みらい(新人医療事務)
部長、在宅の患者さんで訪問看護ステーションに指示書を出すとき、「訪問看護指示料」っていう300点の項目があるって聞いたんですけど、うちのクリニックでも算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。訪問看護指示料(区分C007)は、令和8年度の点数表で300点です。厚生労働省の告示には「C007 訪問看護指示料 300点」と明記されています。在宅で療養している患者さんに指定訪問看護の必要性を医師が認めて、訪問看護指示書を交付したときに算定候補になる指示料です。
みらい(新人医療事務)
「指定訪問看護」ってどういう意味ですか?訪問看護ならなんでも対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1には「当該患者に対する診療を担う保険医療機関の保険医が、診療に基づき指定訪問看護事業者(中略)からの指定訪問看護の必要を認め、(中略)患者の同意を得て当該患者の選定する訪問看護ステーション等に対して、訪問看護指示書を交付した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する」とあります。つまり「主治医が診療に基づいて必要と判断し」「患者の同意を得て」「訪問看護指示書を交付した」の3つがそろって、はじめて月1回の算定候補になる仕組みです。
対象の患者・医療機関
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に「訪問看護指示料は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、負傷のために通院による療養が困難な者に対する適切な在宅医療を確保するため、指定訪問看護に関する指示を行うことを評価するものであり」とあります。ポイントは「在宅療養中」で「通院による療養が困難」な患者さんという2点です。指示を出す医師は「患者が選定する保険医療機関の保険医(主治医)」であることも留意事項通知に明記されています。
みらい(新人医療事務)
医療機関の種類は関係ありますか?診療所でも病院でも大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「保険医療機関の保険医」としか書かれておらず、診療所・病院という区分での限定は確認できません。ただし留意事項通知(3)には「指定訪問看護の指示は、当該患者に対して主として診療を行う保険医療機関が行うことを原則とし」とあるので、主治医として継続的に診療している医療機関からの交付が前提になります。自院がその患者さんの主治医にあたるかどうかは、確認が必要なポイントです。
点数とコード表(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?加算もあるって聞きました。
あおい(元・医療事務)
はい、C007自体は300点の指示料で、そこに3つの加算がぶら下がる構成です。表にしますね。
| 項目 | コード | 点数 | 算定回数の限度 |
|---|---|---|---|
| 訪問看護指示料 | C007 | 300点 | 患者1人につき月1回 |
| 特別訪問看護指示加算(注2) | C007の注2 | 100点(別に厚生労働大臣が定める者は月2回) | 月1回(対象者は月2回) |
| 手順書加算(注3) | C007の注3 | 150点 | 6月に1回 |
| 衛生材料等提供加算(注4) | C007の注4 | 80点 | 月1回 |

あおい(元・医療事務)
告示の注2〜注4には「特別訪問看護指示加算として、患者1人につき月1回(別に厚生労働大臣が定める者については、月2回)に限り、100点を所定点数に加算する」「手順書加算として、患者1人につき6月に1回に限り、150点を所定点数に加算する」「衛生材料等提供加算として、患者1人につき月1回に限り、80点を所定点数に加算する」とそれぞれ明記されています。いずれも訪問看護指示料を算定する場合の上乗せであり、単独では算定できません。
みらい(新人医療事務)
特別訪問看護指示加算の「月2回」になる患者さんって、どんな人ですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(4)に定義があります。「【厚生労働大臣が定める者】ア 気管カニューレを使用している状態にある者 イ 以下の(イ)又は(ロ)のいずれかの真皮を越える褥瘡の状態にある者 (イ) NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類Ⅲ度又はⅣ度 (ロ) DESIGN-R2020分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4又はD5」とあります。気管カニューレ使用中の患者さんか、真皮を越える褥瘡がある患者さんが対象という整理です。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
訪問看護指示料そのものについて、留意事項通知や告示のなかに個別の施設基準・届出義務の記載は確認できませんでした。ただし、手順書加算の対象になる看護師については「同項第5号に規定する指定研修機関において行われる研修を修了した者に限る」と、訪問看護ステーション側の看護師の研修修了要件が明記されています。これは自院側の届出ではなく、指示を受ける訪問看護ステーション側の要件なので、混同しないよう確認が必要です。
施設基準・届出は自院で最終確認を
訪問看護指示料自体に一次資料上の届出義務は確認できていませんが、施設基準の要否は改定や個別事情で変わり得ます。算定候補と判断する前に、自院の届出状況を必ず確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
1か月に何回でも出せるわけじゃないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注1に「患者1人につき月1回に限り算定する」とあり、留意事項通知(3)にも「訪問看護指示料は、退院時に1回算定できるほか、在宅での療養を行っている患者について1月に1回を限度として算定できる」と明記されています。さらに「同一月において、1人の患者について複数の訪問看護ステーション等に対して訪問看護指示書を交付した場合であっても、当該指示料は、1月に1回を限度に算定するものであること」ともあるので、複数のステーションに指示書を出しても月1回が上限です。
みらい(新人医療事務)
他の指導料と一緒に算定できないケースもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。告示の注5に「訪問看護指示料を算定した場合には、区分番号I012-2に掲げる精神科訪問看護指示料は算定しない」と明記されています。また留意事項通知(3)には「A保険医療機関と特別の関係にあるB保険医療機関において「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料及び「I012」精神科訪問看護・指導料を算定している月においては、A保険医療機関は当該患者について訪問看護指示料は算定できない」とあり、特別の関係にある医療機関間での併算定制限があります。在宅患者訪問看護・指導料や精神科訪問看護・指導料を算定している患者さんについては、この制限に該当しないか確認しておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
衛生材料等提供加算は、他の管理料と一緒に取れますか?
あおい(元・医療事務)
そこは要注意です。留意事項通知(11)に「「C002」在宅時医学総合管理料、「C002-2」施設入居時等医学総合管理料、「C003」在宅がん医療総合診療料、「C005-2」在宅患者訪問点滴注射管理指導料、第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料を算定した場合は、「注4」の加算は当該管理料等に含まれ別に算定できない」とあります。これらの管理料をすでに算定している患者さんについては、衛生材料等提供加算を別建てで請求できないので確認が必要です。
よくある取り漏れ・見落としポイント
特別訪問看護指示加算・手順書加算・衛生材料等提供加算は、それぞれ独立した加算ページも用意しています。訪問看護指示料の算定候補を確認するときは、この3加算も一緒にチェックすると取り漏れを防ぎやすくなります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、訪問看護指示料(令和8年度・300点)および特別訪問看護指示加算(100点)・手順書加算(150点)・衛生材料等提供加算(80点)の点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(2026年6月時点・厚生労働省告示および留意事項通知ベース)。改定のたびに施設基準や様式が見直されることもあるため、最新の告示・通知は都度ご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで算定候補かどうか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
確認する順番はこんな流れになります。
自院で確認する順番
- 患者さんが在宅療養中で、通院による療養が困難かを確認する
- 主治医として診療に基づき、指定訪問看護の必要性を判断する
- 患者さんの同意を得て、訪問看護指示書(有効期間6月以内、様式16参考)を作成する
- 患者さんが選定する訪問看護ステーション等に指示書を交付する
- 同一月に他の医療機関がC005やI012等を算定していないか、精神科訪問看護指示料と重複していないかを確認する
- 特別訪問看護指示加算・手順書加算・衛生材料等提供加算の該当有無を個別に確認する

自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。