退院時薬剤情報管理指導料とは何ですか?
みらい(新人医療事務)
退院時薬剤情報管理指導料(B014)というのを聞いたんですが、これはどんな指導料なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
退院するときに、入院中に使っていた薬の情報を患者さんに説明・指導することに対して算定できる指導料です。令和8年度(2026年度)現在、90点が設定されています。
みらい(新人医療事務)
退院のときに薬の説明をすると算定できるということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、ただいくつかの条件があります。告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の注を読むと、算定のポイントは三つに整理できます。①入院時に患者さんが服薬中の薬を確認すること、②入院中に使った主な薬剤の名称(副作用が出た場合はその概要と対処内容も含む)をお薬手帳に記載すること、③退院に際して患者さん本人またはご家族に退院後の服薬に関する必要な指導を行うこと、この三つが揃って初めて算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
「お薬手帳に記載する」のが必須なんですね。
あおい(元・医療事務)
そこが重要な点で、手帳への記載が前提になっています。入院時の確認・手帳記載・退院時指導のセットが算定の前提とされています。患者さんが手帳を持参しない場合や、指導だけ行って手帳への記載が抜けていた場合は算定候補にならない可能性がありますので、運用の確認が必要です。

対象となる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
どんな病院やクリニックで算定できるんですか?施設基準はありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の情報では、施設基準や届出の要件はありません。診療所でも病院でも、入院機能があれば算定候補になります。外来や訪問診療では算定対象外で、あくまで入院患者の退院時に算定する指導料です。
みらい(新人医療事務)
届出が要らないのは助かりますね。では患者さん側の条件は?
あおい(元・医療事務)
入院患者さんであれば、特定の疾患や年齢の制限は定められていません。退院時に薬剤情報の指導を行う場面があれば算定候補になります。ただし、実際に指導を「行った場合に」算定できる仕組みですので、指導の実施記録をきちんと残しておくことが重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分番号 | B014 |
| 加算名 | 退院時薬剤情報管理指導料 |
| 点数 | 90点(令和8年度) |
| 算定タイミング | 退院の日に1回 |
| 対象 | 診療所・病院(入院患者) |
| 施設基準 | なし |
| 届出 | 不要 |
| 外来・在宅 | 対象外 |
算定要件のポイントを整理する
みらい(新人医療事務)
算定するために必要な三つの要件について、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示の注(B014・令和8年厚生労働省告示第69号)を整理すると、次の流れになります。
自院で確認する順番
入院時の服薬確認 患者さんが入院前に服薬していた薬(市販薬・サプリメント等を含む場合もあります)の状況を確認します。
入院中の薬剤情報をお薬手帳に記載 入院中に使用した主な薬剤の名称を手帳に記載します。副作用が現れた場合は、その概要と講じた措置も記載が必要です。
退院時の指導 退院の日に、患者さん本人またはご家族に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行います。
みらい(新人医療事務)
「副作用の概要と講じた措置」まで書く必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
副作用が発現した場合に限った話ですが、そこまでの情報が手帳に残ることで、退院後に受診する薬局や医療機関が安全に対応できる、という趣旨だと読み取れます。退院後のシームレスな医薬品管理につながる指導料と言えます。
みらい(新人医療事務)
入院時・手帳記載・退院時と、三つのタイミングが全部そろわないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「退院のときだけ指導した」だけでは要件を満たさない場合があります。入院時の服薬確認から一貫した流れが重要です。
退院時共同指導料2との関係
みらい(新人医療事務)
退院時共同指導料2(B005)というのも聞いたことがあるんですが、一緒に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
ここは重要な注意点です。告示の注には、「同一日に、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2(注1の規定により、入院中の保険医療機関の薬剤師が指導等を行った場合に限る。)は、別に算定できない」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
「薬剤師が指導等を行った場合」に限るんですね。
あおい(元・医療事務)
退院時共同指導料2の中でも薬剤師が関与した場合は、退院時薬剤情報管理指導料と同日には算定できないということです。ただし、退院時共同指導料2の算定において薬剤師が関与していない場合など、条件が異なる場合については自院の診療内容や算定ルールを慎重に確認する必要があります。この併算定制限は実務上のミスになりやすいポイントです。
併算定に関する確認事項
退院時薬剤情報管理指導料(B014)と退院時共同指導料2(B005)については、入院中の保険医療機関の薬剤師が指導等を行った場合は同日算定ができません。自院の運用と照らし合わせて確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定では、退院時薬剤情報管理指導料は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度改定についての資料を確認した範囲では、退院時薬剤情報管理指導料(B014)の点数・算定単位・施設基準・届出要件については、一次情報の範囲で変更は確認されていません(確認日: 2026-06・厚労省告示第69号ベース)。
みらい(新人医療事務)
据え置きということですね。それなら以前のレセプト処理を大きく変える必要はなさそうですか?
あおい(元・医療事務)
変更がないからこそ、逆に「運用の見直しを怠りやすい」という側面もあります。令和8年度の診療報酬改定は全体として多くの項目が変わっていますので、この加算についても改定資料(厚労省告示・通知)を自院で確認することをお勧めします。今後訂正通知等が出た場合は内容が変わる可能性がありますので、随時情報を更新してください。
令和8年度改定(前回との差分)確認チェック
- 点数(90点): 一次資料の範囲で変更は確認されていません
- 算定タイミング(退院の日に1回): 一次資料の範囲で変更は確認されていません
- 施設基準・届出不要: 一次資料の範囲で変更は確認されていません
- 算定要件(手帳記載・指導の実施): 一次資料の範囲で変更は確認されていません
- 上記は確認ベースであり、訂正通知等により変わることがあります
自院で確認すべきチェックリスト
みらい(新人医療事務)
実際にこの指導料を算定するために、何を確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
手順を整理すると、次の順番で確認するのが実務的です。
自院で確認する順番
入院時の服薬確認の仕組みがあるか確認 入院時に患者さんの持参薬・服薬状況を確認するフローが院内に整備されているかを確認してください。
お薬手帳の受け取りと記載の流れを確認 患者さんが手帳を持参していない場合や手帳を忘れた場合の対応フローも含めて確認してください。
退院時の指導実施記録の整備 退院の日に指導を行ったことが記録として残せているか確認してください。指導担当者の記録、指導内容の記録が必要です。
退院時共同指導料2との重複確認 同日に退院時共同指導料2(薬剤師関与)と重複しないよう、算定ルールを院内で共有してください。
レセプト記載の確認 退院日に1回の算定となっていること、記載誤りがないかを確認してください。
みらい(新人医療事務)
手帳への記載と指導の記録が二つともそろわないとダメなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「指導しました」という記録だけでなく、「手帳に記載しました」という事実も実務上は確認できるようにしておくほうが安心です。

よくある取り漏れ・算定ミス
よくある取り漏れ・確認ポイント(令和8年度)
- お薬手帳への記載を忘れている: 指導だけ行って手帳への記載が抜けているケースは算定候補から外れる可能性があります
- 副作用発現時の記録不足: 副作用が出た場合は、その概要と対処の記録を手帳に残す必要があります
- 退院日以外に算定している: 「退院の日に1回」が算定条件です。退院前日や翌日の算定は対象外になります
- 退院時共同指導料2との重複チェックを忘れる: 薬剤師が関与した退院時共同指導料2との同日算定は不可です
- 外来患者に算定している: 入院患者の退院時に限られます
みらい(新人医療事務)
退院日に算定というのは、日付がずれると算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「退院の日に1回に限り」という規定は厳密で、例えば退院日前日に指導だけ行っておいて翌日レセプトを切る、というような運用では問題が生じる可能性があります。実際の算定日が退院日と一致しているかを確認するのが大切です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
患者さんがお薬手帳を持っていない場合はどうするんですか?
あおい(元・医療事務)
お薬手帳を持っていない場合の取り扱いについては、厚労省の留意事項通知や疑義解釈を確認する必要があります。今回確認できた一次情報では、「手帳に記載した上で指導を行った場合」が算定要件として示されています。手帳が無い場合の扱いは自院の診療科や担当部署で確認してください。
みらい(新人医療事務)
病院内に薬剤師がいる場合と薬剤師がいない場合で、取り扱いが違いますか?
あおい(元・医療事務)
退院時薬剤情報管理指導料(B014)は「保険医療機関が」算定する指導料です。告示の文言では担当職種(医師・薬剤師等)を限定していませんが、実際の指導内容の質の担保や、医療機関内での指導体制については各施設で整備が必要です。詳細は自院の運用と公式資料で確認してください。
みらい(新人医療事務)
一時外出後に戻ってくるような場合も算定できますか?
あおい(元・医療事務)
「退院の日に1回」が算定の条件ですので、実際の退院の日以外には算定候補になりません。一時外出や試験外泊の後に戻るケースは「退院」にはあたりませんので、算定の判断は慎重に行ってください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちの病院が退院時薬剤情報管理指導料の算定候補かどうか、もう少し具体的に確認する方法はありますか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や院内の体制、算定している他の指導料との関係を整理しながら、確認すべきポイントが把握できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。