薬剤総合評価調整管理料とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「薬剤総合評価調整管理料」って名前が長くてちょっと難しそうですけど、どんな加算ですか?
あおい(元・医療事務)
一言で言うと、「お薬の多すぎる患者さんの処方を整理したら取れる加算」です。区分番号はB008-2で、令和8年度(2026年度)も継続して算定されています。たとえば、高血圧・糖尿病・脂質異常症など複数の病気を持つ患者さんは、同じ医療機関や複数の医療機関でいつの間にか内服薬が6種類、8種類と増えていることがよくあります。
みらい(新人医療事務)
多すぎるお薬って、患者さんにとっても困りますよね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。飲み忘れや副作用リスクが高まる「ポリファーマシー」の問題です。この管理料は、医師が処方内容を総合的に見直して2種類以上のお薬を減らした場合に算定できる可能性があります。生活習慣病管理料や特定疾患療養管理料を算定している患者さんが薬の見直し対象になることも多く、「生活習慣病管理料 薬剤総合評価調整管理料」あるいは「特定疾患療養管理料 薬剤総合評価調整管理料」の両方の算定要件を確認している医療事務の方も多いようです。
みらい(新人医療事務)
なるほど。生活習慣病管理料を算定している患者さんが対象になりやすいんですね。

対象となる患者・医療機関について確認したい
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になりますか?全員が対象というわけではないですよね?
あおい(元・医療事務)
対象になるのは「入院中の患者以外の患者」です。外来患者さんが対象で、入院中の方は算定できません。それから、処方されている内服薬の内容にも条件があります。
みらい(新人医療事務)
どんな条件ですか?
あおい(元・医療事務)
2つポイントがあります。まず、内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されている患者さんが対象です。新しく始めたばかりの薬(4週間未満)や、屯服薬は種類数から除外して数えます。それから医療機関については、診療所・病院どちらも算定候補になります。施設基準の届出は原則として不要ですが、オンライン診療で算定する場合は別途の届出が必要です。
みらい(新人医療事務)
「6種類以上」の数え方は、少しわかりにくそうですね。
あおい(元・医療事務)
確認しておきたいポイントですね。錠剤・カプセル剤・散剤・顆粒剤・液剤は1銘柄ごとに1種類として数えます。同じ薬でも銘柄が違えば別カウントです。また、他の医療機関で処方されている薬と合算して6種類以上かどうか確認する場合もあります。
内服薬の種類数のカウント方法(令和8年度)
- 対象に含める: 内服を開始して4週間以上経過した錠剤・カプセル剤・散剤・顆粒剤・液剤(1銘柄=1種類)
- 対象から除く: 屯服薬、服用開始から4週間未満の薬剤
- 種類数の基準: 6種類以上(他院処方の薬を含めて合算することがある)
算定要件と点数を整理してください
みらい(新人医療事務)
実際に算定できる条件はどんなものですか?
あおい(元・医療事務)
告示第69号(令和8年度)に基づいて整理すると、次の3つが揃ったときに算定候補になります。①6種類以上の内服薬が処方されていた患者で、②当院で処方した内服薬の種類数が2種類以上減少し、③その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合です。
みらい(新人医療事務)
「4週間以上継続する見込み」というのが難しそうですね。
あおい(元・医療事務)
算定時点で「今後4週間以上その状態が維持される見込み」がある場合、という意味です。また、同じ保険医療機関でこの管理料またはA250薬剤総合評価調整加算を1年以内に算定していた場合は、前回算定後の種類数からさらに2種類以上減少したときに限り算定できる点も確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
1年以内に算定済みの患者さんには、別ルールがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「前回から更に2種類以上減った」ことが条件です。診療録への記載も必要で、評価した内容や調整の要点を残しておくことが留意事項通知(保医発0305第6号)に明記されています。
| 区分 | 点数 | 算定頻度 | 届出 |
|---|---|---|---|
| 薬剤総合評価調整管理料(通常) | 250点 | 月1回 | 不要 |
| 薬剤総合評価調整管理料(オンライン診療) | 218点 | 月1回 | 施設基準の届出が必要 |
| 連携管理加算(他院・薬局に照会した場合) | +50点 | 管理料に加算 | 不要 |
あおい(元・医療事務)
上の点数は令和8年度(2026年度)告示第69号に基づいています。オンライン診療の場合は届出が必要な点と、連携管理加算は管理料への加算である点を確認しておきましょう。
連携管理加算について教えてください
みらい(新人医療事務)
連携管理加算というものがありますね。どんなときに取れますか?
あおい(元・医療事務)
処方内容の総合調整を行う際に、他の保険医療機関または保険薬局に照会または情報提供を行った場合に50点を加算できます。たとえば、他院から投薬されている薬と重複している、相互作用がある、薬効が似ている、といった場合に他院や保険薬局に確認して、調整結果を情報提供したケースが対象です。
みらい(新人医療事務)
保険薬局からの提案で処方を変えた場合も含まれますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知によると、保険薬局からの提案を踏まえて処方内容を調整した場合、その結果を当該薬局に情報提供することが求められています。こうした連携を行った場合は連携管理加算の算定候補となりますが、個別の状況は確認が必要です。
連携管理加算の注意点
連携管理加算を算定した場合、同一日に区分番号B009診療情報提供料(Ⅰ)(他の保険医療機関への患者紹介に限る)は算定できません(告示第69号)。
算定できない組み合わせ(併算定禁止)を確認したい
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に取れないものはありますか?
あおい(元・医療事務)
重要な確認ポイントがあります。同一月に区分番号A250薬剤総合評価調整加算とB008-2薬剤総合評価調整管理料は同時に算定できません。また、F400処方箋料の向精神薬調整連携加算についても、告示第69号(F400 注7)に「同一月において、区分番号A250に掲げる薬剤総合評価調整加算及び区分番号B008-2に掲げる薬剤総合評価調整管理料は別に算定できない」と記載されています。
みらい(新人医療事務)
A250薬剤総合評価調整加算というのは何ですか?
あおい(元・医療事務)
A250は入院患者さんを対象に算定される加算です。B008-2は外来患者さんが対象なので、外来と入院で同一月に両方算定するというケースはまず起こりませんが、仕組みとして覚えておくといいですね。
主な併算定不可の組み合わせ(令和8年度)
- A250 薬剤総合評価調整加算と同一月は算定不可
- 連携管理加算を算定した日に B009 診療情報提供料(Ⅰ)(他院紹介)は算定不可
- F400処方箋料の向精神薬調整連携加算と同一月は算定不可(告示第69号 F400注7)
オンライン診療で算定する場合の確認点
みらい(新人医療事務)
オンライン診療で取る場合は218点になるんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。対面診療の250点に対して、オンライン診療(情報通信機器を用いた医学管理)で算定する場合は218点です。ただし、オンライン診療で算定するには地方厚生局等への施設基準の届出が必要です。通常の対面診療での算定は届出不要ですが、オンライン診療での算定には届出要件の確認が必要な点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
対面なら届出不要、オンライン診療なら届出が必要、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知(保医発0305第6号)にも、「注3に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する」と明記されています。
算定の流れと自院チェックリスト
みらい(新人医療事務)
実際に算定するときはどんな流れで進めればいいですか?
あおい(元・医療事務)
大まかな流れを確認しておきましょう。

自院で確認する順番
- 対象患者の確認: 外来患者で、内服開始4週間以上の内服薬が6種類以上あるかを確認する
- 処方内容の総合評価: 医師が複数薬剤の効果・副作用・相互作用・服薬アドヒアランスを踏まえて処方内容を評価する
- 減少の判断: 当院処方の内服薬種類数が2種類以上減少し、4週間以上継続する見込みがあるかを確認する
- 診療録への記載: 評価した内容と調整の要点を診療録に記載する
- レセプト記載の確認: 他院処方薬も含めて合算した場合は、他院名と調整前後の種類数を摘要欄に記載する
- 連携管理加算の検討: 他院・保険薬局に照会・情報提供を行った場合は、連携管理加算の算定も検討する
みらい(新人医療事務)
診療録への記載と、レセプトの摘要欄記載が重要なんですね。
あおい(元・医療事務)
どちらも留意事項通知(保医発0305第6号)に記載があります。特に他院の処方薬を合算した場合は、同通知(2)に「当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること」と明記されています。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定でB008-2は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)告示第69号とその留意事項通知(保医発0305第6号)の範囲で確認した情報をお伝えします。点数区分(通常250点・オンライン218点・連携管理加算50点)、算定要件の基本構造(6種類以上→2種類以上減少・月1回)、種類数のカウント方法、診療録記載や摘要欄記載の要件は、一次資料の範囲で前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026-06、厚労省一次情報ベース)。
令和8年度改定 B008-2の確認事項
- 点数: 通常250点・オンライン218点・連携管理加算50点(変更は一次資料の範囲で確認されていません)
- 算定要件の基本構造: 6種類以上→2種類以上減少・月1回(変更は確認されていません)
- オンライン診療での施設基準届出: 引き続き必要
- 改定の詳細については、厚生労働省が公表する個別改定項目等の一次資料での確認をお勧めします
みらい(新人医療事務)
正式な差分は個別改定資料でちゃんと確認するんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。加算の算定要件は細かい変更が生じることもありますので、厚生労働省が公表している告示・通知・疑義解釈で確認するのが確実です。
よくある取り漏れポイント
みらい(新人医療事務)
実際の現場で「取れたはずなのに算定を忘れた」というケースはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかよくある取り漏れパターンがあります。
よくある取り漏れポイント
- 「4週間以上経過した薬」の確認が不十分: 新たに追加された薬や屯服薬を含めて6種類以上と判断しているケース。正確には4週間以上経過・内服薬のみで数える
- 1年以内の算定歴の確認漏れ: 同じ患者さんで1年以内に算定済みの場合、「前回算定後の種類数からさらに2種類以上減」でないと算定候補にならない
- 連携管理加算の算定忘れ: 他院や保険薬局に照会・情報提供を行ったのに、連携管理加算の算定を忘れるケース
- 摘要欄記載の記載漏れ: 他院処方薬を合算した場合の他院名・調整前後の種類数の摘要欄記載忘れ
- オンライン診療の施設基準確認: オンラインで算定する場合は届出が必要なことを見落とすケース
みらい(新人医療事務)
「1年以内の算定歴」の確認は盲点になりそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に継続的に受診している患者さんで処方整理が段階的に進むケースでは、前回算定から2種類以上さらに減っているかを確認することが重要です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
同じ医師が1人で全部判断しないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知によれば、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」や日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」等を参考にすることが示されています。医師が主体となって評価・調整を行うことが前提ですが、薬剤師や看護師など多職種との連携を行いながら取り組んでいる医療機関も多いようです。個々の状況については自院での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
患者さんが複数の病院にかかっていて、それぞれから薬が出ている場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
他の保険医療機関から処方を受けていた患者さんについては、当院と他院で処方された内服薬を合算した種類数から2種類以上減少した場合、算定候補になる可能性があります。この場合は、留意事項通知(保医発0305第6号(2))に「当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること」と記載されていますので、摘要欄への記載が必要になります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。