みらい(新人医療事務)
先生、透析を専門にしているクリニックの事務さんから「在宅血液透析指導管理料って、うちも算定候補になりますか」と聞かれたんです。正直、名前しか知らなくて…。
あおい(元・医療事務)
在宅血液透析指導管理料(区分C102-2)ですね。令和8年度の診療報酬では、在宅で血液透析を行っている患者さんに対して指導管理を行った場合の管理料として位置づけられています。今日は令和8年度の内容を、一次資料に沿って確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします。まず、そもそもどんな加算なんですか。
在宅血液透析指導管理料とはどんな加算ですか
みらい(新人医療事務)
「在宅血液透析」というのは、透析を自宅でやる患者さんのことですよね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の留意事項通知では「在宅血液透析とは、維持血液透析を必要とし、かつ、安定した病状にあるものについて、在宅において実施する血液透析療法をいう」と定義されています。つまり、病状が安定していて、自宅で血液透析を続けられる患者さんが対象になります。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんは対象外なんですか。
あおい(元・医療事務)
はい。告示の本文でも「在宅血液透析を行っている入院中の患者以外の患者に対して在宅血液透析に関する指導管理を行った場合に算定する」と定められています。入院中の患者さんへの指導管理は、この管理料の対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
なるほど、在宅療養指導管理料の仲間なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。第2章 第2部 在宅医療 第2節 在宅療養指導管理料の中の一区分で、C102(在宅自己腹膜灌流指導管理料)と並ぶ透析関連の指導管理料になります。
点数はいくらですか(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数もちゃんと確認しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示(診療報酬の算定方法の一部を改正する件・令和8年厚生労働省告示第69号)では、基本の点数は月1回10,000点です。加えて、条件を満たす場合に加算される点数があります。表にまとめますね。
| 項目 | 点数 | 算定条件 |
|---|---|---|
| 在宅血液透析指導管理料(基本) | 10,000点 | 特に規定する場合を除き月1回を限度 |
| 頻回の指導管理(2回目以降) | 2,000点 | 最初に算定した日から起算して2か月以内・同一月内2回を限度 |
| 遠隔モニタリング加算 | 115点 | 月1回を限度として所定点数に加算 |

みらい(新人医療事務)
「月1回を限度」というのは、この加算だけのルールなんですか。
あおい(元・医療事務)
いえ、在宅療養指導管理料(第1款)全体の通則です。告示の通則には「本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料は、特に規定する場合を除き、月1回に限り算定し、同一の患者に対して1月以内に指導管理を2回以上行った場合においては、第1回の指導管理を行ったときに算定する」とあります。在宅血液透析指導管理料もこの通則の対象です。
みらい(新人医療事務)
「頻回の指導管理」というのが例外なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。次の項目で詳しく見ていきましょう。
対象になるのはどんな患者ですか
みらい(新人医療事務)
頻回に指導管理が必要な患者さんって、具体的にどんな方なんでしょう。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、頻回に指導管理を行う必要がある場合として、次の3つが挙げられています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| ア | 在宅血液透析の導入期にあるもの |
| イ | 合併症の管理が必要なもの |
| ウ | その他医師が特に必要と認めるもの |
みらい(新人医療事務)
「導入期」っていうのは、初めて在宅血液透析をする患者さんという理解でいいですか。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「導入時に頻回の指導を行う必要がある場合とは、当該患者が初めて在宅血液透析を行う場合であり、保険医療機関の変更によるものは含まれない」とされています。つまり、他院からの転院で在宅血液透析を引き継いだだけでは「導入期」には当たらない、という点に注意が必要です。
頻回指導管理の点数計算に注意
2,000点が算定できるのは「最初に算定した日から起算して2月までの間」の「同一月内の2回目以降」に限られます。3か月目以降や、同一月内の1回目には2,000点は算定できません。実際の算定可否は自院のカルテ・請求データで確認が必要です。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この管理料、届出はいるんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
告示の注1には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において…算定する」と明記されています。つまり、施設基準に適合していることを前提に、地方厚生局への届出を行っている保険医療機関で算定候補になる、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
具体的にはどんな体制が必要なんですか。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、日本透析医会が作成した「在宅血液透析管理マニュアル」に基づいて、患者さんとご家族などの介助者が医療機関で十分な教育を受け、文書で在宅血液透析に係る説明と同意を受けたうえで実施すること、また同マニュアルに基づいて指導管理を行うことが求められています。
届出前に確認したいポイント
届出の具体的な要件(研修の内容や必要書類など)は、地方厚生局が公開している施設基準の届出様式・記載要領で確認するのが確実です。当サイトが収集している一次資料の範囲では、詳細な人員配置数までは確認できていないため、届出済みかどうかは自院の届出台帳・地方厚生局への確認をおすすめします。
遠隔モニタリング加算とは
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた「遠隔モニタリング加算」、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
告示の注3に「注1に規定する患者であって継続的に遠隔モニタリングを実施したものに対して当該指導管理を行った場合は、遠隔モニタリング加算として、月1回に限り115点を所定点数に加算する」とあります。加算するための実施要件も留意事項通知で示されています。
| 実施要件 | 内容 |
|---|---|
| ア | 除水量、透析前体重、透析後体重、血圧、脈拍等の状態について継続的なモニタリングを行うこと |
| イ | モニタリングの状況に応じて、適宜患者に来院を促す等の対応を行うこと |
| ウ | 当該加算を算定する月にあっては、モニタリングにより得られた所見等及び行った指導管理の内容を診療録に記載すること |
| エ | モニタリングの実施に当たっては、厚生労働省の定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に対応すること |
みらい(新人医療事務)
記録と情報セキュリティの両方が条件になっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。遠隔モニタリングの体制があっても、診療録への記載やガイドライン対応が伴っていないと、加算の算定候補にはならない可能性があります。運用ルールと記録のどちらも満たしているか、あわせて確認しておきたいところです。
他の管理料との併算定はどうなりますか
みらい(新人医療事務)
透析といえば、人工腎臓や外来の管理料もありますよね。一緒に算定できるんですか。
あおい(元・医療事務)
主な関係を表にまとめますね。
| 項目 | 関係 |
|---|---|
| J038 人工腎臓 | 在宅血液透析指導管理料を算定している患者は、週1回を限度として算定できる |
| J038 人工腎臓(同一月内に算定する場合) | 頻回の指導管理の2回目以降の費用(2,000点)は算定しない |
| 慢性維持透析患者外来医学管理料 | 在宅血液透析指導管理料とは別に算定できる |
みらい(新人医療事務)
人工腎臓との関係が少しややこしいですね。
あおい(元・医療事務)
はい。頻回の指導管理を算定していても、同一月内にJ038人工腎臓を算定した場合は、2回目以降の2,000点は算定しない、というルールがあります。請求時にダブルカウントしないよう注意が必要です。
あおい(元・医療事務)
なお、疑義解釈資料(その32・令和4年度)では、C102-2を含む一連の在宅療養指導管理料について、院外処方の場合は薬剤の総点数・薬剤名・支給量等を診療報酬明細書の摘要欄に記載する必要はない、と示されています。院内・院外どちらの処方かによって摘要欄の記載範囲が変わる点も、あわせて確認しておくとよいでしょう。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定(令和6年度)から何か変わったところはあるんですか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、令和6年度(2024年度)改定からの在宅血液透析指導管理料に関する変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月)。基本点数10,000点、頻回の指導管理2,000点、遠隔モニタリング加算115点という令和8年度の内容は、令和6年度改定時点の枠組みを踏襲したものとして一次資料に記載されています。
改定差分は継続確認が必要です
改定の詳細は今後も正式な告示・通知・疑義解釈で更新される可能性があります。「変更なし」という記載は、当サイトが確認できた一次資料の範囲での状況であり、最新の官報・厚生労働省発表を継続してご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
情報が多いので、確認する順番を整理してもらえますか。
あおい(元・医療事務)
自院で確認する順番はこの通りです。
自院で確認する順番
- 対象患者か確認する: 維持血液透析が必要で病状が安定しており、在宅で血液透析を行っている入院中以外の患者か
- 施設基準の届出状況を確認する: 地方厚生局への届出が済んでいるか、届出内容が現状と合っているか
- 教育・同意の記録を確認する: 「在宅血液透析管理マニュアル」に基づく患者・介助者への教育と、文書による説明・同意の記録があるか
- 遠隔モニタリング加算の対象かを確認する: 継続的なモニタリング・来院対応・診療録記載・情報セキュリティ対応の4条件を満たしているか
- 併算定の整理をする: J038人工腎臓や慢性維持透析患者外来医学管理料との算定関係を請求データで確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントも教えてください。
頻回指導管理の期間切れに注意
頻回の指導管理2,000点は「最初に算定した日から起算して2月まで」の期間限定です。導入から時間が経ってから2,000点を算定していないか、算定履歴を月単位で確認しておくと安心です。
遠隔モニタリングの記録漏れに注意
遠隔モニタリング加算は、モニタリング体制があるだけでなく、診療録への所見・指導管理内容の記載が条件になっています。体制はあるのに記録が残っていない、というケースは算定候補から外れる可能性があるため、記録ルールの運用を確認しておきましょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか。
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
在宅血液透析指導管理料は、届出をしていないクリニックでは算定できないんですか。
あおい(元・医療事務)
告示の注1で「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において…算定するものとし」と定められているため、届出をしていない場合は算定候補にならない可能性があります。届出状況は自院の届出台帳で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
頻回の指導管理は、何回でも2,000点を算定できるんですか。
あおい(元・医療事務)
いいえ。最初に算定した日から起算して2か月までの間、同一月内の2回目以降1回につき2,000点を、月2回を限度に算定する仕組みです。期間と回数の両方に制限がある点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
遠隔モニタリング加算だけを単独で算定することはできますか。
あおい(元・医療事務)
告示の注3では「注1に規定する患者であって継続的に遠隔モニタリングを実施したものに対して当該指導管理を行った場合」に加算する、とされています。在宅血液透析指導管理料本体の算定が前提になっているため、単独での算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)と比べて点数は変わりましたか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、令和6年度(2024年度)改定からの点数・要件の変更は確認されていません。最終的な確認は自院で最新の官報・告示をご参照ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。