みらい(新人医療事務)
在宅時医学総合管理料って名前は聞いたことあるんですが、どんなときに算定できる管理料なんでしょう?
在宅時医学総合管理料とは何のための管理料か
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料(区分番号C002)は、通院が困難な在宅患者に対して、計画的な訪問診療と総合的な医学管理を行った場合に、月1回算定できる管理料です。令和8年度(2026年度)診療報酬改定でも引き続き設定されています。
みらい(新人医療事務)
在宅医療のかかりつけ医機能、みたいな位置づけですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の留意事項通知(保医発0305第6号)では、「在宅での療養を行っている患者に対するかかりつけ医機能の確立及び在宅での療養の推進を図るもの」と説明されています。個別の患者ごとに総合的な在宅療養計画を作成して、定期的に訪問診療を行い、総合的な医学管理を行った場合の評価です。
みらい(新人医療事務)
なるほど。「在宅」というのは、ご自宅にいる患者さんが対象ということですか?
あおい(元・医療事務)
対象は、在宅で療養を行っている患者のうち通院が困難な方です。ただし、施設(特別養護老人ホームや有料老人ホームなど)に入居している患者は対象外です。施設入居者の場合は、区分番号C002-2「施設入居時等医学総合管理料」が別途設定されています。
みらい(新人医療事務)
独歩で歩ける患者さんは対象にならないですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院ができる者などは、通院は容易であると考えられるため、在宅時医学総合管理料は算定できない」とされています。「通院が困難」かどうかの判断は、個々の患者の状態を踏まえた上での確認が必要です。
在宅療養支援診療所 在宅時医学総合管理料の点数はどう決まる?
みらい(新人医療事務)
点数が複雑って聞いたんですが、どういう仕組みなんでしょう?
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料の点数は、大きく3つの要素で決まります。①保険医療機関の区分(在宅療養支援診療所等か否か)、②訪問診療の頻度(月2回以上か月1回か、情報通信機器を用いる場合を含む)、③単一建物診療患者の人数です。
みらい(新人医療事務)
3つの掛け合わせで点数が変わるんですね。在宅療養支援診療所が強化型と機能強化型で違うとも聞きましたが…
あおい(元・医療事務)
告示第69号(令和8年厚生労働省告示第69号)によると、保険医療機関は次の3区分に分かれています。
| 区分 | 概要 |
|---|---|
| 区分1(「1」) | 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの(機能強化型・強化型) |
| 区分2(「2」) | 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院(区分1を除く) |
| 区分3(「3」) | 上記以外の保険医療機関(診療所・200床未満の病院など) |
みらい(新人医療事務)
区分1の方が点数が高くなるイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。ただし「在宅療養支援診療所」や「機能強化型」といった区分自体の施設基準が別途設定されており、その届出が必要です。どの区分に該当するかは、自院の届出状況で確認が必要です。

みらい(新人医療事務)
点数の例を見せてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
告示第69号から抜粋すると、たとえば区分1(機能強化型)・病床あり・月2回以上訪問・特定状態患者の場合は次のとおりです(令和8年度)。
| 単一建物診療患者数 | 点数 |
|---|---|
| 1人 | 5,385点 |
| 2〜9人 | 4,485点 |
| 10〜19人 | 2,865点 |
| 20〜49人 | 2,400点 |
| 50人以上 | 2,110点 |
みらい(新人医療事務)
患者が1人のときが一番高い点数なんですね。
あおい(元・医療事務)
1人の患者に専念するケアとしての評価という位置づけです。訪問回数や患者数の組み合わせによって点数が細かく設定されているので、正確な点数は告示第69号の原文をご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「単一建物診療患者」って何ですか?
あおい(元・医療事務)
同じ建物に居住する患者のうち、当該保険医療機関が在宅時医学総合管理料を算定している人数のことです。例えばマンションの同じ建物に10人の算定患者がいれば「10〜19人」の区分になります。ただし同居する同一世帯の複数患者の場合は、それぞれ「1人の場合」を算定する特例があります(留意事項通知(11))。
在宅時医学総合管理料の施設基準と届出
みらい(新人医療事務)
在宅療養支援診療所 在宅時医学総合管理料を算定するには、どんな届出が必要なんでしょう?
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料は、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」でなければ算定できません(告示第69号C002 注1)。算定できる保険医療機関は、診療所、在宅療養支援病院、許可病床数200床未満の病院(在宅療養支援病院を除く)に限られます。
みらい(新人医療事務)
届出が必要な施設基準って、具体的にはどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料の施設基準は、大きく次の要件が関係します。まず、訪問診療を実施していること(届出が必要)が前提です。その上で、在宅療養支援診療所かどうか、また機能強化型・強化型かどうかによって点数区分が変わります。
在宅療養支援診療所の施設基準(確認ポイント)
- 24時間対応体制: 往診および訪問看護により24時間対応できる体制を確保していること(留意事項通知 保医発0305第6号)
- 緊急時の連絡体制: 連絡担当者の氏名・連絡先電話番号等・担当日・緊急時の注意事項等・往診担当医および訪問看護担当者の氏名等について、文書により患者に提供していること(留意事項通知 保医発0305第6号)
- 区分1(機能強化型)の場合: 特掲診療料施設基準通知(第9・第14の2)に規定する追加要件への適合が必要(詳細は同通知で確認が必要)
みらい(新人医療事務)
届出は地方厚生局長への届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。施設基準への適合を確認した上で、地方厚生(支)局長への届出が必要です。届出の手続きは「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第8号)」に定められています。
みらい(新人医療事務)
在宅療養支援診療所でない場合は算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
区分3(「その他の保険医療機関」)として算定候補になります。ただし点数は区分1・2より低くなります。区分3で月1回訪問・患者1人の場合は1,745点(令和8年度)が一例です(告示第69号C002 3ニ(1))。ただし算定するには、この区分でも訪問診療の届出と施設基準への適合が確認できる必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定でC002に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)診療報酬改定では、在宅時医学総合管理料(C002)について、令和8年度告示第69号および留意事項通知(保医発0305第6号)の範囲で確認できた内容をまとめます。
令和8年度改定での主な変更点(告示第69号・確認情報)
- 在宅医療情報連携加算の新設(注15): 訪問診療を実施する保険医療機関の保険医が、患者に関わる他機関の医療関係職種等がICTを用いて記録した患者の診療情報等を取得・活用して計画的な医学管理を行った場合に、月1回100点を加算(告示第69号 注15・留意事項通知 C002(30))
- 単一建物診療患者数の区分: 令和8年度の告示第69号では「20人以上49人以下」「それ以外(50人以上)」の区分が規定されている(告示第69号 C002)
- 前回(令和6年度改定)との点数・施設基準の差分: 令和8年度と令和6年度の告示を一次資料として比較していないため、「変更あり・変更なし」の断定はできません。点数・施設基準の差分は自院で告示原文(令和8年厚生労働省告示第69号)を確認してください
みらい(新人医療事務)
情報連携に100点の加算が新しく付いたんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。多職種が電子情報等で記録した患者情報を活用して管理した場合の評価です。正確な算定要件は告示第69号および留意事項通知の原文で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
前回(令和6年度改定)との主な違いはそのあたりですか?
あおい(元・医療事務)
注15(在宅医療情報連携加算)は令和8年度の告示第69号および留意事項通知(C002(30))に規定されている要素です。基本的な構造(区分1〜3・訪問頻度・単一建物診療患者数に応じた点数設定)は令和8年度の告示に引き続き規定されています。令和6年度との具体的な点数・施設基準の差分については、両年度の告示を直接比較して確認してください。
算定タイミング・回数制限・注意点
みらい(新人医療事務)
算定のタイミングや注意点を教えてください。
あおい(元・医療事務)
いくつかの重要な注意点があります。
算定上の主な注意事項(令和8年度)
- 月1回限り: 訪問診療の頻度が月2回以上でも月1回以上でも、算定は月1回が上限
- 施設入居時等医学総合管理料(C002-2)との重複不可: 同一患者に両方は算定できない(告示注6)
- 在宅がん医療総合診療料(C003)との重複不可: 同月に算定した場合は在宅時医学総合管理料は算定不可
- 通院・在宅精神療法(I002)を算定している患者の制限: I002および在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の1を算定している患者については、別に厚生労働大臣が定める特定状態の患者に限り算定可(告示 注11・留意事項通知(27))
- 包括規定あり: 特定の処置・投薬費用は所定点数に含まれる(別に算定できない項目に注意)
- 主として診療を行っている1つの医療機関で算定: 同一患者に複数機関で同月重複算定は不可(留意事項通知(14))
みらい(新人医療事務)
包括規定って、算定できない費用があるということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。在宅時医学総合管理料を算定した月は、留意事項通知(保医発0305第6号 C002(9))の規定により、特定疾患療養管理料・生活習慣病管理料(ⅠおよびⅡ)・小児科療養指導料・てんかん指導料・難病外来指導管理料、創傷処置・喀痰吸引・ストーマ処置・膀胱洗浄・留置カテーテル設置・導尿・消炎鎮痛等処置・鼻腔栄養など、多数の処置・管理料が所定点数に含まれ別に算定できません。算定した月の詳細な包括項目は、留意事項通知(保医発0305第6号)のC002(9)でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
加算も別途ありましたよね?
あおい(元・医療事務)
あります。主な加算を次のテーブルにまとめました。
| 加算名 | 点数 | 概要 |
|---|---|---|
| 処方箋不交付加算 | 300点 | 処方箋を交付しない場合(注2) |
| 在宅移行早期加算 | 100点/月 | 在宅医療移行後3月以内・月1回(注4) |
| 頻回訪問加算 | 初回800点・2回目以降300点 | 月4回以上往診等・特別管理患者(注5) |
| 在宅医療充実体制加算 | 400〜800点 | 届出要・患者数に応じて(注7イ) |
| 在宅療養実績加算1 | 56〜300点 | 届出要・患者数に応じて(注7ロ) |
| 在宅療養実績加算2 | 38〜200点 | 届出要・患者数に応じて(注7ハ) |
| 在宅療養移行加算(1〜4) | 116〜316点 | 区分3の患者・体制確保(注9) |
| 包括的支援加算 | 150点 | 特定状態患者・区分2〜3(注10) |
| 在宅データ提出加算 | 50点 | データ提出実績・届出要(注13) |
| 在宅医療情報連携加算 | 100点 | 多職種情報連携・月1回(注15) |
よくある取り漏れポイント
在宅時医学総合管理料でよくある取り漏れ確認ポイント
- 処方箋不交付加算: 院内投薬を行った訪問診療月は300点の加算対象候補に。同月に院外処方箋と院内処方が混在すると加算不可なので確認が必要
- 在宅移行早期加算: 退院・在宅医療移行後3月以内の患者に毎月の計上が漏れていないか
- 単一建物診療患者数の確認: 同一建物に複数算定患者がいる場合、人数カウントが実際の状況に合っているか
- 在宅医療充実体制加算・在宅療養実績加算: 届出をしているのに請求に反映していないケースがないか
- 在宅医療情報連携加算(令和8年度・注15): 多職種の電子情報を活用した管理の体制整備と算定が紐づいているか
みらい(新人医療事務)
移行直後の患者さんへの加算は漏れやすそうですね。
あおい(元・医療事務)
退院直後は様々な対応が重なるので、加算の算定が後回しになりがちです。在宅移行早期加算は「算定した日の属する月から起算して3月以内の期間」「ただし在宅医療移行後1年を経過した患者については算定しない」という条件がありますので、移行月を記録しておくことが大切です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で在宅時医学総合管理料が算定候補になるかを確認するには、どういう順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認することをお勧めします。
自院で確認する順番
- 保険医療機関の種別確認: 診療所・在宅療養支援病院・200床未満の病院かを確認する
- 在宅療養支援診療所等の届出区分: 在宅療養支援診療所の届出をしているか、機能強化型・強化型のいずれかを確認する
- 訪問診療の実施状況: 月2回以上・月1回・情報通信機器の活用の有無を確認する
- 単一建物診療患者数: 算定対象患者が居住する建物ごとの患者数を把握する
- 対象患者の確認: 施設入居者等でないこと(在宅)、通院困難であること、在宅療養計画があることを確認する
- 包括規定の確認: 同月に算定できない処置・管理料が含まれていないかチェックする
- 加算の確認: 処方箋不交付加算・在宅移行早期加算・実績加算等の対象となる患者が漏れていないか確認する

よくある質問
みらい(新人医療事務)
在宅時医学総合管理料と訪問診療料(C001)は同月に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
訪問診療料(C001)は1日単位で算定し、在宅時医学総合管理料は月1回の管理料として算定します。ただし、在宅時医学総合管理料を算定した月は、留意事項通知C002(9)に列挙された処置・管理料が所定点数に含まれ別に算定できない規定があります。訪問診療料との詳細な関係は、告示第69号の注3および留意事項通知の原文でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
区分3(その他の医療機関)でも「在宅時医学総合管理料」は算定できますか?
あおい(元・医療事務)
区分3は在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院以外の保険医療機関(診療所や200床未満の病院)が対象です。施設基準への適合・届出が前提条件です。ただし「主として往診又は訪問診療を実施する診療所」の場合は所定点数の100分の80に相当する点数で算定する規定もあります(留意事項通知(25))。自院の体制に応じた確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
通院・在宅精神療法(I002)を算定している患者も算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示第69号 注11によると、I002通院・在宅精神療法を算定している患者であって、かつ在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の1(C001)を算定しているものについては、別に厚生労働大臣が定める特定状態の患者に限り算定できると規定されています。詳細な算定条件は告示原文および留意事項通知(27)でご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が在宅時医学総合管理料の算定候補になるか、確認する方法はありますか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出区分や訪問診療の体制、患者の状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(告示第69号・留意事項通知 保医発0305第6号)・審査支払機関の判断でご確認ください。