が投薬・注射されている患者 | 380点 |
| 区分2 | 区分1以外の入院患者 | 325点 |
| 麻薬管理指導加算 | 麻薬が投薬・注射されている患者(区分1・2に加算) | +50点 |
あおい(元・医療事務)
算定単位は患者1人につき週1回かつ月4回が上限です。週に1回・月に最大4回まで算定候補となります。
みらい(新人医療事務)
「特に安全管理が必要な医薬品」というのはどんな薬ですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(保医発0305第6号)に具体的な薬剤が列挙されています。抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤、抗HIV薬が対象です。厚生労働省ホームページにも対象薬剤の一覧が掲載されています。
みらい(新人医療事務)
これらの薬剤を使っている入院患者に薬剤師が訪問して指導したら区分1が算定候補になるということですね!
あおい(元・医療事務)
施設基準の届出が前提ですが、そういうことです。区分1の薬剤が処方されていても、届出がなければ算定候補になりませんので注意が必要です。

施設基準と届出要件
みらい(新人医療事務)
届出が必要とのことでしたが、どんな基準を満たす必要があるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」が対象と定められています。
薬剤管理指導料 施設基準の主なポイント(令和8年度)
- 病院であること(診療所・保険薬局は対象外)
- 専任の薬剤師を病棟ごとに配置(病棟専任薬剤師の確保が必要)
- 薬剤管理指導を行う薬剤師が当該保険医療機関に所属していること
- 薬剤管理指導記録を整備・管理する体制が整っていること
みらい(新人医療事務)
「病棟ごとに薬剤師を配置」というのは、入院病棟の数だけ薬剤師が必要ということですか?
あおい(元・医療事務)
「専任」ですので、複数の病棟を兼任するケースも実態ではあります。ただし、薬剤師の実人数と病棟の数の関係、常勤換算の方法については自院の状況と届出様式の要件を照らし合わせて確認することが必要です。届出に関しては、自院の薬剤部や事務部門で地方厚生局へ届出できているかを確認してください。
みらい(新人医療事務)
届出があってはじめて算定候補になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「届出済みであれば算定候補」という言い方が適切です。施設基準を満たしていても届出がなければ算定できません。逆に、施設基準・届出のどちらかが欠けている場合は調剤技術基本料(F500の「1」)での算定になります。
薬剤管理指導の具体的な業務
みらい(新人医療事務)
薬剤師がどんなことをしたら算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(保医発0305第6号)では、算定対象となる指導内容が詳しく示されています。
自院で確認する順番
直接服薬指導や服薬支援 投与量・投与方法・投与速度の確認 相互作用・重複投薬・配合変化・配合禁忌の確認 患者の状態を適宜確認することによる効果・副作用の状況把握 必要に応じて家族等への服薬指導(小児・精神障害者等の患者の場合)
みらい(新人医療事務)
これを医師の同意を得て行うことが条件なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「医師の同意を得て薬剤管理指導記録に基づき」行った場合に算定候補となります。口頭の同意でも構いませんが、記録への反映が大切です。
薬剤管理指導記録の記載要件
みらい(新人医療事務)
記録にはどんなことを書けばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、記録の最低保存期間と記載事項が定められています。
薬剤管理指導記録の必須記載事項(令和8年度)
- 患者の氏名・生年月日・性別
- 入院年月日・退院年月日・診療録番号
- 投薬・注射歴、副作用歴、アレルギー歴
- 薬学的管理指導の内容
- 患者への指導及び患者からの相談事項
- 薬剤管理指導等の実施日・記録の作成日
- その他の事項
みらい(新人医療事務)
「最後の記入の日から最低3年間保存」という要件もあるんですよね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。記録を診療録等とともに管理する場合は、重複する項目の別途作成は不要です。ただし、両者を速やかに突合できる管理体制が必要です。レセプトの摘要欄には算定日も記載します。
麻薬管理指導加算の算定候補要件
みらい(新人医療事務)
麻薬の患者さんにはさらに加算があるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。麻薬が投与されている入院患者に対して、麻薬の使用に関する薬学的管理指導を行った場合に**麻薬管理指導加算(1回50点)**が算定候補となります。区分1・区分2のどちらにも加算できます。
みらい(新人医療事務)
麻薬管理指導の記録には、特別な記載が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
通常の薬剤管理指導記録に加えて、次の事項を記載することが必要です。
麻薬管理指導加算の記録 追加記載事項(令和8年度)
- 麻薬に係る薬学的管理指導の内容(服薬状況、疼痛緩和の状況等)
- 麻薬に係る患者への指導・患者からの相談事項
- その他麻薬に係る事項
みらい(新人医療事務)
麻薬の服用状況や疼痛緩和の状況まで記録に残すんですね。
あおい(元・医療事務)
がん疼痛管理など麻薬を使う患者さんにとって重要な指導内容ですから、記録の精度が算定可否に直結します。
算定上の注意点
算定上の注意事項(令和8年度)
- 算定回数制限: 患者1人につき週1回かつ月4回が上限
- 病院のみ対象: 診療所・保険薬局では算定不可
- 届出必須: 施設基準を満たしても届出がなければ算定候補にならない
- 医師の同意: 指導前に医師の同意を得ることが必要
- 記録の整備: 薬剤管理指導記録が整備されていないと算定できない
- 届出なし時: 施設基準を満たしていても届出がない場合はF500(調剤技術基本料1)で算定
みらい(新人医療事務)
「週1回かつ月4回まで」というのは、1週間に1回、最大月4回ということですよね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。同じ患者さんに週2回指導しても、2回目は算定できません。月の途中で入院した場合でも、月4回が上限です。算定日の管理はしっかり行う必要があります。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、この指導料は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)・留意事項通知(保医発0305第6号)・特掲診療料施設基準(告示第71号)の一次資料の範囲では、令和8年度改定における薬剤管理指導料の点数・算定要件・施設基準の主要変更は確認されていません(確認: 2026年6月、厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
ということは、令和6年度(2024年度)改定以前から継続しているということですね。
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更は一次資料上では確認されていませんが、点数表・留意事項通知の改正内容は毎年の改定で細かく更新される場合があります。自院での届出・算定に際しては、最新の告示・通知を必ず確認してください。
自院での確認手順
みらい(新人医療事務)
うちの病院でこの指導料が算定候補になるかは、どうやって確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認してみましょう。
自院で確認する順番
施設基準の届出状況の確認(地方厚生局への届出が完了しているか) 病棟専任薬剤師の配置状況の確認 区分1対象薬剤(抗悪性腫瘍剤等)を投与されている入院患者の特定 薬剤管理指導記録の整備状況・保存体制の確認 算定日の週1回・月4回上限の管理方法の確認 麻薬投与患者の場合は麻薬管理指導加算の記録要件の確認
みらい(新人医療事務)
届出の確認から始めるんですね。薬剤部に確認するのが最初のステップですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。まず薬剤部・事務部門で届出状況を確認し、施設基準を満たしているかを照合することが重要です。施設基準・届出・記録の3点が揃ってはじめて算定候補になります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
外来化学療法で抗がん剤を使っている患者さんにも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
薬剤管理指導料は入院中の患者が対象です。外来患者には算定できません。外来患者に対する薬剤師の服薬指導は、別の算定区分を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
同じ日に複数の薬剤師が指導した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
同じ患者に1日に複数の薬剤師が指導しても、算定は週1回の上限があります。1人の患者に対して1週間に1回が算定の上限ですので、担当薬剤師が重複しないよう管理が必要です。
みらい(新人医療事務)
転棟した患者さんはどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
同一の入院中であれば継続して算定候補になりますが、週1回・月4回の算定上限はそのまま適用されます。転棟による算定回数のリセットはありませんので、ご注意ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。