在宅自己注射指導管理料(C101)って何?インスリンやエピペンを自分で打っている患者さんがいるとき算定を検討できる管理料
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「在宅自己注射指導管理料」って、インスリン注射をしている糖尿病の患者さんのときに算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、インスリン製剤の自己注射は対象の代表例ですね。正確には、「別に厚生労働大臣が定める注射薬」の自己注射を行っている入院中以外の患者に対して、指導管理を行った場合に算定を検討できる管理料です。令和8年度(2026年度)の告示第69号で区分C101として規定されています。
みらい(新人医療事務)
インスリン以外にも対象になる薬があるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示上は「厚生労働大臣が定める注射薬」と総称されていて、インスリン製剤のほか、エピネフリン(アドレナリン)製剤、GLP-1受容体作動薬、インターフェロン製剤、エリスロポエチン製剤、免疫抑制剤、生物学的製剤など複数が含まれます。どの薬が該当するかは厚生労働省告示の対象薬剤リストで確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
エピペン(アナフィラキシー対応のエピネフリン)を持っている患者さんも対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
エピネフリン製剤(アドレナリン自己注射薬)は対象薬剤に含まれると広く解釈されています。ただし、個別の薬剤が対象かどうかは最終的に公式の対象薬剤リストで確認してください。「算定候補になる」という文脈で関係する患者さんがいれば、指定薬剤リストと照らし合わせることが大切です。
令和8年度の点数区分と算定単位
| 区分 | 条件 | 点数 | 単位 |
|---|---|---|---|
| C101(1) | 複雑な場合 | 1,230点 | 月1回 |
| C101(2イ) | 複雑でない場合 月27回以下 | 650点 | 月1回 |
| C101(2ロ) | 複雑でない場合 月28回以上 | 750点 | 月1回 |
| 情報通信機器使用(複雑) | 施設基準届出が必要 | 1,070点 | 月1回 |
| 情報通信機器使用(月27回以下) | 施設基準届出が必要 | 566点 | 月1回 |
| 情報通信機器使用(月28回以上) | 施設基準届出が必要 | 653点 | 月1回 |

みらい(新人医療事務)
「複雑な場合」と「複雑でない場合」はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
「複雑な場合」は、自己注射の手技そのものが医学的に複雑で、継続的な詳細指導が必要な場合です。インスリンポンプを使った持続皮下インスリン注入療法(CSII)など、管理の難易度が高いケースが代表例とされています。月の注射回数で分かれる「月27回以下(650点)」「月28回以上(750点)」は、主にインスリンなど毎日複数回の注射を行うケースで使われる区分ですね。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を使った場合の点数は、どういうときに使うんですか?
あおい(元・医療事務)
オンライン診療でC101の指導管理を行った場合に算定を検討する区分です。「別に厚生労働大臣が定める施設基準」の届出が必要なので、届出が完了していることを確認してから算定候補になります。令和8年度(2026年度)告示第69号注5に規定があります。
算定要件のポイント
みらい(新人医療事務)
C101を算定するときに確認しないといけないことは何ですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)告示第69号の注1〜注5をもとに整理すると、次のような流れになります。
自院で確認する順番
- 患者が「別に厚生労働大臣が定める注射薬」の自己注射を行っているか確認する
- 入院中でないことを確認する(入院中は算定不可)
- 同一月に「外来腫瘍化学療法診療料(B001-2-12)」または「外来化学療法加算」を算定していないか確認する(算定している月はC101算定不可)
- 月の注射回数を把握し、点数区分を判断する(月27回以下 / 月28回以上 / 複雑の場合)
- 導入初期加算・バイオ後続品導入初期加算の加算要件を確認する

みらい(新人医療事務)
外来腫瘍化学療法診療料と重ならないようにすることが大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注1に「同一月に外来腫瘍化学療法診療料又は外来化学療法加算を算定している患者については当該管理料を算定できない」と明記されています。これが算定不可になる代表的なケースです。
導入初期加算とバイオ後続品導入初期加算
みらい(新人医療事務)
「導入初期加算」って何ですか?
あおい(元・医療事務)
新たに在宅自己注射を始めた患者さんへの指導期間に加算できる点数です。令和8年度(2026年度)告示第69号の注2・注3に規定されています。
| 加算 | 点数 | 期間 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 導入初期加算(注2) | 580点 | 初回指導月から起算して3月を限度 | 新規導入 |
| 導入初期加算(注3・処方変更) | 580点 | 変更した月から1月限度・1回限り | 処方内容変更時 |
| バイオ後続品導入初期加算(注4) | 150点 | 初回処方月から起算して3月を限度 | バイオ後続品を処方 |
みらい(新人医療事務)
導入初期加算は最大3か月間ずっと加算できるんですか?
あおい(元・医療事務)
算定できる期間は「初回の指導を行った日の属する月から起算して3月以内」で、「3月を限度として」加算できます。一方で、処方内容に変更があった場合は注3の規定で「変更した日の属する月から1月を限度として1回に限り」算定が候補になります。処方変更で新しい薬に切り替えたときにも使える可能性があるので、確認してみてください。
届出は必要?施設基準は?
みらい(新人医療事務)
C101本体の算定に届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
基本の在宅自己注射指導管理料(対面診療)については、届出は不要です。施設基準の届出が必要なのは「情報通信機器を用いた場合(オンライン診療)の算定」の場合のみです。診療所・病院いずれも算定候補になります。
届出が必要になるケース(令和8年度)
- 情報通信機器を用いた指導管理の場合のみ、別に定める施設基準の届出が必要
- 対面診療でのC101本体・導入初期加算・バイオ後続品導入初期加算: 届出不要
- 血糖自己測定器加算(C150)は別途算定を検討できるが、加算の要件を別途確認
みらい(新人医療事務)
届出不要なんですね。では在宅療養指導管理料全体の月1回の制限はどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料(第1款)の通則では、「同一患者に対して同月内に在宅療養指導管理を2回以上行っても1回のみ算定」「複数の指導管理を同時に行う場合は主たる指導管理の点数のみ算定」というルールがあります。複数の在宅自己注射(たとえばインスリンとGLP-1受容体作動薬)を行っていても、C101は月1回が算定の上限ですね。令和8年度(2026年度)告示第69号の在宅療養指導管理料通則に記載されています。
生活習慣病管理料との同時算定(併算定)の確認が必要
みらい(新人医療事務)
生活習慣病管理料を算定している糖尿病の患者さんにC101を算定できますか?これが「生活習慣病管理料 在宅自己注射指導管理料 併算定」として検索されている話ですよね。
あおい(元・医療事務)
告示上の規定があるので、注意が必要です。令和8年度(2026年度)告示第69号を確認すると、「糖尿病を主病とする場合にあっては、別に厚生労働大臣が定める薬剤を投与している場合であって、区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料を算定しているときは、算定できない」という規定が生活習慣病管理料(Ⅰ)(B001-3)および生活習慣病管理料(Ⅱ)(B001-3-3)の両方に設けられています。
みらい(新人医療事務)
つまり、糖尿病の患者さんでC101を算定していると、生活習慣病管理料は算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文では「別に厚生労働大臣が定める薬剤を投与している場合であって、C101を算定しているとき」に生活習慣病管理料が算定不可とされています。ただし、告示条文にある「別に厚生労働大臣が定める薬剤」の具体的な範囲については、公式の告示・通知で確認が必要です。インスリン製剤を使用中の患者さんで両方の算定を検討している場合は、この規定に特に注意してください。
生活習慣病管理料とC101の同時算定は確認が必要
令和8年度(2026年度)告示第69号では、糖尿病を主病とする患者で「別に厚生労働大臣が定める薬剤」を投与しC101を算定しているときは、生活習慣病管理料(Ⅰ・Ⅱ)は算定不可と規定されています。 令和8年度(2026年度)の実務では、該当患者ごとに公式通知と審査支払機関の運用を確認してください。
みらい(新人医療事務)
「生活習慣病管理料 在宅自己注射指導管理料 2026」で調べている方は、令和8年度の改定でルールが変わったのか知りたいということでしょうか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示の規定を確認した限りでは、この不算定規定の骨格は引き続き設けられています。「生活習慣病管理料2(B001-3-3)」が整理・維持されていますが、C101との不算定規定の基本的な構造は継続していることが令和8年度告示第69号で確認できます。詳細な変更有無は後述の「改定での変更点」セクションで整理しています。
特定疾患療養管理料との同時算定(併算定)
みらい(新人医療事務)
特定疾患療養管理料(B000)はどうですか?C101と一緒に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
特定疾患療養管理料の注4に重要な規定があります。令和8年度(2026年度)告示第69号B000の注4には「第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った管理の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
それはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
平たく言うと、C101(在宅療養指導管理料の一つ)を算定している月に同じ患者に特定疾患療養管理料を算定しようとしても、その費用はC101の点数の中に含まれると解釈されます。つまり、特定疾患療養管理料を別に算定することは算定できないという整理になります。この点は実務上よく確認が求められる箇所なので、留意事項通知と審査支払機関の解釈を確認することをお勧めします。
特定疾患療養管理料とC101の関係も確認が必要
令和8年度(2026年度)告示第69号B000注4では、C101を算定している患者への特定疾患療養管理料の費用はC101に含まれると規定されています。実務での算定は留意事項通知・審査支払機関で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和6年度から令和8年度にかけて、C101に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)告示第69号の条文を確認した範囲では、以下の点が確認できます。
令和8年度(2026年度)改定でのC101関連確認事項
- 基本点数(複雑1,230点 / 月27回以下650点 / 月28回以上750点): 令和8年度告示第69号で確認
- 導入初期加算(580点)・バイオ後続品導入初期加算(150点): 令和8年度告示第69号で確認
- 情報通信機器使用時の点数(1,070点 / 566点 / 653点): 令和8年度告示第69号注5に明示
- 生活習慣病管理料との不算定規定: 令和8年度告示に引き続き設けられていることを確認
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示第69号の一次情報で確認できた範囲では、前回改定(令和6年度)との比較で点数区分や基本要件に大きな変更は確認されていません(2026年6月・厚労省告示第69号ベース)。ただし、施設基準・留意事項通知・対象薬剤リストの変更有無は告示本文以外の通知・告示の範囲でも確認が必要です。対象薬剤の追加・削除など細部の変更があった場合は別途通知されますので、改定概要や個別改定項目の公式資料で照合してください。
血糖自己測定器加算(C150)との関係
みらい(新人医療事務)
糖尿病でインスリンを使っている患者さんには「血糖自己測定器加算(C150)」もありましたよね?
あおい(元・医療事務)
C150は、C101を算定している患者さんにさらに加算できる仕組みです。「第1款の所定点数に加算する」と告示に規定されています。令和8年度(2026年度)告示第69号C150によれば、月の測定回数に応じて350〜1,490点の加算が候補になります。インスリン製剤を1日1回以上使用する患者(1型糖尿病・膵全摘後を含む)やソマトメジンC製剤使用患者、妊娠糖尿病患者などが対象要件の対象です。
| 区分 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| C150-1 | 月20回以上測定 | 350点 |
| C150-2 | 月30回以上測定 | 465点 |
| C150-3 | 月40回以上測定 | 580点 |
| C150-4 | 月60回以上測定 | 830点 |
| C150-5 | 月90回以上測定 | 1,170点 |
| C150-6 | 月120回以上測定 | 1,490点 |
| C150-7 | 間歇スキャン式持続血糖測定器 | 1,250点 |
みらい(新人医療事務)
これはC101に加えて算定できるということですよね。患者さんの測定回数によって点数が変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。C150は「C101を算定している患者を前提に」加算できる仕組みですので、まずC101が算定できる状況かどうかを確認してから、C150の要件も照らし合わせてください。
自院でC101算定を確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでC101の算定候補になる患者さんがいるとき、どういう順番で確認するといいですか?
あおい(元・医療事務)
実務での確認ステップを整理してみます。
自院で確認する順番
- 患者さんが在宅で「別に厚生労働大臣が定める注射薬」の自己注射を行っているか確認する(対象薬剤リストで照合)
- 入院中でないか確認する(外来・在宅が対象)
- 同一月に「外来腫瘍化学療法診療料」または「外来化学療法加算」が算定されていないか確認する
- 月の注射回数を確認し(複雑 / 月27回以下 / 月28回以上)、点数区分を判断する
- 生活習慣病管理料(Ⅰ・Ⅱ)や特定疾患療養管理料との同時算定の可否を確認する(特に糖尿病主病でC101を算定する場合)
- 新規導入患者の場合は導入初期加算(580点)の算定を検討する
- バイオ後続品を処方する場合はバイオ後続品導入初期加算(150点)の確認も行う
- インスリン使用患者に対しては血糖自己測定器加算(C150)の要件も確認する
- 情報通信機器(オンライン診療)でC101を算定する場合は施設基準の届出状況を確認する
よくある取り漏れと確認ポイント
C101のよくある取り漏れ(令和8年度)
- 月の注射回数を把握していない: 月27回以下と月28回以上で100点差がある。注射回数のカウントと記録が重要
- 導入初期加算の算定忘れ: 新規導入月から最大3か月、処方変更時は1か月が加算候補。見落としがちなので導入月を診療録に記録
- バイオ後続品切り替え時の加算忘れ: バイオ後続品に変更した場合に初回から3か月が加算候補
- 外来腫瘍化学療法診療料との同月算定の見落とし: がん治療と自己注射を並行している患者は特に注意
- 血糖自己測定器加算(C150)の加算漏れ: インスリン使用患者で測定器を使用している場合は確認
みらい(新人医療事務)
取り漏れのポイントを確認しておくと安心ですね。
あおい(元・医療事務)
特に、新規導入患者への導入初期加算は見落とされやすいので、導入開始月を何らかの形で記録しておくといいですね。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
エピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方されている患者さんも、C101の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
エピネフリン(アドレナリン)製剤は「別に厚生労働大臣が定める注射薬」として広く対象とされています。ただし、具体的に「エピペン」ブランドの自己注射薬が対象薬剤リストに含まれているかは、厚生労働大臣が定める注射薬の官報告示で確認してください。アナフィラキシー対応でエピペンを処方している患者さんへの指導を行っている場合は、算定要件に合致するかどうか一度照らし合わせてみることをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
在宅自己注射の指導は、誰がやってもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
算定の主体は保険医療機関(医師の判断と指示のもと)になります。指導の内容や記録の充実度が審査に影響することがありますので、医師による指導の実施を確認・記録することが基本です。
みらい(新人医療事務)
同じ月に複数の在宅自己注射(たとえばインスリンとGLP-1受容体作動薬)をしている患者さんは、C101を2回算定できますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料全般の通則により、「同一患者に対して1月以内に2回以上行っても第1回目に算定」「同一患者に複数の指導管理を行っている場合は主たる指導管理の点数のみ算定」という制限があります。複数の自己注射を行っている場合でも、C101は月1回の算定が上限です。令和8年度(2026年度)告示第69号の在宅療養指導管理料通則に規定されています。
みらい(新人医療事務)
「生活習慣病管理料 在宅自己注射指導管理料 同時算定」は可能なケースはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示上の規定は「糖尿病を主病とし、別に厚生労働大臣が定める薬剤を投与していてC101を算定しているとき」に限った不算定規定です。高血圧や脂質異常症のみを主病とする場合、または条件に当てはまらないケースでは関係しない可能性があります。ただし、個別の患者状況は審査支払機関や自院の算定担当者と確認することをお勧めします。「同時算定」のルールは患者の主病・投与薬剤によって判断が変わるため、一概に「できる」「できない」とは断定できません。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自分のクリニックでC101を算定できる患者さんがどれだけいるか、きちんと確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。患者さんの状況や診療内容を入力すると、算定に関するポイントが整理できます。
関連する加算として、同じ在宅療養指導管理料の在宅小児低血糖症患者指導管理料や在宅妊娠糖尿病患者指導管理料も、対象患者や併算定の考え方を比較する際の参考になります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。