みらい(新人医療事務)
先生、「介護職員等喀痰吸引等指示料」っていう項目をレセプトで見かけたんですけど、これって何のための点数なんですか?うちの診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。区分C007-2の介護職員等喀痰吸引等指示料は、訪問介護や通所介護などの介護職員が、たんの吸引や経管栄養といった「喀痰吸引等」を行えるように、患者さんを診ている保険医が指示書を交付したときに算定する項目です。令和8年度(2026年度)時点の取り扱いを整理しながら、算定候補になるかどうか一緒に確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
「介護職員がたんの吸引をする」というのがそもそもイメージしにくいです。看護師さんの仕事じゃないんですか?
あおい(元・医療事務)
もともとは医療職の業務でしたが、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく研修を修了した介護職員は、一定の条件下でたんの吸引や経管栄養を行うことが認められています。そのために必要になるのが、患者さんを診療している保険医からの指示書です。この指示書を交付する行為に対して算定するのが、C007-2介護職員等喀痰吸引等指示料です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が対象になるんですか?病院じゃないとダメとか、そういう制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注では「当該患者に対する診療を担う保険医療機関の保険医が」算定するとされていて、病床数や医療機関の種別を限定する記載はありません。診療所・病院のいずれでも、患者さんの診療を担っている保険医であれば算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件はどうですか?
あおい(元・医療事務)
患者さんが利用している介護サービスの種類が関わってきます。告示の注には次のように定められています。
告示の注(算定要件の中核部分)
「当該患者に対する診療を担う保険医療機関の保険医が、診療に基づき介護保険法第41条第1項に規定する指定居宅サービス事業者(同法第8条第2項に規定する訪問介護、同条第3項に規定する訪問入浴介護、同条第7項に規定する通所介護又は同条第11項に規定する特定施設入居者生活介護に係る指定を受けている者に限る。)、同法第42条の2第1項に規定する指定地域密着型サービス事業者(同法第8条第22項に規定する地域密着型介護老人福祉施設を除く。)その他別に厚生労働大臣が定める者による喀痰吸引等の必要を認め、患者の同意を得て当該患者の選定する事業者に対して介護職員等喀痰吸引等指示書を交付した場合に、患者1人につき3月に1回に限り算定する」
あおい(元・医療事務)
つまり対象患者は、訪問介護・訪問入浴介護・通所介護・特定施設入居者生活介護のいずれかの指定を受けた居宅サービス事業者、または地域密着型介護老人福祉施設を除く指定地域密着型サービス事業者などから、介護職員による喀痰吸引等を受ける必要があると保険医が判断した患者さんです。対象事業者の範囲が細かく決まっている点は、確認の際に見落としやすいところです。

点数・区分
みらい(新人医療事務)
点数も確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では、次のとおり定められています。
| 区分 | 名称 | 点数 | 年度 |
|---|---|---|---|
| C007-2 | 介護職員等喀痰吸引等指示料 | 240点 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
240点って、1回の交付ごとにもらえるんですか?
あおい(元・医療事務)
回数には制限があります。次の「算定タイミング」で詳しく見ていきましょう。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
この項目、施設基準の届出とかは必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している厚生労働省の告示・留意事項通知の範囲では、C007-2に固有の施設基準や届出要件についての記載は確認できていません。指示書を交付する保険医が診療を担当していることが前提になっている項目です。
届出の要否は自院で確認を
公式資料の範囲で施設基準・届出の個別規定が見つからないからといって、貴院で届出が一切不要と断定はできません。地方厚生局への確認・自院の届出台帳での確認が必要です。
算定タイミング・回数制限・注意点
みらい(新人医療事務)
「3月に1回」というのは、告示に書いてありましたね。もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知でも同じ趣旨がより具体的に説明されています。
留意事項通知(保医発0305第6号)の記載
「介護職員等喀痰吸引等指示料は、当該患者に対する診療を担う保険医療機関の保険医が、診療に基づき訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、特定施設入居者生活介護等の指定居宅サービス事業者その他別に厚生労働大臣が定めるものによる社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第1条各号に掲げる医師の指示の下に行われる行為の必要を認め、患者の同意を得て当該患者の選定する事業者に対して、別紙様式34を参考に作成した介護職員等喀痰吸引等指示書に有効期限(6月以内に限る。)を記載して交付した場合に、患者1人につき3月に1回に限り算定する」
みらい(新人医療事務)
「有効期限(6月以内に限る。)」というのは、指示書自体の有効期限が6か月以内ということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。指示書には有効期限を記載する必要があり、その期限は6か月以内でなければなりません。そのうえで、算定自体は患者1人につき3か月に1回が上限です。指示書の有効期限と算定間隔は別の話なので、混同しないように気をつけたいところです。
算定間隔と指示書の有効期限は別枠
算定は「患者1人につき3月に1回に限り」、指示書の有効期限は「6月以内」と、期間の長さが異なります。前回の算定日と、指示書に記載した有効期限の両方を別々に管理しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
レセプトの書き方にも何か特徴があるんですか?
あおい(元・医療事務)
電算処理コードの取扱いでは、C007-2介護職員等喀痰吸引等指示料を算定した場合はレセプトの「在宅」欄に略称で記載する扱いになっています。前回の指示書交付年月日(初回の場合は初回である旨)を記載する欄も用意されています。実際の記載方法は、レセプトコンピューターの設定と合わせて確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定から、この項目に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している厚生労働省の一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報ベース)。点数・算定要件とも、令和8年度の告示・留意事項通知に基づく内容を本記事ではご案内しています。
改定差分について
本記事の確認範囲は当サイトが収録している一次資料に限られます。より詳細な経緯を確認したい場合は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」のページや、個別の疑義解釈通知もあわせてご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックで算定候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するとスムーズです。
自院で確認する順番
- 対象患者か確認する: 訪問介護・訪問入浴介護・通所介護・特定施設入居者生活介護等の指定居宅サービス事業者、または地域密着型介護老人福祉施設を除く指定地域密着型サービス事業者による喀痰吸引等を必要とする患者かどうかを、診療に基づき判断する
- 対象事業者を確認する: 患者さんが選定する事業者が、上記の指定を受けた事業者に該当するかを確認する
- 患者の同意を得る: 介護職員等喀痰吸引等指示書を交付することについて、患者本人の同意を得る
- 指示書を作成・交付する: 別紙様式34を参考に、有効期限(6か月以内)を記載した指示書を作成し、事業者に交付する
- 算定間隔を確認する: 同一患者について前回算定から3か月経過しているかを確認してから算定する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
何点かあります。
よくある取り漏れ例
指示書の有効期限切れ: 前回交付した指示書の有効期限(6か月以内)が切れていることに気づかず、新規の指示書交付・算定のタイミングを逃してしまうケース 3か月間隔の未確認: 前回算定日を確認しないまま交付・算定してしまい、算定間隔の要件を満たしていない状態になるケース 対象事業者の範囲確認漏れ: 患者さんが利用している事業者が、告示に定められた指定居宅サービス事業者・指定地域密着型サービス事業者の範囲に該当するかどうかを確認せずに交付してしまうケース
あわせて確認したい関連項目
みらい(新人医療事務)
訪問看護や在宅の指示に関する他の項目もチェックしておいたほうがいいですか?
あおい(元・医療事務)
同じ患者さんの在宅療養に関わる項目として、在宅患者訪問看護・指導料や、訪問看護指示料の注加算にあたる特別訪問看護指示加算もあわせて確認しておくと、指示書まわりの算定候補を整理しやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。