みらい(新人医療事務)
先日、COPDの患者さんから「在宅で酸素を使っているんですが、病院でも管理してもらえますか」と聞かれたんです。これって診療報酬でどう対応すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
在宅で酸素療法を受けている患者さんへの指導管理に対応するのが「在宅酸素療法指導管理料(区分C103)」です。令和8年度(2026年度)時点では、診療所・病院どちらでも届出なしで算定候補になる管理料ですよ。
みらい(新人医療事務)
届出不要なんですね!どんな患者さんが対象ですか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)注1に「在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅酸素療法に関する指導管理を行った場合に算定する」と規定されています。つまり、在宅で酸素療法を実施中の外来患者さんが対象です。
在宅酸素療法指導管理料とは
みらい(新人医療事務)
在宅酸素療法ってどんな患者さんが使っているんでしょう?
あおい(元・医療事務)
代表的なのはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺線維症、肺高血圧症などで在宅での酸素吸入が必要になった方です。もうひとつ「チアノーゼ型先天性心疾患」の方もいて、こちらは点数区分が異なります。
みらい(新人医療事務)
点数が違うんですね。どれくらいの点数になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では2区分です。

| 区分 | 対象 | 点数 |
|---|---|---|
| 在宅酸素療法指導管理料1 | チアノーゼ型先天性心疾患の場合 | 520点 |
| 在宅酸素療法指導管理料2 | その他の場合(COPD・肺線維症等) | 2,400点 |
| 遠隔モニタリング加算(注2) | 「その他の場合」を算定している患者(施設基準・届出要) | 150点×月数(最大2月) |
あおい(元・医療事務)
(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 区分C103)
みらい(新人医療事務)
COPDの患者さんは「その他の場合」で2,400点になるんですね。それに加えて材料加算もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。使用する機器に応じて以下の材料加算を別途算定候補になります(いずれもチアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く)。
| 区分 | 機器 | 点数(3月3回) |
|---|---|---|
| C157 酸素ボンベ加算1 | 携帯用酸素ボンベ | 880点 |
| C157 酸素ボンベ加算2 | 携帯用以外の酸素ボンベ | 3,950点 |
| C158 酸素濃縮装置加算 | 酸素濃縮装置 | 4,000点 |
| C159 液化酸素装置加算1 | 設置型液化酸素装置 | 3,970点 |
| C159 液化酸素装置加算2 | 携帯型液化酸素装置 | 880点 |
| C159-2 呼吸同調式デマンドバルブ加算 | 呼吸同調式デマンドバルブ | 291点 |
みらい(新人医療事務)
これは何回算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
第2款の在宅療養指導管理材料加算は、特に規定する場合を除き「3月に3回に限り」算定候補になります。なお、酸素濃縮装置加算(C158)を算定する場合は、酸素ボンベ加算の2(C157の2)は別途算定できない旨が告示に規定されています。
在宅酸素療法指導管理料の算定要件・施設基準
みらい(新人医療事務)
届出が必要ないって言っていましたが、本当に何も届出しなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
C103の本体の管理料については、告示に施設基準の記載がなく、地方厚生局への届出は不要です。ただし、遠隔モニタリング加算を算定する場合は別途、施設基準への適合と地方厚生局への届出が必要になります。
遠隔モニタリング加算の注意点
遠隔モニタリング加算(150点×月数)は、「在宅酸素療法指導管理料2(その他の場合)」を算定している患者が対象です。前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間に遠隔モニタリングを用いた療養上必要な指導を行った場合に加算します。1月を限度(当該指導を行った月)で最大2月分を加算できます。算定には施設基準への適合と届出が要件です。
みらい(新人医療事務)
算定のタイミングはどうなりますか?月に何回算定できますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料の通則(告示 第1款通則1)では「特に規定する場合を除き、月1回に限り算定」と規定されています。したがってC103も月1回が基本です。ただし、告示(第1款通則4)に「入院中の患者に対して退院時に本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料を算定すべき指導管理を行った場合においては、各区分の規定にかかわらず、当該退院の日に所定点数を算定できる」と規定されており、退院の日にも算定候補になります。この場合、退院した月内に行った指導管理の費用は算定できない旨も規定されています。
月1回の算定タイミング
- 在宅酸素療法の指導管理を行った月に1回算定候補
- 同一月に複数回指導した場合は第1回目のみ算定候補
- 退院時に指導管理を行った場合は退院の日にも算定候補(告示 第1款通則4)。退院した月内に行った指導管理の費用は算定不可
他の管理料との併算定(よく聞かれるポイント)
みらい(新人医療事務)
COPDや高血圧症の患者さんで、生活習慣病管理料(Ⅰ)や特定疾患療養管理料も算定している場合、C103と重ねて算定できるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
重要なポイントですね。告示の規定を確認すると、管理料ごとに内包範囲が異なります。整理するとこうなります。
生活習慣病管理料 在宅酸素療法指導管理料 併算定の考え方
生活習慣病管理料(Ⅰ・Ⅱ)との関係: 告示(区分B001-3、B001-3-3)の注2は、「生活習慣病管理を受けている患者に対して行った第2章第1部医学管理料等…の費用は含まれるものとする」と規定しています。在宅酸素療法指導管理料(C章)は「第2章第1部医学管理等」とは別の章・款のため、文言上は内包対象外となっています。ただし、具体的な算定可否は実際の診療内容・審査支払機関の判断を確認することが必要です。
特定疾患療養管理料 在宅酸素療法指導管理料 の関係
特定疾患療養管理料(B000)との関係: 告示(区分B000)注4に「第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った管理の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする」と規定されています。これはC103(在宅療養指導管理料)が算定されている場合、特定疾患療養管理料の費用はC103に内包されることを意味しています。算定可否は審査支払機関への確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
えっ、C103を算定すると特定疾患療養管理料は算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注4の文言では「指導管理料に含まれるものとする」とあります。つまりC103を算定している患者に対しては、同月の特定疾患療養管理料の費用がC103に内包される扱いになるということです。具体的な運用は審査支払機関への確認が必要ですが、重ねての算定は算定できない可能性があります。
在宅時医学総合管理料(C002)との関係
在宅時医学総合管理料 在宅酸素療法指導管理料 の関係: 在宅療養指導管理料の通則(第1款通則2)に「同一の患者に対して、本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料に規定する在宅療養指導管理のうち2以上の指導管理を行っている場合は、主たる指導管理の所定点数のみにより算定する」と規定されています。在宅時医学総合管理料(C002)は「第1款 在宅療養指導管理料」ではなく在宅医学管理料の区分のため、単純に同一ルールが適用されるわけではありません。ただし、在宅時医学総合管理料(C002)の告示には算定可能な医療機関・対象患者の規定があり、C103との組合せは審査支払機関の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
複雑ですね。結局どう対応すればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
基本的な整理としては、「在宅酸素療法指導管理料(C103)は在宅療養指導管理料の一区分であり、特定疾患療養管理料は同一患者に対してC103に内包される可能性がある」という点は告示から読み取れます。生活習慣病管理料との関係は告示の文言上は別章・別款のため内包対象外とも読めますが、個別の算定可否は審査支払機関で確認するのが安全です。
在宅酸素療法指導管理料 算定要件のまとめ
みらい(新人医療事務)
ここまでの内容をまとめてほしいです!
あおい(元・医療事務)
算定の根拠と要件をまとめます。
自院で確認する順番
- 対象患者の確認: 在宅酸素療法を実施中で、入院中でない患者
- 届出の確認: C103本体(1・2とも)は施設基準なし・届出不要
- 遠隔モニタリング加算の検討: 「その他の場合(C103の2)」を算定する患者に遠隔モニタリングを実施する場合は施設基準適合と届出が必要
- 算定タイミング: 月1回(同一月複数回指導は第1回のみ)
- 材料加算の確認: 酸素ボンベ・酸素濃縮装置・液化酸素装置等の使用機器に応じた加算を確認
- 他管理料との関係確認: 特定疾患療養管理料・生活習慣病管理料・在宅時医学総合管理料との関係は審査支払機関で確認

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
今回(令和8年度)の改定で何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定について、当サイトの収録資料の一次情報(令和8年厚生労働省告示第69号)で確認した範囲では、C103本体の点数区分(520点・2,400点)に変更は確認されていません(2026年6月・厚労省告示第69号ベース)。
令和8年度改定 在宅酸素療法指導管理料の変更点
- C103本体点数: 変更は確認されていません(一次資料確認の範囲)
- 遠隔モニタリング加算(150点×月数): 記載形式に変更は確認されていません
- 材料加算各区分: 変更は確認されていません
なお、改定全体の詳細は厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」(個別改定項目)をご確認ください。点数以外(施設基準・記録様式等)の変更については審査支払機関への確認を推奨します。
みらい(新人医療事務)
基本的には変わっていないんですね。安心しました。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場で取り漏れが起きやすいポイントってどこですか?
あおい(元・医療事務)
よくある取り漏れパターンを3つ紹介します。
よくある取り漏れ
取り漏れ1: 材料加算の計上漏れ: 在宅酸素療法指導管理料本体は算定しているが、患者が使用している酸素ボンベや酸素濃縮装置の材料加算を計上し忘れているケースがあります。使用機器を確認して対応する加算を検討してください。
取り漏れ2: 入院直前・退院時の確認漏れ: 在宅酸素療法を受けていた患者が入院した場合、入院中はC103が算定候補にならない点に注意が必要です。退院時の指導を行った場合は退院日に算定できる可能性があります。
取り漏れ3: 遠隔モニタリング加算の届出確認: 遠隔モニタリングを実施しているにもかかわらず、施設基準の届出が未済のため加算を算定できていないケースがあります。届出状況を確認することをお勧めします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれる質問を教えてください。
あおい(元・医療事務)
現場でよく出る質問をまとめます。
みらい(新人医療事務)
酸素濃縮装置と酸素ボンベを両方使っている患者さんはどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示(区分C158)に「酸素濃縮装置加算を算定する場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない」と規定されています。酸素ボンベ加算の1(携帯用)については除外規定がないため、酸素濃縮装置加算と携帯用酸素ボンベ加算の重複算定可否は審査支払機関への確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
6歳未満の子どもに在宅酸素療法指導管理料を算定する場合は特別な取り扱いがありますか?
あおい(元・医療事務)
6歳未満の乳幼児がC103(またはC107、C107-2)を算定する場合、「乳幼児呼吸管理材料加算」として3月に3回に限り1,500点を加算できます。告示には「6歳未満の乳幼児に対して在宅酸素療法指導管理料(C103)を算定する場合は、乳幼児呼吸管理材料加算として、3月に3回に限り1,500点を所定点数に加算する」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
C103を算定している患者に、同じ月に在宅人工呼吸指導管理料(C107)が必要になった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料の通則(第1款通則2)に「同一の患者に対して2以上の指導管理を行っている場合は、主たる指導管理の所定点数のみにより算定する」という原則があります。ただし、通則3には在宅療養支援診療所等からの紹介を受けた保険医療機関が異なる指導管理を行う場合や、在宅療養後方支援病院が連携する他の保険医療機関と異なる指導管理を行う場合は、それぞれの保険医療機関において算定候補になる旨が規定されています(告示 第1款通則3)。C103とC107の組合せも通則3の例として挙げられています。ただし同一保険医療機関内での重複算定は主たるもののみとなります。詳細は審査支払機関に確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
関連する加算として、同じ在宅療養指導管理料の在宅人工呼吸指導管理料や在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料も、対象患者や併算定の考え方を比較する際の参考になります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。