みらい(新人医療事務)
先生、「処方箋料」って毎回発行している院外処方箋と関係があるんですよね? どんな加算なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そうです。処方箋料(区分F400)は、保険薬局で調剤を受けるために院外処方箋を交付したとき、交付1回につき算定する点数です。令和8年度(2026年度)時点で、3区分に分かれていますよ。
みらい(新人医療事務)
3区分……どう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
大きくは処方している薬の種類数と種別によって変わります。一覧で見ると整理しやすいですよ。
点数区分の一覧(令和8年度)
| 区分 | 処方の状況 | 点数(1回) |
|---|---|---|
| 区分1 | 3種類以上の抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬・抗精神病薬等の多剤処方(例外あり) | 20点 |
| 区分2 | 内服薬7種類以上の投薬、または長期継続の向精神薬投薬(例外あり) | 32点 |
| 区分3 | 区分1・区分2以外の場合 | 60点 |

みらい(新人医療事務)
区分3が一番点数が高いんですね。薬の種類が少ないほど高い点数になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。令和8年度の考え方では、多剤処方は適正化を促す観点から点数が低く設定されています。種類を減らして処方が適正化されると、区分が上がるイメージですね。
みらい(新人医療事務)
なるほど。でも「例外あり」って書いてあったのが気になります。
あおい(元・医療事務)
区分1については、「臨時の投薬等のもの」や「患者の病状等によりやむを得ず投与するもの」は例外として除かれます。区分2も「投薬期間が2週間以内の臨時投薬」や「地域包括診療加算を算定するもの」は7種類以上でも区分3で算定できる場合があります。詳細は留意事項通知で確認が必要です。
点数区分は留意事項通知の確認が必須
点数区分の判定(例外に該当するかどうか)は、令和8年度の留意事項通知(保医発0305第6号)に詳しく規定されています。実際の算定前に通知原文または審査支払機関にご確認ください。
処方箋料の基本要件
みらい(新人医療事務)
処方箋料って、どんな医療機関でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
院外処方箋を交付している保険医療機関であれば、診療所・病院を問わず算定候補になります。ポイントをまとめると次のとおりです。
算定候補の基本3条件
院外処方箋の交付: 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付した場合が対象です
1回の交付につき1回: 処方した剤数・日数にかかわらず、交付1回で1回算定します
同一患者・同一日に2枚以上の場合も1回: 同一の保険医療機関が一連の診療に基づいて交付した場合は、枚数にかかわらず1回として算定します
みらい(新人医療事務)
1日に複数の処方箋を出しても1回なんですね。ただ、複数の診療科がある場合は違うんですか?
あおい(元・医療事務)
複数の診療科がある保険医療機関で、2以上の診療科で異なる医師がそれぞれ処方した場合は、それぞれの処方につき処方箋料を算定できるとされています。
みらい(新人医療事務)
そこは気をつけないといけないですね。院内投薬と組み合わせた場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
同一患者に対して同一診療日に、一部の薬剤を院内投薬し、他の薬剤を院外処方箋で投薬することは、原則として認められていません。緊急やむを得ない場合は院内投薬分の調剤料・処方料は算定せず、処方箋料を算定するというルールがあります。
各種加算の概要
みらい(新人医療事務)
処方箋料にはいろいろな加算があるようですが、全部教えてください!
あおい(元・医療事務)
はい、処方箋料に加算できるものをまとめます。令和8年度時点では次のものが規定されています。
| 加算名 | 対象 | 点数 | 算定制限 |
|---|---|---|---|
| 乳幼児加算 | 3歳未満の乳幼児 | 3点 | 交付1回ごと |
| 特定疾患処方管理加算 | 診療所または200床未満病院・特定疾患主病・28日以上処方 | 56点 | 月1回・1処方 |
| 抗悪性腫瘍剤処方管理加算 | 施設基準届出済み200床以上病院・文書説明あり | 70点 | 月1回・1処方 |
| 一般名処方加算1 | 施設基準届出・一般名処方(全品目) | 8点 | 交付1回ごと |
| 一般名処方加算2 | 施設基準届出・一般名処方(一部品目) | 6点 | 交付1回ごと |
| 向精神薬調整連携加算 | 抗不安薬等の種類・量を減少した患者 | 12点 | 月1回・1処方 |
みらい(新人医療事務)
加算の種類が多いですね。それぞれ届出が要るものもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
「抗悪性腫瘍剤処方管理加算」と「一般名処方加算1・2」は、別に定める施設基準に適合して地方厚生局に届け出た保険医療機関であることが条件です。乳幼児加算・向精神薬調整連携加算は届出なしに算定候補となりますが、それぞれの要件を満たしているか確認が必要です。
一般名処方加算は施設基準届出が前提
一般名処方加算1・2は「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関」で地方厚生局等に届け出ていることが前提です。算定するには届出の有無を必ずご確認ください。
特定疾患処方管理加算の注意点
みらい(新人医療事務)
特定疾患処方管理加算は「28日以上処方」と書いてありましたが、どの疾患が対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
対象疾患は「別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするもの」とされています。具体的な疾患リストは厚労省告示の別表で定められており、生活習慣病・慢性疾患等が含まれますが、詳細は一次資料での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
リフィル処方箋の場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
リフィル処方箋(繰り返し使用できる処方箋)の場合、複数回の使用による合計の処方期間が28日以上であれば、特定疾患処方管理加算の算定候補になるとされています。ただし、算定要件の細部は留意事項通知で確認してください。
30日以上の長期投薬は別途要件あり
令和8年度の告示注2によると、200床以上の外来診療料を算定する保険医療機関において、1処方につき投与期間が30日以上の場合(リフィル処方箋で1回の投与期間が29日以内のものを除く)は、所定点数の100分の40(40%)で算定することとされています。長期投薬は特に注意が必要です。
訪問診療との関係(訪問診療料と処方箋料)
みらい(新人医療事務)
「訪問診療料 処方箋料」って検索している方が多いみたいですが、訪問診療のときの処方箋料はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅患者訪問診療料(在宅患者訪問診療料(Ⅰ)など)を算定する往診・訪問診療においても、患者に院外処方箋を交付すれば処方箋料の算定候補になります。つまり訪問診療と処方箋料は併算定の候補です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、訪問診療でも普通に院外処方箋を出せば算定できるんですね。
あおい(元・医療事務)
基本的には「院外処方箋を交付すること」が条件ですから、訪問診療の場面でも同様です。ただし訪問診療では在宅処方をどの形式で行うか(院内・院外)、在宅における薬剤管理指導との兼ね合いなど、個別の状況によって確認が必要な点も多いです。在宅患者訪問診療料(Ⅰ)や在宅時医学総合管理料との関係も整理しておくと安心です。
訪問診療での処方箋料確認ポイント
院外処方箋を交付しているか: 在宅患者であっても院外処方箋を交付すれば算定候補です
在宅訪問薬剤師との連携: 訪問薬剤管理指導が入っている場合は、調剤報酬側との関係も含めて確認が必要です
向精神薬調整連携加算: 訪問診療患者で向精神薬を減薬した場合の算定要件も確認してください
特別調剤基本料Aを算定する薬局との関係
みらい(新人医療事務)
あと「特別調剤基本料A」という言葉が要件に出てきましたが、これは何ですか?
あおい(元・医療事務)
処方箋料の注8に関係する話です。簡単にいうと、「直近3か月の処方箋発行回数が一定以上の保険医療機関が、特別調剤基本料Aを算定する薬局(当該医療機関から集中的に処方箋を受け付けていて、不動産取引等の特別な関係がある薬局)と関係がある場合」は、点数が低い特例点数(18点・29点・42点)で算定することとされています。
みらい(新人医療事務)
医療機関と薬局が実質的に一体のような関係だと制限がかかるということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。いわゆる「門前薬局」問題への対応として設けられたルールです。処方箋料の注8に規定されていますので、特定薬局との関係がある場合はご確認ください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度になって処方箋料は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定での処方箋料(F400)の変更について、厚労省の告示・留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)の範囲で確認した内容をお伝えします。
みらい(新人医療事務)
点数は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の一次資料(告示)の範囲では、処方箋料の基本3区分(20点・32点・60点)の点数構造自体に大きな変更は確認されていません(2026年6月時点・厚労省一次情報ベース)。ただし改定では制度全体の細部が変わることがあります。個別の算定要件・加算の要件については最新の告示・通知を必ずご確認ください。
改定後の確認事項
令和8年度改定では、リフィル処方箋の取扱いや特別調剤基本料Aに関する規定も含め、投薬関連の細部ルールが整理されています。前回改定(令和6年度)以降の変更点を含め、最新通知での確認をお勧めします。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 院外処方箋を交付しているか確認 — 院内投薬のみの場合は処方箋料ではなく処方料(F100)を確認
- 投薬の種類数・種別を確認 — 内服薬7種類以上、または抗不安薬等3種類以上かどうかで区分が変わる
- 加算の対象要件を確認 — 乳幼児・特定疾患主病・28日以上処方・一般名処方などの該当状況を整理
- 施設基準届出が必要な加算を確認 — 一般名処方加算1・2、抗悪性腫瘍剤処方管理加算は届出の有無を地方厚生局に確認
- 長期処方・30日以上の場合の特例点数を確認 — 200床以上外来は注2の40%換算の要否を確認
- 薬局との関係を確認 — 特別調剤基本料Aを算定する薬局との関係がある場合は注8の特例点数を確認

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
ほかに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
実務でよく見られる取り漏れや確認不足のポイントをまとめておきますね。
取り漏れ・確認不足になりやすいポイント
乳幼児加算の見落とし: 3歳未満の患者に処方箋を交付したとき、乳幼児加算(3点)の算定を忘れがちです。年齢確認を処方時のチェックルーティンに入れましょう
一般名処方加算の施設基準未届出: 後発品への切り替えを進めている場合でも、施設基準の届出がなければ一般名処方加算は算定候補になりません。届出状況の確認が先です
同一診療日の院内・院外混在: 同一日に一部院内、他を院外処方することは原則NG(緊急時例外あり)。レセプトチェックで要注意の箇所です
向精神薬調整連携加算の機会損失: 向精神薬の種類数・量を減少させた患者がいる場合、薬剤師への確認指示で算定候補になる加算です。減薬に取り組んでいるクリニックはチェックしてみてください
よくある質問
みらい(新人医療事務)
処方箋料について、よくある質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
みらい(新人医療事務)
院外処方箋を交付しないと処方箋料は算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。院内投薬(院内処方)のみの場合は、処方箋料ではなく処方料(区分F100)の算定になります。処方箋料はあくまで保険薬局での調剤を前提に院外処方箋を交付したときの点数です。
みらい(新人医療事務)
分割処方(分割指示に係る処方箋)の場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
分割指示に係る処方箋を交付する場合は、保険医療機関及び保険医療養担当規則に定める様式第二号の二を用い、分割の回数は3回までとされています。分割1回ごとに処方箋を交付することになりますが、算定の扱いについては留意事項通知の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
リフィル処方箋を発行した場合の処方箋料はどうですか?
あおい(元・医療事務)
リフィル処方箋(繰り返し使用できる処方箋)を交付した場合でも、交付した処方箋料の算定は通常と同様です。ただし、30日以上の投薬に関する注2の減算(40%換算)については、リフィル処方箋の1回の使用による投与期間が29日以内であれば除外されます。制度の詳細は告示・留意事項通知でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
地域包括診療加算を算定している患者に内服薬7種以上処方したら区分2になりますか?
あおい(元・医療事務)
地域包括診療加算を算定している患者については、内服薬7種以上でも区分2の対象から除かれています(留意事項通知参照)。つまり区分3での算定候補になります。この例外は算定時によく見落とされますので注意してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院の処方箋料の区分や加算が正しいか、チェックしてみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。投薬種類数・加算の要件・届出状況を入力すると、確認すべきポイントが見えてきます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。