施設入居時等医学総合管理料とは何のための管理料ですか?
みらい(新人医療事務)
施設入居時等医学総合管理料(区分C002-2)って、名前が長くてちょっとわかりにくいんですけど、どんな管理料なんですか?
あおい(元・医療事務)
ひとことでいうと「有料老人ホームや特定施設などに入居している患者さんへの計画的な訪問診療に対して算定できる管理料」です。令和8年度(2026年度)現在も医科点数表の区分C002-2として設定されています。
みらい(新人医療事務)
訪問診療をすると取れるんですね。でも在宅時医学総合管理料(C002)とは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
いい着眼点です。C002(在宅時医学総合管理料)は「自宅や自宅に準じる場所」で暮らす患者さんが対象で、特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホームなどの「施設に入居している患者さん」は除かれます。その施設入居者を対象としたのがC002-2(施設入居時等医学総合管理料)です。
みらい(新人医療事務)
つまり、同じ患者さんに対してC002とC002-2を両方算定はできないということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。告示上も「C002を算定している患者についてはC002-2を算定しない」「C002-2を算定している患者についてはC002を算定しない」と明確に規定されています(告示第69号 区分C002注6、C002-2注2)。どちらか一方を選ぶ構造です。
対象となる施設・患者はどのような方ですか?
みらい(新人医療事務)
「施設入居者等」ってどの施設の方が対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1に「施設入居者等」という括弧書きで定義されています。特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、その他入居している施設において療養を行っている患者——という表現がC002の注1に登場し、C002-2はこの「施設入居者等」が対象です。具体的には特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)の入居者が典型的な対象者です。
みらい(新人医療事務)
特別養護老人ホームも対象に入るんですね。介護老人保健施設(老健)はどうでしょう?
あおい(元・医療事務)
老健の入所者は通常、施設の協定医療機関が診療を担う形になっており、C002-2の算定に関しては複数の要件確認が必要です。「通院が困難な状態」であることと、計画的な医学管理のもと定期的に訪問診療を行うことが前提です。個別のケースについては、地方厚生局や審査支払機関での確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
「通院が困難」という条件があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。告示の注1には「施設入居者等であって通院が困難なものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に定期的な訪問診療を行っている場合に…所定点数を月1回に限り算定する」と規定されています。患者の同意取得と計画的な医学管理の記録が必須です。

算定要件と点数区分はどうなっていますか?(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数がすごく細かく分かれているって聞いたんですが、どういう仕組みなんですか?
あおい(元・医療事務)
C002-2の点数は、3つの軸で区分されています。
点数を決める3つの軸(令和8年度)
- 医療機関の区分: 在宅療養支援診療所・支援病院(機能強化型有無)or それ以外
- 訪問診療の回数・方法: 月2回以上 / 月1回 / 情報通信機器を一部活用 など
- 単一建物診療患者数: 1人 / 2〜9人 / 10〜19人 / 20〜49人 / それ以外
みらい(新人医療事務)
つまり、支援診療所かどうか、何回訪問するか、同じ建物で何人診るか、で点数が変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。点数区分が非常に多岐にわたるため、以下では告示(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002-2)から裏付けの取れた代表的な点数を例示します。全区分の点数については、告示・医科点数表を直接ご確認ください。
| 医療機関区分 | 訪問パターン | 単一建物1人の場合(例) |
|---|---|---|
| 機能強化型支援診(病床あり) | 月2回以上(重点支援患者) | 3,885点 |
| 在支診・在支病(機能強化型を除く) | 月2回以上(一般) | 2,585点 |
| 在宅医療充実体制加算(注3イ) | 単一建物1人への加算 | 600点(加算) |
あおい(元・医療事務)
上記はあくまで一次資料(告示第69号 区分C002-2)から裏付けの取れた代表例です。医療機関区分・訪問回数・単一建物診療患者数の組み合わせにより多くの区分が設定されていますので、実際の算定に際しては告示の全文をご確認ください。
みらい(新人医療事務)
同じ施設で複数人診ると点数が下がるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。これを「同一建物減算」と呼ぶこともあります。同じ建物で多くの患者を診るほど1人あたりの移動コストが減るという考え方が背景にあります。ただし「重点支援患者」(別に厚生労働大臣が定める状態の患者)への対応は、一般の月2回以上訪問より高い点数が設定されています。
みらい(新人医療事務)
「情報通信機器を用いた診療」のパターンもあるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。月2回以上の訪問等のうち1回以上をオンライン診療で行うパターンや、月1回訪問しつつ2か月に1回はオンライン診療というパターンも設定されています。オンライン診療を組み合わせると点数はやや低めに設定されていますが、届出要件が別途あるため注意が必要です。

施設基準と届出はどうなっていますか?
みらい(新人医療事務)
届出が必要なんですよね?どんな施設基準があるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
C002-2の注1には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(診療所、在宅療養支援病院及び許可病床数が200床未満の病院(在宅療養支援病院を除く。)に限る。)」において算定できると規定されています。
みらい(新人医療事務)
「診療所、在宅療養支援病院、200床未満の病院」に限るということは、大病院は算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
C002-2については、大病院(許可病床数200床以上の在宅療養支援病院以外の病院)は対象外です。診療所か在宅療養支援病院か、それ以外の場合は200床未満という要件がある点に注意してください。
算定対象となる医療機関の確認が必要です
C002-2を算定できる医療機関は「診療所」「在宅療養支援病院」「許可病床数が200床未満の病院(在宅療養支援病院を除く)」に限定されています。自院が対象かどうかは告示・施設基準通知の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
届出はどこに出すんですか?
あおい(元・医療事務)
管轄の地方厚生局(各都道府県の地方厚生局等)に届出を行います。届出済みであることが算定の前提条件です。未届出の状態での算定は認められませんので、まず自院の届出状況を確認してください。
自院で確認する順番
- 自院が対象医療機関(診療所・在宅療養支援病院・200床未満病院)に該当するか確認する
- 地方厚生局への施設基準届出が完了しているか確認する
- 患者が「施設入居者等」(有料老人ホーム等の入居者)であり、通院困難な状態かを確認する
- 患者の同意を取得し、計画的な医学管理のもとで定期的な訪問診療を実施する
- C002(在宅時医学総合管理料)を算定していないことを確認する(同一患者に両方算定不可)
- 単一建物診療患者数と訪問回数に応じた正しい区分で請求する
施設入居時等医学総合管理料の「注16」とは何ですか?
みらい(新人医療事務)
届出のところで少し気になったんですが、告示に「注16」を準用するという文言があるんですね。これはどういう規定なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002-2)の注5には「区分番号C002の注2から注5まで、注8から注10まで及び注12から注16までの規定は、施設入居時等医学総合管理料について準用する」と定められています。つまりC002-2にも、C002(在宅時医学総合管理料)の注16の規定がそのまま当てはまる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
注16は具体的にどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
注16は、月2回以上訪問診療を行っている場合の一部の点数区分について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合には、月1回訪問の点数区分で算定する、という規定です(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002 注16)。基準を満たさなければ、本来より低い点数区分での算定になります。
注16の基準確認スケジュール(令和8年度)
- 確認時期: 毎年2月・5月・8月・11月に基準への該当可否を確認
- 基準に該当しない場合: 注16が適用され、月2回以上訪問診療の一部区分は月1回訪問の点数で算定
- 変更がある場合: 様式19を用いて同月中に速やかに地方厚生(支)局長へ届出
みらい(新人医療事務)
この確認のタイミング以外で状況が変わったら、どうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこについて令和8年7月に疑義解釈が示されています。2月・5月・8月・11月の確認時点で基準に該当しない(注16が適用される)として届け出た医療機関が、その後、確認月以外の月に基準に該当するようになった場合は、その時点で「基準に該当しない」旨の届出を取り下げ、その翌月からは注16を適用せずに算定することが可能とされています(疑義解釈資料の送付について(その10)令和8年7月17日保険局医療課事務連絡 問3)。
みらい(新人医療事務)
つまり、次の確認月(2・5・8・11月)を待たなくても、基準を満たした翌月から通常の点数区分に戻せるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし届出の様式や具体的な取扱いは、自院の状況によって確認すべき点が異なりますので、地方厚生局や審査支払機関への確認をあわせて行うことをお勧めします。
在宅時医学総合管理料(C002)との違いを整理したい
みらい(新人医療事務)
C002とC002-2の違いを改めて整理してほしいです。在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料は一緒に語られることが多いので混乱します。
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料(C002)と施設入居時等医学総合管理料の違いをシンプルにまとめるとこうなります。
| 項目 | C002(在宅時医学総管) | C002-2(施設入居時等医学総管) |
|---|---|---|
| 対象患者 | 自宅・自宅に準ずる場所での療養者(施設入居者等を除く) | 施設入居者等(有料老人ホーム等の入居者) |
| 算定単位 | 月1回 | 月1回 |
| 点数水準 | やや高め(同条件ではC002-2より高い点数設定) | C002より低め(同条件では低い点数設定) |
| 届出要件 | 必要(同じ施設基準) | 必要(同じ施設基準) |
| 排他関係 | C002-2と同一患者に同時算定不可 | C002と同一患者に同時算定不可 |
あおい(元・医療事務)
(参考: 令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002・C002-2)
みらい(新人医療事務)
点数はC002のほうが高いんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。例えば「単一建物診療患者1人・月2回以上・機能強化型支援診(病床あり)・重点支援患者」のパターンでは、C002が5,385点なのに対し、C002-2は3,885点です(令和8年度)。施設入居者等の場合、施設側がある程度の生活支援を担っていることが背景にあると考えられます。
みらい(新人医療事務)
「在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料」という言い方をセットでするのはなぜですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準や加算の規定で両方が同時に言及されることが多いためです。届出様式も共通している部分があります。ただし、算定する際は患者の居住場所によってどちらか一方しか選べないため、混同しないよう注意が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和6年度(2024年度)改定からの変更点はどうでしょう?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定について、当サイトに収録している告示(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002-2)の範囲で確認した結果をお伝えします。
令和8年度改定の確認結果(一次情報ベース)
- 点数体系の大枠(3つの軸・単一建物区分・医療機関区分の構造): 引き続き設定されていることを確認
- 当サイトに収録している告示(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002-2)の範囲での確認に限られます
- 前回改定(令和6年度)との個別差分(点数・要件・施設基準の変更)については、厚生労働省が発出した改定関係資料を一次資料として確認してください
みらい(新人医療事務)
「一次資料の範囲で」というのはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
令和6年度の改定告示と令和8年度の改定告示の全差分照合を、今回の記事作成時点で完全に行えているわけではありません。個別の変更点(点数の増減・要件の変更など)については、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」や「個別改定項目について」など、改定関係資料を直接ご確認いただくことをお勧めします。
前回改定との差分確認について
令和8年度改定での個別の変更点(点数・要件・施設基準の変更)については、厚生労働省が発出した改定関係資料(告示・通知・疑義解釈)を一次資料として確認してください。「一次資料の範囲で確認できた変更」以外は本記事では断定しません。
算定でよくある確認ポイント
みらい(新人医療事務)
実務で間違いやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。実際のレセプト業務でよく出るポイントをまとめました。
算定でよくある確認ポイント
- C002との排他確認: 同じ患者にC002とC002-2を同月に算定していないか
- 施設区分の確認: 患者が「施設入居者等」に該当する施設に入居しているか(老健・特養・有老など施設種別の確認)
- 単一建物診療患者数の把握: 同一建物で当院が訪問診療・医学管理している患者数を正確に把握する
- 各種加算の要件確認: 注に規定された各加算(在宅医療充実体制加算・在宅療養実績加算・その他)はそれぞれ別途の届出・要件があります。医科点数表の注規定を直接ご確認ください
- 届出状況の確認: 地方厚生局への届出が有効であることを定期的に確認する
みらい(新人医療事務)
加算もいろいろあるんですね。在宅医療充実体制加算とかも聞いたことがあります。
あおい(元・医療事務)
C002-2には複数の加算が注に規定されています。在宅医療充実体制加算(注3のイ)・在宅療養実績加算1(ロ)・在宅療養実績加算2(ハ)などは、それぞれ追加の施設基準届出が必要です。その他にも各注に規定された加算がありますが、加算ごとに点数・要件が異なります。告示(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002-2)の注規定を直接確認し、自院の届出状況と照らし合わせてください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「うちは老健(介護老人保健施設)に入所している患者の訪問診療をしているんですが、C002-2を算定できますか?」
あおい(元・医療事務)
介護老人保健施設(老健)の入所者については、算定要件の確認が特に重要です。老健入所者については施設側に医師が配置されているケースも多く、訪問診療の位置づけが変わります。施設側の状況や協定の有無なども踏まえて、地方厚生局への照会や審査支払機関への確認をまず行うことをお勧めします。「算定候補になる可能性があるケース」と「対象外となるケース」があるため、個別状況の確認が不可欠です。
みらい(新人医療事務)
C002-2を算定していた患者が入院した場合、入院中も算定できますか?
あおい(元・医療事務)
入院中の患者に対してC002-2を算定することは、算定要件の「在宅での療養(施設入居者等)」という性質上、原則として対象外となります。退院後に施設に戻った月から再び算定候補になりますが、月の途中の入退院をまたぐ場合の取り扱いは、疑義解釈等で確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
単一建物診療患者数の「50人以上」に相当する区分はありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、「①から④まで以外の場合」(つまり20人以上49人以下の次、50人以上を含む区分)として⑤または(5)に点数が設定されています。ただし、この区分に該当する場合は点数が低くなりますので、正確な患者数把握が重要です。詳細な点数は告示(令和8年厚生労働省告示第69号 区分C002-2)でご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院がC002-2を算定できるか、もっと詳しく確認したいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知)・審査支払機関の判断でご確認ください。